お客さまの年齢層が比較的に高いととら亭ですが、
ここ最近は20歳代の方もだいぶ増えてきました。
そんな彼、彼女たちと話をすることは、
子供のいない僕にとって、
(まさに子供がいたらそれくらいの年齢ですから!)
どこか外国にいるような気分にさせられることがあります。
まず気付くのが『違い』。
僕たちは同じ2021年の『現在』に生きていますけど、
その感じ方は大きく異なっています。
ときにはまったく違っているといってもいい。
そしてそれは僕が彼らと同じ年齢だった頃とも違う。
(スマホやSNSなんてなかったですしね)
ところが話が進んで行くと、
次第に違いのベールが薄れて行くのを感じ始めます。
それはどこか人間の普遍性ともいえるものかもしれません。
ある人は進路で悩み、
またある人は転職でつまずき、
若くして離婚や死別という深い悲しみに直面している人もいる。
ここでふと気づいたことがあります。
彼らは僕を何か特別な位置にいると思っているのではないか?
そう、僕はまさに人生のOBとして、
彼、彼女たちが悩んでいる問題を卒業し、
一種の完成された、
理想的な立場にいるかのように考えられている節があるのです。
ここで苦笑されるのはご同輩でしょう。
いわずもがな、
人間、何歳になっても悩みや苦悩が尽きることはありません。
ただその対象が違っているだけ。
確かに僕はいま、学校の成績や就職、結婚について悩んではいません。
しかし、若者諸君は、
1年間で同じ手術台の上に2回のぼる不安はまずないだろうし、
離れて住む高齢の親を心配することもないでしょう?
僕らをイライラさせ、不安にさせ、怒りを爆発させるものごとは、
まるで海辺に打ち寄せる波のようにやってきます。
そしてそれは僕たちが生きている限り、
何歳になってもなくなることはありません。
え? そんな身も蓋もないことを若者に言ったのか?
いや、だからこそね、こう付け加えているんですよ。
僕が高い代償を払って身に着けたのは、
そうした不運、不幸に真っ向からケンカを仕掛けるのではなく、
(勝ち目はありませんし)
むしろ手を差し出して、一緒にダンスすること。
Dance with bad luck.
踊り方のコツさえ覚えれば、
あとはまぁ、たいてい何とかなるものです。
えーじ
2021年11月15日
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