この旅から「ととら亭の取材旅行って?」の方のために、
今日は僕らがどんな宿をどのように選んでいるのか、
お話したいと思います。
まず場所は料理の取材ですから、
自ずと飲食店が集まっている繁華街になります。

遅くまで自動車やバイクが行き交うモンキーフォレスト通り
たとえば今回は王宮前のラヤウブド通りから、
モンキーフォレスト通りを300メートルほど南に下ったあたり。
ここならウブドのもろ中心ですので、
メジャーなレストランもローカル食堂も歩いて行ける範囲に、
ひと通り揃っています。
しかし、そこで問題になるのが騒音。
バイクの爆音だけではなく、
飲食店のライブ演奏から酔っぱらいの雄叫びまで、
通り沿いは耳栓なくして眠れる環境ではないのですよ。
しかし、こんなわき道を入って行くと・・・

どん詰まりは表通りの喧騒が噓のようにひっそりとしています。
ここなら取材の利便性と安眠が両立するでしょう。
そんなところで見つけたのがこのホテル。

バリヒンズー教の寺院を思わせる重厚なファサードと中庭。
古いけれど手入れが行き届いた建物は清潔で、
スタッフもみなラブリー。
部屋の広さは申し分なく、さらに選択肢が多く美味しい朝食も付いて、
ダブルルームが一泊約4,700円! 一人当たり何と2,350円なんですよ。
ま、僕らの予算はだいたいこんなものでして。

とある日の朝食(ナシゴレンとバリ風パンケーキ)
最近はbooking.comなどを利用することが増えましたけど、
いちばん得意なのは、その場で飛び込んで交渉すること。
「こんにちは、ダブルかツインは空いてます?」
「ありますよ」
「いくらですか?」
「540,000ルピア(約4,700円)です」
「朝食は付いてます?」
「はい」
「じゃ、部屋を見せてもらえますか?」
そこで部屋に入り、窓やドアの鍵がきちんとかかるか?
バスルームのお湯は出るか? トイレの水は流れるか?
そして火災のときに脱出しやすいか? をささっと確認し、
すべてがOKであれば、
「どうもありがとう。
いい部屋ですね。ここに泊ります」
となります。
ちなみに周辺の治安に問題がないのかも大切なチェックポイント。
人通りはあるか? 夜間の照明はあるか?
ゴミは散らかっていないか? 小便臭くないか?
怪しげな連中がたむろっていないか?
いくら安くても、これらの条件をパスしていない場所の宿には、
基本的に泊まりません。
(ときには選択肢がないときもありますが)
それからネット上の匿名情報は参考程度にはしても、
手放しで受け入れることはありません。
あくまでも信用するのは自分の目と耳で確かめたことだけです。
今回、ウォームアップにウブドを選んだのは、
かつて4回訪れており、政情、治安、
衛生の問題をいずれもクリアしていたからなんですよ。
もちろんおいしい料理があることも大前提ですけどね。
長いブランクの後でいきなりスリルとサスペンスに満ちた旅を始めるのは、
ちょいとリスキーだと思いまして。
ここは僕らが泊った限り、とてもいいホテルでした。
Narasoma Homestay & Retreat
No 35 Gang Beji Jl Monkey Forest Ubud, 80571
to be continued...
えーじ

部屋の前のテラスにて