2018年07月27日

第16回取材旅行 その14

北欧に行く前は何人かのお客さまから、
「夏でも寒いよ〜!」と衣類のアドバイスを頂いていたのですが、
いざ着いてみると汗ばむ日が珍しくありませんでした。

それはこの世界的な北半球の酷暑の前兆だったのかもしれませんね。
今月17日、ノルウェーの北極圏でも、
最高気温が33.5度を記録したそうですから。

酷暑の夏と厳冬。
干ばつと洪水。
『温暖化』というより『極端化』や『過激化』という言葉が妥当な気象変動は、
僕たちが訪れた地域に限っても、耳目に新しいものではありません。

国が違ってもこの星で他人ごとはないんだな・・・
そんなことを考えながらヘルシンキの写真の仕込みをやっていました。

それでは遠くて近い国、
フィンランド編の後半を行ってみましょうか。

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トゥルクを出発して20分もすると車窓を流れる風景はこんな長閑なものに。
あの黄色い花は菜の花でしょうか?
去年の同じ時期にバルト3国を旅していた時も、
同じような景色が続いていました。
外国人が日本を訪れて驚くことの一つがこの逆だといいます。
たとえば成田空港から都心にアクセスした場合、
電車が走り始めてからずっと市街地ばかりが続いているでしょう?
僕たちにとっては見慣れた光景ですが、
ああいうのは世界的に見てあまりないそうですよ。

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約2時間で僕たちは最後の目的地、ヘルシンキに到着。
フィンランドはペットの考え方が日本と異なり、
ケージに入れなくても電車やフェリーに乗れます。
この列車は2階建てで1階部分はペットも同伴OK。
みんな仲良くいい子にしていました。

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ヘルシンキ駅は売店やカフェが充実しており、
2時間程度の待ち時間ならまったく苦になりません。
でも待合室というか、ベンチがほとんどないんですよね。
そこが不便かな?

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これは後日撮った雨に濡れるヘルシンキ駅。
地下鉄の駅が連結しバスターミナルも隣接しているので、
交通の便はとてもいいです。

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僕たちの最後の宿はここ。
駅から徒歩5分ほどの場所にあるちょっと古めかしいホテル。
部屋代はフィンランド相場で安い方ですけど、
ととら亭の通常の予算枠では少々オーバー。
朝食付きのダブルルームで1泊約11,600円(2人分)也。
個人というより団体客が多かったかな?

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部屋は簡素ですが機能的で使いやすかったです。
シャワーブースの重いガラス戸が壊れていましたけど、
フレンドリーなフロントスタッフに話したらすぐ修理してくれました。
ここのビュッフェ式朝食は評判がいいですね。
どれにしようかな? と迷っていると、
スタッフの女性から流暢な日本語で話しかけられてびっくり。
訊けば彼女は日本人とインドネシア人のハーフで、
日本に住んでいたこともあるとのこと。
時間があったらもう少し話を聞きたかったです。
テレマカシー!

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ヘルシンキも美しい街ですね。
ヨーロッパの時間感覚だとこの街の歴史はそれほど長くないのですが、
建物の寿命が短い日本に比べれば、時の重みが感じられます。

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ここでも庶民の足の一つがトラム。
かつて市電が走っていた横浜の本牧で育った僕は、
どこか懐かしさを覚えました。
特に古めかしい車両が好きですね。

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ヨーロッパの街の美しさは古い石造建築だけではなく、
色の少なさにも求められると思います。
ま、趣味の問題ですけど、
秋葉原、歌舞伎町タイプの色と光の氾濫には、
ちょいと疲れてしまう僕なのです。

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駅前の目抜き通りには百貨店の他、
カフェやレストランが軒を並べています。
どの店も趣向を凝らしたファサードを持っていますので、
通りそのものがひとつの美術館のよう。

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北欧と言えばお洒落で機能的なデザインでも知られていますね。
ウインドウデザインを見て歩くだけでも半日以上は楽しめますよ。
ほら、面白いでしょう?

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ヘルシンキは港町でもあり、駅から南に1キロも歩けばすぐ海に出ます。
ここからはストックホルムや、
フィンランド湾をはさんでの対岸に位置する、
エストニアのタリンまでフェリーが出ています。
そう言えば去年の今ごろのは反対側から、
この海を見ていました。
ヘルシンキ、タリン間は高速船でたった2時間の距離です。

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岸壁には観光市が立ち、飲食店では美味しいシーフードが楽しめます。

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僕たちは欲張って盛り合わせをオーダーしました。
からっと揚がったイワシのフリッター、サーモンのグリル、
コクのあるフィスクズッペ、黒パンも忘れずに。
北欧で食に迷ったら、
こうしたシーフードをオーダーすればまずハズれません。
美味しいですよ〜。
しかしここで困ったのはグレた海鳥たち。
このご馳走を狙って急降下突撃してきます。
でも原因を作ったのは人間なんですよね。
観光地に限らず、野生動物にエサを与えるのは止めましょう。

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港には市場も隣接しています。
どうです? この美味しそうな燻製品の数々。

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これが食べられる飲食店も並んでいますから、
ここで一食摂るのも一興ですね。

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ニシンのマリネはフィンランドでも定番。
甘味が苦手と云う人もいますけど僕らは好みですね。
右側のアルミフォイルにくるまれているのはカルクッコ。
ライ麦の生地で肉や魚のこま切れを包み、
オーブンでじっくり焼いた料理です。
これを食べさせる店を見つけられなかったのは残念!

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ヘルシンキはオスロ、ストックホルムとはまた違った趣があります。
歩いているだけで本当に楽しい。
ここでも自分だけのとっておきの場所が見つけられますよ。

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ふらっと訪れた蚤の市で掘り出し物がないか物色。
ここはプロのアンティークショップの出店ではなく、
一般の人が集まったところ。
並んでいる雑多な『商品』を眺めていると、
別の角度から市井の生活が感じられます。

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観光スポットを離れても面白いですよ。
ほら、建物そのものが美術品じゃないですか?

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歩き疲れてもこんなブロンズ像のある公園が散在していて、
休憩場所には困りません。

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フィンランドはインターネットが普及した今でも読書の盛んな国。
日本では激減している街の書店も健在です。
そして嬉しいことに日本通でもあるのですね。
日本への注目は今に始まったことではなく、
ロシア統治時代にかの強国を小さな島国の日本が破ったことから、
強い関心が持たれていたそうです。
そして今は文化面に興味がシフトし、
こうした日本語の本を専門に扱う書店までありました。

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こうした広場ではストリートパフォーマーや、
スキルの高いミュージシャンが演奏しています。
クレジットカードが普及して小銭を持たなくなったので、
空き缶の中がちょっと寂しい。

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フィンランドの料理も他の北欧の国々と多くを共有していますが、
独自色の強いものと言えば北東部のカレリア地方のもの。
このカレリアパイは薄いライ麦の生地で硬めのポリッジを包んで焼いたもの。
これにマッシュした茹で卵を乗せて頂きます。
質素な農民の食べ物です。

fi_kareriastew.jpg

ポーランドのビゴスとも共通点を持つ猟師鍋風のカレリアシチュー。
ポークやビーフ、ジビエなどの残り物のこま切れ肉をじっくり煮込み、
ピクルスとミートボール同様リンゴベリーのコンポートを添えます。
このシンプルさがある意味北欧を感じさせますね。
厳しい北国の歴史が一皿の料理に詰まっています。

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こうした文化を共有しているエリアを旅する時は、
同じ料理を比較するのも楽しいですよ。
よく味わってみればこのフィスクズッペもノルウェー、
スウェーデン、そしてここフィンランドで微妙に違っていました。
ヘルシンキタイプが一番あっさりしていると思います。
主菜を別にオーダーする時はこっちの方はいいかも。

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今回の旅で驚いたことのひとつが北欧におけるタイ料理レストランの多さ。
北ヨーロッパの人は遺伝子レベルでカプサイシンに対する耐性が低く、
辛みだけではなく香りの強い食べ物は好まない、
と考えていたのですが、どうやらこの説は修正が必要なようです。
事実はご覧のとおり。
中華料理店より、圧倒的にこうしたタイ料理店が多いのですよ。
しかもどこもローカルで混んでいる!
僕らも入って食べてみたら辛さは加減していませんでした。
でもナンプラーは控えめかな?
多分、発酵調味料独特の香りの方が辛みより苦手なのかも。
スタッフに訊いてみると、ヘルシンキ、バンコク間は直行便が飛んでおり、
若者を中心とした交流が盛んになったことから、
タイ料理屋も増えたのではないか、とのこと。
なるほど〜・・・。

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こうしてちゃんと料理の取材を続けていたのですけど、
結局こうなっちゃうんですよね。
この熱意とパワーを取材にも向けてくれるといいのですが・・・

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さて、そろそろ僕らも帰り支度です。
ヘルシンキ駅は地下で地下鉄の駅や商業施設と連結しており、
電車待ちの僕らにはとても便利でした。
ここのカフェから現地最後のブログをアップしたのですよ。

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いまではヘルシンキ駅からヴァンター国際空港まで鉄道が繋がっています。
所要時間もたった30分。新しい車両で席も広く快適です。

fi_airport.jpg

さぁ、18日間におよんだこの旅も終わり。
ここから灼熱のドーハに飛びます。
その先には同じくらいの酷暑の東京か・・・
肉体的、心理的ギャップが今回はことのほか大きそうです。
そのメンタル面は総集編として次回お話しますね。

えーじ
posted by ととら at 14:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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