2018年04月18日

Dance with the Fate.

受験の不合格、
落ち続けた仕事の面接、
失恋、
泥沼の離婚調停、
不本意な降格、
40歳過ぎてのリストラ、
事業の失敗と破産、
自分や大切な人の大病。
そして、かけがえのない人との死別。


人生のリングでは、
そのひとつだけでも僕たちを打ちのめすのに十分な苦難があります。

これらは僕らの事情を鑑みることもなく、
思わぬ時に突然やって来る。

しかもひとつずつ順番に起こるとは限りません。

時には呪われたように連続して起こったり、
同時に複数が降りかかってくることだってあるでしょう。

そんな時、神さまに会えるなら、
「あんた、やり過ぎなんだよ!」
とひとこと言ってやりたくなりますが、
彼からお詫びの電話やメールが来たためしはなし。
僕たちはそのまま一人で究極的なリングに上がるしかありません。

不器用な男がここにも一人。

彼もまた、過酷なリングのロープを一人でくぐりました。
試合が始まったと思ったら、
不慣れな戦いに初回からダウンを奪われ、
3ラウンドが始まる頃にはすでにボロボロ。

その後も試合は進めているものの、
TKO寸前のところをゴングに救われるばかりでは、
誰が見ても敗戦はあきらかです。

しかし、彼は止めないんですよ。

無様にマット横たわっても9カウントギリギリで立ち上がり、
『運命』という非情な対戦者に向かってクラウチングスタイルをとる。

何のために戦っているのか?
その目的すら失ってしまったというのに、
それでも立ち上がる。
最後に残った、自分のための『何か』のために。

最終ラウンド。
狙いに狙ったカウンターが対戦者の顎をヒット!
『運命』はバランスを崩して片膝をつきました。
そこからはガードを捨てた壮絶な打ち合いに。

試合終了のゴングまであと10秒。
そこで僕は奇妙な変化に気付きました。
怒りや悲しみ、
後悔というネガティブなエネルギーを糧に戦っていた彼の険しい表情が、
心なしか穏やかになっているのを。
そしてその動きはいつしか攻撃性を失い、
どこかダンスをしているように見えてきたのです。

そう、『運命』というパートナーを相手に。

そして試合終了のゴングが鳴りました。
予想通り、彼は判定で負けました。

でも右腕を上げた『運命』の隣で、
彼は晴れやかな笑顔を浮かべていたのです。

そう、勝利ではなく、
彼はこのために立ち上がり続けたのかもしれません。

Dance with the Fate.

お疲れさま。
Brother.
いい試合でしたよ。

えーじ
posted by ととら at 10:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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