僕らの旅歴で初めて外国で迎えるクリスマス。
その場所はお洒落なドイツやフランスではなく、
ウズベキスタンのサマルカンドになりました。
今回の旅で2回目の到着
サマルカンド駅前のイルミネーション
というわけで、ディナーはターキーではなくチキンのシャシリク
ま、ととらっぽいクリスマスですな これがめっちゃうまい!
今朝がたタジキスタンのドゥシャンベを出発し、
国境を越えてサマルカンドに着いたのは15時30分ごろ。
来た道を戻っただけとはいえ、内容は往路とだいぶ違いました。
まずは市内から13キロメートルほど離れた、
シェアードタクシー乗り場まで行ったとき。
バンバンバンバン!
「さぁ、着いた」という間もなく、まだ自動車が停まっていないのに、
二人の男性が駆け寄り、窓ガラスを激しく叩きながら何か叫んでいます。
断片的に聞こえる単語からシェアードタクシーの客引きのよう。
さぁ〜て、お出ましだ。
と、シナリオどおりに対処しようと思ったら、どっと6人に取り囲まれ、
「*%^:”$#@!*&^%$^!!!!」
「!@#$%&(*^%:”:”?><>?!!!」
「あ、ちょっと・・・」
「*%&^%$^?><>?&^%$^!!!!」
「いや、サマルカンドに・・・」
「*%^:”$#@!*&^%$^!!!!」
「ちょ・・お、オレの話を聞け〜っ!」
という飽和攻撃を食らいました。
そこで迎撃に苦戦しているところへ、
「えーじ、ひとり180ソムニで交渉成功したよ!」
「え? でかした! それで行こう!」
こうして第1波をかわし、指さされた自動車に飛び込むも、
一息つく間もなく突然若い男がドアを開けて僕の隣に乗り込み、
「!@#$%&(*^%:”:”?><>?!!!」
「なんだなんだ、君は誰だ?」
「!@#$%<>?&%:”:”?><>?!!!」
「えーじ! 大変! 荷物を出してるよ!」
後ろを振り返るとトランクが開けられ、
二人の男が僕らのバックパックを運び出そうとしています。
「おい、ちょっと待った! 何やってんだ? 待てったら!」
飛び出した僕の前に隣に滑り込んできた男が回り込み、
何やら「落ち着け」とジェスチャーで言っているようです。
そして別の自動車のトランクに僕らのバックパックを入れ、
ドアを開けて「乗れ!」・・・と言っているような・・・
「えーじ、あっちの車でもう話を付けてるよ!」
「わかってる、でもこいつら話を聞かないんだ!」
ほとんど拉致されるような雰囲気になってきました。
そして次の車に半場押し込まれ、こいつはまずい、と顔を見合わせたところへ、
同乗者と思しき40歳代の男性が案内されてきたのです。
見たところ、彼は落ち着いています。
「あ、サラーム、英語話します?
え? ダメ? パルースキー(ロシア語)? ハラショー(OK)」
僕はスマホを取り出し翻訳アプリを起動してロシア語に切り替え、
「このタクシーはジャルタパ国境に行きますか?」
彼はにっこり頷いて「ダー(はい)」。
「僕は外にいるジャージ姿の男に二人分360ソムニを払いました。
これでいいのでしょうか?」
彼は再びにっこりしながらサムアップ。
まじ? 本当にこれでいいの?
まだ疑心暗鬼のまま周囲を見回しているところへ、
今度は70歳代中ごろのお婆ちゃんが案内されてきたのです。
彼女も見たところ、取り乱した様子はありません。
まるでこの大騒ぎが「いつものこと」のよう。
このままここに座っているべきか? それとも出て荷物を取り戻すべきか?
答えを出す前にまた別の若い男が運転席に乗り込み、
素早く自動車を発車させてしまったのです。
結果的にこのカオスがあそこの秩序であることが薄々わかり始め、
最後は安心して4日前に越えた国境に戻ったのでした。
今度はこんなシェアードタクシー
例によって言葉は通じませんでしたがお茶をご馳走になったり
運賃や行き先の確認を手伝ってもらったり
とても親切にしていただきました
往路とは変わってまぶしい青空が広がりました
こんな山脈に囲まれた道が続きます
一番高い標高2,300メートル付近は雪が深く
ときどき小さな集落があるだけ
険しい風景が続きます
標高を下げても荒涼とした感じ
しかし所々で人々の生活が垣間見え
国境の手前にある街 ペンジケントの市場
タジキスタン側の国境入り口
この一件でさっそく免疫ができたのか、
ウズベキスタン側での待ち伏せはさらりとかわし、
往路より値切ってさらに離れたサマルカンド駅まで、
貸し切りのマルシュルートカで移動したのです。
不思議なもので、こういうのも慣れると楽しむ余裕が生まれてきます。
ウズベク側ではさらに多い8人ほどに取り囲まれましたが、
落ち着いてみていると面白かったですよ。
たとえば、「もうちょい安い人いない?」と聞いて競りのように煽り、
「それじゃ君に頼もう!」となったら、
周りからそのシンデレラボーイにすごいブーイングが。
知っている単語から勝手に翻訳しますと、
「てめぇ、抜け駆けしやがって!」
「お前、タクシーじゃねぇだろ! マルシュのくせに横取りかよ!」
そんなこんなで駅前のホテルにチェックインしたときは、
ほとほと疲れていましたが、市場の取材で気力は復活。
というのも、最後の力を振り絞って食材の調査をしていると、
ハーブ売り場の前にふたりの小さな女の子が。
僕らを見るなりにっこりしているので、
「サラーム、ヤポン、ヤポンスキー(こんちは、日本、日本人だよ)」
そう話しかけると何やら急いでハーブを摘みはじめたではないですか。
そして僕らに駆け寄り、差し出した小さな手にはミントの葉が。
瑞々しい香りがあたりに広がりました。
「ラフマット(ありがと)」
彼女たちは照れ笑い。
こんなひとときが、世界遺産や壮大な風景より、僕らの旅の原動力になるのですよ。
さて、明日は8時の便でタシュケントに移動します。
あの街も9年ぶり。何が待っているかな?
to be continued...
えーじ
Thanks Sweet Angels!
いつも温かい応援ありがとうございます。
ブログでは限られた字数と写真でしか現地の雰囲気をお伝え出来ず、
歯がゆい限りですが、楽しんでいただけたら幸いです。
僕らは今日の昼頃タシュケントに到着し、
明日は夜行国際バスでカザフスタンを経由し、キルギスのビシュケクに向かいます。
実はこのルートの前半、ギョーザ本でも触れましたとおり、鬼門なのですよ。
2016年のときはひどい目に遭いました。今回はどうなるかな?
反面教師として素晴らしい内容になると思いますので、続報は少々お待ちを。