それは「文明開化」!
と申しますのも引き渡された時点では、
水道、ガス、電気が使えない状態だったのです。
そうなると作業は日暮れでおしまい。
自然に呼ばれれば公衆トイレまでダッシュ!
風呂も入れず銭湯通い。
それが最初に電気が使えるようになって、
おお〜っ、灯りが点いた!
次に水道が開通し、
はぁ〜・・・トイレが使える。(涙)
そして4日前、ようやくガスが使えるようになり、
やったぁ〜、これで風呂に入れる!
と最後はなりませんでした。
給湯器をまともに動かすためには、
ガス管と電源、
それにリモコンとの接続をしなければならないのですが、
工事を終えたガス屋さんいわく、
「点火試験は成功したのですがリモコンが繋がれていませんね」
「・・・?
それってガス屋さんが繋いでくれるんじゃないんですか?」
「いや、これは電気屋なんですよ。電気ですから」(※)
「なるほど。じゃ、風呂はどうなります?」
「リモコンでお湯を張るから入れません。
でもシャワーなら蛇口を捻るだけですから使えますよ」
「やったぁ〜っ!」
「あ、リモコンが使えないと湯温もコントロールできないので、
熱湯が出てきます。やけどしないように気を付けて下さい」
ってな訳で風呂は未だに入れません。
それでもシャワーが使えるのは嬉しいですね。
そこで銭湯通いからは脱したのですが、
慣れてきていたせいか、ちょっと寂しい気もちらほらと。
僕らが最初に行ったのは、柴又から西方向へ、
800メートルほど住宅街を入ったところにある栄湯でした。

以前、お話したようにレトロ感むんむんの昭和な銭湯。
下駄箱は木製の四角い鍵、
脱衣所のロッカーはアルミ製の四角い鍵、
アナログ式の体重計、コーヒー牛乳が入ったドリンク冷蔵庫、
中に入れば富士山のペンキ画や黄色いケロリン桶、
とまぁ、銭湯の必要十分条件はすべて揃っています。
脱衣場の外に番台があり、そこが休憩所を兼ねているので、
待ち合わせにも便がいいですね。
もう一軒が新柴又方向へ、
同じく800メートルほど南下したところにある興和浴場。

ここはムードこそ栄湯に及ばないものの、
無料のサウナがあるアドバンテージは高い。
どちらもそれぞれの持ち味があり、
僕らは気分で交互に行っていました。
また、マンウォッチングがどちらも面白かったです。
常連ローカルはマイタオル、石鹸、シャンプーだけではなく、
マイチェアーから洗面器まで持っている人がおり、
それをマイロッカーに預けていたリもするんですね。
顔を覚えた人だと、
入浴のプロセスの違いも興味深いところでした。
まず全身を洗ってから湯船に入る人、
体だけを洗って湯船に入り、次に髪を洗う人、
入る湯船も人によって順番が違ったりします。
ふ〜ん、風呂の入り方も十人十色なんだな。
それから常連ローカルの会話を聞くのも楽しかったです。
僕より先輩の方々が多いせいか、健康談義から始まり、
ニュースの時事ネタなど、その世代ならではの解釈は、
こうしたところでないとなかなか聞けません。
そして人間は裸になると、
職業や年収、学歴、社会的ステータスなど、
すべての世の垢にまみれたものが消え、
みな同じになるんですよね。
そうした意味で銭湯は、
この社会で数少ない、
平等な場所のひとつなのかもしれません。
大きな湯船で体を伸ばしながら、
僕はそんなことを考えていたのでした。
えーじ
※ 本日判明したことですが、
給湯器のリモコンを接続するのは電気屋さんではなく、
給湯器を設置する設備屋さん(水道屋さん)とのことでした。