2014年02月04日

第7回取材旅行 その8

今回の旅は先行きが不透明な部分が多かったものの、
思いの他、すんなり行ったのでホッとしました・・・

と書いて終わりたかったのですが、
最後に待ってました、お約束のサプライズが。

皆さま、準備編の時から、
僕が度々温度差のことについて書いていたのを覚えていますか?
あれは野生の勘ってやつだったんですね。
ええ、嫌な予感がしていたのですよ。

では物語の結末をお話しましょう。

最後の宿泊地はカナダのトロント。
トランジットのために1泊するだけですから、
両替は面倒くさい。
クレジットカードで全部払ってしまおう。

そう考えた僕らは、
ホテルまでのアクセスにタクシーではなく、
無料シャトルバスを利用することにしました。
しかし出発の時から基本的な情報が抜けていたのですよ。
それは、空港のどこで、どんなバスに、いつ乗ればいいのか。
当然、予約した時にメールで問い合わせていたのですが、
どういう訳かレスなし。
しょうがないね。

でもそれじゃ困りますから、
ダメもとでジャマイカからメールをもう一度送ると、
セールスマネージャーさんから、

「バゲッジクレームに来たら、以下の番号に電話を下さい。」

とのメッセージが。

なぁんだ、迎えに来てくれるのか。

そう思って一安心・・・
と行きたいところですが、野生の勘の胸騒ぎは収まりません。

ともあれ指示通りにやるしかないので、
バゲッジクレームにあったクレジットカードが使える公衆電話から、
指定された番号にかけてみると、

「こんばんは、予約していたえーじですけど、
 今バゲッジクレームに着きました。」
「どのターミナルですか?」
「ターミナル1です。」
「それではそのフロアから下に降りて、
 S5のバスストップで白いシャトルバスに乗って下さい。
 25分間隔で運行しています。」

「ねぇ、どうだった?」
「ん〜、外のバスストップでシャトルバスに乗るらしい。」

そこで階下に移動し、Sのドアを探してみれば、

”悪天候のため只今このドアは閉鎖しています。
 シャトルバスに乗る方はPのバスストップをご利用下さい。”
 
ありゃりゃ。

で、またぐるっと回ってPのドアへ行けば、
そこには数組の旅行者が大きな荷物を持って待っています。

「ここでいいのかな?」
「多分ね。ちょっと外を見てくるよ。」

とターミナルビルを出たのはいいのですが、気温はマイナス20度くらい。
しかも吹きさらしの駐車場に時折バスは来るものの、
どれがどこに行くのか見当も付きません。
取り敢えずPで停車したバスのドライバーに訊くと、
そこには行きませんとの回答ばかり。

寒さが体に染み込んできます。
程なく僕はターミナルビルに駆け込みました。

「うぁ〜、寒い!凍えそうだ!」
「大丈夫?」
「今のところは。」
「バス、分かった?」
「いや、どうもよく分からない。」

周りを見ると、他の旅行者も困惑顔。

「何か変だな。
 ホテルの人は確かにS5のバス停と言ったんだ。」
「ドアが封鎖されていることを知らないんじゃないの?」
「うん・・・待てよ。
 ドアが封鎖されているだけで、バス停は変わっていないのかもしれない。」
「そのS5ってバス停、どこだか分かる?」
「ああ、さっきずっと端の方にSの表示があった。
 最初のドアのあたりだよ。」
「それじゃ、そこに行ってみる?」
「そうしよう。」

意を決して戸外に出た僕らは、指定されたバス停まで来ましたが、
Pの所のように、ターミナルビルに退避できるドアがありません。
ということは、この吹きさらしで待ち続けるしかない?

「み、耳が痛くなってきちゃった。」
「ああ、僕もさ、少しでも風の当たらない場所に行こう。
 あのガラスの陰がいい。」

時刻は23時。
S5のバス停にバスが来るたび、
僕は目的のホテルに行くか訊いてみるのですが、
ドライバーの回答はつれないものばかり。

僕たちの他にも3組の旅行者が同じように待っていましたが、
みなしびれをきらせたのか、ターミナルビルに戻ってしまいました。

「えーじ!凍えそうだよ!」
「ああ、僕も足の感覚がなくなってきた。
 これじゃフリー(Free)シャトルじゃなくてフリーズ(Freeze)シャトルだ!」
「どうするの?」
「あと15分だけ待って来なかったら両替してタクシーで行こう。」

次に来たバスのドライバーに訊いたら、
待つ場所は確かにここでいいとのこと。
しかし、もうこっちの体が限界に近付きつつあります。

5分・・・1台・・・2台・・・
10分・・・3台・・・4台・・・・

もう15分経ったかな?
え? おいおい、腕時計の文字盤が凍り付き始めたぞ!
こ、こいつはもうダメだ! 凍傷になっちまう!

そこへまた1台のバスが・・・
もう一度だけ訊いてみよう。

「こ、このババ・・バスは
 Comfort Hoo Hote eel Airport Noo oo oorth にい、いいい行きますか?」
「ええ。」
「ああ!あなたわわ は 命の恩人だ!」

太陽が輝くカリブのビーチを満喫したと思ったら、
34時間後にマイナス20度の吹きさらしで震え上がる。

こんなもんです。
僕らの旅は。

えーじ

End
posted by ととら at 10:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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