朝晩は気持ちのいい風が吹いていますが、
ランチの取材から戻るころには気温が35度を超えます。
これ、まさに真夏。(東京は寒波が襲来ですか?)
ほんの10日ほど前まで寒くて震えていたことを思うと、
まるで別の国に来たみたい。
実際、インドは亜大陸と言われるだけあって広大です。
その中で長距離移動を繰り返しましたから、
訪れた街の印象が変わるのも当然かもしれません。
そこで今日は日本であまり知られていない、
パナジの様子をもう少しお話しましょうか。
まずゴア州は、アラビア海に面したインド半島の南西部に位置し、
その北寄りの入り組んだ河口にパナジがあります。
こじんまりした規模で、徒歩でも十分回れるくらいの広さ。
マンドーヴィ川に面した北部。
しかし、面積に反して個性は強く、
これまで訪れた5都市の中でも異色の存在と言っていいでしょう。
ポルトガルの植民地だった影響が色濃く残り、
また、欧米人の観光客がぼちぼち訪れることもあって、
どこか「インドっぽくない」お洒落な感じ。
朝食に訪れた4階のカフェから見た街並み。
レストランも洗練されたところがたくさんあります。
中に入れば東京にあってもおかしくないポップなデザインも。
植民地のレガシーと言えば、イギリス由来のものがこれ。
ロイヤルエンフィールドのオートバイ
日本でも古いバイクマニアには垂涎もののRoyal Enfield。
今でこそインドメーカーとなり、バイクも純国産ですが、
その無骨なデザインと道路事情に則した設計思想は往年のまま。
眺めていて「ああ、乗ってみたいなぁ・・・」と思ってしまうのは、
元ライダーのサガでしょうか。
そんなヨーロッパの香りを残しつつも、やはりインドはインド。
一歩市場へ入れば、並ぶ食材と香りは欧州のそれと一線を画しています。
食材の多様性には目をみはるばかり。
トウガラシの原産地(メキシコ)にせまる種類のチリ。
生、乾燥、ホール、パウダー、さまざまな使い方があります。
海に面した街だけに水産物の種類と鮮度も抜群。
足まで使った魚のさばき方もインド式ですな。
こうした風土と文化的背景が結びついた料理は、当然ながらユニークでした。
なかでも他の地域から伝わった料理をそれぞれ比較すると、
インドならではの食の傾向が浮かび上がってきます。
そこでまず取材したのがモザンビークで「フランゴピリピリ」として生まれ、
南アで「ペリペリチキン」、マカオで「アフリカチキン」となったこの料理。
ゴア版ペリペリチキン
予想どおり、名前こそ南アバージョンと同じですが、ものは別物でした。
焼いたぶつ切りのチキンを、
トマトケチャップとウスターソースを合わせたようなソースで軽く煮込み、
トウガラシで少々辛みを添えたような感じ。ご飯が進みます。
フェイジョアーダ
そしてもうひとつはずせないのがこれ。
料理名Feijoada = feijão(豆)+ -ada(煮込み)からしてポルトガルで生まれ、
各植民地に伝播してローカライズされたと思しき料理。
僕らはブラジルで初めて出会い、(ととら亭のデビューで紹介)
その後、モザンビークやポルトガルで再確認しましたが、
ゴア版はそのいずれとも違う進化を遂げてたのです。
ベースは白いんげん豆を用いたポルトガル版に近いのですが、
スモーキーな香りがかなり強調され(この時点で非インド的)、
口に含むと微妙な辛みとスパイス感が追いかけてきます。
つまり非インドと純インドの相反する要素を持ったハイブリッドタイプ。
これにはちょいと驚きました。
それからスウィーツもひとつ紹介しましょう。
ベビンカ
これは卵黄にココナッツミルク、砂糖、ギー、小麦粉を加えた緩い生地を作り、
薄く天火で焼いてはまた生地を足して焼くことを繰り返す、
まさに水平型バウムクーヘン的、根気と根性のデザート。
ま、舞台裏はさておき、味わいも西欧と南西アジアの絶妙なハーモニーが楽しめます。
スパイシーな食事の締めくくりにふさわしい南国のデザート。
ちなみにゴアは酒税が安く、またポルトガルの影響も重なって、ワインの質が高い。
輸入されたポルトガルワインのおいしさは言わずもがな、
インド産も赤、白ともになかなか侮れない、深みのあるドライタイプがありました。
さて、この長い旅も出発してからほぼ4か月が経過し、
そうなると日常的に考えなければならないのが散髪。
今回もここまでキプロスのレフコシアに始まり、アルメニアのギュムリ、
ウズベキスタンのブハラでローカルバーバーのお世話になりました。
そして最後がパナジのここ。
今回お世話になったのは、市場の脇にあるこんなバーバー。
お値段はカットが80ルピー(約140円)。
担当のお兄さんはなかなかいい腕で、バリカン、ハサミ、かみそりを持ち替え、
わずか15分足らずでカットは終了。そこで代金を払おうとすると、
「だんな、ヘッドマッサージはいかがです?」
・・・? ヘッドマッサージ?
そういえばダラムサラでバーバーを覗いたとき、
頭皮のマッサージみたいなことをしていたな。
あれは気持ちよさそうだった。
「それはいくらだい?」
「100ルピー(約173円)。あわせて180ルピーでさ」
へぇ、そんなもんか、何ごとも経験だな。
「それじゃ頼むよ」
そこで、お兄さんがやおらカウンターから取り出したのは、
どう見てもオレンジ色の台所用洗剤。
え? と思う間もなく、それを頭のてっぺんにチュー。
うげげ!
どうやらそれはメンソールの入った清涼剤だったようでひと安心。
(入れ物は本当に食器用洗剤の使いまわしでしたが)
ふんふん、気持ちいいねぇ・・・
ところがここでお兄さんが豹変。
10円玉をへし曲げる握力の大山倍達が陶芸家になったような調子で、
粘土ならぬ、僕の頭をむんずと掴み、ワシワシむぎゅむぎゅ始めたじゃないですか!
「うひゃあああああ!
ちょっと待った、もう少しやさしく・・・」
なんて叫んでも英語は1パーセント程度しか通じません。
反対に僕の悲鳴を喜んでいると勘違いしたのか、
頭皮を通り越して顔から首まで、
むぎゅむぎゅワシワシむぎゅむぎゅワシワシ。
「N、Nooooooo!」
で、第二段階は肩と腕のマッサージに。
これはまだ耐えられたので、ようやく嵐は去ったものと・・・
しかし、その安堵は束の間のものでした。
お兄さんが次に取り出しましたのは小型のバイブレーター。
これなら日本のバーバーでも肩や腰のマッサージに使われます。
と思ってもここはインド。
彼はそれをどしっと僕の頭のてっぺんに乗せてスイッチオン!
「うわわ、わ、わ、わ、わ・・・」
強烈な振動とともに視界が大きくぶれ、
ほとんど精神科の電気ショック療法状態に。
さいわい僕が自分の名前を忘れてしまう前にスイッチが切られましたが、
今回の長い旅でも上位に入る驚愕の体験でございました。
不思議だったのは、店を出たとき。
さながらジェットコースターを下りたときのような感じだったのが、
気が付けば、疲れが取れているじゃありませんか。
さすがはマサラマッサージ。
次もやってもらおうかな?
to be continued...
えーじ
短距離移動といえばオートリキシャー。現地での通称はオート。
さすが発祥地だけあって侵入規制のあるムンバイの一部などを除き、
庶民の足になっています。
いつも黒田夫妻とおじゃましている純子です。
今、カトマンズにいます。
明日相方のマノスさんと一緒にムンバイに飛んでLollapalooza India というフェスに参加します。
同じインドにいるとは!なんか感慨深いです。
帰国したらまたととら亭おじゃましますね。
では!
おお、カトマンズですか!
僕らは予定を変更して今年の9月上旬前後に行くと思います。
それにしても明日ムンバイとは!
僕らは1週間前までいたんですよ。惜しい!
で、あれからゴアのパナジに移動し、
そこからマルガオを経由して、いまバンガロールにいます。
明日は夜行列車でポンティシェリへ。
帰国したらネパールの話を聞かせてくださいね。
楽しみにしております。
マノスさんにもよろしく!
ついにポンディシェリおいでになるんですね。インドで疲れた体には、きっと良い箸休めになると思います。ちょっと奮発してフレンチインディアをご堪能あれ。
昨日ポンティシェリに着きました。
この2日間、あいにくの空模様ですが、共和国記念日の明日から晴れるとのこと。
どう盛り上がるのかが楽しみです。