2018年05月11日

大きくなったね

ととら亭を始めて8年余が過ぎました。
その年月は僕たちの仕事の変遷であると同時に、
お客さまたちの家族の歴史でもあります。

とりわけ開業年に小学生くらいのお子さんを連れて来られたご家族では、
今やあの可愛らしかった子供たちが間もなく成人ではないですか。

大きくなったね。

そう思うことが時々あります。

でもそれは身体的な意味ではありません。

ある日のディナータイムのこと。
4人掛けのテーブルで僕がサーブしていた時、
奥に座っていた高校生の少年が、
僕の手が届かない所にある食器をさっと僕に渡して来たのです。
誰に言われるのでもなく。

僕は彼が小学生の頃から知っていました。
実は彼がそうした行動をとったのはこれが初めてです。

僕はその時、彼の視線の変化にも気付きました。
それまでは自分のスマートフォンや本、
料理など個人的な興味の対象に没頭しがちだったのが、
周囲の人々に意識を向け、気を配るようになったのです。

他者の立場を鑑み、慮ること。
すなわち利他的な行動は身体的な成長や学力レベルなどより、
人間としての成長の度合いを現すものだと僕は考えています。

彼はまだ率先して壁際の席に飛び込んでしまいますが、
やがて遠からず、お母さんとお父さんを先に壁際の席に案内し、
自分は通路側の席に座る日が来るでしょう。

身体的な力だけではなく、
他者より秀でたものはすべからく、
それを持たない者のためにある。

彼もまた自分自身の旅の中で、
それを学び始めたのでしょうね。

えーじ
posted by ととら at 12:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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