2021年04月15日

会費制の社会だから

今年も確定申告が終わりました。
これは経営者として年に最大のイベントのひとつですから、
納税を済ませると肩の荷が下りた気がします。

さて、通常はe-taxを使っているため自宅から申告していますが、
今回、別件があって中野税務署を訪れた時のこと。

確定申告は会場が別なので窓口に来ていたのは15人ほどの納税者。
それほど混雑してはいません。
受付札を引いたら僕は5人待ちでした。
そこで本を読み始めて数分。
僕の隣に座っていた40歳前後と思しき男性の順番が来て窓口へ向かうと、

「ふざけんな、いつまで待たせるんだ!」

と、いきなり怒り大爆発。
そこから段取りの悪さをすごい剣幕でまくしたて始めたのです。
窓口で対応していた20歳代の小柄な男性職員は、
ひたすら謝り続けています。

ん〜・・・そんなに待たされてたのかしらん?
それにしても謝ってるんだから、
そこまで言うことはないと思うけどな。

納税証明書を手渡す時もさんざん罵倒された彼に、
僕は同情を禁じえませんでした。
ところが男性職員の不運はそれで終わりません。

「次の方どうぞ」

進み出たのは70歳代の女性。

「おカネは今日はらわなくちゃいけないの?」
「所得税は4月15日までに納付していただければ結構です」
「だから今日はらわなくちゃいけないの?」
「4月15日までに納付していただければ大丈夫です」
「なにわかんないこと言ってんのよ!
 だ・か・ら・今日はらわなくちゃいけないの?!」

ここから女性はだんだんエキサイトしはじめ、
ほどなく怒り心頭に達したご様子。

ありゃ〜、これはキツイね。
日本語レベルでコミュニケーションが成立してない。

「なにをお知りになりたいのでしょう?」

彼はどう対応したらいいものやら、途方に暮れて聞き直しました。
しかしこれがまた火に油。

「あんた何いってんの!? いいかげんにしてよ、もう!」

結局、またさんざん怒られた挙句、
ようやく解放された後に呼ばれたのが僕です。
そこでにっこり笑い、

「こんにちは」

と声をかけてみました。
うつむいていた彼は、はっとして僕と視線を合わせ、

「こ、こんにちは」
「納税証明書をお願いします」
「はい、少々お待ち下さい」

先の二人は税金でもめたことがあったのかもしれないな。
まぁ、なにかと嫌われ者の税務署だからね。
こんな風に怒りの矛先を向けられることもあるんだろう。
とはいえ、さっきの連続攻撃はかわいそうだった。

確かに僕もどっさり納税した時(会社員のころ)には、
「けっこう持っていかれるな〜」とため息が出ましたし、
使われ方についても「民間じゃありえないね」と思うことがままあります。
しかし、『税イコール必要悪』説に立っているわけではありません。

高税率でも幸福度の高い社会を成立させている北欧の国々がありますし、
徴税の仕組み作りに失敗して郵便局が『倒産』してしまった、
ジョージアのような国もあります。

ここで求められているのは、
『一緒に生きている』という共同意識なのではないかしらん?

そうした視点に立つと、
税務署というのはいわばパーティの幹事さんみたいなもので、
みんなから会費を集めて支払いをする人たち。
そんな風に思えてきません?
彼、彼女たちはわかりやすい勧善懲悪ドラマに出てくる、
悪の手先ではないんですよ。

そして僕らも時には申告した数字が変なこともありますが、
そのほとんどの理由は単純に計算や認識が間違っていただけであって、
納税者がすべからく潜在的脱税容疑者ではない。

敵対する理由はないと思うんですよ。

仲良くやりましょう。
会話は紳士的に。
お互いの立場を理解して。

えーじ
posted by ととら at 20:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/188582766

この記事へのトラックバック