お客さまがご来店されたときには、自ずと荷物に気を配ります。
とりわけサイズが大きかった場合は、
安全に置けるようアシストが欠かせません。
そこで毎回、はっと思うのが楽器のケース。
その大きさと形から、
何が入っているのか大抵わかるんですよ。
バンドを渡り歩くこと20年余、音楽歴は40年以上ですからね。
でも最初は見て見ぬふりをしています。
それも意識的に。
なぜならこれがまた寝た子を起こすのが分かっていましたので。
しかし自分の本質に抗うことは難しいものです。
結局「トロンボーンですか?」とか、
「ビオラですね?」なんて話しかけてしまって、
自ら墓穴を掘ってしまう。
むぁ〜、僕もプレイしたいっ!
この強い誘惑はお店だけではなく、
CDの仕入れでお茶の水に行ったときも感じています。
あの街には古本屋や中古CD屋だけではなく、
楽器屋がたくさんあるでしょ?
分かっちゃいるけど、
ついショーウィンドウの前で足を止めちゃうんですよ。
お、スペクターのベースか・・・スルーネックのEuro4。
ナチュラルフィニッシュで格好いいなぁ・・・
ちょっと試奏させてもらおうかな?
いや、いかん!
あ、ゴダンのGrand Concertだ!
ソリッドボディにナイロン弦のクラシックタイプ。
シングルカットアウェイでハイポジションも弾きやすそう。
あれ、欲しかったんだよな〜。
いや、いかん!いかん!
ってな具合に・・・
後ろ髪引かれるとはまさにこのことで。
またベースやギターをプレイしたいと思いつつも、
スタジオに入る時間はないし、
なによりアパート暮らしじゃ練習もままならない。
と、諦め続けて11年。
先日の夕方、
アパートの仕事部屋で音楽を聴きながら読書していたとき、
ふと机の上で埃をかぶっているミキサーに目がとまりました。
はぁ・・・こいつもずいぶん使ってないな。
電源入れたらちゃんと動作するかしらん?
壊れちゃってるかもなぁ。
ん? ちょっと待てよ・・・
今ならスタジオはともかく、
アパートで楽器を弾くくらいの時間はあるじゃないか。
もちろんアンプを鳴らすんじゃなく、
(そんなことしたら追い出されちゃう)
ベースをラインでミキサーに入れて、
ヘッドフォンでモニターするなら問題ないはずだ。
ってわけでヘッドフォンは・・・どこにしまったっけ?
あ、あった! ・・・
うげ、なんじゃこりゃ? イヤーパッドがボロボロじゃん。
そりゃそうだよな、もう10年以上つかってなかったんだから。
ええい、しょうがない。
で、amasonで発注した、
ヤマハのスタジオモニターヘッドフォンが今日とどきました。
さっそくベースをチューニングしてミキサーに繋ぎ、
ヘッドフォンへのアウトプットを上げてみると・・・
おぉ〜っ! 久々だぜ、このビッグなサウンド!
涙が出てきた、うう。
さすがに生楽器は鳴らせられませんけど、
エレキ系なら生音はペンペンいってるだけだから、
お隣さんには聞こえません。
そんじゃドラムはスマホもミキサーに繋いで、
ダウンロードしたリズムマシンアプリで・・・
ふんふん、いいじゃない?
練習程度ならこれで十分だ。
こうして時短営業で早く帰れた日のお楽しみができました。
今度はエレキギターとキーボードも復活させようと思ってます。
ふふ・・・

愛用のベースは Fender の Jazz Bass で5弦のフレットレス仕様。
弦はローBを足しています。
サーキットはアクティブでプリアンプ内蔵。
ぱぉぱぉいい音します。うん。