2023年09月03日

2枚の千円札

先日のランチタイムで。
中学生の兄弟がお母さんと一緒に来店されました。

まもなく料理が出る前に、
兄と思しき少年がレジ前の棚からギョーザ本を手に取り、

「この本をください」

ん? この子がギョーザ本を読むのか?

僕は一瞬とまどいましたが、

「やぁ、どうもありがとう! 1,980円です」

彼は財布から2枚の千円札を取り出しました。

へぇ、珍しいな。
今どきの中学生が本を読むとは。

なんて思っていたら、帰りがけにお母さんが、

「このまえ来たときに、
 息子があの本を読みたいって言い出したんですよ。
 それなら、お小遣いを貯めなくちゃねって話したら、
 少しずつ節約し始めまして」
「え? じゃ、さっきのお金は君が貯めたものだったのかい?」

彼は照れくさそうに頷きました。

レジの中には何枚も千円札が入っています。
そしてそれは、どこで使っても、1枚千円の価値があります。
しかし僕には、彼が払った2枚の千円札には、
他のお札にはない、特別な「何か」があるような、
そんな気がしてきました。

それは多分、1万円札を使い慣れた大人が、
ずっと昔に忘れてしまった、「何か」なんでしょうね。

えーじ
posted by ととら at 09:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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