2021年12月18日

スーパーが消えて行く街 前編

僕がテナントの鍵を返した今月15日、
奇しくも同じタイミングで、
野方に3店あるスーパーマーケットのうち2店が閉店しました。
(両方とも同一経営で1店は11月末に閉店)
いずれも60年近く営業していた老舗です。

この衝撃は地元の一般消費者のみならず、飲食業者にも大きかったですね。

「これからいったい、どこで買い物をすればいいんだ?」

そう、客席数が20席未満の小規模店の場合、
仕入れは業者さん経由だけではなく、
膝元のスーパーを利用することがよくあります。

野方は商圏が東西に走る西武新宿線の線路で南北に分割されており、
南側にはこれでスーパーがなくなってしまったのですから、
確かにこの影響は大きい。

しかし、ミクロ経済に12年間密着していた僕にとって、
この事件は意外な感じがしませんでした。

と、申しますのも、スーパーマーケットというビジネスは、
大勢のお客さまで賑わう店内とは裏腹に、
涙なくして語れない財務事情があるからです。

一般的なデータとして、
コロナ禍以前より原価率が76パーセントを越え、
営業利益率が3パーセントを切っているんですよ。

これをととら亭に置き換えると、
たとえば100万円を売り上げても、
仕入れやテナント賃料、水光熱費を支払ったら、
3万円しか手元に残らない計算になります。

そこで更にコロナ禍で内食需要は増えても、
それを相殺して余りある外食需要が長期にわたって激減したでしょう?
飲食店1店の需要は一般消費者の数十倍ですから、
このダメージは計り知れません。

正直、「よくやっているなぁ・・・」と思っていました。
そして他人事ではなく、野方の店を閉めてもなおわが身の問題として、
思い巡らさずにはいられないのです。

なぜならこれはローカルな事件ではなく、
これから移転する柴又も含めた日本全国規模の潮流だから。

ほら、あなたの街の商店街でも、程度の差こそあれ、
まず魚屋、肉屋、乾物屋などの素材を売る店が減り、
そこが飲食店や整体、
塾、歯医者などのサービス店に変わってきたでしょう?

それから個人経営とチェーン店の店舗比率が、
後者に大きく偏ってきていません?

つまりどこも商店街の規模が縮退し、店舗構成が画一化してきている。

その理由って分かります?

to be continued,,,

えーじ
posted by ととら at 11:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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