2018年08月05日

入院日記パート2 その2

すみません。
引き続きご不便をおかけしております。

今日のディナーから現場復帰しようと思っていましたが、
まだ体の動きが老朽化したC3-POのような状態なので、
もう1日自宅で静養することになりました。

明日はランチから出る予定ですから、
なんとかもう少し動けるようになっているといいのですが。

それではお話の続きです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「もしもし? 救急です! こちらは中野区野方5丁目31の7。
 主人が椎間板ヘルニアで動けないんです!」

僕はともこの声を聞きながら腕時計に目をやりました。
時刻は7時40分。

電話を切って3分ほど経つと救急にかけた店の電話が鳴り、

「はい、ととら亭でございます。
 あ、はい、そうです!
 ときわ通りを入って40メートルくらい先の左側です」

遠くで救急車のサイレンが聞こえてきました。
そして最初のコールから約7分後、
ストレッチャーを持った救急隊員の方たちの姿が。

「どうしました?」
「ヘルニアの痛みで動けなくなってしまったのです」
「今日の日にちは分かりますか?」

僕が意識確認と状況の質問を受ける中、
もう一人の隊員が素早い手際で血圧や脈拍を測っています。

「病院は近い方がいいですよね? ではY病院に行きましょう」
「お願いします」
「その位置から直接ストレッチャーには乗せられないので、
 一度フラットな板の上に乗り、そこから移る方法でやります」

さぁ、最初の難関だぞ。
以前は手首から先くらいしか動かせなかったけど、
今回は結構からだが動かせる。
痛みも強いとはいえあの時ほどじゃない。
でも、まだ今回の痛みを避けるコツが分からないんだよな。
どうもこれまでとパターンが違うみたいだ。

「われわれがやるよりご自分で移った方がいいですよね?」
「はい。お忙しいところすみませんが、ちょっと時間を下さい」

よ〜し、まずこの板に乗るんだ。いくぜ!

びぎっ!
うっ! っておい! いきなりこれかい?
んじゃこれでどうだ?
びぎっ!
はうっ! これもダメ? たのんますよ!

救急隊員の方たちと、ともこに見下ろされながら、
ベンチシートの上で奇妙に体をくねらせる姿は客観的に見たら、
ルイス・ブニュエルのフィルム顔負けのシュールな光景だったことでしょう。
しかしあぶら汗をかいて奮闘する僕は100パーセント『マジ』でした。

「お、その調子! 乗って来ましたよ!」

そりゃね、もう電撃を5発食らってるからさ。
あと2発以内でOKをもらいたいもんだ。

「乗りました! 次はストレッチャーです」

ここは板から僕を滑り移してくれたので楽うっ!
じゃなかった! あう〜・・・お手柔らかにブラザー!

「よし、バンドで固定!」

僕が店の外に運び出されると与太呂の野崎板長が心配顔で、

「えーじさん、やっちまった?」
「ああ、動けないんだ。病院まで運んでもらうよ」
「がんばって!」

救急隊員がともこの方を見ています。

「ワイフはもう受けてしまった予約があるので一緒に行けません、
 昼過ぎに病院に来ます」
「分かりました。それじゃ出発しますね」

救急車がサイレンを鳴らしながら走り始めました。
僕には天井しか見えないのでどこに向かっているのかまったく分かりません。
車内の時計を見ていると約15分走ったところでサイレンが消え、
救急車が停まりました。ほどなくしてドアが開き、

「着きました。ゆっくり降ろしますよ!」

どこの病院だろう? 新しい建物だな。

処置室に運び込まれた僕はもう一度状況質問を受け、
「寝たまま書けますか?」と問診票を渡されました。
その半分も書かないうちに、

「まずレントゲン写真を撮りましょう」

そ〜ら来た。これが次のハードルだ。

ストレッチャーを撮影台と同じ高さに調整し、
間に滑り易いビニールを敷いたら僕の出番です。
またもくねくねダンスで3回電撃に撃たれながら横に移動。
正面からの撮影はすぐOK。次は・・・

「体を横に向けられますか?」
「どちらを下に?」
「左側です」
「やってみましょう」

6年前はこの姿勢ならできたと記憶しています。
しかし・・・いろいろな姿勢で試すもことごとく電撃を食らって降参。
忍耐強いレントゲン技師さんは仕方なく機械を斜めにセットして撮影。
これで勘弁して頂けました。

そして再びストレッチャーに。
体で学習してますから今度は電撃1発で welcome back
ようやく僕は診察室に入れました。

担当は落ち着いた女性のドクターです。
僕が再度状況を説明すると、
看護師さんにてきぱき投薬の指示を出し始めました。

痛みとは不思議なもので、
人の精神的許容量を広げる効果があるんですよね。
ふつう初対面の20歳代の女性にいきなり「肛門はここですか?」
とパンツの中に手を入れられるのは No Thanks ですが、
即効性の痛み止めの座薬を入れるとあらば、Yes, please.

次は飲み薬。
説明不要です。なんでも飲みますよ。どんどん下さい。

最後は注射。こいつは効きそうだ。
しかし・・・

「患部に直接打ちますからうつ伏せになって下さい」

難しいことを言うね。

「OK、やってみます。ちょっと待って下さい」

まず右腕で左側の柵を握り・・・
ゆっくり体を引き上げて横向きに・・・うっ!
いてててて・・・
よ〜し、90度回転したぞ。さっきの座薬がもう効いてきたのかな?
次は下になった左腕をどうにかして抜き出すんだ。
頭の先にそっと突き出して・・・突き出して・・・
そうそう抜けて来た、いいアイデアだ!
よし抜けた!
これでもう90度体を倒せば・・・

「頑張りましたね!」

ありがと。

「どこが痛いですか?」
「骨盤の中央上3センチくらいのやや右側です」
「そこかぁ・・・もう少し下なら効き易いのですけどね。
 上となると難しいかな?」

センセー、そんなこと言わないでよ!

脊椎麻酔のように打つのかと思ったら、
筋肉の部分にちくっと針の刺さる感触がありました。

筋肉注射? これで効くんだろうか?

「では起きられるかやってみて下さい」

別の看護師さんがやって来ました。

ブロック注射の時は魔法のように起きれたけど、
今度は・・・うっ!

僕は仰向けに戻るだけで精一杯です。

「難しいですか? それじゃ私の肩に手を回してみて下さい」

僕は寝たまま左腕を彼女の肩に、右腕を脇から回し、
抱きつくような格好で起こしてもらう形になりました。

お尻の次は別の看護師さんとハグか。
いろんな経験が出来るなぁ・・・と感心している場合じゃない!

いててててて・・・

「ダメですか?」

僕は素直に白旗を揚げました。

「それでは入院の手続きを」

こうして僕の入院生活パート2が始まったのでございます。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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