2019年05月20日

華麗なチームプレイ

おひとりさま、カップル、友人同士、職場の仲間、そして家族。

お客さまは、さまざまな組み合わせでととら亭にご来店されます。

これは曜日によって偏りが変わり、
特に週末は3名様以上のご家族連れで、
ご来店されるお客さまの割合が増えますね。

そこでいつも思うのは、それぞれのテーブルが、
それぞれのご家庭の食卓を再現しているのではないか?

ということ。

とりわけリピーターさんはよりリラックスされているせいか、
外食用のよそ行きではなく、
素顔の家族の在りようそのものなのではないかしらん?
とさえ思えることも少なくありません。

僕はそうしたテーブルをサーブするのが大好きなんですよ。

先日はこんなことがありました。

来店されたご家族連れは6名さま。
50歳代のご両親に最近では珍しい4人の息子さんとお嬢さんたち。

4人の子供たちをこうして成人するまで育て上げるのは、
さぞ大変だっただろうな。

僕は飲み物をサーブしながらそんなことを考えていました。
たとえば食事ひとつを作るにしても、
お母さんは毎回6人分を作らなければなりません。
しかも日によっては1日に3回も!

しかし、それが杞憂に過ぎなかったと悟るのに、
あまり時間はかかりませんでした。
そう、最も単純な解決方法をそのご家族は見つけていたのです。

僕が次の料理をサーブする前に先の料理の皿を片付けに行くと、
食べ終った食器がすべからく一か所に集められていました。

ん〜? いつのまに?

そしてその疑問が驚きに変わったのは、
次の料理をサーブしに行った時です。
新しい取り皿を手前の方に渡した途端、
さながら強豪のハンドボールチームがパスを回すように、
瞬く間にそれぞれの前へ配りだしたではないですか!

き・・・、君たちはいったい何者だ?

僕は料理を置いてパントリーに戻ってから、
彼らの動きをじっと見ていました。

すると彼らは再び連携して、
あっと云う前に料理を配り終わってしまったのですよ。
しかもその動きには迷いがない。

こ・・・このファミリーは・・・ただものじゃない。

その後も誰かが指示するまでもなく、
殆ど兄弟姉妹間のアイコンタクトですべてが流れて行きます。

僕はこの華麗なフォーメーションを確認するため、
食器がまだ片付け終わっていないうちに近付いてみました。
すると何が起こったと思います?

僕に気付いた兄弟のひとりが皿を集め始めたかと思うと、
F1のタイヤ交換さながらに各メンバーがシンクロして素早く動き、
それこそ数秒でさっきのように、
食べ終った食器が一か所に集められてしまったのですよ。

驚きました。ほんとに。そしてまた納得したのです。

このご家族の両親は、
がんがん指示を出すような専制君主タイプではありません。
とりわけお母さんは物静かでおっとりした方です。
お二人の様子からは、
とても4人の子供たちを育てたという荒業は想像し難い。

しかし、それを可能にしたのが家族全体の協力だったんですね。

たぶん、彼らの阿吽の呼吸からして、
物ごころ付く前から、少しずつ学び合ってきた結果なのでしょう。

お帰りになる際、会計を済ませたお父さんを見送った僕は、
彼の職業が分かったような気がしました。

中学校か高校の先生じゃないかな?
それもなかなか強い運動部の顧問をしている。

なぜなら彼のチームは、
素晴らしいプレイをしていましたから。

えーじ
posted by ととら at 17:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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