2018年11月08日

ウサギとカメ 2018

ある秋の晩。
夕方から店内に侵入した蠅がしつこく飛び回っておりました。

そして営業が終わり、
草臥れた僕が洗い物をしている後ろから・・・

いやったああああぁぁぁぁっ!

な、なんだ?

振り返ると泡だらけのスポンジを突き出して、
不敵な笑みを浮かべたともこが仁王立ちになっています。

「ど、どしたの?」
「ふふふふふ、これ!

よく見るとスポンジの上にはさっきから飛び回っていた蠅が。

やっつけた!
「ほぅ、よく捕まえ・・・ん? まだ生きてるよ」
「え?」

彼女が視線を落とすやいなや、スポンジの上で息を吹き返した蠅は、
ころっとコールドテーブルの上に落ちました。

「あ、動いてる!」

だけではなく、ここぞとばかりに離陸態勢に入ったではないですか。
そこへ凄まじいともこ爆裂拳が、

ちぇいっ! ちぇいっ! ちえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇいっ!

と3発。
気合と共に飛び散る洗剤の泡!

ところが慌てた彼女はことごとく的を外し、
その隙間を潜り抜けた蠅はゆっくり、ぷぉ〜いとエスケープ。

あ〜っ! 逃げちゃった! 腹立つ!

「・・・あのさ」

「はぁはぁはぁはぁ」

「ともこ」

「はぁはぁはぁはぁ」

「もしもし!」
「え?」

「・・・疲れない?」

「・・・・・・・・・うん」

こうして秋の夜は更けて行ったのでありました。

えーじ
posted by ととら at 14:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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