2019年12月13日

第7回研修旅行 その10 最終回

この仕事を始めたころ、
世界各国の料理を紹介するために探していたのは、
たとえばイタリアのピッツァや中国の餃子のように、
その国『独自』の料理でした。

ところが!

料理を探す旅を続けるうちに、
そもそもな疑問が僕の中で膨らんできたのですよ。
それは・・・

ピッツァって、イタリアで生まれたんだよね?
ん? でも原料の小麦って、
メソポタミアで栽培が始まったんじゃなかったっけ?
そう言えばギリシャに袋状のパンでピタってのがあったよな。
似たような名前だけど、無関係なのかしらん?

とか、

イタリア料理・・・イタリア・・・
って昔はローマ帝国だったんだよね?
あれ? ローマ帝国ってヨーロッパから中東、
はてや北アフリカまでを含む、むちゃくちゃ大きい国じゃなかったっけ?
ん? でもイタリアってそんなに大きくないし、
国として統一されてから、まだ160年弱しか経ってないの?

なんてことを考えるうちに、

その国の文化100パーセントで創られたオリジナル料理ってあるのかしらん?
いや、それをいうなら、
他からまったく影響を受けずに純血を保ち続けている国ってどこかにあるの?
いやいや、そもそも、いまある国って、
アダムとイブの時代に神さまが創ったんだっけ?

という身も蓋もない、
『そもそも論』の無限ループにはまってしまったのです。

たぶん、それは僕が日本で生まれて日本で育った、
日本人だからなのかもしれません。

そしてこれまた多分、
大陸で生まれ育った人たちは、
こうしたそもそも論に陥ることはまずないでしょう。
特に、今回の旅で訪れたレバノンのような国の場合は。

古くはカナンと呼ばれ、フェニキア人が旅立ち、
その深い歴史の積み重ねを文化の土台として持ちながら、
住む人も、統治する者も、幾度となく入れ替わった場所。

さらに今の国境線は、
フランスが統治目的で大シリアを分割した結果ひかれたもの。

そこで生まれ育った人に、僕ら日本人がよく使う、
『わが国固有の領土』なんてフレーズは意味不明なんですよ。
ここでは『領土』という言葉を、
文化、民族、言語、宗教、はてや歴史と入れ替えても同じこと。

とどのつまり人間の営みにおいて、
パテントが取れるようなオリジナリティなんてのは、
ないのかもしれません。

レバノンの料理はそうした文化のダイナミクスを、
いちばん美味しい形で教えてくれたのでした。

えーじ

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See you on the next trip!!
posted by ととら at 14:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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