2018年07月17日

第16回取材旅行 その13

帰国して10日が経ちました。
すっかり日本の酷暑に体が適応した半面、
北欧の旅が遠い昔のように感じられます。

それは気候だけではなく、
さまざまな意味で彼らと僕らが違っていたからかもしれませんね。

今日のブログを書くにあたり、先に写真の仕込みをしながら、
僕はしみじみ、外国という鏡に映った日本の姿を見つめていました。

それでは最後に訪れたフィンランドは、
まずマリエハウンとトゥルクをビジュアルにまとめてみましょう。

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早朝にストックホルムの宿を出発した僕たちは、
フェリー会社が運行するバスで駅からターミナルまで移動しました。
建物はちょっとした地方空港くらいの規模がありますが、
カフェやキオスクなどはなく、ご覧の通りの質素な室内。

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当日券を買う乗客で混んでいた窓口を避け、
僕たちは機械でセルフチェックイン。
いかがです? この多言語対応仕様。
スウェーデン語、フィンランド語、ロシア語、ドイツ語、英語、
そしてエストニア語もありました。
さすがは国際線。いろいろな国の人々が乗っているのですね。

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僕たちが乗船する Viking Line の Grace号。
すごい、大きい、カッコイイ。
これまで何度か船旅を経験しましたけど、
客船とは名ばかりの貨物船のような船ばかりでしたので、
ボーディングブリッジを渡りつつ、いやがうえにも高ぶる期待。

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でもね、一番安いチケットだからね。
あてがわれるのは雑魚寝の大部屋なのさ・・・
と思い込んで部屋ナンバーを探しつつドアを開けてみれば、
え? これって個室じゃん!
しかもベッドやトイレだけではなく、シャワーまでついてる!
物価の高い北欧で2人分5000円未満のチケットなのに、
これはあり得ん!
単純に感動しました。うん。

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ストックホルム港を出港した船は、
大小さまざまな島の間を低速で縫い進みます。
小さな島にも人が住んでおり、生活の足はボート。
こうした環境で生まれ育ったら、どんな人生になるのでしょうね。

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子供のように浮足立った僕らはさっそく船内の探検へ出発。
中には大きな免税店を始め、ライブステージ付きのバー、
レストラン、カフェ、キッズルーム、ダンスホールなど、
ちょっとしたショッピングセンター並みのアミューズメント施設が。
ランチタイムには僕らも量り売りのレストランへ行き、
こんなリッチな食事にありつけました。
ここでも取材対象のミートボールがあるじゃないですか。
どれも美味しかったです。

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ボスニア湾の外海出るとフェリーは速度を上げました。
強風が吹いて水面は白波が立ち、大きな船体でも微妙に揺れます。
それでも寝ていれば着く、と思いきや、
強風の影響でフェリーはマリエハウンではなく、
オーランド諸島東側のラングナス港へ航路を変更とな!
到着時刻は天のみぞ知る。

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予定を5時間ほど遅れてラングナスへ到着した僕ら。
しかし白夜の季節のため外はまだ真昼の日差し。
マリエハウンまでのバスから見える風景は長閑なものです。

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マリエハウンのフェリーターミナルでバスを降りた僕たちは、
こんな木立の道を歩いて今夜の宿まで。
人も自動車も少なく、街は別荘地のような静けさに包まれていました。

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泊ったのはこんな宿。モーテルっぽい作りです。

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土地が豊富なためか部屋は広々としていました。
夏だとその機能を実感できませんが、
窓やドアが2重になっており、
寒さ対策がしっかり講じられています。

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入って驚いたのがこれ。
今どきダイヤル式電話が現役ですよ。
『使えるものは使う。壊れたら直して使う』。
『使い捨て』を経済の原動力とするアメリカ・アジア型経済とは、
大きな違いが北欧諸国にはあります。
これはそれの目に見える一例かな?

Ifi_marihamnstreet.jpg

翌日はトゥルク行きのフェリーが出る時間まで、
街の中心部で取材です。
ま、繁華街と言ってもこのくらいの規模なんですけどね。

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しかしながらオーランド諸島はフィンランドの中でも別格的な地域。
実はフィンランド共和国が成立した1912年、
スウェーデン語話者の多かったこの地域はスウェーデン帰属を求め、
あわや三つ巴の紛争の危機に瀕しました。
そこで国連の介入もあり、
懐柔策に出たフィンランド政府はオーランド諸島に、
たんなる地方分権を超えた立法権まで与えたのです。
で、このナンバープレートにご注目を。
ALANDの右側に旗があるでしょう?
これはフィンランド国旗ではなく、オーランド地方旗なのですよ。
場所こそ違いますが、中国における香港のように、
地方が国を超えた独自のアイデンティティを持っています。

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そうした気骨を感じつつも最大の街はどこものんびりした佇まい。
穏やかな内海の港ではひっそりと船が係留されていました。

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ここではまず島ながらのシーフードを楽しもうじゃないですか。
新鮮で文句なく美味しいエビのサラダ。
十分メインとなるボリュームです。

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ランチタイムには各種のパンのほか、
ピストゥペースト、キャロットペースト、クリームチーズが食べ放題。
ああ、全部食べたい。ちいさな東洋人の胃袋が悲しい・・・
ちなみに北欧3カ国の黒パンはロシア、バルト3国だけではなく、
デンマーク、ドイツのそれとも違っていました。
真っ黒でライ麦が強く香るどっしりタイプではなく、
軽くて酸味が少ないんですよね。

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で、僕らの目的がこれ。オーランドパンケーキ。
焼き菓子にもかかわらずトロッとした食感が特徴のスポンジに、
生クリームとベリー系のジャムをたぁ〜っぷり添えて頂きます。
ん〜・・・幸せだ。ホッペが落ちますよ。
え? カロリー?
そんなことを考えてちゃこの仕事はできません。
心配なら歩き倒せばいいのです。

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腹ごなしにバックパックを背負って徒歩でフェリーターミナルへ。
ん? 出港1時間前にもかかわらず、
構内はこのとおり、がらんとしています。
しかしインフォメーションボードのステータスは『定刻』。
で、チェックインして待っていたらスタッフが、
「強風で出発港がラングナスに変わりました」。
おいおい、早く言ってちょうだいよ。

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結局再びバスに乗った僕たちは、昨日着いたラングナス港へ。
ここでまた暫しの待ちぼうけタイム。
ま、こうした時間も楽しみましょう。

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昨日から遅延が続いています。
トゥルク港が近付いてきたのは夜の10時近く。
『夕方』の島々が美しい。

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やっとトゥルク港に接岸です。
しかし街の中心はここから4キロほど先。
着いたらすぐバス停を探さなくては。

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僕たちが泊ったのは雑居ビルの2階にあるこんな宿。
1階は飲食店や商店が並んでいます。
この地域では一応安宿に入るのかな?

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ともあれ部屋はご覧のとおり、とてもきれい。
一夜の宿にはもったいないくらいでした。
朝食はパンと冷菜だけの質素なものだったけど僕らには十分。
フロントのお兄さんの軽いノリが良かったな。

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一夜明けたトゥルクの街のメインストリート。
1809年にフィンランドがスウェーデンからロシア帝国に割譲され、
その10年後にフィンランド大公国となるまで首都だっただけあって、
今でも商業と文化活動の中心地です。
活気がありますね。

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少し南下するとアウラ川が静かに流れ、
両岸にはお洒落なレストランやお店が立ち並んでいます。
奥に見えるのはトゥルク大聖堂。

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ラッキー! ここで偶然お祭りに出っくわしました。
広場は中世のコスチュームを身にまとった人たちでいっぱい。
(皆さん本物さながらになりきっていました)
そこかしこから美味しそうな匂いが漂ってきます。
ん? ライブもやっていますね。
行ってみましょう!

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こういうのは本当に嬉しいサプライズ。
カラヴァッジョの絵から出てきたようなお兄さんを見て下さい。
古楽器のリュートの生音を聴けたのはこれが初めてでした。
中東のウードと形も奏法も似ていますが、
フレットが打ってあるせいか、より繊細な音色ですね。
右側の女性が弾いているバイオリンに似た楽器も、
よく見れば5弦です。
う〜ん、どんなチューニングなんだろう?

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そしてこれも!
左側の女性が弾いているのはなんとハーディガーディですよ!
ジョルジュ・ラトゥールの絵をはじめ、
中世画ではなんども見たことがありましたが、
こんな音がするとは!
ん〜・・・実に興味深い。

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さらに僕が目を丸くしたのがこれ。
なんでアストロラーベが北欧のヘルシンキで売ってるの?
しかもラテン文字版の新品レプリカじゃないですか。
手に取ってみた僕は間髪入れずに値段交渉。
で、この中のひとつをゲットしました。
どれかはお店カウンターでご覧ください。

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子供のように興奮しながら屋台を縫い歩いた僕たちを待っていたのは、
もうひとつのサプライズ。
中東の護符、『ファティマの手』が売っていたのですよ。
どうしてここで? と思い、売り手に訊いてみれば、
なるほど彼らはパレスティナから来た難民でした。
そう、今回の旅で僕たちは想像を超える数の難民の姿を目にしたのです。
彼らは中東系、アフリカ系のみならず、
古くはベトナム戦争の災禍を逃れた人々でした。
こうしたところも島国の僕たちとは大分ポリシーが違うのですね。
考えさせられます。

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トゥルク駅は街の北の外れにあります。
午前中にチケット買った時はがらんとしていましたが、
出発列車の多い午後はぱらぱらと乗客の姿が。

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ここでホームを確認しようと外に出た僕は唖然としました。
突然、ごらんのSL列車が煙を吐きながら走り込んできたのですよ。
実は走る本物を見たのはこれが初めて。
驚きましたね。
出発する時は汽笛と共に水蒸気を噴き出し、
黒煙を吐きながらすごい迫力で車輪が回り始めました。

さて、残念ながら僕たちが乗る列車はこれではありませんでしたけど、
急行列車乗れば、2時間後はに最後の目的地ヘルシンキに着きます。
旅も佳境。どんなところなんでしょうね?

えーじ
posted by ととら at 16:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年07月10日

旅の小道具

5月末ごろに取材風景をお伝えした、
かもめの本棚 onlineの『わたしの仕事道具』で、
僕のインタビューがアップされました!

他の著者さんの素敵な仕事道具やエピソードに比べ、
相変わらずショボイ僕のツールとは?

かもめの本棚 online
わたしの仕事道具
第3回『いつかは「これ」がいらない旅を』


ととら亭の旅の舞台裏と僕の本音がちらっと見えるかも。
お楽しみを!

えーじ
posted by ととら at 12:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年07月07日

モザンビーク料理が始まります!

帰国して2日間の『オフ』が終わろうとしています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

と、こんな書き出しをしてみたいものだと思いつつ、
8年余の月日が流れてしまいました。

そう、白状するまでもなく、昨日の朝お話ししましたように、
あれから二人してず〜っとメニュー替えの仕事をやっていました。
名実ともにブラックレストランでございます。

本当はもうちょっと早く終わらせる予定だったのですけどね。
それは取材旅行中にある程度のキャプションを書き終え、
写真の仕込みも半分は済ませておくことが前提だったのですよ。

ところが毎日足を棒にして歩き詰め、
宿に帰るころにはもうくたくた。
半分寝ながらブログを書いているようじゃ、
ほかの仕事なんて出来るわけがありません。

で、トホホなゼロスタートとなりました。

しかし弱音を吐いてはいられません。
今年2月に行ったアフリカ南部の取材は、
いつもにもまして気合が入っていましたからね。
ご紹介する料理もこれまで取り上げた
他のアフリカの地域のものとはだいぶ違っています。

それにですよ!
あの辺を個人で旅した方ならお分かりいただけると確信していますが、
モザンビークの料理を『安全かつ衛生的に』食べられるアドバンテージは、
はかり知れないものだと思います。

それから今回はアンコールではなくプラスワンでもう一品やっています。
これはオマケではありません。
ある意味、あの困難な旅に出た理由であり、
この特集の本命でもありますからね!

モザンビーク料理特集

えーじ
posted by ととら at 23:38| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2018年07月06日

第16回取材旅行 その12

おはようございます。
無事に帰って参りました!

昨夜は予定通り羽田空港に到着したものの、
荷物の引き取りに30分以上時間がかかり、
あいやぁ〜、終電に間に合うかな・・・
のところでギリギリセーフ。
野方に着いたのは日付が変わった24時50分頃でした。

一夜明け、どこでも眠れる特技と時差ボケしない体質から、
ぐっすり眠った僕らは元気いっぱい。
9時に出勤して、ただいまととら亭の再起動中です。

それにしても、
今回の旅では終始浮いた存在でしたね。
日本から出発する便や帰国便ではいつものことですが、
渡航したエリアが北欧だったでしょう?
少ないんですよ、バックパッカーが。
これは去年の同時期に訪れたバルト3国でも共通していましたけどね。

ま、その理由はあらためてお話しするとして、
長い移動中も他の旅行者を見ていると退屈しません。
楽しそうに歓談するツアー旅行の方々。
その間をまめまめしく世話して回るツアコンさん。
ガイドブックに載っているレストランに行ってみれば、
ばっちりキメた30歳前後の新婚さんのムフフな姿が。
治安のいい地域だけに母娘の組み合わせも多かったな。
それからお洒落な雑貨に興味を持つソロの女性も。
皆さん、いい思い出を持って帰路についたことでしょう。

僕たちも取材の成果はばっちりでしたよ。
北欧3カ国の料理はおいしかっただけではなく、
その深く広い歴史的な背景からは学べたことがたくさんありました。

また、北欧の高税率高福祉社会が、
同じ資本主義、民主主義を採用している僕たちとどう違うのか?
いや、なぜ違うのか?
このヒントはひとつの答えと同時に新しいふたつの疑問をもらう僕にとって、
非常に示唆に富んだものでした。

この辺のコアな話はフィンランド編のビジュアルなご報告と合わせて、
また後日お話ししますね。

まずは明後日から始まるモザンビーク料理特集の準備だ!

ヘルシンキから東京、そしてアフリカ南部へ・・・
この頭の切り替えが大変なんですよ!

えーじ
posted by ととら at 12:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年07月05日

第16回取材旅行 その11

今はフィンランド時間19時30分。
ヘルシンキ駅のカフェからお話しています。

18日間に及ぶ今回の取材旅行も間もなく終わり。
これからヴァンター国際空港に移動し、
経由地のドーハへ向かう、
20時30分発のカタール航空QR308便で帰路につきます。
予定通り行けば、
日本時間5日の22時40分には羽田空港に着いているでしょう。

ブログが追い付かないので、
まだまだお話ししていないことが沢山ありますが、
北欧を離れるに際して手短に言えることがふたつあります。

これらの国々の料理は独自性こそ強くないものの、
とても美味しいものが多かったこと。

もうひとつが、僕たちの日本と同じく、
資本主義、民主主義国家であるにもかかわらず、
北欧の国々が社会システムではなく、
思想と価値観において僕たちとは大きく異なり、
その精神の結果が国の在り方そのものに表れているということです。

いろいろな意味で大変勉強になりました。
その辺のコアなお話は帰国後にゆっくりしましょう。
まずは遅れに遅れているビジュアルなご報告の続きをしなければ!

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僕たちを乗せた急行列車は、
定刻を1時間遅れてヨーテボリを出発しました。
車窓はオスロからと同じく、
街を出て30分もしないうちに森や湖沼に変わり、
時折、小さな街が過ぎて行きます。

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しかしダイヤの乱れからか、
急行列車は3度も30分以上停車した上に、
スピードも上がらず、結局、鈍行列車になってしまいました。
当初の約2倍の所要時間に乗客はご覧の通り。
でも急行料金は返ってこなかったな。

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やっと着きましたストックホルム!

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さすがは首都の玄関口。
ヨーテボリ駅とは規模が違います。
さて、まずは宿を目指さねばなりませんが、
今夜のホステルは20時でフロントが閉まってしまうとのこと。
列車の中からメールで連絡したところ、
『ビッグブラザー』式のチェックイン方法が書かれたレスが返ってきました。

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今回はですね、
まず入り口の右側にあるテンキーで4桁の暗証番号を入力し、
エントランスに入ります。

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次に閉まったフロントの左側にあるご覧のキーボックスに、
もうひとつの暗証番号を入力し小さな金庫状のふたを開くと、
間に合わなかった宿泊客たちのカードキーが15枚ほど入っていました。
カードキーには名前と部屋番号が書いてある紙が輪ゴムで留められており、
その中から僕のものを探してふたを閉めます。
こうしてようやく僕らは部屋の中に。

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到着日は遅くなってしまったので取材は翌日から。
ストックホルムは複数の島で構成された海辺の都市。
美しいですね。

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僕らが投宿したホステルのあるストックホルム駅周辺は、
ご覧の通りビルが立ち並ぶ大都会ですが・・・

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ちょっと裏に入ると、
こうしたユニークな形の教会を中心にした公園が幾つもあります。

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目抜き通りのドロットニングガータンを南に進むと、
そこは中世の面影を残すガムラスタンの入り口。
平日でも朝から晩まで沢山の人々が行き交っています。
国際色も豊かでマンウォッチングしていても楽しいですよ。

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短い橋を渡っただけで景色が一変します。
初めて行った時はインパクトがありましたね。

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小さな島の外周を取り巻く路地には、
お洒落な商店やセンスのいいレストランが並んでいます。
ただ見ているだけでも時間を忘れてしまいます。

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北欧に限らずヨーロッパは店のディスプレイのセンスがいいですね。
特にこうした袖看板はどれも個性的。
アジア圏でお馴染みの原色てらてらLEDピカピカ系はまずありません。
内照式の看板ですら少数派です。

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そして北側から丘を登ると王宮が街と港を見下ろしていました。
おもちゃのような衛兵の交代がちょっとユーモラス。

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そこから少し南に進むと中心の大聖堂と広場に出ます。
もう気分はすっかり中世ですね。

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広場の周辺にはレストランやカフェがたくさんあります。
この時期に訪れたのならテラス席に座りたいですね。
美味しい食事だけではなく、贅沢な時間を楽しもうじゃありませんか。
そうそう、この辺のカフェのケーキはほっぺが落ちますよ!

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ここでも指標料理のフィスクズッペを比べてみましょう。
具はほとんど同じでもスープはバリエーションが増えました。
今日入ったレストランではミネストローネに近いトマト風味。
でもアイオリ(上に浮かんでいる白いもの)を入れるとはやりますね。
ちょっとピリ辛で食欲が出ます。

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シンプルですけどこの上なく美味しい、
ハーブバターを挟んだ新鮮なニシンのパン粉焼き。
これもビールよりきりっと冷えた白かスパークリングワインが合います。
どちらもこの地域では作っていませんけどね。

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これは家庭料理のヒュッティパンナ。
ダイス状にカットしたポークやビーフにジャガイモを加えて炒め、
サニーサイドアップを乗せたスウェーデン版の炒め肉じゃが。
ボリュームあります。どちらかというと居酒屋メニューかな?

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市場の総菜売り場では面白いものを見つけました。
ほぼ中央の揚げパン風なものはピロシキです。
(正しくPIROGと書かれています。日本に定着したピロシキはピログの複数形)
ロシアの影響とこんなところで出会えるとはね。
しかしながら形がフィンランドのカレリアパイそっくりなところから、
ロシアから侵略を受けたカレリア地方に住む、
スウェーデン語話者のフィンランド人が作っているのかもしれません。
スカンディナビアの民族事情もまた複雑なんですよ。
それをこうした一つの料理から垣間見ることができます。

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さて、ランチの取材が終わったら、
ディナーに備えてお腹を空かさなくてはなりません。
それには次のレストランを探して歩くに限ります。
ここはその目的にうってつけの場所なんですよ。

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こんな美術館のような道がくねくねと続いています。
さぁ、自分だけの名所を探して歩きましょうか。

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ご覧のような抜け穴が至るところにあり、
位置関係が頭に入っていないと、
すぐどこにいるか分からなくなってしまいます。
でもこうした街でなら、すすんで迷子になりたいですね。

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なぜならこんな美術品を発見できるからです。
いかがです? ただの壁が一枚の絵画のようでしょう?

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どういう意図で作ったのか、こんな細い路地もありました。
人がすれ違うのもちょっと難しいくらいです。

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名所旧跡はガムラスタンだけではありません。
西側に位置するリッダーホルム島も絵葉書のような美しさです。

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南へ坂を下るとガムラスタンの喧騒を離れた静かな場所があります。
ここのベンチでぼ〜っと行き交う船を見る。
これもまた今の僕たちには贅沢な時間です。

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そしてその南側にあるセーデルマイム島には、
ガイドブックにも載っていない、
隠れたビューポイントが沢山あるのですよ。

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ほら、こんな路地もきれいでしょう?
こうしたところはガイドブックでもネットでも分かりません。
自分で歩いて探すのです。
それが写真より心に残る、旅の楽しさなんですよ。

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これは『ヤンソン氏の誘惑』というスウェーデン料理。
千切りにしたジャガイモと玉ねぎ、アンチョビをバターを塗ったキャセロールに並べ、
ミルクをひたひたにかけ、チーズをのせてベークします。
このレシピを聞いただけでも美味しいって確信できますよね?
食事によし、酒のつまみにまたよし。
ちなみにこの料理名の由来は諸説あり、
菜食主義者で宗教家のヤンソン氏もこの味の誘惑に勝てなかったとか、
昔から『アンチョビとジャガイモのキャセロール』と
ベタな名前で呼ばれていた料理を、
スウェーデン人作家のGunnar Stigmarkの母が、
同名の映画のタイトルからパクッた、などと言われています。

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そしてこれが今回の取材の目玉の一つ、クロップカーカ。
イモ餅によく似た生地でソテーしたキノコを包み、
茹でてからバターソースを添えて頂きます。
この何が目玉なのかと申しますと、料理名の英訳はPotato Dumplingなのですよ。
そうダンプリングといえば、ギョーザの英訳でもあります。
ではこれもまたロシアのペリメニと並んで、
ユーラシア大陸北限のギョーザの一種なのか?
僕らの結論はNOでした。
紛らわしいことにダンプリングという言葉は、
すいとんのような団子状の食べ物にも使われます。
クロップカーカは日本語でいうとイモ団子といった方が近いですね。
うん、味は美味しかったですよ!

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セーデルマイム島のレストランでディナーを食べた帰りの夕焼け。
(時刻は21時半過ぎですけど・・・)
時ガ経つのを忘れてしまいそうです。
ほんと地球は美しい。
この前もお話しましたけど、
こうした瞬間をシェアできないのはとても残念です。

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さぁ、間もなく空港に向かう列車が出ます。
僕らもホームに移動しましょうか。
次は蒸し暑い東京から!

えーじ
posted by ととら at 00:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年07月04日

第16回取材旅行 その10

この旅に出発して今日で16日目。
ともこが洗濯をやめ、
僕が航空会社のウェブチェックインを済ませると、
間もなく帰国の途につくときがやってきます。

フライトは明日の23時20分発。

どの街でもぎゅっと経験の中身が詰まっていた所為か、
実際の日数よりもっと長く旅しているような気がします。
出かける前は『北欧』という言葉で3つの国を十把一絡げにしていましたが、
それぞれまったく違っているのですね。

それでは忘れないうちに、
駆け足でオスロからの続きをビジュアルでご紹介しましょう。
今回は特に絵になるところが多く、
また治安の良さから自由にカメラを出せたので、
記録的な枚数の写真を撮りました。
そこでスウェーデンは分割してヨーテボリから始めますね。

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「オスロから鉄道で出発した僕たちは・・・」と書き出すつもりでしたが、
オスロ中央駅でヨーテボリ行列車の出発ホームを探すと、
どこにも見当たりません。
そこで駅員さんに訊けば、
まずバスに乗って45分ほどのところにあるRygga駅まで行き、
そこで列車に乗り換えるとのこと。

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Ryggaから先は森や湖沼、農園など長閑な風景が交互に続き、
気が付けばスウェーデンに入っていました。
ときおり風力発電の巨大な風車が現れるところは、
どことなくバルト3国にも似ているような気もします。

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ヨーテボリ駅はスウェーデンで最も古い駅舎だそうです。
なるほど外観はこの通り。

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しかし構内はたくさんのショップや飲食店が並び、
こじんまりしつつも乗り継ぎ時間をつぶすには困らないところでした。
ちなみにここから通貨がスウェーデンクローナに変わっています。
クレジットカードの普及率が高いので、
とりあえず両替はストックホルムについてからでいいかな?

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ヨーテボリは日本でいうと商業の中心たる大阪といったところでしょうか。
住民も微妙に首都のストックホルムに対してライバル意識を持っているそうです。
ちなみにここには自動車メーカーボルボの本社があります。

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僕たちが泊まったのはこんなホテル。
部屋は狭いですけど機能的で使い易く、観光というよりビジネスユースですね。
こうして机があると僕は助かります。
ベッドの上でノートPCを使うと腰が痛くなりますからね。

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ヨーテボリはこれというランドマークこそないものの、
古い街並みがそこかしこに残り、地味にいい雰囲気。
僕はこうした素顔の街が大好きです。

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ここでも市民の足はトラム。
ちょっとカワイイ顔をしているでしょう?
中にはレトロな車両も現役で頑張っていました。
こういうところにも『使えるものは使えなくなくなるまで使う』という、
ヨーロッパの精神が表れているような気がします。

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港もある海沿いの街なので運河が走っています。
都会でも水はとてもきれい。ドブのような臭いはありません。
さすがは環境を大切にする国ですね。
天気が良かったので観光船に乗っている人たちが気持ち良さそうでした。

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運河沿いには教会を改装したフィッシュマーケットがありました。
空の色にご注目を。雲一つない快晴です。

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漁港のある街ですから鮮度の良さはお墨付き。
僕たちは直後に取材があるのでグっと堪えましたが、
美味しそうな、いや、
美味しいに決まっているシーフード料理の食堂が何軒かありました。
あ〜、20歳代のブラックホールのような胃袋があればなぁ・・・
54歳のオジサンは見るだけで我慢なのです。

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ヨーテボリでの滞在はたった足掛け2日の正味1日だけ。
絶対に外せない僕たちが訪れたのは古い街並みが残り、
アンティークショップやレストランが立ち並ぶハーガ地区。

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趣のある裏通りを歩き回って十分お腹を空かせたら・・・

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お〜、旅人の野生の勘は今日も冴えているぜ。
このフィスクズッペ、たまりませんね。
これまで食べた中でも最高じゃないですか!
ビスクを思わせる豊かなコクのスープに、ディルとバジルオイル、
フレッシュセロりの香りが複雑に溶け込み、
新鮮な素材も相まって芸術的な作品に仕上がっています。

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これ、さっきのフィッシュマーケットで見た燻製なんですけどね、
食べたかったんですよ!

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そこで僕たちを待っていてくれたのがニジマスの燻製のサラダ仕立て。
後ろ髪引かれる思いで市場を後にした僕の気持ちが伝わったのでしょう。
ここで食べられるとは思いませんでした。
香ばしい匂いと絶妙な塩加減。
ドライな白ワインと合わせてみれば天国が垣間見えますよ。

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オスロと同じく魚のすり身で作ったフィスクカーカも食べてみましょう。
表面はカリッと香ばしく、中はふっくらして熱々。
このまま食べても十分美味しいのですけど、
刻んだピクルスの入ったタルタルソースを付ければ、
病みつき級の美味しさです。

se_go_meatball.jpg

北欧名物のミートボールは今回訪れる3カ国で比較する指標料理のひとつ。
で、ノルウェーバージョンとどう違うのか?
まずパティがジューシーになり、ブラックペッパーの刺激が減りました。
ガロニのマッシュポテトとキュウリのピクルスはお約束通り。
はっとした違いはポイントのリンゴベリージャムが、
甘味を押さえた酸味のあるコンポートに変わっていたこと。
これは意表を突かれました。酸味がとてもいいアクセントになっています。

限られた時間と食事の回数で、
お目当ての料理を探さなければならない僕らの取材は、
ただの食べ歩きとは違ってけっこう緊張感があるものです。
毎日万歩計が2万歩前後までカウントしているのも、
足を使って飲食店を探しているからに他なりません。
ネットの情報はあまりあてにならないし、
ホテルのフロントで芳しい話が聞けない時はなおさらです。
それでもヨーテボリでの狙い撃ちは大成功でした。
次はスウェーデン取材の本命、ストックホルムのお話をしましょう。

えーじ
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2018年07月02日

第16回取材旅行 その9

空路と陸路、最後は海路で国境超えた今回の旅も、
とうとう最後の街、フィンランドのヘルシンキに着きました。

マリエハムンからトュルクへの船旅は、
『予定外の予定通り』、22時ごろの到着となり、
僕たちは何とかホテルのフロントが閉まる23時前に、
滑り込みでチェックインできたのでした。

これ、皆さんはピンとこないかもしれませんが、
北欧の安ホテルはフロントにスタッフが常駐しておらず、
早いと20時で誰もいなくなってしまうのですよ。
一応連絡すれば待っていてくれるそうなんですけど、
これまたどうだか怪しいものですからね。

ま、僕らのような旅はとどのつまり、
アフリカに行こうが北欧に行こうが、
こうして多かれ少なかれ不確定要素がつきまとうものなのです。

ともあれサプライズが悪いことばかりとは限りません。

一夜明けたトュルクでは日曜日のため、
殆どの商店が閉まっていましたが、
偶然なにかのお祭りに当たりまして。
通りと広場には露店が並び、
所々で中世の古楽器を交えたバンドのライブが聞けました。

ここで驚いたのは、今まで絵画や博物館でしか見たことがなかった、
リュートとハーディガーディの生音が聞けたことです。
確かにYoutubeにライブがアップされてはいるものの、
ああいうデリケートな楽器は生音を聞いてみないと分かりませんからね。

次が屋台を冷かしていた時のこと、
僕は一瞬わが目を疑いました。
マニアックにも中世の計測器具を売っている店があったのですよ。
そしてそこにあったのはなんと新品のアストロラーベ!
しかもそれにはただでさえ文献の少ないこの装置の
英文マニュアルが付いていたのです!!
手に取れば、これはラテン文字バージョンのアストロラーベなので、
これで以前モロッコで手に入れて謎のままだったアラビア文字版の謎が解けます。

そしてまたしばらく行くと、
この地域にあるはずのないものがありました。
それは『ファティマの手』。
このアラブの護符はイスラエルの『ハムザ』と同じもので、
ととら亭でも両文化バージョンをそれぞれディスプレイしていますが、
なぜここフィンランドの地方都市で売っているのかと売り手に訊けば、
やっぱりパレスチナからの移民(難民)の方でした。

あ、すみません、今日は僕の趣味に走った内容で、
注釈なしだとそれこそピンときませんよね?

それじゃ最後のサプライズをもう一つ。

トゥルク駅でヘルシンキ行きのチケットを買い、
念のために出発ホームを確認しようと駅舎から出ると、
目の前にいきなり蒸気機関車が走りこんできたのです!
これまた度肝を抜かれました。
実は走っているSLを見るのは二人とも初めてだったのですよ。
乗客を乗せて走り出す姿はちょっと感動的でしたね。
ほんと迫力がありました。

さて、明日はどんなサプライズが僕たちを待っているのか・・・
お手柔らかに願いたいものです。

えーじ
posted by ととら at 08:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2018年07月01日

第16回取材旅行 その8

今はフィンランド時間18時30分。
バイキングラインフェリー、
グレース号のキャビン7031でキーを打っています。

ほぇ〜・・・やっとこさ、ここまで来ました。
それでは時間を昨日の18時に巻き戻してお話を始めましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ねぇ! なんて言ってるの?」
「ちょっと待って・・・まだスウェーデン語でアナウンスしてる・・・
 あ、英語に変わった。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 到着が遅れてすみません。
 で、10階のビュッフェのソフトドリンクを無料にするってさ」
「ホント!? タダなの? じゃ行こうよっ!」

そこで僕らはソーダを飲みつつ窓から外を眺めていました。
船はラングナス港の沖、約2キロメートルのところで強風に流されないよう、
船体をゆっくり回転させています。
当初の到着予定時刻を過ぎてかれこれ4時間が経ちました。

「とりあえず宿には連絡しておいたけど、
 これじゃ、いったい何時になるのか見当もつかないな」
「今夜の調査は中止ね。
 私たちがマリエハムンに着くころにはみんな閉まっちゃってるよ」

この状態で僕らにできることは何もありません。

キャビンに戻って取材ノートのまとめでもやろうかしらん?

そう思いつつ僕はふと右舷の窓に目をやりました。
すると・・・

「ん? ・・・なんだ? 木だ。 木が見える!
 風で船が流されてるのか? 座礁するぞ!」
「どうしたの?」
「大変だ! ちょっと見てくる!」

と言って窓際まで走った僕はさらに目を丸くしました。
なぜなら僕の目に入ったのは木々だけではなく、
ボーディングブリッジとターミナルだったのです!
船は知らないうちにラングナス港に接岸しようとしていたのでした。

「ともこ! 降りるよ!」
「え? なんのアナウンスもないじゃない?」
「でも接岸しようとしてるんだ。
 すぐキャビンに戻って荷物を取ってこよう!
 降りそびれたら大変だ」

ラングナス港は小さなターミナルしかない鄙びたところでした。
ここでほっと一息つきたいところですが、
マリエハウンまで行くバスを探さなくてはなりません。
駐車場には数社のバスが何台も停まっており、
下船した乗客でごった返しています。

バイキングラインのフェリーだから、多分おなじ会社のバスだろう。
ん? あそこのバスがそうだ。ドライバーに訊いてみるか。

こうして僕らはようやく代替バスに乗り込み、
約30分後、予定より5時間以上遅れてホテルにチェックインしたのでした。

めでたしめでたし・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

じゃ、終わらないんですよね。

限られた時間でマリエハムンの取材を行い、
今日の13時半、
僕たちは昨日到着するはずだったマリエハムン港に向かいました。
フェリーターミナルに入りインフォメーションボードを見ると、
そこには僕の予感を裏切る内容が・・・

「おや? トュルク行きはオンタイムだぞ。
 14時10分に到着して15分後に出発するとなってる」
「へぇ〜、遅れを取り戻したんだね」
「ふ〜ん・・・そういうことだな。船は昨日と同じものだし。
 僕らがラングナスで下船した後、トュルクまで行き、
 夜行で同じコースを戻って今朝ストックホルムを出発したんだ」

僕らはチェックイン端末でチケットを発券し、
出発ロビーまで進むと、そこには30名ほどの乗客がいました。

どうやらインフォメーションボードの情報は正しかったみたいだ。

そこへ大型客船が入港してきました。
運営会社はバイキングライン。
しかし船名が僕たちが乗るものとは違います。
もう一度情報を確認すると、
同じ時刻に別の桟橋からストックホルム行きが出発します。
乗船アナウンスが流れるとロビーにいた人々は、
僕たちを残してみなボーディングゲートに行ってしまいました。

やっぱりイヤな予感がする。

そこへ制服を着たスタッフが近付いて来ました。

「どちらまでいらっしゃるのですか?」
「14時25分発のトュルク行きに乗ります」
「トュルク行きは昨日の悪天候の影響で予定が変わり、
 ラングナス港から出発することになりました。
 代替バスが16時50分に街の広場から出ます」

そう言って彼女はスウェーデン語とフィンランド語で書かれた、
新しいスケジュール表を僕に差し出し、

「英語では書いてありませんがどうぞ」

さんきゅ〜べりまっち。

ターミナルを出て見渡せば、
昨日乗ったと思しきバスが数台停まっています。
そこで再び制服を着たスタッフに訊くと、
先ほどの女性と同じことを答えてきました。

仕方ないね。
それじゃバックパックをバスのラゲッジスペースに入れて、
ここで出発するまで待つとしよう。

彼女は街の中心まで行って時間をつぶしていてもいいと言ってくれましたが、
ここは本当に小さな田舎町で、
僕らは午前中にほとんど回ってしまっていたのですよ。

仕方なく、もう一度フェリーターミナルに戻りました。

「あとどのくらい時間があるの?」
「ざっと2時間半」
「そんなに? どうする?」
「と言ってもしょうがないからまだ行ってない地域をぶらっと歩くか。
 とりあえずバックパックの無事を確認して出かけよう」

こうしてバスまで戻ると車内にはけっこう乗客が乗っています。

ん? みんなこれから2時間もあの中で待つ気かしらん?

そう訝る僕の目の前で突然ドアが閉まり、
バスが走りだそうとしたではないですか!

「おわっ! ちょ、ちょっと待って!
 僕たちのバックパックが積んであるんですよ!」
「え? そうなんですか?」
「出発するんですか?」
「そうです。まだ席はあります。乗ってください」

おいおい、そうならそうと先に言ってくれよ。
10秒遅かったら乗り遅れるところだったじゃないか?

ところがバスの行き先はラングナス港ではなく街の広場。
ここで16時50分まで待つそうな。
皆さま、ごゆっくり散策をどうぞ! とのこと。
で、サンドウィッチとペットボトルの水をくれました。

さんきゅ〜べりまっち。

こうして僕らは言われるがまま、
なされるがまま街の中央部で『のんびり』させて頂き、
定刻になってようやくラングナス港へ出発したのです。

ここまでくると、僕らも素直に喜びません。
案の定、グレース号は予定到着時刻になっても現れなかったし。
外は昨日と同じく強い風が吹いています。
きっと今も港の沖で足踏みしているのかも。
となると僕にできることは・・・

「とりあえず宿に遅れるって連絡を入れておくよ」

こうして殺風景なターミナル前の駐車場で待つこと約30分。
船影が見えてきたところでようやく肩の力が抜けました。

え? で、今はどの辺にいるんだ?

さっきのアナウンスによると、
あと1時間半くらいでトュルクに着くらしい・・・
んですけど・・・

『予定』ではね。

えーじ
posted by ととら at 03:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月30日

第16回取材旅行 その7

今朝は5時半前に起きて6時20分発のフェリーターミナル行バスに乗り、
7時45分発のバイキングラインで出発しました。
目指すはフィンランドのオーランド諸島にあるマリエハウン。

ここでサプライズがふたつ。

あ〜、待ってました! って雰囲気ですね?

アフリカや南米と違って何ごとも安心安全の北欧・・・
のはずだったのですが、まぁ僕たちの旅ですからね。
いろいろ起こるんですよ。

でも最初のサプライズは嬉しいもの。

2日前にフェリーのチケットを買ったとき、
売り場の女性に「一番安いチケットでたのんます!」
と言って笑われた僕ら。

そうなれば、これまでの船旅の経験に照らし合わせても、
席はフロアの雑魚寝がいいところ。
しかしフェリーというより豪華客船という威容にのけぞりつつ、
乗船して客室はどこかとスタッフに聞けば、
ホテルのような廊下の奥のキャビンゾーンを指さすじゃないですか!
そこでチケットをよく見れば、確かに部屋番号が書いてある。

ふ〜ん・・・タコ部屋ね。

と思ってカードキーを使いドアを開けると・・・

な、なんだここは・・・何か間違ってるんじゃないのか?

というのが率直な第一印象。
なぜならそこは、
ちょっとしたビジネスホテル級と見紛う『個室』だったんですよ!

しかもきれいなトイレが付いてる!
いや、シャワーまで付いてるじゃないか!

部屋の広さだって東横インのシングルより広いくらいあるし。
よく見れば収納型のベッドが4つありますから、
すぐに他の乗客が乗ってくるのかな?

そう思いながら部屋を隅々まで確認していると、
大型の液晶テレビに僕たち二人だけの名前が表示されているじゃないですか!
しかもWelcome!だって。

うひゃ〜個室だよ、ここは!

もう驚きまくる僕たちでした。

なぜならこの物価が高い北欧で料金はたったの約4,485円(二人分)
はっきり言ってこの旅で使った部屋の中でも断トツのゴージャス感。
こんなに居心地が良いのに乗船時間が5時間15分とは残念だな。

さっそく靴を脱いでくつろぐ僕らでございました。
はぁ〜、めでたしめでたし・・・

そして身分不相応の船旅をエンジョイしつつ、
到着1時間半程前に船内アナウンスが流れ、
下船ゲートは6階のデッキだと知らされた後のこと。
後ろ髪をひかれつつ下船時刻の15分前に行って待っていると、
再び船内アナウンスが流れましたが、
周囲のざわめきが大きくてよく聞き取れません。

ん? なにか起こったのかな?

右舷のデッキに出てみましたが接岸するはずのターミナルはおろか、
建物のある島も見えません。
嫌な予感がして左舷に行けば、
11時の方角の2キロメートルほど先にターミナルらしき建物が見えます。

ん? なんで左舷にターミナルが見えるんだ?
マリエハウンの港は北に向かって右舷側のはずだぞ。
いったい僕らは今どこにいるんだ?

僕は風音に混じるミッションインポッシブルのテーマに気付かないふりをしながら、
GPSで現在位置を確認しました。

な、なんじゃこりゃあ!
僕たちはマリエハウンのある島の反対側にいるじゃないか!
ってことは、ここはラングナスの港だ!

「どうも様子が変だ。クルーに直接聞いてくるよ」

そう言い残してキャビンを出た僕がよくやく捕まえた男性クルーの話では、
この船は強風のためマリエハウンに接岸できず、
航路をラングナスに変更したとのこと。

ま、マジですか?

「僕たちはマリエハウンに行かなければならないのですが」
「ご迷惑おかけしております。
 下船後にバスでマリエハウンに行けるよう手配していますのでご心配なく」

ということなんですけどね。
当初の到着予定時刻は14時10分。
ところが今はもう18時。
僕らを乗せた船は、
いまだラングナス港の手前2キロメートル付近を漂ったままです。

あいやぁ〜・・・どうなるんだろ?

取りあえずホテルに遅延の連絡を入れて、
風がやむのを待つ・・・しかない・・・か。

To be continued.

えーじ
posted by ととら at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月29日

第16回取材旅行 その6

ともこです。

今日はストックホルムでの最終日。
毎日かなり歩いているのでだいぶ土地勘がついてきました。
やっぱり自分の足で歩くのが一番ですね。

目的もなく、ただぶらぶらしているだけでも、
ステキな路地がたくさんあって楽しいです。
ここは大都会でビルだらけですけど旧市街のガムラスタンに入ると、
中世の雰囲気にガラッと変わるのが面白いです。

そういえば昨日はサッカーのワールドカップでスウェーデンの試合があり、
パブなどでは外まで人があふれ、歓声と歌声ですごい盛り上がりでした。
あの様子から勝ったみたいですね。

ここまでで食べたスウェーデンでの食事は、
どれもおいしくてハズレがひとつもなかったですよ。
えーじも言っていましたけど、前評判とはまったく逆ですね。
料理人としては、ソースや盛り付けも参考になることがいっぱいありました。

もうひとつ印象的だったのが、
レストランでもカフェでも働いている人たちが楽しそうなこと。
みなさん自信をもって生き生き接してくれるので、
こちらまで嬉しくなってしまいました。

レストランやホテルの正面には、
とてもお洒落な花と緑のディスプレイがあって、
これも見ているだけで楽しかったです。
色合いの組み合わせが東京ではあまり見かけないもので、
シンプルなんですけど上品だなぁ〜と感心しました。

明日は朝早くストックホルムをフェリーで出発して、
フィンランドのオーランド諸島にあるマリエハウンという小さな街に向かいます。
この旅で訪れる街はどれも私たちにとって初めてのところ。
まだ見たことのない風景や食べ物との出会いは、
旅の一番の楽しみです。

明日はどんな出会いが待ってるかな?
それではおやすみなさい。
posted by ととら at 05:16| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月27日

第16回取材旅行 その5

この旅も折り返しとなりました。
僕たちは今、スウェーデンの首都ストックホルムに滞在しています。
さすがは北欧最大といわれる都市ですね。
ノルウェーのオスロと比べても明らかに大きい。
またそれだけではなく、
中世からの建築物がガムラスタンを中心に多数残っており、
古い街並みや現代の北欧デザインビルが歩いているだけで楽しめます。

さて今日は記憶が褪せないうちに、
ノルウェーの総集編をビジュアルにいってみましょう。

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今回お世話になったのはカタール航空さん
エコノミーでも機内食が美味しいので僕たちのお気に入り。
キャビンクルーだけではなく地上勤務のスタッフも親切ですよ。

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経由地のドーハを飛び立った飛行機は間もなくオスロへ。
僕はこのフライトマップが好きでね。
ああ、ここは行ったことがある・・・ここはまだだ・・・
こんな風に眺めながら次の旅を考えているのですよ。

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オスロ中央駅はさすが首都の玄関口。
しかし構内は分かりやすく飲食店や売店もたくさんあり、
使い勝手がいいですね。
ここにあるノルウェー鉄道(NSB)の窓口で、
僕らはベルゲン往復の各種チケットを受け取りました。

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駅舎のデザインはすっきりしていて、なるほど北欧という感じ。

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僕らの投宿先は駅から歩いて10分ほどのところにあるホステル。
ホテルではありません。ホステルです。
この差はビミョーに大きい。
ま、分かりやすく言うと、
ここはドミトリーのある大型バックパッカーズですね。
世界各国から旅人たちが集まっていました。
現地相場では安いせいか仕事で泊っている人も少なくありません。

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簡素ですが清潔で居心地のいい部屋。
僕たちは2段ベッドとシングルベッドがひとつずつある、
トリプルを二人で使わせてもらいました。

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ホステルには朝食がついていません。
しかし同じ経営の隣接しているホテルでは110クローネ(約1540円)の、
ビュッフェ式朝食にありつけました。
ふつう取材中はこんなに食べないのですけど、
ここではニシンのマリネやフィスクケーキなど、
調査対象の料理があったので朝から頑張りました。

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ノルウェーはEUの一国ですが通貨はユーロを導入していません。
昨今の経済的ドタバタを見るかぎり英断だったのかな?
これは通貨のノルウェークローネ。
クレジットカードが公衆トイレですら使えますから、
実はキャッシュの出番はほとんどありません。

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オスロ一番の繁華街といえば駅から西に延びるカールヨハン通り。
半分以上が歩行者天国で道幅も広く、安心して歩けます。

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周囲は素敵なレストランや物販店、そして高級ホテルが立ち並び、
ぶらぶら歩いているだけでも楽しいですよ。

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市電は庶民の足のひとつ。
時折ひかる電線のスパークがレトロな雰囲気を醸し出しています。
ちなみにこの明るさで夜の11時半!
まさしく白夜の国ですね。

no_oslocity02.jpg

オスロ大聖堂の周りには古いレストランが散在しています。

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いかがです?
ファサードを見るだけで入ってみたくなるようなレストランでしょ?

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ここは美術館ではありません。
先の写真とは別ですが、これも老舗のレストラン。
高級そうですけど意外とリーズナブル。

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ノルウェー料理で取材対象の筆頭はこれ。
シーフードがたっぷり入ったフィスクズッペ。
コクのあるスープに生クリームを入れレモンジュースを絞って頂きます。
上に鎮座しているのはこれまた名物のザリガニ。

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肉料理ならばミートボール。
ざっくりした触感で濃厚なグレービーソースがよく合います。
アクセントはこけもものジャム。
脇役のポテトがこれまた美味しい!

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腹ごなしにボートで20分ほどのところにあるビドコイ地区の、
民俗博物館に行ってきました。
ここはいわゆる博物館というよりテーマパークのようなところで、
広大な敷地にノルウェー各地から集められた古い建築物が建っています。
それぞれのユニークな様式が面白い。
写真は教会です。

no_cityhall.jpg

ノーベル賞は運営がちょっと複雑で、
スウェーデン王立科学アカデミーが「物理学賞」、「化学賞」、「経済学賞」を、
「生理学・医学賞」は同じくスウェーデンのカロリンスカ研究所、
「文学賞」はスウェーデン・アカデミー、
そして「平和賞」がここノルウェーのノーベル委員会が担当しています。
写真はその授賞式が行われるオスロ市庁舎のホール。

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オスロからベルゲン鉄道でソグネフィヨルドのゲートウェイ、
ベルゲンまで行きました。
ミュールダールの手前30分くらいのところに広がる光景は、
息をのむ美しさです。

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車内では事前に買い込んだパンと缶詰とチーズのランチ。
こういうのが僕らの旅らしくて好きです。
コーヒーは食堂車でゲット!

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こじんまりしたベルゲン駅。
小雨が降っていたのでちょっと肌寒かったです。

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小さいながらも北欧らしい街並みが残っています。

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世界遺産にもなっている古い木造家屋が軒を並べるブリッゲン。
一歩入ると細い路地が入り組んでおり、
個性的なショップがそこかしこにあります。

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裏通りをさまよっていたら思わぬ光景に出会えました。
こうしたアート感覚に満ちた街です。

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僕たちが泊まった『ビッグブラザータイプ』の宿。
右側にずらっと並んだ小さなキーボックスのダイヤル錠に、
メールで送られてきた暗証暗号をセットし、
中に入っているカードキーを取り出します。
ここから先はそのカードキーがないと入れません。
一泊しか滞在しなかったからか、清掃スタッフにすら会いませんでした。

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チェックインのオペレーションはともかくとして、
部屋はキッチンもあり、自炊派にはうれしい内容でしょう。

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ここまで来た理由の一つがこれ。
ベルゲン名物のバカラオです。
覚えていますか?
2011年秋、ポルトガル特集の時にご紹介したバカリヤウ(干しタラ)は、
ここ北欧から輸入しています。
それなら本家の料理を調べないわけにはいきません。
トマトソースで煮込んだ滋味あふれるバカラオは絶品でした。
ビールは地元のハンザをチョイス。
フルーティでコクがあり、料理との相性は抜群!

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そして小エビを散らしたシンプルな舌ヒラメのムニエル。
なんていったらいいでしょうね?
ああ、生きていて良かった!
と思える味でした。

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僕らが乗ったフィヨルドを抜ける高速船。
時速70キロメートルくらいのスピードが出ますが、
双胴型で安定していますから、あまり揺れません。

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不思議な静けさに満ちたフィヨルド。
月並みな表現ですけど、本当に美しい。
4時間余りの船旅はあっという間に過ぎてしまいました。

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ベルゲン鉄道は景観の美しさで有名ですが、
フロムからミュールダールへ至るフロム鉄道も負けてはいません。
途中ではこんな滝もあります。

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ミュールダールで再びベルゲン鉄道に乗り換え、
僕たちはオスロに戻りました。
雨の多いこの地域で天候に恵まれ、本当にラッキー!

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治安のいいヨーロッパを訪れる楽しみの一つが、
こうしたオープンテラスのレストラン。
時間を気にせず、気持ちのいい風に吹かれて囲むテーブルは、
何ものにも代え難い喜びです。
日本ではなかなか味わえませんからね。

さぁ、旅を続けましょう。

えーじ
posted by ととら at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月25日

第16回取材旅行 その4

12:51にオスロ中央駅をバスで出発した僕たちは、
Ryggaで鉄道に乗り換え、16:50にスウェーデンのヨーテボリに着きました。
シェンゲン協定締結国内での移動のため、
国境での各種手続きはなし。
「まもなく国境を越えるな…」と外を見ていたものの、
気が付けば既にスウェーデンに入って3キロメートルほどの場所まで来ていました。

さて、ここで取材のお話です。

この旅の準備編でもお話ししました通り、
「北欧に行きます」と言えば、
「美味しいものはないでしょ?」というのが一般的な反応でしたね。

ところが、この1週間を振り返ってみれば、
反対に「まずかったものはあったっけ?」というのが僕たちの正直な印象です。

そう、ノルウェーの料理はとても美味しかったですよ。

具体的にはシーフードがたっぷり入ったクリーミーなフィスクズッペ。
コクのあるブラウンソースとベリー系のジャムを添えた、
ボリューム満点のミートボール。
軽くスモークしたノルディックサーモンのステーキ。
滋味が凝縮したバカラオのトマトソース煮。
北欧風さつま揚げのともいえるフィスクケーキ。

いずれも十分ととら亭の特集でご紹介するに値する逸品じゃないですか。

確かに先に挙げた料理は、
ノルウェー「でしかない」郷土料理ではありません。
スカンディナビアの国々は多くの食文化を共有しています。
それ故に比べてみるのも一興じゃありませんか。

そこでさっそくスウェーデン初日から、
ミートボールやニジマスの燻製を比べてみれば、
ほ〜ら、やっぱり!
2品とも似て微妙に異なる料理なんですよ。

明日の午後はストックホルムに向けて移動します。
そこでもいろいろ比べてみたいですね。
そしてもちろん、スウェーデン独自の料理も調べる予定です。

おっと、
それからノルウェーではひとつ大きなオマケがありました。

人の運命というのは奇遇なもの。
中国からの留学生で、ととら亭によく来てくれていたアレックスが、
オスロ大学のサマースクールに参加することになったと言ってきたのです。
しかも彼女が到着するのは僕たちがオスロを発つ2日前!
そこで一緒に食事をしようということになりました。

更に老舗のレストランでテーブルを囲んだのは、
同じく日本に留学経験のあるベトナム系ノルウェー人のダニエル。
彼はアレックスと共に日本で学んだ学友のひとりです。
二人とも流暢な日本語が話せるので、
異文化間のコアな話が日本人どうして話しているかのように弾みました。

ホント、旅は出会いですね!

えーじ
posted by ととら at 08:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月23日

第16回取材旅行 その3

僕たちは昨夜オスロに戻ってきました。
今日の空は曇り時々晴れ。
ここまでは天気に恵まれています。
なんといっても雨の多さで知られるベルゲンだけではなく、
ソグネフィヨルドですら時折り晴れ間が広がりましたからね。

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雨に煙るフィヨルドも幻想的ですが、
陽光と雲を背景に聳える山々を縫う海は、
特別に開かれた聖域のような美しさがありました。

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それはベルゲン鉄道で通過した標高1300メートルを超える高原も同じ。
車内には様々な国籍の旅人が乗っていましたが、
信じる神が違っても、
目の前に広がる創造主の力を否定する人はまずいなかったでしょう。

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旅をしていて残念に思うことがひとつあります。

それはこうした風景を前にして、
この経験を皆さんと、
ととら亭で出している料理のようにシェアできないこと。

もちろん旅の印象は人それぞれ違います。
だけど、なんて言ったらいいかな?

言葉にすると陳腐なんですけど、
地球は美しいんですよ。

そして僕たちは例外なく、この星で生きている。
これこそが、少なくとも僕にとっての真理に他なりません。

きれいだね?

すべての違いを超えて、僕たちみんながそう言えるように、
彼女は時折、その聖域を開いて見せてくれています。

それは遠い彼方にだけあることではなく、
身近な日常の中でも見つかるものなのでしょう。

ただ、僕たちは忙し過ぎて、それに気づいていないだけ。

旅とはとどのつまり、
それに気づく方法を学ぶために出かける、
学び舎のひとつなのかもしれませんね。

えーじ
posted by ととら at 01:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月21日

第16回取材旅行 その2

今はノルウェー時間22時58分。
僕たちはソグネフィヨルドのゲートウェイとなるベルゲンに滞在しています。
外はようやく陽が傾いてきたところ。

そう、明日は夏至。
北半球では最も日中の時間が長くなります。
その上、ここは北緯60°23°35°。
僕たちの旅の記録では、
昨年訪れたロシアのサンクトペテルブルグ(北緯59°56°19°)が最北端でしたから、
日没もなんと23時!
午前零時を回っても薄暗いままですから、まさに白夜なんですよ。
記録を少々更新しました。

オスロからのアクセスで乗ったベルゲン鉄道は、
さすがに世界の鉄道ファン憧れの的と言われるだけあり、
ミュールダールの手前30分くらいからの景色は圧巻でしたね。
雪渓を頂く峰々に囲まれた湖の光景は、
普通、スキルの高いクライマーだけに許される褒賞としての景観でしょう。
それを汗もかかず、ゆったり座って見られるのですから。
(写真はのちほどお見せしますね!)

さらに僕らはラッキーでした。
道中ほとんど雨に降られなかっただけではなく、
1週間に8日雨が降るとまで言われたベルゲンに着くなり、
太陽が顔を出したのですよ!
天気予報は雨だったのに。

そして二つ目の不確定要素も無事にクリアできました。

というのも、ベルゲンの宿はビッグブラザータイプのホテルなんですよ。
(詳しくは『第4回取材旅行 その2』をご参照下さい)

今回はどうかな〜・・・と訝りつつ、
メールをチェックしていると、
昨日、チェックインの方法を説明したメールが届きました。

その内容は・・・

1.エントランスを入ると部屋番号が記されたキーボックスが並んでいる。
2.自分の部屋番号が記されたキーボックスのふたを開けて中にあるダイヤル錠に、
  この手紙に書いてある暗証番号をセットする。
3.中のレバーを下げるとロックが開きルームキーが取り出せる。
4.そのキーを使ってホテルの中に入り、自分の部屋のドアを開ける。

意味分かります?
直訳するとこうなんですよ。

さらに、

5.15時前にはチェックインできません!
6.同じ通り上に同じ名前のホテルが3つありますが、
  あなたが泊まるのは29番地のところです。44、48番地ではありません!
  
との追記が・・・

これを読めば旅人なら、
ミッションインポッシブルのテーマが聞こえてくるってもんです。

そこでベルゲン駅を出てからオフラインでも使えるマップを使い、
現地まで行ってみると・・・

ほ〜ら、暗証番号を入力してもエントランスのドアが開きません。

ん? でもおかしいぞ。
住所が違う。ここは29番地じゃない。

で周りの番地を確認してみれば、進行方向右側に並んでいるのは、
偶数番号の住所しかありません。
こういうのはブカレストでやられたことがありました。

で、来た道を戻りながら、もう一度住所を確認していると、
少し北に行ったところに
奇数番号の住所のブロックが並んでいるじゃないですか。

ここは33番地・・・ということは・・・

あった!

で居並ぶキーボックスから指定された部屋番号のものを探し、
ふたを開けてダイヤル錠に暗証番号をセット!

じゃあ〜ん!

うちブタが開いて現れたのはパンチカード型のアナログカードキー。
これを入り口のスロットに挿入すると・・・

じゃ、じゃあ〜ん! 開きましたぁ〜

どうですこういうの?
スパイごっこみたいで楽しいですよ〜。

さっき夕食から帰ってきたとき、
キーボックスの前で奮闘する老夫婦の姿がありました。

「ちょっと、そうじゃないわよ!」
「いや、これでいいんだ! あれ?」
「ほら違うじゃない! キーボックスが違うのよ!」

「あの〜、お手伝いしましょうか?」
「あら! そう?」
「ちょっと待ってくれ・・・ああ! 開いたぞ!」
「おめでとうございま〜す!」

ここが『こういうところ』だとは、ちょっと分からないと思いますよ。
ご興味のある方は、こちらをご覧下さい。

→ Bergen Budget Hotel


ま、慣れている方には結構居心地のいい場所だとは思いますが。

えーじ
posted by ととら at 06:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月19日

第16回取材旅行 その1


日本の皆さまおはようございます! そしてこんにちは!
僕らは昨日、予定通り現地時間13時20分にノルウェーのオスロに到着しました。
日本との時差が7時間ありますので、こっちはまだ朝の10時なんですよ。

天候は曇り。気温は東京の4月上旬というところでしょうか。
気持ちいいですけど風が吹くと肌寒いですね。

羽田を定刻通り飛び立ったカタール航空QR813便は、
10時間54分でカタールのドーハへ。
機内は8割程度の搭乗率。
僕は食後に1本映画を観たあとスイッチを切ったように爆睡(気絶?)。
「朝食を召し上がりますか?」とキャビンクルーに肩を揺り起こされたのは、
着陸の2時間前でした。

ドーハでのトランジットタイムは約2時間。
一昨年冬のエチオピア、南アフリカ取材旅行以来のハマド国際空港でしたが、
勝手は変わってなかったのでさらっと次の出発ゲートまで行けました。
ここのカフェで取り出したのは前回使い残した24カタールディナール(約720円)
で、ミネラルウォーターとエスプレッソをゲット!
(空港価格なのでこれくらいしか買えませんでした)

オスロまでのQR175便は搭乗率が4割程度に下がり、
乗っているのは8割以上が白人。
周りで日本語が聞こえてくることはありません。
旅が始まったぜ! という気分になります。

そうそう、
今回、予算の都合でフィンエアーさんに乗れなかったのは残念でしたが、
カタール航空さんも僕たちのお気に入りなんですよ。
キャビンクルーはラブリーだし、
なによりエコノミークラスでも機内食が美味しい!

オスロのガーデモエン国際空港は北欧らしいデザインもさることながら、
ターミナルに入ってすぐ驚いたのは『木の香り』。
そう建築素材に木材が多用されているのですよ。
だから空港というより、ホテルのような感じ。

イミグレーションの整然とした乗客さばきは成田以上だし、
インスペクターもフレンドリーでした。
バックパックを待つことなくピックアップした僕たちは、
珍しくここで免税品店へ。
ノルウェーは高税率の国ですからお酒を仕入れるなら街中は論外なんですよ。

さらっと税関を抜けた僕たちは、
成田エクスプレスに相当するエアポート・エクスプレス・トレインに乗って・・・
行きたいところでしたが、
チケット料金(約2500円/1人)を見たともこの「高〜い!」の一言で、
NSB(ノルウェー鉄道)の窓口へ。

しかしながら一人約1400円の料金とはいえ、
ローカル列車はゴージャスなピカピカ車両でスピードも速く、
僕たちは空港から30分もかからずオスロ中央駅へ到着しました。

車窓を逃れる風景はちょっと北海道に似ていますね。
緑が多く、建物がまばらで時折見える道路の交通量も少ない。

さて、オスロ中央駅では『準備編その2』でお話しした、
不確定要素その1をクリアしなければなりません。

それはベルゲン往復鉄道チケットの受け取り。

事前にネットから購入していたのですが、
航空券のようにこちらがプリントアウトするのではなく、
紙の乗車券を現地で受け取らなければなりません。
今までもこうしたオペレーションは、
ワルシャワやブラチスラバでやったことがありましたけど、
ちょっと微妙なんですよね。

しかし予め送られてきた電子メールにあったように、
8番ホームと9番ホームの間にあるNSBのオフィスで、
プリントアウトしたメールを見せたら、
さらっと乗車券一式を印刷してくれただけではなく、
いつもならインフォメーションでもらう、
マップなどの資料一式も一緒にくれたではないですか!

いやぁ〜、この至れり尽くせりの対応。
さすがは北欧だ。

さて、初日の宿は駅から徒歩10分程度のところにあるバックパッカーズ。
とはいえ、これまた良くも悪くも北欧。
ドミトリーが併設されているいわゆる『安宿』なんですけど、
ツインルームでも最低約9,000円!
僕らの予算ではかなり高いほうです。
それでも部屋は質素で居心地はいいですよ。

昨夜は目抜き通りのカール・ヨハン通り周辺を下見して遅い夕食を摂り、
23時前にはまた爆睡してしまいました。
長距離フライトの後で熱いシャワーを浴び、
ベッドで体を伸ばして寝ると、ほんと生き返ります。

今日のオスロは快晴。
いい写真が撮れそうだな。

それでは行ってきます!

えーじ
posted by ととら at 18:55| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月17日

第16回取材旅行の準備 その3

今は16時05分。
ととら亭をシャットダウンしてアパートに帰ってきました。

今回のフライトは2014年末の韓国行き以来、
3年半ぶりの羽田空港から。
出発は日付が変わった0時1分なので時間的には余裕です。
野方を出るのは20時半くらいで十分でしょう。

準備は粛々と進めてはいたものの、
最後の数日がドタバタするのはいつものこと。
特に今回は寒暖の差が激しい天候と、
サッカーのワールドカップが始まった影響からか、
お客さまの来店パターンが通常と変わり、
意表を突かれまくったのが効きましたね。

ともあれご好評をいただいたギリシャ料理も昨夜でほぼ完売となり、
おかげさまで達成感をもって気持ちよく出かけられそうです。

旅は僕たちにとって公私ともにひとつの区切り。
終わりであり、また始まりでもあります。

なので今日のように営業をやってから出発するとなると、
少し微妙な気分になるかな?

さぁ、それじゃ頭を旅人モードに切り替えましょうか。
次はノルウェーのオスロから!

えーじ
posted by ととら at 19:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月15日

おじさんから質問

ととら亭でお話を聞いている限り、
僕のブログの読者は年齢層の高い方が多いようですが、
一度、小学生の男の子から
「ブログ読んでます!」と言われて驚いたことがありました。

そういえばお店で高校生の女の子が僕の本を読んでいて、
ドキっとしたこともあったっけ。
なにせR指定ではありませんが、
未成年の方が読むことを想定していなかったもので・・・

そんなこんなで若い方にも縁ができつつ、
選挙権だけではなく成人年齢も18歳になりそうなので、
ここでひとつ、そんな君たちに質問してもいいかな?

これから君たちが大人としてデビューする社会を
次のふたつから選べるとしたら、
どちらがいいですか?

A.億万長者とホームレスがいる社会
B.億万長者もホームレスもいない社会

これはとても大切なビジョンでね。
誰かに答えを教えてもらうのではなく、
自分で考えて自分だけの答えを持つべきことなんだよ。

え? 選択肢Cはないのか?

ああ、すまないけど、
僕たちの世代もその前の世代も、それを思いつかなかった。

だからいま君たちが出来る選択は、
僕たちが並べたAかBを選ぶだけだけではなく、
まだないCを創りだすってこともありなんだ。

ま、僕も往生際が悪いんでね、
明後日から、
その疑問を解く鍵を探す旅に出るところなんだけどさ。

えーじ
posted by ととら at 14:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月13日

夢のおつり

「大型プラズマディスプレイにポスターを表示できないかな?」

10年前、
まだネクタイを締めて商業施設のシステムを管理していた頃、
広報担当からこんな相談を受けました。

なんでも、
B0サイズのフルカラーポスターを印刷するのはコストと時間がかかる上に、
広い館内での貼り換え作業もかなり負担になっているとのこと。
ポップサーバー上のデータを各ディスプレイに直接配信出来たら、
相当な省力化に繋がります。

ふ〜む・・・
技術的なハードルは高くない。
でも、コストがね〜・・・

で、この話は立ち消えに。

それから時は流れ、2018年6月12日。
昨日は小用があって新宿に行っていたのですけどね、
10年前の『夢のシステム』は、
ありきたりの情景の一部となっていました。

レトロなムードが漂う野方から西武新宿線で新宿駅に着いてみれば、
虹色に輝く巨大な電光テロップに迎えられ、
外に踏み出すと大型ビジョンにCGの少女たちが舞い、
地下街はさながらパソコンの画面を巨大化したかのような光景が
延々と続いているじゃないですか。

なんとも便利になりました。
十年一日とはよく言ったものです。

でも、疲れません?

普段、地味な野方5丁目から出ていないせいかな?
1時間もあれこれ歩き回っているうちに
あまりの光学的な情報の多さに、
目も頭もくたくたになってしまいました。

特にディスプレイのコンテンツは静止画ではなく、
動きの速い動画でしょう?

個人的に言うと、
あれはもう僕の情報処理能力を完全に超えていましたね。
ただでさえ歩行者が多いのに、
その背景まで光りながら、わらわら動いているのですから。

こりゃマジで疲れる。

で、ほどなく僕の自己防衛システムが働きはじめ、
フィルタリング機能がオンに。

見ているようで見ないようにすると大分楽になりました。

これは音も同様です。
そこかしこから流れる音楽や声も、
聞いているようで聞いていない。
こうした時の僕は殆ど『自閉モード』と言ってもいい状態。

ここでちょっと訊いてもいいでしょうか?

過剰な情報、
いや、光と音とコトバ(意味)の濁流に飲み込まれた時、
皆さんはどうしています?

雑踏の端でふと立ち止まった僕は、
10年前の夢の『おつり』に気が付いたのですよ。

それは『無関心』。

人間が溢れているにもかかわらず個々人は孤独だという、
大都会の奇妙な矛盾も、
こんなところから説明できるのかもしれない。

野方に戻る電車の中で、
僕もまた沈黙をまとう群衆の一人として、
そんなことを考えていました。

えーじ
posted by ととら at 17:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月10日

国旗に込めた思い

国家間の紛争というのは、
何処も複雑な事情が絡んでいるものですが、
地政学的には隣どうしでもめることが殆どです。

というのも、
そもそも国境の取り決めが穏便に行われるケースは稀でしょうし、
隣に住んでいるにも拘らず、
別居するにはそれ相応の理由があるからかもしれません。

しかし、僕たちが食を巡る旅をしていて気付いたのは、
数十年、数百年の時を超えて反目し合う民族や国同士が、
実はその文化の多くを共有しているという事実です。

特に食は言語や宗教、イデオロギーの壁を易々と超え、
目に見える形で、
いや、味わい、自らの体になる形で日常に溶け込んでいるのでした。

それ故に『同じ釜の飯を食った者どうし』が戦火を交えるのは悲しい。

ととら亭では、
旅のメニューに合わせた当該国の国旗をディスプレイしています。
今の特集はギリシャとトルコ。

flags0806.jpg

この2国もまた国境を接し、
ビザンティン帝国の昔に遡る因縁の歴史を背負っています。

しかし彼らもまた例外ではなく、
食という文化の低層は、両国をしっかり結び付けているのでした。

僕たちがこうしたディスプレイを始めたのは、
当該国の国旗を紹介するだけではなく、
時にはその結びつきを表そうと思ったからなのです。

そういえば奇しくも両国の国旗を支えている小さな花瓶は、
アルメニアのエレバンを訪れた時に蚤の市で買ったものです。

僕たちの歴史は侵略と略奪にまみれています。
でも、シェアしていることだって沢山ある。

心の痛むことが絶えない昨今、
これは希望の原点と言えるのではないでしょうか?

えーじ
posted by ととら at 16:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月07日

Back stage of Tototratei

どんな仕事にも『舞台裏』があるものです。
僕らの場合、旅の料理の試作がそのひとつ。

どうやって現地の味を再現するのか?

これまで何度もいろいろな方からご質問を頂きましたが、
作業そのものは至って地味なものなんですよ。
思えばこのプロセスは、
ちょっとゴルフに似ているかもしれないですね。

最初はドライバーでバーンと飛ばし、
そこから先は少しずつ寄せてホールに沈める。
微妙なところで味が決まらない時は、
ホールから半径50センチ圏内で行ったり来たり・・・

不運にも1打目で池に飛び込んだり、
バンカーにはまってしまうこともあります。

特にヨーロッパ以外の文化圏の料理では、
ともこの持ち前のスキル(和・仏・独料理)が使えないケースがあり、
失敗が続くと、
とばっちりを恐れた僕がキッチンに近付かなくなるのも珍しくありません。
(コワイんですよ)

で、いま挑戦しているのがモザンビークとスワジランドの料理。

だからヤバいです。

いや、レシピが難解だからではありません。
クッキングメソッドのノリが違うんですよ。

ともこの場合、修行時代に習った料理のジャンルのみならず、
性格的にもきっちり仕事をやろうとします。
しかし、アフリカのプリミティブな料理は、
良くも悪くもラフなんですよ。
ちまちまやらないでババ〜んと作っちゃう。

こりゃもう音大出のクラシックプレーヤーに
デスメタルを演奏させるようなものなんですね。
(僕のプロデューサーとして苦労をお察し下さい)

それでも今回、なんとか4品の試作に成功し、
写真撮りまで終わりました。
あとは提供ラインの整理と味と香りの微調整。
めでたしめでたし・・・

と行けばいいのですが、飲食店ならではのオチが待っているのです。

makanai052018.jpg

これ、ある日の賄い風景なんですが、
並んでいるのはモザンビークとスワジランドの料理。

美味しそう?

あ〜、確かに美味しいんですけどね。
でも、試作とはいえ一度に作る量は8人前くらいあります。
それに試作も1度では終わりません。
ってことは、この同じ内容の賄いが延々と続くわけなんですよ!

そういえば今やっているギリシャ料理特集の時も、
ムサカなんて二人で30食分は食べたんじゃないかな?

取材だけではなく、
試作もまた過酷なフードファイトのととら亭でございました。

えーじ

P.S.
その苦労の結晶のギリシャ料理特集は、
6月16日(土)で終了します。
お食べ逃しなく!!
posted by ととら at 10:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記