2018年09月11日

第16回取材旅行 その16

今回も経済ネタをもう一丁。
いや、経済プラス政治・・・プラス哲学・・・かな?

『その15』では、
北欧諸国の経済の特異性を目に見える範囲でお話しました。
加えて数字の上でなら驚いた、いや、感心したのは、
所得の格差の小ささです。

まずその数字を見てみましょう。

ワールドファクトブック(CIA)の2013年の統計によると、
所得の格差を表すジニ係数(数字が大きいほど格差も大きい)は、
日本の37.9パーセント(格差ランキング141ヵ国中73位)に比べ、

125位 アイスランド 28.0 パーセント
131位 フィンランド 26.8 パーセント
135位 ノルウェー  25.0 パーセント
137位 デンマーク  24.8 パーセント
141位 スウェーデン 23.0 パーセント(首位!)

北欧5カ国はスゴイですね。
社会主義国家じゃないにもかかわらずこの数字をはじき出すとは!
スウェーデンなんてデータのある141ヵ国中1位ですよ。

で、この数字のタネ明かしをすると
同じ資本主義ながら日本とこれほどまでに大きな差を生み出した仕掛けは、
抜け道のない強烈な累進課税制度です。
もちろんこの制度そのものは日本にもあります。
しかしその税率と厳格性がぜんぜん違う。

僕が感心したのは、こうした税制自体ではなく、
導入の背景となった国民の考え方です。

僕たちは意識的にせよ無意識的にせよ、
億万長者と食に事欠く貧乏人のいる社会を選びました。
いかなる格差であろうとも、
それがその人の『能力と努力の結果』であれば問題ない。
これは『努力至上主義』とでも言い換えられるかもしれません。
努力がすべての結果を肯定しているのですからね。

しかし彼らは、
極端な億万長者も貧乏人もいない社会を選んだのです。

その根拠となった思想は先の『努力至上主義』とは根本的に異なるものでした。
まず『健全な経済』の定義からして違います。
それは、
『限られた富が社会構成員の中で、
 バランスよく分配されることによってのみ実現する』、
というものですからね。

そういうとコミュニストがにんまりしそうですけど、
ソビエトのすったもんだを近くで見ていた北欧諸国、
とりわけスウェーデンは共産主義にさっさと見切りをつけていました。
そこで考え出したのが、ソビエトのように企業を国有化することで、
格差の原因にメスを入れるのではなく、
それはなるべくいじらないようにしてブルジョア層を安心させ、
税法によって格差を抑制された範囲内に収める政策を取ったのですよ。

なるほど僕たちが実際に旅した範囲では、
所得が目に見える形で分かる住宅と自動車に関して言えば、
グレードに極端な差はないと思いました。

これはよく考えるとごもっともな選択で、
たとえばひとりの億万長者が宇宙旅行で55億円(※)を使うよりも、
この剰余を税として徴収し、奨学金や医療費として使った方が、
社会の利益になるんじゃないのか?

そういうことなんですよね。

皆さんはどう思います?

えーじ

to be continued...


スペース・アドベンチャーズ社が提供する宇宙ステーション滞在型の旅行の費用。
すでに8名が参加されたそうで。
posted by ととら at 17:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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