2019年09月10日

ありがたき屋根の下

一昨日の台風はすごかったですね。
あの日は僕らも早々に店じまいしてアパートに帰ったのですが、
夕食を食べる頃になると、だいぶ風雨が強くなってきました。
そこでちゃぶ台を囲んだ僕たちが顔を見合わせて言ったのが、

「あ〜、僕らは幸せだねぇ!」

え?
いや、この歳になってのろけているわけではありません。
心から喜んでいたのは以下の4点です。

1.嵐の夜に雨風をしのげる部屋にいる。
2.しかもその部屋はエアコンが効いている。
3.僕らはシャワーを浴びてさっぱり。
4.そして美味しい食事(冷たいビール付き!)が目の前にある。

え? それがどうした?
別に当たり前のことじゃないか?

ん〜・・・かもしれませんね。
でも、僕らの物差しでは、そうとも限らないのですよ。

その評価基準といえば、
起業家の中でも志の低さでは定評のあるととら亭、
バックパッカーのビンボー旅行がベースになって・・・

いません。

僕らの生活水準のベースになっているのは、
もしかしたらそれ以下の・・・

キャンプです。

そう、いつぞやお話したと思いますが、
僕もともこも、国内を旅していた時の宿泊はキャンプが基本。
特に僕は登山ライダーだったので、荷物はバイクに積めるだけ。
山に登る時はバックパックに入るだけでしたから、
装備はいつも必要最低限だったのです。

そこでもし、一昨日のような夜をテントで明かすとなると、
そりゃもう、涙なくしては語れない話になるのですよ。

たとえば、あれは稚内の近くにある、
クッチャロ湖のほとりでキャンプしていた時のこと。
夜半に寒冷前線が近付き、強風と共に大粒の雨が降り始めました。

その時、僕が使っていたのはクロスドーム型のテント。
ジュラルミン製のポール2本を交差させて、
概ね横1メートル×縦2メートルの空間を作り出す構造になっています。

これは入り口のある短辺方向からの力には強いのですが、
長辺から受けると、形がひしゃげてしまい、
1メートルの幅があった空間が半分くらいなっちゃうんですよね。
風向きが変わってからというもの、
中にいる僕はポールを折られないよう、
両手で支えていなければならなくなりました。
もう寝るどころではないのですよ。

しかし本当の悲劇はこれからです。

ひとり、風に耐えていた僕は、
ほどなくしてテントの下部を囲うグランドシートの異変に気付きました。
内側に向かって妙な湾曲のしかたをしています。
触ってみると、なんかタプタプしてる。

大変だ! 水没している!

そう、テントの周りにはあらかじめ排水用の溝を掘っておきましたが、
降雨量がそれを上回って、
テントは今や水たまりの中に浮かぶ島のような状態となっていたのです。

脱出しなくちゃ!

僕は狭いテントの中でレインウェアを着込み、
ブーツを履いてから外に出ました。
叩きつけてくる風、全身を打つ大粒の雨。
テントは直径6メートルほどの水たまりの中に浮かんでいます。

まずやらなければならないのは、重い荷物の移動です。
雨が当たらない公衆トイレの中までピストンで荷物を運び、
次はテントを地面に固定しているペグを抜いて、
飛ばされないようにしっかり掴んだまま、
公衆トイレの風下側に移動しました。

ようやく一息ついてトイレに入ってみると、
手洗い場には同じように避難したずぶ濡れのキャンパーが数人。
中には移動中、強風にあおられ、
テントが湖上を去っていった悲劇に見舞われた人も。

結局、嵐がやむまで、まんじりともせず、
僕らはそこで臭い仲となったのでありました。

南でも安心はしていられません。

あれは石垣島の米原キャンプ場でのこと。
サンゴの砂のビーチでキャンプなんてステキ!
と皆さんは思うかもしれませんが、その実情は・・・

この時はともこも一緒だったので、
テントはより大きい3〜4人用のものを持って行きました。
(といっても3人で使うのは厳しい)
ところが訪れたのが6月下旬の南の島となると、
締め切ったテントの中はもうサウナ状態。
とても寝るどころではありません。

かと言って、少しでも風を入れようと入り口を開けたが最後、
ジーンズの上からでも平気で刺してくるマッチョな蚊の集中攻撃を受け、
ふたりとも献身的なブラッドドナーになってしまいます。

そこで僕らはビーチまで出て、砂の上にマットをひいて寝ていたのです。
ここならずっと海風が吹いているので涼しいし、
蚊も近寄れませんでしたから。

しかし、砂浜で風が吹いているということは、
砂が飛んでくるということでもあります。
そう、朝になると髪も体もじゃりじゃり。
さいわい水シャワーが近くにありましたけどね。

とまぁ、これくらいのお話でも、
僕らの生活基準がどんなレベルか、ご理解頂けたかもしれません。

いま、僕らが住んでいるのは月家賃7万5千円の狭い2Kアパート。
それでも雨風がしのげるだけではなくエアコンがあり、
お湯の出るシャワーだってついてる。
そう、刺されると厄介な虫だって入ってこない。

だから、幸せだねぇ!

なのでございます。

えーじ
posted by ととら at 21:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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