2021年08月01日

朝のサウダージ

僕の出勤時刻は大体8時20分前後。

今朝、すでに日差しが強くなり始めたころ、
見慣れた野方の道を歩きながら大きく息を吸うと、
何やら懐かしい感覚が蘇ってきました。

あ〜・・・気持ちいいなぁ。
穏やかな南風、焼けたアスファルトの匂い、
強烈な日差し、せり上がる積乱雲・・・

これって何だったっけ?

そうか、南国の安宿を出て、
朝食を食べに行くときの感じだ。

それじゃ、ここはどこだろう?

バリ島のウブド?
プノンペンのモニボンストリート?
それともサマルカンドのレギスタン広場?

カフェに入るときの挨拶とオーダーは現地の言葉でします。
そうすると見慣れない外国人も、
たいてい2日目で顔を覚えてくれるんですよ。

一杯目のコーヒーを飲みながら、
忙しなく行き交う市井の人々をぼんやり眺め、
頭がはっきりしてきたところで、

「すみません、コーヒーのおかわりを。
 それからトーストとフルーツのサラダをお願いします」

今日の予定は何だったっけ?
隣国のビザの申請は明日でもよかったな。
両替は?
うん、まだ今日つかう分の現地通貨はある。
それじゃ、午前中は宿で取材ノートのまとめでもするか。

頭上では天井の大きなファンが、
ゆっくり温風をかき混ぜています。

気だるい物売りの声が通り過ぎて行きました。

僕は今どこにいるんだ?

コルカタのサダルストリート?
ベイルートのハムラストリート?
マプトのメルカド?
それともマラケシュのメディナ?

ああ、そうか、ここは東京なんだ。

みんなどうしているかな?
そう遠くないうちに会いに行くからね。

最後の旅から1年8カ月が経ちました。

野方での日常もまた、
楽しんでいないわけではありませんが、
僕の心はこうしてそわそわと、
次の旅を夢見ているのです。

Saudade da viagem.

えーじ
posted by ととら at 17:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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