先日のランチタイムで。
中学生の兄弟がお母さんと一緒に来店されました。
まもなく料理が出る前に、
兄と思しき少年がレジ前の棚からギョーザ本を手に取り、
「この本をください」
ん? この子がギョーザ本を読むのか?
僕は一瞬とまどいましたが、
「やぁ、どうもありがとう! 1,980円です」
彼は財布から2枚の千円札を取り出しました。
へぇ、珍しいな。
今どきの中学生が本を読むとは。
なんて思っていたら、帰りがけにお母さんが、
「このまえ来たときに、
息子があの本を読みたいって言い出したんですよ。
それなら、お小遣いを貯めなくちゃねって話したら、
少しずつ節約し始めまして」
「え? じゃ、さっきのお金は君が貯めたものだったのかい?」
彼は照れくさそうに頷きました。
レジの中には何枚も千円札が入っています。
そしてそれは、どこで使っても、1枚千円の価値があります。
しかし僕には、彼が払った2枚の千円札には、
他のお札にはない、特別な「何か」があるような、
そんな気がしてきました。
それは多分、1万円札を使い慣れた大人が、
ずっと昔に忘れてしまった、「何か」なんでしょうね。
えーじ
2023年09月03日
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