2018年02月19日

新しい扉の向こうへ

未知の世界とは、
まだ開けたことのない扉の向こうにあるもの。

ある人たちにとっては、
ここ、ととら亭の扉もそのひとつ。

この1週間、
初めてととら亭に来たという若いお客さまが続きました。
それも皆さんおひとりで。

「いらっしゃいませ」

僕に迎えられた彼、彼女は、明らかに緊張しています。
それはそうでしょう。
年齢からすると、まだ洋食系飲食店といえば、
ファーストフードかファミレスの世代。
当然、こんなオヤジが出てくるわけがない。
おまけに店内はちょっと薄暗くジャズが流れ。
大人のムードじゃありませんか。

「コートをお預かりしましょう」

なんて言われると、
もうどうしていいか分からないんですよね。
どぎまぎ感がこちらまで伝わって来ます。

で、ようやく席についてもメニューを見ると、
そこには食べ慣れた『なんちゃらセット』がひとつもなく。
代わりに舌を噛みそうな名前の外国の料理が、
アラカルトで並んでいるじゃないですか。

パントリーから眺めていると、
メニューを見ている彼、彼女たちは、
さながら試験の答案用紙と睨めっこでもしているよう。

僕はここで話しかけます。
そう、レッスン1
『メニューをウェイターと相談しながら決める』です。

自分の好みを伝え、料理と飲み物の質問をし、注文する。
レストランならではの楽しみがここから始まります。

「お待たせしました」

そして料理が運ばれてきた時、
彼、彼女たちはようやく笑顔を浮かべるのですよね。

この瞬間に僕を見る人はいません。
皆さん例外なく目の前に置かれた料理に釘づけ。
しかし、僕はそうしたお客さまの表情を見ているのです。
なぜならそこには素顔のその人がいるから。
美味しそうだと感じたのであれば、
美味しそうだという表情を浮かべますから。

料理が1/3くらいまで食べ進んだところで、

「お楽しみ頂いていますか?」

僕はもう一度声をかけます。
この時にはもう入店した時の緊張感はまったくありません。
どことなく、
勇気を出して入ったことの達成感を味わっているようにも見えます。

ようこそ、新しい扉の向こうへ。

これもひとつの小さな旅なんですよ。

えーじ
posted by ととら at 01:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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