2018年09月09日

第16回取材旅行 その15

そろそろ取材旅行のブログもまとめなくちゃなぁ・・・

と思った矢先の入院日記パート2。
それが『その6』まで続いてしまったので、
帰国から2カ月も経ってしまいました。

しかしながらこの期間、
僕の頭の中では北欧諸国での経験が、
ず〜っとループしていたのですよ。

出発する前、ノルウェー、スウェーデン、
フィンランドについて抱いていたイメージは、
ありがちな『高税率高福祉社会』のレベルを出ていませんでした。

ところが自分で歩いて見えてきたのは、
想像をはるかに超えた北欧3カ国の特異性だったのです。

今回はその中の一つ、経済について旅人目線のお話をしましょうか。

北欧諸国が採用している経済システムは、日本と同じ資本主義。
しかし、そのアウトプットは、だいぶ違っているように見えました。

まず分かり易くこの数字から始めましょう。

世界銀行の2013年の統計によれば、
日本人ひとり当たりの平均所得は4,139,300円/年。
これはデータのある171ヵ国中18位だそうな。

そこでアイスランドも含めた北欧5カ国の数字も並べてみると、

3位 ノルウェー  7,317,200円 (日本の約1.77倍)
8位 スウェーデン 4,923,600円 (同  約1.19倍)
10位 デンマーク  4,890,600円 (同  約1.18倍)
16位 アイスランド 4,275,700円 (同  約1.03倍)
17位 フィンランド 4,232,800円 (同  約1.02倍)

となるんですよ。

で、素朴な印象として、日本の1.2倍程度までであればまだしも、
ノルウェーのように1.77倍も稼ぐとあっては大変だな!
いったい月に何時間働いているんだろう?
と僕は他人事ながら心配になりました。

ところがアイスランドを除く4カ国を訪れてみれば、
(デンマークに行ったのは2012年)
栄養ドリンクを飲んでしゃかりきに働く僕たちのような人は、
どうやらあんまりいそうもなさそうじゃないですか。
オフィス街は夜になるとほとんど電気が消えますし、
物販店も17時を過ぎれば早々に閉店となります。
20時以降に駅に行くとオスロやヘルシンキですら閑散とした状態。
週末もそう。日曜日の繁華街なんて静かなものですよ。
なんか『稼がなきゃ〜っ!』って、かつかつしたムードがない。

そこで気になるのは同業者。
ブラックで名高い日本の飲食店と言えば、
キッチン、ホール共にギリギリの人数で切り盛りするのが定石。
しかし、北欧はどうでしょう?
僕らが見た範囲では、
ひとりのホールが担当するのはせいぜい10人未満。
料理の内容と提供速度からすると、
ととら亭規模(席数16)のレストランでも、
キッチンは最低2人いるんじゃないかな?
うちみたいに一人でやるなんてありえないでしょうね。
大体にしてスタッフが駆けずり回ってないし、
楽しそうに余裕の笑顔を浮かべている。
羨ましい光景でしたよ、ほんと。

で、何にも増して驚いたのは、書き入れ時に休業してしまうこと。
観光客が最も訪れる6、7月に、
1カ月くらいどっかり休んでしまう飲食店が珍しくないんですよ。

なぜか?

北欧で一番いい季節が短い夏。
であれば、優先順位を考えるなら、
仕事ではなく、家族と過ごすのが当然じゃないですか?

と答えられて返す言葉に窮するのが、
家族のために家族を見捨てて働くのも憚らない僕たち日本人。
今どき正月返上で働く人なんて珍しくありませんし、
単身赴任という悲しい勤務形態も普通にまかり通っていますからね。

さらに大きな謎がもうひとつ。

所得水準が高いということは景気がいい。
そして好景気とは、
製造→販売・購入→消費→廃棄の流れの高速化に他なりません。
どんどん作ってじゃんじゃん捨てるのが僕らの大量消費社会。
となれば、北欧でも製品の『新しさ』は必要不可欠のはずですよね?

その仮説をひっくり返す分かり易い例が僕たちを待っていました。
それはデジタルカメラ。

アジアの観光地に行って写真を撮っている観光客の手元を観察すれば、
カメラはスマートフォンか高級一眼レフがほとんど。
かつて一世を風靡したコンパクトデジタルカメラを持っている人は、
まず見かけません。

ところが北欧と言わず北、西ヨーロッパでは、
アンティーク級のコンパクトデジタルカメラを使っている人がまだ沢山います。
そう、デジタル家電に限らず、
ヨーロピアンはニューモデルが出てもあまり飛びつかないんですよ。
たとえおカネに不自由していなくても、買ったものは壊れるまで使い続ける。
そして壊れたら買い替えるのではなく、まず直すことを考える。
モノに関して言えば僕らが見た限り、はっきり言って質素です。
気に入ったものを長く使い続けるって感じ。

む〜・・・・

仕事より私生活に軸足を置き、
職場が非人間的なオーバーワークにならないようワークシェアを行い、
大量消費を経済発展のバネとせず、
それでいて所得は僕たち日本人を凌いでいる・・・

なぜそんなことが可能なのか?

これ、僕の宿題の一つなんですよ。

えーじ

to be continued...
posted by ととら at 22:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/184383661

この記事へのトラックバック