2020年08月04日

待ってくれた人

朝8時半。

僕が出勤する時に横切る本町通り商店街は、
よぉ〜く、注意しなければなりません。

と申しますのも、
開かずの踏切でストレスエナジーが120パーセントに充填された、
自転車、バイク、自動車が、
デススターに突入するXウイングよろしく、
幅4メートルの狭い道路でデッドヒートを繰り広げているからです。

その日の朝も、僕はいきなり渡り出すという自殺行為はせず、
そ〜っと路地から顔を出して、彼らが突撃してくる左側を見てみました。
(一方通行なんですよ)
すると・・・

お〜、来た来たぁ〜っ!

先陣を切って来たのは、いつものように原付バイクと自転車。

すごいね、あの立ちこぎチャリ、人力でもバイクと競ってる。
きっと彼はプロの競輪選手なんだ。

続くは自動車。
わずかに開けた車間距離に、微妙な間隔で自転車が入り込んでいますから、
さながらブルーインパルスの編隊飛行みたいです。

うん、見かけは学生さんやお母さんなんだけど、
もしかしたら航空自衛隊の精鋭パイロットなのかもしれない。

なぁんて、寝起きのぼ〜っとした頭で妄想していたら、
目の前の喧騒が突然、静寂に変わりました。

はっとわれに返ると、
白い軽自動車が停まってくれています。
そしてそれに同調した自転車やバイクも、
同じように停まってくれているじゃないですか。

軽自動車のフロントガラスが朝日を反射していて、
ドライバーは見えません。

僕が一礼して急いで道路を渡ると、
その途端、背後はまたデッドヒートが再開されました。

あのドライバーは、どんな人だったんだろう?

この通勤ルートを歩き始めてかれこれ8年半。
実は、ここで自動車が停まってくれたのは、これが初めてだったのです。

うん、今日はきっと何かいいことがあるぞ。

僕は爽やかな気持ちで、またお店に向かって歩き始めました。

えーじ
posted by ととら at 11:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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