2021年10月27日

僕らの結婚観

先週の読売新聞の記事は、僕らにとっても興味深いものでした。

今まで取材を受けたことは何度かありますけど、
旅や料理ではなく、
結婚観について訊かれたのは初めてでしたからね。

記者さんが興味を持ったとっかかりは、
出会い(同棲)と結婚のタイミングがあまりにも離れていたからです。

それというのも、僕とともこの中には、
ハイティーンの頃から結婚について素朴な疑問がありました。

結婚というのは、恋愛と同じように、
基本的に個人の自由意思に基づく関係であるにもかかわらず、
なぜ第三者の、とりわけ行政のお墨付きが必要なのか?

たとえば具体的にいうとですね、
僕らは練馬区に住んでいた時に結婚したので、
練馬区役所に婚姻届けを出したわけですが、
受理したのは書類上、志村豊志郎さんという当時の区長です。

でね、僕らは二人とも、この人と面識はないんですよ。

え? だからどうした?

いや、一般的にはノープロブレムなんでしょうけど、
こういうのって、僕らにはけっこう違和感がありまして。

それにそもそも、Before After でいうと、
僕らの個人的な関係はまったく変わりません。

ではなぜ結婚したのか?

端的に言えば方便です。

まず日本では事実婚だと、いろいろ不都合が多い。
(世間体ってのはどうでもよろしい)
たとえば記事にもあったように、
建前上、僕がととら亭の事業主である場合、
入籍前のともこは従業員となり、
経営者として雇用保険に入れなくてはなりません。
つまり僕らは労使関係になってしまうんですよ。
(変でしょ?)

他にも税制上の不利益は数あるし、
入院した時なども家族でないと不便が絶えません。
調べていないから分かりませんが、
事実婚状態で子供ができた場合はさらに大変でしょう。

面倒なのは外国を旅しているときも同じです。
イミグレーションで This is my wife. といえばスルーですが、
ファミリーネームが違うと、
一緒に審査を受けることすらできない場合があります。
(ともこ語では細かいやり取りが難しいときがありまして・・・)

イスラム教圏など、未婚の男女の交際に厳格な国では、
婚姻関係がないと鉄道の同じコンパートメントに入れてくれなかったり、
ホテルの同室を断られることもあるんですよ。
(売春を防ぐためでもあるみたいですけどね)

だからといって、
僕らは個人を越えた家族の関係を無視しているわけではありません。

これまた自然な流れで、お互いの両親、兄弟姉妹は、
結婚する前からファミリーとして親しく接していますし、
Before After での変化もまったくないのです。

つまり、根本的に僕らのメンタリティに、
行政の介入や第3者認証は不要なんですよ。

ただこれはあくまで僕らの個人的な考えであって、
異なる人々を批判するとか、
社会通念を変えようとして話しているのではありません。

僕らはいろいろな面で一般的ではない価値観を持ち、
それに従って生きている。
そうした自覚はあります。

まぁ、こんな風にずれているところが、
記者さんの目に留まったのかもしれませんけどね。

えーじ
posted by ととら at 10:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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