2021年02月16日

どっきり読者

ギョーザ本の企画を練っていた2016年。
内容のみならずマーケティング的な議論もあれこれしましたが、
思えばスコンと抜けていたのが読者の想定年齢。

これに気付いたのは発売後のまだ間もないころ。
高校の教員のお客さまから、

「本を読みましたよ。
 ぜひ子供たちにも読ませようと思って図書室に置きました」

と、言われたとき。

え? 学校の図書室?

「あ、そ、それはありがとうございます・・・」

と口ごもりつつ、僕は頭をフル回転させていました。

おいおい、高校生といえばまだ未成年じゃないか。
なんかヤバイこと書かなかったっけ?
反社会的なアジは? サブカルな内容は? いやいや下ネタは? 

正直、僕は読者の年齢をまったく考えていなかったのですよ。
(そういえばこのブログもそうだった!)
ましてや未成年が読むとは想像もしてなかったので、
この話を聞いたときは完全に虚を突かれました。

そしてこの件のダメ押しが来たのはさらにその直後。
中学生のお嬢さんを連れたお母さんが来店され、
タイアップで特集していた各国のギョーザを注文されたとき。
テーブルに近付くとお母さんがニッコリ、

「今日の料理は学習ずみなんですよ!」

で、視線を制服の少女に移せば彼女はまさに、
ギョーザ本に目を落としているじゃないですか!

うひ〜、ちょっと待った! 今度は中学生か!
だ・・・大丈夫かな?
R18指定・・・じゃなかった・・・はずだよね?

こうして僕は冷や汗をかきつつ、
パントリーに戻ったことを今でも覚えています。

あれから4年。
可愛らしい少女だったそのお嬢さんは、
すっかり大人びた大学生になりました。
そして先日、来店されたときに、

「今年の9月に留学することになったんですよ」
「へぇ、どこへ?」
「フィンランドです」
「じゃ、ヘルシンキ?」
「はい」

読者の年齢を考慮せず、
ましてや教育の文脈で書いた本ではありませんが、
誰かの旅の入り口になれば、との思いを込めたものではありました。

もしかして、
あの本も少しは旅人のひな鳥たちの糧になったかしらん?
だといいんだけど・・・
ん〜・・・
ま、反面教師ネタとしてなら悪くなかったかもしれない。

僕は親になった経験はありませんけど、
続く世代に後姿を見られる緊張感とは、
こんな感じなのかもしれません。

僕をうろたえさせた彼、彼女たちの旅に、
幸、多からんことを!

えーじ
posted by ととら at 00:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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