2019年06月25日

第18回取材旅行 その6

「ねぇ、なんか変な臭いがしない?」

ウランチャブから乗った長距離バスは明らかに中古の、
いや、多分、中古のそのまた中古の年季もの。
喫煙率の高さからか、車内禁煙にもかかわらず、
ハイティーンのころにバイトで乗った、
運送屋のトラックとそっくりな臭いがします。

「そうじゃなくて、もっとなんか汗臭いというか、
 なま乾きの下着というか・・・」
「ともこ、それは車じゃないよ」

車内はエアコンがなく窓も開かない上にほぼ満席ですから、
かなり蒸し暑い状態が続いていました。

「臭いのは僕たちさ」
「え? えーじが臭いの? くんくん、あ、ホントだ!」
「じゃなくて、僕たち!」

そう、僕らが最後にシャワーを浴びたのは一昨日の夜のこと。
昨日は早朝から酷暑の中を移動した上に、
夜はまた蒸し暑い夜行列車で一晩中揺られ、
そして降りたと思ったら、また缶詰バスの中に5時間半。
着替えもしていないのですから、『この状態』もしょうがないのですよ。
(おまけに僕は無精ひげが伸びて少々ワイルドな顔つきに)

そんなわけである意味、非常にバックパッカーらしい風体で、
僕たちは雨上がりのエレンホトバスターミナルに降ろされたのでした。

こんな時の僕らは、とても単純な行動をします。
まず腹ごしらえ。
もちろん取材も兼ねなければなりませんが、
ほとんどの場合、最初に目に入った店に飛び込みます。
なにせ長距離移動中はいつトイレに行けるか分からないので、
腹6分目程度までしか食べていませんし、
場合によっては水もあまり口にしていませんから、
もうお腹ぺこぺこ&脱水症状寸前。

お腹が落ち着いたら宿にチェックイン後の熱いシャワー。
これがたとえようもなく気持ちいい!
汗を流して、髪を洗い、きれいな服に着替えると、
ようやく人間に戻ったような気がします。

ふ〜・・・

さて、僕たちが今いるのは中国側の国境の街エレンホト。
ガイドブック上の情報も薄く、
到着してすぐ国境を越えるために素通りしてしまう旅人が多いからか、
事前の情報収集には限界がありました。
そこでざっと、どんなところかお話するとですね・・・

ここはもともと古い町があったわけではなく、
中国とモンゴルの国境が定められたがゆえに作られたのか、
ハルビンと同じく典型的な社会主義仕様の作りです。
とにかく道路も建物も交通量や人口と比較して不必要に大きい。
たとえば1ブロックの1辺が場所によっては500メートル以上ありますし、
ちょろちょろの交通量にも関わらず『細い』路地でさえ片側2車線は当たり前です。
ふつうは片側3車線ですからね。
まぁ作るだけならいいのですが、こんな巨大な造りにしてしまうと、
維持管理が大変ですよ。
で、やっぱり予算も人手も足りなくなったのか、
そこかしこが痛んだまま放置されている。

そうした光景と言えば、エレンホトも長春、瀋陽で見たのと同じく、
廃業して長らく放置されたテナントや、
無残な姿をさらした廃ビルが目につきます。
営業中のホテルですらメンテナンスは全然手が回っていません。
日本で言うと寂れた温泉街のホテルみたい。

でも団結路と錫林街の交差点付近には飲食店が集まり、
それなりの活気が感じられました。
駅前やバスターミナル周辺に旅人の用に応えるものは殆どありません。

宿泊する場合、バックパッカー流に『歩いて探す』は、先にお話しました通り、
エレンホトは街の作りが大きいので現実的ではないでしょう。
なるべく事前に予約した方がいいと思いますが、
Expedia や booking.com にエントリーされてるホテルは1軒もないので、
中華系サイトの trip.com がいいかもしれません。
飛び込みだと料金がだいぶ高く設定されています。
(僕らが今いるパシフィックインターナショナルホテルは、
 ネット予約だときれいなダブルルームが朝食付きで約2,800円ですが、
 飛び込みだと6,500円以上になってました。
 ここはバスターミナルや飲食店街にも近くてとても便利です)
また急に泊まることになった場合は、
バスターミナルに隣接しているホテルがコストと使い勝手の面でいいでしょう。

人種はあきらかにモンゴル人が多いです。
よく聞いていると中国語よりモンゴル語の方が聞こえてきますし。
そもそも体格と顔つきが変わるのですぐに分かります。
あ、僕らは中国人と間違われますね。

治安は良好です。
これは今回、訪れた他の街にも当てはまりますが、
危険な臭いを感じたことは1度もありませんでした。
それより気を付けていたのは制服組の存在です。
いや、彼らが悪行を働いているという意味ではなく、
僕たちとは社会思想が根底から違うので、
日本でならまったく問題のない行為が犯罪とみなされるケースがあるからです。
たとえば駅、空港などで写真を撮るのはやめた方がいいですし、
GPSのような計測機器を持ってうろちょろするのもリスキーです。
いずれも『スパイ容疑』で逮捕される可能性があるといわれています。
いたるところに監視カメラがあるので、警察官の姿が見えないからといって、
冒険的な行動をするのも慎んだ方がいいでしょう。
そんな訳で僕も今回、あまり1眼レフカメラを出して使っていません。
こうした地域で行動する場合の基準は、
『周りの人がやっていないことはしない』が一番確実です。

さて、今日はいよいよモンゴルへ入ります。
国境を越え、反対側の街、ザミンウードへ行くバスの出発時刻は13時30分。
前情報によると、なかなかワイルドな行程になりそうです。

そして18時。
ザミンウードから再び夜行寝台列車でウランバートルへ。

え? また臭くなるのかって?

ん〜・・・
それは国境を越えるときにかく汗と冷や汗の量次第でしょう。
予定通り行けば、24時間後にはウランバートル駅に着いているはずです。

天気は晴れ。

さて、そろそろ準備を始めますか。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 10:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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