朝8時半。
僕が出勤する時に横切る本町通り商店街は、
よぉ〜く、注意しなければなりません。
と申しますのも、
開かずの踏切でストレスエナジーが120パーセントに充填された、
自転車、バイク、自動車が、
デススターに突入するXウイングよろしく、
幅4メートルの狭い道路でデッドヒートを繰り広げているからです。
その日の朝も、僕はいきなり渡り出すという自殺行為はせず、
そ〜っと路地から顔を出して、彼らが突撃してくる左側を見てみました。
(一方通行なんですよ)
すると・・・
お〜、来た来たぁ〜っ!
先陣を切って来たのは、いつものように原付バイクと自転車。
すごいね、あの立ちこぎチャリ、人力でもバイクと競ってる。
きっと彼はプロの競輪選手なんだ。
続くは自動車。
わずかに開けた車間距離に、微妙な間隔で自転車が入り込んでいますから、
さながらブルーインパルスの編隊飛行みたいです。
うん、見かけは学生さんやお母さんなんだけど、
もしかしたら航空自衛隊の精鋭パイロットなのかもしれない。
なぁんて、寝起きのぼ〜っとした頭で妄想していたら、
目の前の喧騒が突然、静寂に変わりました。
はっとわれに返ると、
白い軽自動車が停まってくれています。
そしてそれに同調した自転車やバイクも、
同じように停まってくれているじゃないですか。
軽自動車のフロントガラスが朝日を反射していて、
ドライバーは見えません。
僕が一礼して急いで道路を渡ると、
その途端、背後はまたデッドヒートが再開されました。
あのドライバーは、どんな人だったんだろう?
この通勤ルートを歩き始めてかれこれ8年半。
実は、ここで自動車が停まってくれたのは、これが初めてだったのです。
うん、今日はきっと何かいいことがあるぞ。
僕は爽やかな気持ちで、またお店に向かって歩き始めました。
えーじ
2020年08月04日
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