2019年07月05日

第18回取材旅行 その11

取材旅行から戻って4日が経ちました。

不思議なもので、
ようやく旅人モードが日常モードに変わったと思ったら、
今度は、

「え? 5日前はまだウランバートルにいたのか?」

そんな具合に旅の経験が、
実際に流れた時間以上の彼方に行ってしまったような気がしています。
ま、これも毎度のことで、
渡航地と東京の文化的、気候的ギャップが大きいと仕方がないのですよ。

それでいて、現地で目の前にしていたにもかかわらず、
気付かなかったことが、じわっと思い浮かんで来る。

ああ、あれはそんな意味だったのかもしれないな・・・

こうした旅のフラッシュバックは、
人間の記憶のメカニズムを解明する、
いい手掛かりになるのではないかしらん?
そんな風に思えてなりません。

特にこうして写真を整理しながらブログを書き始めると、
なおさら奇妙な気分になってきます。

では頭が10日ちょっと前の時間にシンクロしたところで、
ザミンウードからウランバートルへ至る、
鉄道の旅に戻ってみましょう!

mn_zustation01.jpg

ひやひやしながら中国・モンゴル間国境越えた僕ら。
ザミンウード駅横の駐車場でバスを降ろされて、
やっと肩の力が抜けました。
駅舎は中国と大きく違い、バスターミナル?
と見紛いかねない佇まい。
でも、どこかほっと安心できる雰囲気がここにはありました。

mn_zutown01.jpg

この小さな駅が中心の、それこそゲートウェイでしかない街なので、
駅前もまたご覧の通り。観光地的な要素はまったくありません。
でも食堂やスーパーマーケット、ATMなど、
旅人に必要なものはあらかた揃っているのでけっこう便利。

mn_zustation03.jpg

駅舎の隣には不釣り合いにモダンな建物が。
これはモンゴル鉄道の事務所で1階が待合室、
2階にチケット売り場があります。
駅舎より広く、居心地がいいので、雨の時の待機場所にはいいかもしれません。
僕はここでダウンロードしたe-チケットが本当に使えるのかを確認。
と申しますのも、
ウランバートルに住む、会ったこともないモンゴル人ベンダーに、
ウェブ経由で購入してもらったものなのですよ。
結果はOK。

mn_banshitaisyul.jpg

出発まで2時間近くあるので、ちょっと早い夕食に行きました。
入ったローカル食堂はファーストフードっぽい作り。
カウンター上にある写真入りのメニューを見ながら先払いで注文します。
分かり易いからモンゴル語が読めなくても心配ありません。
さっそく取材を始めて頼んだのがバンシタイシュル。
これは直訳するとギョーザスープです。
バンシとはモンゴル語でやや小ぶりのギョーザのこと。
エレンホトで食べた水餃とほぼ同じものでした。
思えばあの店もモンゴル系でしたしね。
これが濃厚なラムのスープに入っています。
でも、モンゴルらしさを感じたのはバンシ以外の具から。
ラムのコマ切れ肉がどっちゃり入ってるのですよ!
もうスープというよりシチューのような感じ。
ん〜、まさしく肉食う人たちの料理なのね。
ボリューム満点です。

mn_food01.jpg

もう一品は細切り肉を炒めたシャルサン・マフタイ・ホールガ。
ちょんもり野菜とライスが付いて定食風になっています。
肉はラムが主流ですが、バンシと被るのでこれはビーフバージョンです。
味付けは塩のみのシンプルテイスト。
以上の2品でお代は日本円にすると450円くらい。
中国に比べても物価がぐんと下がりました。
それもそのはず。日本と平均収入で比較すると、
モンゴルは4分の1強くらいなのですよ。
ですから僕らに安い食事も彼らには普通の価格になります。

mn_zustation02.jpg

うう・・・お腹がパンパンになったところでスーパーに行き、
車内で食べるパンと水を調達。
ホームに行くと列車が来ており、乗客もぼちぼち集まって来ていました。
みなさんかなりの荷物。ほとんどがモンゴル人だと思います。
パッと見渡して欧米系、もしくはバックパッカーの姿はゼロ。

mn_zustation05.jpg

これ、なんて書いてあるか分かります?
キリル文字をラテン文字に変換すると『Zamin uud - Ulaanbaatar』、
つまり『ザミンウード ー ウランバートル』。
行き先表示がこうなので、読めないと、どこ行きなのか分かりません。
事前のお勉強が必要な理由のひとつです。

mn_zustation04.jpg

さて、乗車時間はまだですが、
20両以上もある長い車列で迷うのは避けたい。
そこで今のうちに自分のコーチを探しておきましょう。
僕らが乗るのは7号車。
目の前にあるのは・・・9号車か。
で、右側は・・・10号車、ということは左に行けばいいんだな。

mn_tarain03.jpg

出発は18時4分。
30分前にコーチのドアが開き、
たくましい体格の女性の車掌さんが降りてきました。
彼女を一目見て思い出したのは、
アゼルバイジャンからジョージアへ行く夜行列車で会った車掌さん。
同じたくましい体格&社会主義フェイスの女性で、
命令調の話し方からロッテンマイヤーさんと呼んでいました。
でも、今回はやさしかったな。怒られませんでした。
列車に乗り込んだら今度は11番コンパートメントを探します。

mn_tarain01.jpg

おお! いいじゃん!
北京西からウランチャブまで乗ったものとは雲泥の差。
僕らのベッドは Lower なので4人コンパートメントの下ふたつ。
これが使い勝手最高なのですよ。ですから Upper は人気がありません。
ともこは早速くつろいでのんびり。
国境越えは疲れましたからね。
同室だったのは、ウランバートル在住の20歳代前半の新婚さん。
言葉は通じませんでしたけど、あまりのラブラブさ加減で分かりました。
お幸せに!

mn_tarain02.jpg

車両の端にはこんな給湯器があります。
いつでも熱湯が使えますからお茶のほか、
カップラーメンを食べている人の姿も。
そういえばこの仕掛け、アゼルバイジャンやカザフスタンなど、
他の旧社会主義国で乗った鉄道にもあったな。
ソビエト標準なのかしらん? 便利でいいです。

mn_trainview03.jpg

ほぼ定刻に列車は発車し、10分も走ると車窓から見える風景はご覧の通り。

mn_trainview02.jpg

草原、そして草原、また草原。真っ直ぐな地平線。
日本では北海道ですら見られない光景でしょう。
単調と言えばそうですが、見ていて飽きません。
この大地の標高が1200メートル前後もあるとは、
まさに地球の大きさが感じられますね。
あれ、新婚さんは抱き合って眠っちゃった!

mn_trainview04.jpg

時折、こうした小さな街で停車します。
でも荷物の上げ下げや人の乗降の気配はなし。
単線の通過待ちかもしれません。

mn_trainview01.jpg

列車は20両以上の長さ。これは7号車から先頭方向を見たところ。
後はカーブだと最後尾が見えないくらいです。

mn_sunset02.jpg

時刻はまもなく20時。
はるかな地平線に太陽が沈んで行きました。
雲の下から抜けた光が神秘的な直線を描いています。

mn_sunset01.jpg

美しい。
いや、そんな平坦な言葉じゃ言い表せない感動がここにはありました。
ホントはね、料理や文化以上に、
皆さんとシェアしたいのは、こうした瞬間なのですよ。
この星に生まれてよかった。
そしてちっぽけな僕らもまた、広大なこの星の一部であり、
果てしない宇宙の一部でもある。
その一体感が感じられます。

mn_windmil.jpg

この寝台列車の寝心地は格別でした。
朝まで爆睡して目覚めれば、外は青空と緑の草原が。
街が近いのか風力発電の風車が見えます。

mn_ubview02.jpg

時折、遊牧民のゲルがありました。
時代を感じるのは自動車の存在。
街まで家畜を売りに行く足は、
今や馬車ではなく、ピックアップトラックなのですね。

mn_ubview01.jpg

時刻は8時。天気は快晴。
終点のウランバートルはもうすぐです。
乗客たちが荷物をまとめ始めました。
進行方向をみれば草原の先にビル群が。

mn_ubstation.jpg

8時45分。
僕らを乗せた夜行寝台列車は定刻にウランバートル駅へ到着。
首都にもかかわらず小ぶりで可愛らしい駅舎です。
さぁ、忘れものをしないように気をつけて、
列車を降りたら駅で朝食を食べましょうか。

mn_ubstcafe.jpg
___________________________________

いかがでしたか?
モンゴルのローカル鉄道の旅。
ダイジェスト版なので、うまく伝わらなかったかもしれませんが、
こういうところに僕らの旅の本質があるような気がしています。

それがまた旅人モードから日常モードへ戻る、
大きな妨げにもなっているのですけどね。

僕が普段見上げる空は狭いからなぁ・・・

それでは次はウランバートルとテレルジの風景をご覧いただきましょう。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 17:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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