2020年01月28日

態度が悪い店 その4 最終回

飲食店における暗黙のルールとは何か?

話し始めようとして今更ながらに考えてみると、
そこには気遣って頂きたい、
4つのカテゴリーがあることに気付きました。
そしてこの4つは、とどのつまり飲食店に限らず、
ほぼすべての業種に当てはまるような気もします。
それは・・・

1.他のお客さまの迷惑になること
2.近隣の迷惑になること
3.お店の経営にかかわること
4.働いている人の尊厳にかかわること

お客さま商売の人がお客さまに嫌な顔をした場合、
(それ自体を絶対に我慢すべきだという意見もあるかと思いますが、
 僕は個人的に違うと考えていますし、実際に嫌な顔をします)
上のどれか、
もしくは複数のバイオレーションがあった可能性が高いと思います。
(要するに嫌な顔をするというのはよっぽどのことなのですよ)

しかし、『その1』でもお話しましたように、
いずれのケースでも悪意を持ってそれをやる人はまずいないでしょう。
やはり『ルールが共有されていない』と考える方が順当です。
そこでこのカテゴリーからブレイクダウンした、
ルールをお話しなければ先が続きません。

ところが難しいのは、どんな行為が迷惑になるのかは、
ケースバイケースで決まるという点です。
たとえば居酒屋とドレスコードがあるようなレストランでは、
お客さまが求められる振舞いにも大きな違いがあるでしょう。

そこで僕たちが旅先でやっている簡単な判断方法をご紹介したいと思います。
それは・・・

他の人がやっていないことはしない。

これに尽きます。

逆を想像して頂ければ分かり易いのではないでしょうか。
たとえば静かな店内で大声を出したり、
フロアをうろうろ歩き回ったりすれば、お店の人だけではなく、
他のお客さまからも嫌な顔をされますよね?

もしかすると判断の難易度が高いのは、
項番2の『近隣の迷惑になること』の方かもしれません。
これもまた場所や時間によって迷惑となる行為が変わってくるからです。

たとえば自転車。
幅の広い歩道に面した店であればある程度の余裕はありますが、
ととら亭のように自動車が通行できない細い商店街にある店の場合、
自転車を店頭に雑然と駐輪することは、他の歩行者の妨げになるだけではなく、
道路にボトルネックを作ることで、
他の自転車による思わぬ事故の原因にもなります。
また、他店の前に駐輪することは、
他店の営業にもマイナスの影響を及ぼしてしまうでしょう。
(これに気付いた場合、
 後でそのお店の人は別の店に謝りに行くとこともあるんですよ)

しかし、ここでも迷惑行為を判断する明確な方法があります。
それは・・・

自分の家の前でやられたら嫌なことは他でもやらない。

これなら無秩序な駐輪だけではなく、
ゴミのポイ捨て、深夜の大声などがバイオレーションである判断が、
簡単につきますよね?

次が『お店の経営にかかわること』です。

先にお話した2種類の迷惑系は、お店の人を「大丈夫かな?」と、
まずハラハラさせますが、
このカテゴリーはいきなり「勘弁して下さいよ・・・」でしょうね。

いわずもがな、
飲食業とは資本主義社会における営利活動のひとつです。
その点においてはIT企業や自動車産業となんら変わりません。
つまり利益を出さなくてはいけない。

故に分かり易い判断方法があります。
それは・・・

自分の行為と支払う金額のバランスは取れているか考えてみる。

いい機会なので、ここで終止符を打ちたい問題があります。
ちょっと前にネット上で、
『飲食店に入ったら必ず注文しなくてはいけないか?』
という泣ける議論がありましたよね?

断言しましょう。
注文しなくては絶対にダメです。
例外はありません。

ここでも逆の立場で考えてみて下さい。
16席しかないととら亭でランチタイムに満席になりました。
ところが「あんまりお腹空いてないんだよねぇ」な方が8名いたとします。
で、「水だけでいいです」とか、
「相手のランチをちょっとつまむだけでいいです」といわれ、
お喋りだけでランチタイムいっぱい席を占有されたら・・・
(しかも本当にランチを食べたい人が入れずに!)
そしてそんな状況が何日も続いたら・・・

そう、お店は潰れてしまいますよね?

イートイン型の飲食店は一皿の料理を幾らで売るか?
ではなく、1席あたりで単位時間あたり幾ら売り上げるか?
というビジネスをしています。
ですから先の『注文しない』ケースだけではなく、
たとえばコーヒー1杯で6時間ねばり通しました、
というのも経営上は看過しがたい『脅威』になり得るのですよ。

そして最後の『働いている人の尊厳にかかわること』。
尊厳なんて大げさな言葉を使いましたが、
飲食業、とりわけホールが、
仕事として不人気である大きな理由がここにあるのですよ。
その理由は・・・

無視されるから。

そう、人から無視される。
これは人間としてもっとも堪える行為の上位でしょう。

先日、珍しくファーストフード店に入った僕は、
店員さんとお客さんのやり取りをちらちら眺めていました。
そこでショックだったのは、忙しく立ち働く女性スタッフさんが、
ほとんど『演説』状態だったことです。
食券を買ったお客さまは黙って空いている席に座ります。
すると彼女は、

「いらっしゃいませ、食券をどうぞ。
 牛丼の大盛ですね。ありがとうございます。少々お待ち下さいませ」

「お待たせしました。ごゆっくりどうぞ」

「どうもありがとうございました!」

最低でもこれだけ話していましたが、(場合によってはもっと)
満席に近いお客さまたちはいずれも入店から退店まで、
一言も口をきかないではないですか!

これには僕も驚きました。
食券を渡す時に「お願いします」はないし、
料理が来た時に「ありがとうございます」もない。
「いただきます」はなくおもむろに食べ始め、
当然、退店する時に「ごちそうさまでした」なんてあるはずもない。

それにもかかわらず、彼女は気丈に元気よく話続けている。
彼女だけがこのホールで話続けている。

どうしたんだ日本人!

僕は心の中で叫びましたよ。

話をもとに戻しましょう。
『働いている人の尊厳にかかわること』
これにも幸い簡単なソリューションがあります。
それは・・・

自分がやられて嫌なことはしない。

いや、僕はここまで Don't系ばかり話続けてしまいましたから、
4番目の最後くらいは、その逆で締めくくりたいと思います。
それは・・・

自分がされて嬉しかったことをしよう!

これ、そんなに難しいことではありません。
たとえば、
「こんにちは(こんばんは)」、「ありがとう」、「ごちそうさま」、
この3つの魔法の言葉を使うだけでもタイトルにある『態度が悪い店』は、
世の中からだいぶ減ると思います。

本当ですよ。

End

えーじ
posted by ととら at 19:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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