2018年10月19日

僕のおすすめ その3 最終回

2010年3月にともこと僕が立ち上げた『旅の食堂ととら亭』。
業種はもちろん飲食店ですけど、
思いはそれにとどまりませんでした。

むしろ僕たちの意識として一番大きいのは、
異文化へのゲートウェイなんですよ。

誰もが予備知識なしで使える、食という世界の共通言語を用い、
目の前の食卓を時間と空間を超えた地平へ繋ぐ。

そこからそれぞれの旅が始まってくれたら、
僕らのミッションは終了です。

旅には標準化された方法も定番コースもありません。
そのひと独自のスタイルで、目指すべき場所に行けばいい。

日本を旅し、世界に範囲を広げた旅人たちは、
そうしてさまざまな国々を旅していることでしょう。

そこで最終回は、ある程度の経験を積んだ旅人に、
中、南米と中東、そしてサハラ以南のアフリカをおすすめしたいと思います。

いずれの地域もすんなり旅できる場所ではありません。
おそらく、いや、ほぼ確実に、
それまで積んだすべての経験を試されるようなことが起こるでしょう。
にもかかわらず、なぜ僕がその地域をすすめるのか?

そこには、僕たちの独りよがりな常識や価値観、
甘っちょろい理想や正義感を完膚なきまでに破壊する現実が待っているからです。

多分、ある程度の経験を積んだ旅人とは、
年齢も35歳から40歳くらいになっているのではないでしょうか?
その年齢になれば、若い頃にはなかった社会的責任を背負い、
公私ともに周囲からのプレッシャーが高まっていると思います。

しかし、直面した困難を乗り越える方法は、
いかなる公共の学校でも教えてくれなかった。
いや、そもそも『ルール通り』にやっていた自分が、
今のような状況に置かれていること自体、
想像もしていなかったのではないでしょうか?

それでも、その旅人は薄々気付いているはずなんですよ。
人生の困難を乗り越える方法は、
How to本やネットの情報から得られるものではないし、
教壇に立つ先生が上から教えてくれるものでもないということを。
ただ、それを認める踏ん切りがつかないだけ。

そうした旅人のひとりとして、
僕が中、南米や中東、そしてサハラ以南のアフリカを旅して得たのは、
圧政者や搾取を身上とする資本家からではなく、
自分自身からの『解放』でした。

王道主義者にとってもっとも受け入れ難いこと。
それは、僕らが拠りどころとしている常識とは、
生まれて初めて知った社会の在り方のことでしかない、
という事実に他なりません。

もっと言えば、政治も経済も宗教もひっくるめて、
いっさいの人間の活動を包み込む文化という人工的なレイヤーには、
普遍的な真実なんてものはない。

それを突き付けてくるのが、
他ならない、いま、ここにおける僕たち人間の多様性なんですよ。

この星には、
空気と同じように土地も人間が所有できるものではないと考える文化圏がある。
国家ではなく、民族にアイデンティティを置く人々がいる。
数の勝敗ではなく、全体の同意に重きを置く人々がいる。
復讐ではなく和解を選んだ人々がいる。

おじさんになってだんだん物言いの歯切れが悪くなって来た僕ですが、
これだけは確信している、ということがあります。

それは、
心を開いた旅で得た経験は、けしてその旅人を裏切らない、
ということ。

僕は今もそれを信じて旅を続けているのです。
いってらっしゃい!

えーじ

P.S.
今回おすすめした地域はハイリスクなので、
たとえば南西アジアの国々を陸路で国境を越え、
1週間以上、ソロで旅した経験のある方向けです。
無茶はダメですよ。
posted by ととら at 15:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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