2021年10月07日

旅立ちのお知らせ その4

柴又を訪れたのは15〜6年ぶりでしょうか。

tora01_station.jpg
(ミニ開発前の柴又駅前)

2019年8月下旬。
高砂駅から新柴又駅を経由して歩いてみた印象では、
当時からあまり変わっていない気がします。
僕らはUターンするように帝釈天方向とは真逆に曲がり、

tora01_street.jpg

「ん〜・・・いい感じだね」
「こういう下町の雰囲気って好き」
「北千住に住んでいた頃を思い出すな。
 このすぐ先の右側にその物件があるらしい」

印刷した不動産情報を片手に、
古めかしい商店街を50メートルほど進むと・・・

tora01_fasade.jpg

「・・・? ここ?」
「ん〜・・・そうだと思う。
 うん、あってる。不動産情報の写真と同じだ」

立地は抜群でした。
柴又駅改札からの距離は、ほんの70メートルほど。
これなら今の野方駅からととら亭までの距離とほぼ同じです。

店舗前は幅4メートルの公道。
ときわ通りと違って自動車が通りますけど交通量はごくわずか。
正面はパチンコ店が取り壊されて、
6階建てのマンションが建設中でした。
駅前を中心にプチ開発が進んでいる様子です。

「どう思う?」
「私は気に入ったよ!
 商店街の活気は野方ほどじゃないけど、
 雰囲気がととら亭にぴったり!」
「そうだね。駅からのアクセスも申し分ない。
 でも中を見てみないと判断はできないな」

その物件の土地はT字型をしており、
縦棒の下先端が道路に面していますが、
奥の部分は隣家と駅に囲まれていて殆ど見えません。

僕らの計画は古民家を購入し、
可能な限り自分たちの手で住宅兼飲食店に改装すること。

ね?
こういうのって、ととら亭らしいと思いません?

そこで僕らは元付の不動産会社にコンタクトし、
内見を申し込んだのです。

時は2019年9月の第1週。
不動産会社の方と物件前で待ち合わせした僕らは、
名刺交換した後、おもむろにアドバイスを、
いや、警告を受けました。
それは・・・

「内部はかなり損傷が進んでいます。
 入るのは十分注意してください」

そして店舗のシャッターがきしみながら上がり、中に入ると・・・

tora01_shop.jpg

内部の様子から化粧品店は10年以上前に閉店しているようです。
ともあれ、ここで見る限り、それほどひどい損傷は受けていません。
しかし担当者さんはここでさらに重々しく付け加えました。

「ここから先は本当に危険なんです。
 いつ屋根が崩落するか分かりません。
 内部に入るのであれば自己責任でお願いします

ま、マジですか? 怖いことを言うね。
そこで壁の向こうをのぞき込んでみると・・・

tora01_floor.jpg

うげ、ヤバイじゃん・・・

「ともこ、確かにちょっと危ない感じだ。
 天井だけじゃなく床も抜けてる。
 ここからは僕ひとりの方がいいな」
「わかった。気を付けてね!」
「写真を撮ってくるから後で見せるよ」

危険地帯に入ると天井以上に床が問題でした。
そこかしこが陥没していますし、
床や畳が残っているところでも体重をかけるとグラグラです。

やれやれ、地雷原か。慎重に行こう。

僕は片足ずつゆっくり加重し、
足元の強度を確認しながら奥に進み始めました。
そして目に入ったのは・・・

tora01_roof.jpg

こ、こりゃひどい。想像以上だ。
建物の1/3の屋根が崩落してる。
これじゃオープンエアのレストランになっちまう。

tora01_bath.jpg

あいやぁ〜、おまけにこっちは露天風呂かい?

できるだけ細かく調べようとしましたが、
水たまりで繁殖した蚊がむらがり始めました。

こりゃたまらん!

僕は手早く写真を撮り、店舗部分に戻りました。

「大丈夫?」
「ともこ」
「どうだった?」

「プランBだ」

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 17:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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