2021年10月19日

夢を追う人、追った人

「楽器はこのベースとキーボードの他に何かありますか?」

先日、引越しの見積りで業者さんに来てもらったときのこと。
料理関係の資料の他に、
楽器や音楽CDが散らばる僕の仕事部屋で、
荷物のチェックが始まりました。

「え〜っと、その本棚の後ろにギターが2本あります」

・・・?
ソフトケースからヘッドの一部が出ているだけなのに、
彼はなぜベースだと分かったんだろう?

「ギターは・・・エレキとアコギですか?」
「そうです。お詳しいですね?」
「ええ、以前バンドをやっていたんですよ」

なるほど、訊けばプロデビューを目指して、
横浜を中心に活動されていたそうで。

「担当は何だったのですか?」
「ヴォーカルです。
 でも、僕の力不足で契約までいけませんでした」
「実は僕も横浜でバンドをやっていたのですよ」
「え! そうなんですか?」

こんな話でつい盛り上がってしまいました。

ととら亭でも、彼のような元バンドマンや、
役者、声優、ダンサーを目指していた人は珍しくありません。
また現役で下積みをしながらプロを目指している人も沢山います。

僕は彼、彼女たちの夢を追う、あの眼差しが大好きなんですよ。

たとえそれが過去のことであり、
今は別の仕事をしていたとしても、
自分の限界まで走り切った人の持つ心の輝きは、
いつまでも失われないものです。

僕もまたその一人として、
音楽や詩や小説に没頭していた時期がありました。

え? それでようやく堅気になったのか?

いや、夢を追う人っていうのは、
対象が変わっても、別の何かを追い始めるものです。
(諦めの悪さも自信がありますし・・・)

僕の今の夢は、遠くまで行くこと。

一生をかけてもこの星は旅しきれません。
だから、残された時間でどこまで行けるか?

ラップランドの空で踊るオーロラ、
コバルトグリーンの海に崩れ落ちるアイスランドの氷河、
轟音と水しぶきで世界を覆うビクトリアの滝、
静寂に包まれたナミブ砂漠の夜、
ボルネオの森で聞く虫や獣たちの歌声、
密林に囲まれたオルメカ文明の遺跡・・・

そんなことを夢見ながら、
僕は現実の旅を考えているのです。

えーじ
posted by ととら at 08:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/189076112

この記事へのトラックバック