夜が明けてる。8時か。ここはどこだ?
マップは・・・GPSのシグナルが拾えない。
アムリトサルは、ほぼ定刻の9時に出発したけど、
ニューデリー駅に着いたのは1時間遅れの21時。
あれから11時間か・・・今どのへんを走っているんだろう?
途中で何度も長く停まったからな。
濃霧に包まれた肌寒いアムリトサル駅を出発
外は30メートル先も見渡せない濃い霧に包まれ、
かろうじて読み取れた駅の看板にはDauraの文字が。
インド中央平原で見た朝焼け
窓ガラスを通した色が幻想的でしたので色補正しないままの画像です
ダウラだって? ここまでの走行距離はざっと1020キロメートル。
23時間かかってようやく半分か。やれやれ・・・先は長いな。
それでも緯度を750キロ近く南へ移動したせいか、
暖房のない車内がだいぶ暖かくなりました。
外の植物にも変化が見られ、ソテツやヤシの木が増え始めています。
乾いた大地が広がるサバンナ 標高は280メートルほど
2日目にはホームにブーゲンビリアが咲いていました
僕らが乗ったのはアムリトサル発ムンバイ行き11058号。
約2000キロメートルを39時間かけて走る長距離列車ですから、
AC2段寝台車に乗りました。
インド鉄道名物 車内販売のチャイ 売り手によって味が違います
ニューデリー駅まで車内はがらがら。
そこから乗客が一気に増え、ムンバイまでの旅の道連れは、
8歳のお嬢さんを連れた30歳代のご夫婦と、同じく30歳代のムスリムの男性。
僕らに興味津々 隣のコンパートメントから何度も顔を出すシャイな女の子
とにかく外国人が珍しいのか、僕らは注目の的でした。
みなさん英語はビミョーでしたが地球人同士のコミュニケーションでOK。
難しいことはありません。
合掌しつつ「ナマスカー(こんにちは)」
と、スマイルだけで友好関係を築けますからね。
以降は途中でヒンドゥー語を教えてもらったり、
こちらは日本語の文字と書き方を講義したり、
お互い「へぇ〜、そうなんだ!」と頷くことしきり。
そうそう、頷くといっても、これもインド式は僕らと逆なんですよ。
「イエス」で首を横に振り、「ノー」でうんうんとなる。
ほんと、おもしろいですよね、文化の違いは。
よそ者には秩序がわかりにくいインドの駅 線路内もひとが歩き回り
さらに住んでいるような人々も・・・
インドは変わった、という向きもありますが、それは所得の上位だけ
25年前から底辺に変化が見られたとは僕には思えないな
ほぼ丸2日間の移動ともなると次に重要なのが食事。
どうやら食堂車はないらしく、となれば事前調達しかないか?
とはいえ2日間常温で保存できる食料は限られています。
ん〜・・・ずっとパンばかり齧っていてもねぇ・・・
車内販売は衛生的に不安が残るし・・・
と悩んでいたときの救世主が、
鉄道アプリIXIGOでみつけたレストランのウェブオーダー。
これは駅ごとにある飲食店にウェブ経由で料理をオーダーし、
停車時間に作りたてを席までデリバリしてもらえるという優れもの。
決済も事前にクレカでできるんですよ。
しかし、何ごとも「インド」なので、手放しで喜んではいられません。
保険である程度のパンやジャムなどを持ち込み、
デリバリー駅で待ってみました。
すると、昼と夜それぞれ2回ずつ、計4回オーダーしてキャンセルは1回のみ。
成功率75パーセントでおいしい料理にありつけたのです。
黄色がパニール(チーズ)カレー、赤茶色がチャナ(豆)マサラ
ボリューム満点 二人でお腹いっぱいになって約600円くらい
ここで織り込み忘れたのは列車の遅延。
2日目の20時に食べるはずだった夕食が届けられたのは何と24時!
車内はみんな寝ているので照明がつけられず、
ふたりで深夜の闇カレーパーティに。
そんなわけで食事の問題は解決し、ベッドの寝心地も良く、
二人とも朝までぐっすり。めでたし、めでたし・・・
にはならないのがお約束。
食事の次といえば・・・そう、ただでさえヤバイ、インドのトイレ事情。
それが39時間に及ぶ客車内の状況ともなると、どうなるか?
ここで例によってビジュアルにお伝えしようと思いましたが、
この前、恐怖のダルバザ型トイレの写真を載せたら不評でしたので、
ここはご想像にお任せしましょう。
言い添えるとしたら、発車後、1日経過した後は、
僕らでさえドアを開けると、究極の選択を迫られる状態だった、
という結末。
長い乗車時間、僕らは取材のノートをまとめたり、読書したり。
また変わり行く車窓からの風景を見ているだけでもまったく飽きませんでした。
今回はほぼインド亜大陸を南北に縦断。
人の営みがぎゅっと凝縮された街並み
左は洗濯もの 右はゴミが散乱したどぶ川
植物が変わるだけではなく、人々の装いも大きく変わりましたからね。
アムリトサルからデリーを経由してアグラーまで南下する間、
暖房のない車内は寒くて僕らは冬の服装のまま。
それが翌日の昼を境に一枚ずつ上着を脱ぎ始め、
ムンバイで降りたときはシャツ1枚に。
冷たく乾いた空気が湿った暖かい南風に変わり、体も気分も一気に南国へ。
ときには大きな河を渡り 雨季と乾季で景色が大きく変わります
とどのつまり、狭いベッドの上で寝たり起きたりしていただけですが、
さすがに40時間を超える鉄道移動は疲れました。
顔も満足に洗えませんしね。
ムンバイ駅にほど近いホテルにチェックインしたのはまだ暗い朝の5時半ごろ。
早朝にもかかわらず多くの人々が行き交うムンバイ駅
3日ぶりにシャワーを浴びた僕たちは暖房ならぬ冷房のスイッチを入れ、
ベッドで体を伸ばしたのでした。
この長い旅も残すところ21日。ここから最終フェーズの始まりです。
今日はまず、激変した気候への適応に集中して、取材は明日からがんばります!
to be continued...
えーじ
5時間遅れて出発2日後の朝5時にムンバイ駅へ到着
乗車時間は合計44時間にのぼり、僕らの旅歴で最長記録を更新しました
(うげげ、偶然ペアルックみたいになってしまった!
趣味ではありません。念のため。)