2018年09月05日

やってよかったこの料理

初めて南アフリカ共和国を訪れたのは2016年2月のこと。
この時の取材対象の筆頭に挙がっていた料理が、
昨夏にご紹介したペリペリチキンでした。
そして事前調査の段階で、
この料理の源流がモザンビークにあるのでは?
ということも分かっていたのです。

そう、今やっているモザンビーク料理特集は、
2016年のケープタウン滞在中から検討していた企画なのですよ。

旅の料理は3カ月ごとに切り替えています。
しかし場合によっては、
今回のように構想2年に及ぶケースも珍しくありません。
そしてその取材旅行も行き慣れたアジアや、
交通機関が整備された北欧のようにすんなり進むことはなく、
スリルとサスペンスに満ちた、
体力と忍耐力のテストのような内容になるのがお約束。

実際、今年の1月下旬から2月上旬に行った、
南アフリカ → エスワティニ(旧国名スワジランド) → モザンビークの旅は、
『やっぱりねぇ・・・』な道中となりました。
(詳しくはこのブログでキーワード『第15回取材旅行』を検索してみて下さい)

と、手前味噌ながら、
時間と苦労と思いの詰まったモザンビーク料理特集ではありますが、
白状しますとリリースする直前のビジネス的予想は二人して、

「ん〜・・・ちょっとマニアックだからな・・・ウケないかも?」

だったのですよ。

厳しい現実として、料理の出来や僕たちの思いと仕事の結果は別もの。
実際、気合の入り方といい、料理のユニークさといい、
「ヒット間違いなし!」と踏んでコケた企画もありました。

それに写真で見る限り、モザンビークの料理って地味でしょう?
カリル・デ・アメンドインなんて、薄茶色一色のシチューですから、
写真映えしないことこの上なし!
メニュー撮影していて、
「せめて視覚的アクセントとしてパセリくらい振ろうかしらん?」
との誘惑にかられましたが、
味だけではなく見栄えも再現するというのが『ととらポリシー』。
ぐっと我慢しながらライティングでなんとかしたものの、
それでもシズル感(※)はありませんよね?

仕方ない。
せっかく取材したんだからダメもとでやってみよう・・・
という何とも心許ないスタートを切ったのがこの7月。

ところが世の中わからないもので、
リリースするやいなや、モザンビーク料理は大好評となりました。
しかも4品に偏りなく、
見かけの地味なマタパやカリル・デ・アメンドインでさえ沢山のご注文を頂き、
時には「おいしい! もうひとつ追加!」
なんて嬉しいアンコールまで!

いろいろな意味で長い道のりの末にご紹介した料理とあって、
この結果には僕たちの達成感もひとしおでした。

さて、そんなモザンビーク料理も9月30日(日)で終了します。
やっている僕たちが言うのもなんですが、
いつも終了間際にはちょっと寂しい気分になりますね。

これもひとつの出会いと別れ・・・か。

旅の食堂ならではの仕事の一つなのかもしれませんね。

えーじ

※ シズル感
英語のsizzle(自動詞:ジュージューいう 名詞:ジュージューいう音)が語源。
料理業界の場合、湯気が立つラーメン、油が跳ねるステーキなど、
食べ物がおいしそうに見える演出や感覚の意味で使われる。
posted by ととら at 14:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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