2019年05月01日

ととらな旅のおすすめ その3

あなたにとって旅の楽しみとは何ですか?

こう訊かれて「おいしい食べ物やお酒!」
と答える人は少なくないでしょう。
それを目的にした『美食ツアー』だってあるくらいですからね。
そもそもととら亭だって、
そうした楽しみ方から始まったようなものですし。

しかし残念なのは、
これまた多くの人に「では何がおいしかったですか?」と訊いた時、
答えが「ん〜・・・あれ? なんだったっけ?」となってしまうこと。

そう、おいしかった記憶はあるのですが、
それが何処で食べた何だったかは覚えていない。

なぜか?

たぶん、ご自分で注文しなかったからでしょう。
上げ善据え膳式の食事の内容が長く記憶に残ることはまずありません。
でも旅の最高のお土産が『思い出』だとしたら、
はるばる外国まで行ってこんなにもったいないことはないと思いません?

そこで今回のおすすめは、
『料理やお酒は自分で注文する』です。

あれ、急に顔色が曇りましたね?
外国の言葉は何も話せないし、メニューも読めない?

それでは断言しましょう。

心配には及びません。

コツはただひとつだけ。

それは『柔軟な発想』です。

20数年前、僕はとある縁から、
ハイティーンの男の子二人を連れてタイに行ったことがありました。
彼らはいずれも初の海外旅行。
とうぜんタイ語はおろか英語も「あい・あむ・あ・ぼーい」状態。

しかしまがりなりにも一種のスタディツアーですから、
ひな鳥よろしく、
最後まで僕がなんでも口に入れてやるわけにはいきません。
そこである朝、ロビーで・・・

「おはよう。今朝は君たちに任務を与える。
 ミッションはシンプルだ。
 これから外に出かけて朝食を食べてきたまえ。
 ルールはひとつだけ。
 ふたりとも別々の店に入ること」

ほらほら、彼らの表情に漂う緊張感・・・
それでも腹を決めたのか、じゃんけんをすると、
勝った方が先にホテルを出て右に曲がり、
負けた方はその逆の左に曲がって行きました。

そして30分ほどが過ぎ、
ホテルのラウンジでコーヒーを飲んでいる僕のところへ、
顔を輝かせた彼らが戻り、

「どうだった?」
「うん! 食べて来たよ!」
「OK、どうやって注文したの?」
「オレは他のお客さんが食べてるのを指差した」
「僕はメニューを適当に指差した」
「何を食べたの?」
「サンドイッチ」
「君は?」
「焼きそばみたいなやつ」
「ああ、パッタイね。で、美味しかったかい?」
「うん!」

彼らが覚えていたタイ語は、
サワディーカップ(こんにちは)とコップンカップ(ありがとう)だけ。
それでもこうして食事を楽しんで帰って来ました。

あれから20数年が過ぎましたが、
僕は確信していることがひとつだけあります。

それは彼らがあの旅で、
僕が注文したものは殆ど覚えていないだろうけど、
あの日の朝食だけは、けして忘れないだろうということ。

ちなみに中南米を3カ月旅した時、
ともこが覚えた最初のスペイン語のフレーズは、

Cerveza,por favor!
(ビール下さい!)

でした。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 15:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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