僕の出勤時刻は大体8時20分前後。
今朝、すでに日差しが強くなり始めたころ、
見慣れた野方の道を歩きながら大きく息を吸うと、
何やら懐かしい感覚が蘇ってきました。
あ〜・・・気持ちいいなぁ。
穏やかな南風、焼けたアスファルトの匂い、
強烈な日差し、せり上がる積乱雲・・・
これって何だったっけ?
そうか、南国の安宿を出て、
朝食を食べに行くときの感じだ。
それじゃ、ここはどこだろう?
バリ島のウブド?
プノンペンのモニボンストリート?
それともサマルカンドのレギスタン広場?
カフェに入るときの挨拶とオーダーは現地の言葉でします。
そうすると見慣れない外国人も、
たいてい2日目で顔を覚えてくれるんですよ。
一杯目のコーヒーを飲みながら、
忙しなく行き交う市井の人々をぼんやり眺め、
頭がはっきりしてきたところで、
「すみません、コーヒーのおかわりを。
それからトーストとフルーツのサラダをお願いします」
今日の予定は何だったっけ?
隣国のビザの申請は明日でもよかったな。
両替は?
うん、まだ今日つかう分の現地通貨はある。
それじゃ、午前中は宿で取材ノートのまとめでもするか。
頭上では天井の大きなファンが、
ゆっくり温風をかき混ぜています。
気だるい物売りの声が通り過ぎて行きました。
僕は今どこにいるんだ?
コルカタのサダルストリート?
ベイルートのハムラストリート?
マプトのメルカド?
それともマラケシュのメディナ?
ああ、そうか、ここは東京なんだ。
みんなどうしているかな?
そう遠くないうちに会いに行くからね。
最後の旅から1年8カ月が経ちました。
野方での日常もまた、
楽しんでいないわけではありませんが、
僕の心はこうしてそわそわと、
次の旅を夢見ているのです。
Saudade da viagem.
えーじ
2021年08月01日
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