2018年01月31日

第15回取材旅行 その8

朝のバスターミナルは、
呼子の掛け声と鳴り響くクラクションで大変な喧噪です。
マンジーニまでの復路は大型バスに乗りました。
このシステムは日本にないもので、
出車の定時はなく、満員になり次第出発するというもの。
なのでお客さんが集まらなければエンドレスで待たされますから、
急いでいる時には使えません。
幸い混んでいる時間だったせいか、
僕らが座って10分もしないうちに出発となりました。

車内は当然満席。
そこへ最後に年配の女性と男性が覚束ない足取りで乗って来ました。
すると若い男性がさっと立ち上がって席を譲るところは、
万国共通でしょうか。
彼の凛々しい横顔が印象的でした。
途中、マツァパあたりから途中下車する人が続き、
僕らと同じ終点のマンジーニバスターミナルまで来たのは、
概ね半分くらいだったかな?

降りた場所は自宅なのか職場なのか分かりませんが、
それぞれに一幕限りのドラマがある。
それを想像するのも旅の楽しみの一つなんですよ。

さぁ、明日はいよいよこの旅最大の難関、
陸路でスワジランド、モザンビーク間の国境を越えます。
その前に、
皆さまお待ちかねのビジュアルダイジェストレポートにしましょうか。

za_airplane02.jpg

ああ〜、ケープタウンは遠し!
フライトタイムを合計しただけで22時間を超えるのですから、
こうしてフライトナビゲーションでケープタウンが近付いてきた時には、
心もお尻もホッとしました。

za_tablemountain.jpg

まず僕たちを迎えてくれたのはケープタウンの象徴、テーブルマウンテン。
標高は丁度1000メートルくらいあります。
頂上付近はよく強風が吹き、
今日のようにテーブルクロス状の雲がかかるんですよ。

za_longstreet.jpg

ホテルやレストランが集まるロングストリート。
2年振りのこの街はほとんど変わっていませんでしたけど、
よく見るとぼちぼちお店の入れ替わりが・・・
あれ?
行こうと思っていた民族音楽専門のCDショップが潰れちゃってる!

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マレー系の人が住み、モスクまであるボカープ地区も健在。
このエリアで食べられる『ケープマレー料理』は美味しいですよ。

za_savewater.jpg

空港やレストランに入って目を引いたのがこれ。
昨秋から続く干ばつで西ケープ地方の水がめは干上がる寸前です。
旅人にとって晴天はありがたいものですけど、
早くまとまった雨が降ってほしいですね。

za_hotel02.jpg

僕たちが泊ったのはこんな宿。
新しいやや高級なバックパッカーズです。
2年前に来た時はありませんでした。

za_hotel01.jpg

広い部屋でしょう?
ドミトリーの他にこんな個室もあり、居心地はとても良かったです。

za_bigissue.jpg

ロングストリートを歩いていて出会ったビッグイシューの販売者さん。
(詳しくはこちらを → ビックリシュー?)
僕たちは日本国内だけではなく、海外でもこうして出会うと買っています。
ナイスガイの彼はエチオピア人でした。
がんばってね!

za_cityhall.jpg

変わらないと言えば治安の悪さも相変わらず。
歴史的な建造物が多いケープタウン駅周辺は、
日中でも単独でうろつくにはリスキーな場所です。

za_security.jpg

そんな訳でしばしば目にするこの警備会社の表示。
直訳すると『武装して反応します』ですが、
分かりやすく言うと『入ったら撃ちます』という意味。
ジョークではありません。

za_night.jpg

夜の街もきれいなのですが、
17時になるとお店やカフェがどんどん閉まり始め、
街の雰囲気が一変します。
特にバスターミナルや駅周辺は危険ですね。
こうしたシビアな事情から、
僕たちは夜でも比較的安全が確保されているエリアで、
宿を押さえたのですよ。
そうしないと取材が出来ませんからね。

za_periperichicken02.jpg

そんなハードルを乗り越えつつ、しっかり仕事を始めました。
まずはこれでしょ! 昨夏にご紹介したペリペリチキン。
場所によって微妙にレシピが違います。
ん〜、美味しい!

za_periperichicken.jpg

驚いたのはアフリカカフェで見つけたこのバージョン。
なんと2016年のマカオで食べたアフリカチキンにそっくり。
マカオバージョンはオリジナルを知らない中華系のコックさんが、
イメージだけで作ったのかしらん? と思っていたのですが、
あながちそうとも言い切れなくなりましたね。
それとも逆輸入バージョンか? ディープだなぁ。

za_seafood.jpg

ケープタウンは良い漁場に恵まれているので、
シーフードを選んでハズレることはまずありません。
これはエビやムール貝、イカが盛り合されたシーフードプラッター。
美味しい新鮮な魚介類がお手頃価格で楽しめます。

za_bokaap.jpg

アフリカだけではなく、ヨーロッパやアジア、
アラブの文化まで混じり合う料理を味わいたいのであれば、
ボカープ地区を訪れるべきでしょう。
左上がスパイシーラザニアともいえるボボティ、
右上はフルーツの甘みとスパイスが調和したラムシチューのブレディ。
右下はココナツミルクを使ってクリーミーなチキンカレーです。

za_malva.jpg

そして忘れちゃいけないマルヴァプディング!
アプリコットジャムとバタークリームソースの濃厚な味わい。
これ、ととら亭でも何度か出していますが、
一度食べたら忘れられない味ですよね。

za_houtbay.jpg

さて、南アを再訪したミッションのスタートです。
アフリカ大陸の最南西端へ行きましょう!
まずは海が美しいハウト湾へ。

za_seals.jpg

ここにはアザラシが群生するドイカ―島があります。
人間に慣れている訳ではありませんが怖がりもしないので、
好奇心旺盛な彼らはハウト湾の遊覧船乗り場まで出張してくることも。
愛嬌もの揃いでカワイイ! けどコロニーはちょっとけものクサイ!

za_penguins.jpg

そしてサイモンズタウンのボルダーズビーチでは、
野生のケープペンギンをまじかで見ることが出来ます。
中には卵を抱えて子育て中のペンギンがいました。

za_capegoodhope01.jpg

このルートは個人で行くには難しく、僕たちはデイツアーに参加しました。
安全に効率よく回れるだけではなく、
こうして珍しい植物が生い茂る原野を自転車で走れたり、
他の旅人たちと知り合えるのも良かったですね。
日向ぼっこしながら食べる美味しいランチ付きです。

za_lighthouse.jpg

ルックアウトポイントまで登ると1919年まで使われていた灯台があります。
ここからは半島の最南端ケープポイントが見えました。
さ〜、行くぜ! 喜望峰はもうすぐそこだ!

za_baboon.jpg

と安心してはいけません。
この自然保護区にはさまざまな動物たちが生息しており、
中にはご覧のバブーンのように思わぬいたずらをするものもいます。
ガイドさん曰く、人間の食べ物を知った連中は、
バックパックなどをかっさらって逃げることがあり、
中に食べ物だけではなく、
財布やパスポートが入っていて大騒ぎになったことがあったとか。

za_bird.jpg

その他にもダチョウがのんびり餌を食べていました。
遠く目には可愛いのですけど、
そばに来ると結構大きいので手を出したりするのは禁物です。

za_sea.jpg

そう、やっと来ました2年越しの喜望峰!
あの水平線の向こうは南極なんですよね。
ん〜・・・感無量の僕たちでした。

za_township03.jpg

で、お終いではなく、実はもうひとつミッションがあったのですよ。
これまた自力で行くのが難しい場所。
それはタウンシップです。
何度かお話したことがありますけど、
ケープタウン空港に着いてバスで市内に移動すると、
すぐ広大なスラムが道路の両側に見えてきます。
これはケープタウンでは最大、
南アフリカでもソウェトに次ぐ規模で広がる、
ニャンガというタウンシップです。
このタウンシップというのは、
アパルトヘイトの一環で人種ごとに強制的移住させられた居住区のこと。
写真はランガという最も古いタウンシップの初期からある建物です。
この小さな建物のワンフロアに16人の黒人が共同生活を送っていました。
内部は4人で使う4つの小さな寝室の他に共同のキッチンがあるだけ。
現在でもほぼ同じように使われています。

za_township01.jpg

今では新しい建物も建てられているとはいえ、
周縁から流入する人口をまかないきれず、
こうした違法のバラックが広がっています。
ここではガスや水道はありませんから下水もご覧の通り垂れ流し。
腐臭が鼻を突き、衛生環境は劣悪です。

za_township02.jpg

それでも中には学校や教会もあり、
今でもタウンシップで生まれ、ここで育ち、
そしてここに住みながら通勤している人々が沢山います。
スラムと云うと怖いイメージを抱く方も少なくないと思いますが、
(実際ニャンガは少々危険ですけど・・・)
犯罪者ばかりが住んでいるのではありません。
ほら、おなじ人間なんですよ。

za_shevern.jpg

僕らはここでシェビーンと呼ばれるバラックの居酒屋に入り、
『自家製ビール』に挑戦しました。
写真からは見えませんがバケツの中身はブクブクと泡をふいた、
白い液体がなみなみと入っており、その泡をふ〜っとどけて回し飲みします。
僕の表情を読み取ったガイドさんは「毒ではありませんよ!」。
で、恐る恐る飲んでみると・・・
味は酸味があって少々甘く、独特なかび臭い香りがします。
アルコール度数は3パーセント程度とか。
日米仏3国連合の参加者の中でふたくち飲んだ人はいませんでした。
でも、ローカルのお客さんはとろんとした目つきで「おいし〜!」。

za_airplane01.jpg

そんなこんなで密度の濃いケープタウン滞在も最終日。
僕たちは飛行機を乗り継いで2つ目の渡航国、
スワジランドへ向かったのでした。

えーじ
posted by ととら at 05:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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