2019年01月22日

第17回取材旅行 その1

メルハバ(こんにちは)!

今はトルコ時間11時14分。
(日本との時差はマイナス6時間)
僕たちはアナトリア半島の中央の都市、カイセリにいます。

7時40分にイスタンブールを飛んだTK2010便が、
約1時間のフライトで高度を下げ始めた時、
僕の目に入ったのは、
「ああ、旭川空港に着陸ですね」な光景でした。

いや〜、寒いのは分かっていたのですが、
街は一面の雪景色じゃないですか!
しかもけっこう積もってる!

むわぁ〜・・・滑りそうだな。
スリップ対策はしてこなかったよ。

ともあれ、
僕らは無事に旧市街にある安ホテルにチェックインしました。
ふ〜・・・ウェルカムドリンクの熱いチャイが美味しかったです。

じゃ、お話を24時間巻き戻して・・・

昨日、予定通り野方を出発した僕たちは、
17時39分新宿発の成田エクスプレスに乗り、
車内でゆっくり『ととら弁当』の昼ご飯。
これ、ランチの残り物で作るんですけど美味しいんですよ。
満腹になってひと心地ついたら爆睡。

シーズンオフの月曜日とあらば、成田空港もガラガラでした。
チェックインから保安検査、イミグレーションもさらっと抜けて、
僕たちは47番ボーディングゲートの前へ。

今回お世話になったのはターキッシュエアラインズさん。
ANAとエジプト航空とのコードシェアだったせいか、
機内は9割くらいの搭乗率。
でも機材がエアバス330系で使い易い2−4−2のシートレイアウトでしたから、
窓際の2席を確保すると圧迫感はほとんどなかったですね。
またエンターテインメントシステムが充実しているだけではなく、
機内食が美味しいので僕らのお気に入りなんですよ。
どの航空会社でも期待できない朝食ですら、
うまいチーズとパンが楽しめましたし。

成田からのフライトタイムは約12時間。
3年ぶりのイスタンブールアタテュルク国際空港は、
ほとんど変わっていませんでした。
今回は国内線に乗り換えなので、
イミグレーションを抜けたらそのままアライバルフロアに出て左に進み、
ホームレスの方たちが寝ている薄暗い通路を抜けて、
古い国内線ターミナルへ。

ここから雰囲気ががらっと変わります。

ん〜・・・こんなところだったっけなぁ?

いかんせん同じルートを使ったのはなんと2007年の10月以来、12年ぶり。
どうもこのへんの流れは覚えていません。

カイセリの空港もボーディングブリッジがなく、
歩いて空港の建屋に入ったことくらいしか記憶にない。

で、こじんまりしたバゲッジクレームの小さなターンテーブル前で、
バックパックが出てくるのを待っていると・・・

待っていると・・・

待っていると・・・

・・・って、おいおい、ターンテーブルが止まっちゃったじゃん!

お互い顔を見つめる、取り残された6人の乗客たち。

マジですか? 初日からバゲッジロストとは。

バゲッジクレームには窓口どころかトイレすらありません。
僕は入ってきたグランドスタッフに歩み寄り、

「あの〜・・僕らの荷物が出てこないんですけど」

すると彼は表情のない目で僕を見つめ、

「ついて来て下さい」

と言ってまた酷寒の駐機場の方へ歩き出しました。

え? まさか飛行機のカーゴスペースに取りに行くの?

と思ったら建屋に沿って進み、もうひとつのアライバルゲートへ。
入ってみれば止まったターンテーブルの上に、
哀れな6人の荷物が転がっているではないですか。

「あった! 良かったね!」
「なんで僕ら6人の荷物だけ別のバゲッジクレームにあるんだろ?
 ま、とりあえず良しとして、ATMを探そう」

そこでアライバルロビーに出てみれば・・・

「ほえ? ないじゃん」

というか、ATMはおろか、カフェやキオスク、両替屋もなく、
ただぽつねんとレンタカーの窓口があるだけ。
そこから出たら雪の積もった駐車場です。

「軍資金がないんじゃバスも乗れないぜ」
「どうするの?」
「出発ロビーに行けば何かあるはずだよ」

僕らは滑る路面に注意しながら歩道を歩き始めました。
道路の反対側にATMが2台あります。
しかしカードが飲み込まれた時のことを考えて、
僕は戸外のATMは使わない主義なんですよ。

そして出発ロビーの前にある保安検査場の前でインスペクターに、

「この中にATMか両替屋はありますか?」
「ありません。外にあるだけです」

外ってあれのこと? マジですか? しょうがないね〜。

「え、あれを使うの?」
「選択肢がないんだよ。飲み込まれないことを祈ってやるしかないな」

そこで国際キャッシュカードを挿入すると、
ジジジジ・・・っという頼りないモーター音と共に、
僕のカードが機械の中に消えて行きました。

ちゃんと返してくれよ。

そしてPINを打ち、当面必要な金額を入力・・・

・・・どうだ?

トランザクションはOK。
で、カードは・・・お〜、ちゃんと出てきたぞ! いい子だ!
それからキャッシュも・・・よしよし!

「OK! 次はバスチケットを買わなくちゃ。車内では売ってないらしい」

ところが一般道路に出てもチケット売り場はおろかバス停も見当たりません。

何かとないない尽くしだね、ここは。

「うひ〜・・・寒いし足元も滑るからタクシーで宿に直行しよう」

さいわいタクシーはたくさん並んでいました。

「どこまでですかい? カッパドキア?」
「いや、カイセリ市内中央のメイダン公園の近くです」
「ならだいたい27トルコリラで行けますよ」

声をかけてきたドライバーは乗り場に貼ってある料金表を指さしてます。
27トルコリラ・・・ってことは大体500円くらいだな。

「OK、じゃお願いしますよ。ちなみにこのホテルは分かります?」

ドライバーは僕が渡したトルコ語で印刷してるホテルの予約確認書を一目見て、

「ああ、知ってますよ」

そこで僕たちは10時半ごろ、旧市街の安ホテルにチェックインしたのでした。

さぁ、お腹が空きました。
予想通り、宿の周辺には美味しそうな飲食店がたくさんあります。
まずはトルコのギョーザ、マントゥと、
もうひとつカイセリ名物のパストラミを乗せたピデからだな。

それではお仕事を始めましょうか!

えーじ
posted by ととら at 18:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年01月21日

第17回取材旅行の準備 その5

今は15時45分。
お店のシャットダウンが終わってアパートに帰ってきました。
昨夜のうちにウェブチェックインとパッキングを済ませておいたので、
あとはシャワーを浴びたら出かけるだけです。

成田空港の天気は晴れ。
渡航先の政情、治安も落ち着いているようです。

どうやら予定通り出発できますね。

期待に混じるわずかな不安と疲労感。

思えばライダーとしてソロで国内を周っていた頃から、
バックパッカーとして二人で海外を巡る今でも、
旅の始まりはいつも変わりません。

そしてバイクで走り始めた時も、
バックパックを背負って歩き始める時も、
思うことは同じ。

Dive into the unknown future.

1時間先の未来で何が僕らを待っているのか?

それでは次はトルコのカイセリからお話しましょう。
行ってきます!

えーじ
posted by ととら at 15:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年01月19日

第17回取材旅行の準備 その4

現地の状況は祈るのみですが、
こちらでは粛々と準備を進めています。

料理の取材計画、宿や移動手段の確保の他に、
今回重点を置いているのはトルコ語。

と申しますのも、
トルコにおける取材地はイスタンブールを除いて観光地ではなく、
移動手段も公共のバスや鉄道が中心ですから、
英会話があまり期待できません。

となると例によって、
僕のサバイバル現地語で切り抜けるしかない・・・か。
トルコ語は発音が苦手なんですよね〜。

カイセリのオトガル(バスターミナル)で、
間違えずにアダナ行きのバスに乗れるかしらん?
いや、その前に街の中心部から周縁にあるオトガルまで、
ローカルバスで移動せにゃならん。
ここは不測の事態を考慮して早めに動いた方がいいな。

最近ではスマホの翻訳ソフトを使う方が増えてきているようですが、
オフラインで使えるものは殆どないんですよ。
僕は経費節約で滅多にフリーのWI-FI以外は繋ぎませんので。
ま、ある程度あたまに入れたら後は、
いつもの出たとこ勝負でやりますか。

次に行くエジプトはさいわい観光地が主体ですので、
英語で問題ないでしょう。
アラビア語は挨拶レベルのムード作り用。
真面目にやるとハードル高し。

とまぁ、よく海外旅行の壁は、
『英語が話せるかどうか?』という方が多いのですけど、
少なくとも僕の経験に照らすと、
英語が通じる範囲はかなり限られているんですよ。

だから英語がある程度話せても、
場所によってはチャイを一杯飲むだけで、
「・・・・?」になってしまいます。

はてさて本番はどうなることやら?
お楽しみは4日後に。

テクラール ギュルシュルズ!(またね!)
(・・・でいいのかな?)

えーじ
posted by ととら at 14:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年01月16日

第17回取材旅行の準備 その3

出発まであと5日。
体調さえ元に戻れば後は安心・・・

じゃないんですよ。

この時期になると目が離せないのは天気予報。
さいわい最初の関門となる成田は晴れの予報です、
去年なんて僕たちが飛んだ翌日が雪で空港閉鎖でしたからね。
まさに間一髪!

次が渡航先の天気。
最初に訪れるトルコのカイセリは、
今週、気温がマイナス13度まで下がる寒波に覆われていますが、
僕らが行く頃には最高気温6度、
最低気温がマイナス4度程度に落ち着きそうです。
アダナは曇り時々晴れで最高気温14度、最低気温8度、
イスタンブールは曇り時々雨で最高気温10度、最低気温7度。
いずれも冬の装備で過ごせそうです。

エジプトは言わずもがな、
アレキサンドリアを除いて雨の心配はありません。
気温も安定していて東京でいう5月中旬ごろの陽気でしょうか。
ここは初夏の装備で日焼けに注意すればOK。

頭痛のタネは治安です。

もちろん治安レベルが良くなったから行くことにしたのですが、
これまた天気同様に急変するんですよね。

案の定、昨年12月28日、エジプトのギザで爆弾テロがあり、
ベトナム人観光客3人を含む4人が死亡。
そのなんと翌朝にギザとシナイ半島の「テロリスト拠点」を警察が急襲し、
合計40人の「テロリスト」を殺害するするという事件が起こりました。

日本でならテロが発生した場合、警察による捜査、犯人の逮捕、
そして裁判、処罰と進みますが、エジプトを始めとする中東諸国はこの通り、
誰がやったのか? ではなく、
どの組織がやったのか? で警察が動き、
犯人の逮捕ではなく、即刻、組織に対して報復が行われます。
(しかも今回の場合、発生からほぼ12時間後に10倍返し!)

トルコでも暴れん坊大統領のエルドアンさんが、
シリアから米軍が撤収したらクルド人の軍事拠点に、
越境攻撃を仕掛けると宣言。
これは昨日、トランプ大統領との電話会談でお流れになった模様ですが、
いつ何が起こるか予断は許されない状態、
(今日イスタンブールのアメリカ大使館前でデモが行われているそうな)

というわけで、僕らはきな臭い場所には極力近付かず、
ちゃちゃっと取材して移動! のつもりですが、
どうなるかは最終的に行ってみなければ分からないんですよね。

ですからこの時点で言えることはただひとつ。

皆さん、仲良くして下さい。

これに尽きます。

えーじ
posted by ととら at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年01月15日

トホホなお知らせ 最終回

いやはや、ご心配おかけしました。

今日の午前中、
回復に向かっていたものの念のために病院に行ったのですが、
レントゲン検査の結果も問題なく、
神経の炎症はほとんど治まっているとのこと。

ほっと一息です。

しかしながら、
適切な医療があまり期待できない地域への渡航を説明し、
痛み止めを始めとする薬一式をどっさり処方して頂きました。

まぁ、使わないに越したことはありませんけど、
ラクダに揺られて呪術医の小屋へ〜・・・
なんてのはごめんですからね。

それにしても困ったのは、直接的な原因が分からないことです。
遡ると先週の夕方、筋トレのあと軽くジョギングに行き、
帰った時はまったく問題なかったものの、
その後、アパートの部屋を掃除していたら、

ん〜・・・?
なんか右腰のあたりが重く感じるな・・・

そこからじわじわと悪化して翌朝は歩くのもままならない始末に。

いや、待てよ・・・
更にその前、木曜日と金曜日の朝、
寝ていたら同じく右腰に鈍痛を感じて目が醒めたんだった。

って、おいおい、寝ている間じゃ分からないよ!
夢遊病で夜中にストリートファイトでもやってるのかしらん?

思えば最近、このパターンが多いんですよ。
身に覚えがないのに起きたら体の何処かが痛い。
ある日は膝があいたたたた・・・
それが気が付けば治っており、
また別の朝目覚めると今度は手首があいたたたた・・・
これも知らないうちに治ってる。

こんなの病院で話ても相手にされませんよね?

困りました。

えーじ
posted by ととら at 15:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年01月14日

トホホなお知らせ その3

病気というのは何にせよ付き合い方が肝心。
大抵は力技でねじ伏せようとしても勝てる相手じゃありません。
とりわけ腰部椎間板ヘルニアなんてのは、
相手の戦法を読んで先手を打つのがコツです。
ただ難しいのは毎回戦術を微妙に変えてくるところなんですよね。

で、今回の相手は朝、起きぬけが手強い。
目が醒めてもすぐには起きられません。
布団の上で薬を飲んでから立ち上がってトイレに行けるようになるまで、
おおむね1時間半くらいかかります。

なんて言うとだいぶ重症のように聞こえるかもしれませんが、
一旦、暖機運転が完了すれば、
あとは通常の営業程度の動作なら、
なんとかこなせるようになりました。
相変わらず動きはロボットみたいですけどね。

まぁ、この分ならあと2、3日で回復できるかな?
取材旅行の出発も近いので慎重に行きたいと思います。

えーじ
posted by ととら at 16:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年01月13日

トホホなお知らせ その2

ん? 朝か・・・薬の副作用で爆睡しちゃったな。
腰の具合はどうだろ?
こうして仰向けに寝ている分にはなんともない。

僕はそのままの姿勢で軽くストレッチを始めました。

びりっ!
って、おいおい治ってないじゃん。
どうなってるんだ?

取り急ぎ枕元に置いておいた薬を飲んで待つこと30分。

OK、順番にチェックしながらやってみよう。
横向けになれるか・・・右側から・・・OK。
左は・・・これもOK。
じゃ、上半身を起こしてみるぞ。
ゆっくり・・・お〜、起きれた。
次は膝立ち・・・ん? ん〜・・・なんかイヤな感じだ。
ポールを使おう。
よし、それじゃ立ってみるぞ!

僕は一息ついてトイレに向かってゆっくり歩き始めました。

むぁ〜、爆発寸前って感じだ。大丈夫かな?

何とか無事に用を足して寝室まで戻れたものの、
容態はあきらかに昨夜より悪化しています。

ふぅ〜・・・ってわけか。
でも昨日の朝よりはずっと改善してる。
あの時は匍匐前進で行った上に、
トイレの中で電撃を4、5発もらったからな。
2日かけて3歩進んで2歩下がったってことだ。

まだランチ営業の始まりまで2時間ある。
まず着替えて室内で歩くリハビリをしよう。

そうして歩き始めたところで、ともこが朝食をもって帰ってきました。

「わぁ! なにしてんの?」
「歩く練習」
「大丈夫?」
「いまのところはね」
「無理しないでね。ランチはひとりでもできるから」

と言われてもなぁ。
連休中のランチ営業を一人でやるのは大変だよ。

僕は彼女が出かけてからパンをかじり、
追加のロキソニンを飲みました。

ランチ営業まであと1時間半。
なんとか行けるかな?
やるだけやってみよう。

to be continued...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
追 記

最初の問題はここから店までの約500メートルを歩いて行けるかです。
そこでテスト1。
室内を10分間歩いてみる。 →OK

テスト2
アパートの外に出て階段を降り、もう一度帰ってくる。 →OK

よし、なんとかなりそうだ。
それじゃ行きます!

10:45

階段は下りが要注意だ。
びりっとなってバランスを崩したら下まで落ちかねない。
慎重に行こう。1段、2段、3段・・・

ふ〜・・・着地成功。
腰の具合は・・・OK。
オールグリーンで行くぞ。

僕はアパートの前の道を北に向けてゆっくり歩き始めました。

ふんふん、いい調子じゃないか。
ダメ押しのロキソニンが効いてきたみたいだな。
この分ならポールを使わなくても済みそうだ。

緩やかな坂道を上り、自動車が来ない細い道に入ると・・・

もうすぐ小山(カフェリーゾさんのパパ)さんちだな。
中間地点を通過だ。

ちょうどそこへ差し掛かったあたりで・・・

ん? 違和感レベルが上昇している。
マズイ! 電撃を食らいそうだ!
ここで転がってたら、おやじさん助けてくれるかな?

僕は立ち止まって深呼吸しながらゆっくり背筋を伸ばしました。

どうする?
引き返すか?
・・・・・・・・・
いや、少し違和感レベルが下がって来た。
大丈夫、このまま進もう。

そしてみつわ通りを横切り、ラ・ポム・ド・パンさんのある脇道へ。

ふぅ〜・・・2/3は来たぞ。あともう少しだ。
え? また違和感レベルが上がり始めたぞ! 今度は上昇が止まらない。
まともに食らいそうだ! 防御姿勢をとらなくちゃ!

腰から背筋にかけての筋肉のこわばりが臨界点に達しようとしています。

うげ〜、なんてこった! アパートに居ればよかった!
すんませ〜ん!

後悔先に立たず。
ところが片膝を前に出し、背中を少しまげて激痛に耐える姿勢を取ると、
突然、違和感レベルが下がり始めたではないですか。

ん? なんだ? 急に楽になったぞ。
そうか、バックパックが腰を圧迫してたのか?
それなら・・・
バックパックを体の前で抱えてポールを使いながら歩く作戦に変更だ。

そしてジュピターさんの前を通りかかった時、
今度はロッカロッカさんの奥さんが・・・

「あら、えーじさん! 今日はゆっくり歩くトレーニング?」
「あ、あはははは! まぁね!」

確かにいいトレーニングだ!
よ〜し、ととら亭が見えて来たぞ。もうすぐゴールだ。

「おわっ! えーじさん大丈夫? またやっちゃった?」

と店の前で迎えてくれたのは、与太呂の野崎板長。

「ああ、ご覧の通りさ。でも何とか動けるよ」

彼は僕の先に回り、店の扉を開けてくれました。

「え? なんで来たの〜?」

はは、そう来ると思ってたよ。

「大丈夫。無理だったらそもそもここまで歩けないよ。
 それに15分で着いたんだぜ」
「うちで寝てなきゃダメじゃない! 悪化したらどうするの!」
「少し体を動かした方が回復も早いさ。
 やれる範囲で手伝うよ。
 ま、こんなんでもいないよりはましだろう?」

というわけで何とかランチからの復帰を果たしました。
しかしまだ動きは油の切れたC3-POみたいですし、
前傾姿勢が取れないため、テーブルのサーブが覚束きません。

従いまして、
普段より少々料理の提供速度が落ちることをお許しください。
それからテーブルの奥のお客さまは、
僕の手から料理を受け取って頂けますと助かります。

ご理解とご協力のほど、
どうぞよろしくお願い致します。

えーじ
posted by ととら at 10:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年01月12日

トホホなお知らせ

3連休の初日でご来店を予定されていたお客さま。
大変申し訳ないのですが、
本日12日(土)のディナーは、
事前にご予約を頂いていた方に限定させて下さい。

と申しますのも・・・

昨日夕方からどうも腰の具合が悪くなり、
ディナーは初期型アイアンマンのような動作でなんとかこなしたものの、
帰るころにはトレッキングポールを使う状態に・・・
(普段の5倍くらいの時間をかけて帰りました)

その後、フルセットの薬を飲んで休みましたが、
目が覚めたら立ち上がれないほど悪化して、
トイレの往復だけでも20分くらいかかるトホホなえーじでございます。

今は14時35分。
さいわい、どうやら容態の悪化は底打ちになったようで、
とりあえず自力で上半身を起こして座れるようになりました。

しかし移動はほぼ匍匐前進状態のため、
仕事をする以前に、
お店までの到着所要時間が1時間以上かかるでしょうし、
強行すると怪しい挙動からテロリストの潜入訓練と間違われて、
おまわりさんを呼ばれるかもしれません。

つきましてはディナー営業はともこのソロステージとなるため、
事前のご予約のお客様に限定させていただく次第でございます。

で、僕の方はと申しますと、明日のランチの復帰を目指すべく、
まず自力で立ち上がることを目標に頑張りたいと思います。

それじゃちょっと試してみますので、
ご報告は後ほど。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
追 記

15:45
いぇ〜、ポールを使って立ち上がり、徒歩でのトイレ往復に成功!
神経の炎症が少し治まってきたみたいですね。
よ〜し、次はポールなしで行けるか挑戦だ!

17:50

いてててて・・・
やっぱりポールなしじゃまだ無理か。

こんなことをしているのもディープな理由がございまして。
ランチ営業が終わった後、
ともこがサンウィッチとおにぎりの差し入れを持ってきてくれたのですけどね。
夕飯の時くらい一品は温かいものが欲しい。

そうだ、キッチンにインスタントの味噌汁があったっけ。

しかしあれにありつくためには片手で寝室まで運ばなければならない。
ハードルはそれだけではありません。
運んでいる途中で電撃を食らうとバランスを保つのはほぼ不可能。
となったら折角つくった味噌汁も床に落ちて台無しに。

よ〜し、それじゃ右手にポール、左手にカップでやってみよう。

このミッション、行きはよいよい帰りは恐いの典型です。
口いっぱいの味噌汁が入ったカップを手に、
僕はゆっくり寝室に向かって歩き始めました。
腰に電撃が走る前の微妙な前兆は分かります。

はぅっ! ・・・っと危ねぇ・・・
ゆ、ゆっくり行こうぜ。

次のハードルは寝室の引き戸を開けることです。
さいわい引き戸の左前には本棚があり、
その上にカップを置いて開けることができました。

ふぅ・・・OK。いよいよ佳境だな。

さぁ、寝室に入ったところで最後の難関です。
いまの僕にとって最も難しいの立ち上がることと座ること。
この動作中が最も電撃を受ける可能性が高い。
にもかかわらず、僕はいま片手にカップを持っているのです。
さらに危険なのは、布団の上でそれをやらなければならないこと。
失敗したら布団の上で味噌汁のアクションペイントをやるはめに。

うまく片膝をつき、カップを無事床に置く。
これだけに集中しよう。

ゆっくり姿勢を下げるというのも難儀なもので、
中腰状態が続きますから腿がぷるぷる震えてきます。
その震動に誘発されて電撃の前兆が・・・

はぅっ!

となるのとカップを下に置くのがほぼ同時でした。

いててててて・・・
でも勝負はもらったぜ!

こうして僕はおにぎりと温かい味噌汁の夕飯にありつけたのでした。

あ〜・・・美味しかった!

えーじ
posted by ととら at 14:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年01月10日

ワルシャワの思い出

ポーランド料理特集が昨夜から始まりました。

キャプションを書いたり、
ディスプレ用の写真を印刷している時に、
旅の記憶が蘇るのはいつものことですが、
ことワルシャワは僕にとって特別な思い出のある場所のひとつです。

それは美しい旧市街、おいしい料理だけではなく、
ひとりの人との出会いが印象に残っているからでしょう。

彼女の名前はエヴァ。
ギョーザ本の第7章に登場する女性です。

アーカイブから今回使う写真を拾っていた時、
ふと彼女を撮った一葉が目に留まりました。

どうしているかな?

民主主義と社会主義。
異なる社会で生まれ育った僕たち。

たった数日間のことながら、
彼女との対話から僕は多くのことを学べた気がします。

「エヴァ。なぜ社会主義は失敗したんだと思う?」
「それはね。
 あなたがパンを食べても私の空腹は癒されないからよ」

これ以上に説得力のある説明を僕は今でも知りません。、

でも僕は民主主義を、
いや、資本主義を手放しで受け入れる気にはならなかった。

我欲を原動力に自己の利益のみを追求する社会の行き着く先は、
どんなところなのか?

僕たちは世界規模で、
まもなくその『理想』の社会を目の当たりにしようとしています。

それを楽園と呼ぶのか?
それとも?

エヴァ、久し振りに君と話がしたくなったよ。

えーじ
posted by ととら at 15:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年01月08日

ポーランド料理特集パート2が始まります!

「ポーランド料理は食べられますか?」

2010年3月にデビューして以来、
これまでいろいろな国の特集を組んできましたが、
なぜか一番問い合わせを頂いたのがこれ。

多分、都内で専門店がないからかもしれません。

いや、そうした国は他にもあるはず。
となると、どうしてポーランドなのかしらん?

その謎に迫るためにも、もう一回やってみる価値はありそうです。
でもまったく同じじゃつまらない。
そこで先日までギョーザ特集をやっていたことですし、
ならば今回は粉物をポーランドのギョーザのピエロギから、
パンケーキ系のナレシュニキに変えてやってみよう!

ということになりました。

ポーランド料理特集パート2

あらためてキャプションを書き直しながら納得したのですけど、
同じヨーロッパ内とはいえ、
中欧はフランス、イタリアなど南寄りの国と、
食文化が出自レベルで違うんですね。
まさにそれは人間の歴史と自然が織りなした別の物語なのですよ。

とまれ百聞は一見に、いや一食にしかず。

ぜひお試しを!

えーじ
posted by ととら at 14:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年01月05日

最初の一歩とその気持ち

昨夜はいい感じで新年のスタートが切れました。

僕らの日常の仕事は地味なもので、
ランチとディナーの繰り返しが1年間続くわけですが、
それでもその初日と最終日は、
特別な意味を持っているような気がします。
これは会社員時代にはまったくなかったものですね。

昨夜も、

「そろそろ開けるよ」

そう、ともこに声をかけて暖簾を出した時、
さぁ、また新しい旅の始まりだ・・・
という気持ちになりました。

嬉しいことだと思います。

野方での仕事も9年近くになると、
お店があって『当たり前』になりがちですけど、
旅の食堂なんていう得体のしれない飲食店がここまで続くとは、
当の僕たちですら想像もできませんでしたから。

さて、今年もととらの小舟は大きく舵を切ります。
しばらくぶりのギョーザ特集は明日のディナーで終わり。
その後、2日間のお休みで準備を整え、
9日(水)からはラブコールの多かった、
ポーランド料理特集のパート2が始まります。

出港した港を吹く風は穏やかでした。
しかし外海は白波が立って見えます。
スピードが出そうですね。
それじゃフルセイルで風に乗りましょうか。

面舵いっぱい、進路は西へ!

えーじ
posted by ととら at 14:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年01月04日

仕事始め2019

いや、例によって昨日からお仕事してました。
もちろん営業は今日のディナーからですけど。

3日は朝からお店に入って、ともこは仕込み。
僕はコーヒーを飲みながら事務系の月末・年末処理。

そしてランチを食べた後は期初の経営会議です。
今年の営業と取材の計画を『まじめに』検討するんですよ。
ん〜・・・ビジネスマンだねぇ。

さてさて、
今年はビミョーな不確定要素がいろいろありまして。

まず4月に新元号が発表されて改元。
この辺は印刷物やウエブサイトで西暦を使っているととら亭は、
直接関係ないかな。

頭が痛いのはゴールデンウィークの10連休です。
皆がみな揃って10日間フルで遠出するとは考え難い。
しかしながら、ととら亭は旅好きのお客さまが多いから、
始まりと終わりだけ混んで中はスコンと抜ける・・・
って可能性も考えておかないと。

ここは二人で結構議論していました。
と申しますのも深い理由がございまして。

ととら亭の料理はその場でゼロから作っているわけではありませんし、
作ったものは何日間も保存できない素材がほとんど。
加えて市場や業者さんの休みも重なりますから、
街中で買えないような材料は事前に仕入れておかなければならない。
しかもその保存スペースは限られている。
というわけで、集客予測はとても大切なのですよ。

これ、こうした特殊なケースだけではなく、
通常の営業でも1週間単位でやっているんですけどね。
前例のない今回のような場合は予測するのが難しい。
はずすと、ともこが怒るし・・・困ったね〜。

次が7月の参議院選挙。

え? それがなんで関係あるのかって?

ととら亭のお客さまは民度が高いから大ありなんですよ。
選挙当日、ランチは投票帰りのお客さまでボチボチ混みますが、
ディナーは開票速報に取られてガラガラ・・・
そして選挙前はテレビで特番が組まれますから、
政治に関心の高い方は1週間くらい前から姿を見せなくなります。
そんなこんなで7月下旬はヒマね。

そして最大の面倒ごとは9月の消費増税。
逆立ちしても、市井にいい影響があるとは考えられません。
消費マインドはしおしおのぱぁ・・・
ただでさえ集客力の落ちる9月とあれば、
尚更ディフェンスを今のうちによく考えておかなくては。

それから軽減税率に対応するシステムをどうするのかも、
来月の決算時から検討を始めます。
こういうご時世なので、なるべく新たな投資は避けたい。

とまぁ、こんな風に限られたリソースで、
どうこの荒波が続く2019年を乗り切るか?
怒涛のサバイバルゲームが今日から始まるのでした。

Play Ball!!

えーじ

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2019年01月02日

平成三十一年のご挨拶

あけましておめでとうございます。

皆さんはどこでどのような新年を迎えられましたか?

僕たちは大晦日にともこの実家の高崎市に帰り、
静かな年末年始となりました。

まず、まもなく除夜の鐘が鳴ろうとする頃、
近くの神社へ行き、同郷のNさんから頂いたお守りのお焚き上げ。
この一年間、危うい旅が無事に終わったのも、
ひとえに僕たちのサブザックの中で、
このお守りが見守ってくれていたからでしょう。

さまざまな分野でグローバリズムが叫ばれる現代では、
神様たちも国境を越えて人々を加護してくれているんですね。
となるとパスポートはやっぱりグリーンの公用かしらん?

で、久し振りにぐっすり眠った翌日は、
よく晴れた空の下、雪を頂く浅間山を遠目に見ながら、
近くの達磨寺までダルマを奉納しに行って来ました。

daruma2019.jpg

すらっと並んだととら亭歴代のダルマたち。
実は僕たちの手が回らず、
ご引退された方もずっとアパートで隠居生活を送っておられたのですよ。

そろそろ帰りたいもんだのぅ。

そんな声が聞こえて来そうで、
初代の方だけ記念に残って頂いた他は、
涅槃の里へ送り届けて来た次第でございます。

合格祈願、安産、商売繁盛など、
さまざまな願をかけた人たちがそれぞれのダルマを奉納しに来ていました。
皆さん、あの晴れやかな表情からして努力が実ったようですね。

お守りも、ダルマも、
それぞれ1年間、僕たちと一緒にいてくれたものなので、
お別れするのはちょっと寂しい気もします。
そんな思いを抱き、踵を返した僕の後ろから、

わしと一緒に歩いた一年の最初の日を忘れずにな。

ふと、そんな声が聞こえたような気がしました。

もしかしたら、僕たちが1年かけて学んだことは、
最初の一日にすべて集約されていたのかもしれませんね。

ただ、それに気付くのに、
僕らは1年という時間を必要としただけなのでしょう。

というわけで凡人らしく、
また今日からこの1年の旅を始めたいと思います。

えーじ
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2018年12月31日

Finale in 2018

2018年の営業がすべて終わりました。

いや、僕らの場合『営業』ではなく、
『旅』と言った方がいいかもしれません。

帳簿の数字にかまけるのではなく、
業界の流行を追うのでもなく、
数多の出会いと別れの中で、
今年も僕たちらしい旅が出来ました。

それもひとえに、東京で、日本で、そして世界で、
僕たちを支えてくれた人たちのお蔭だと思っています。

皆さま、どうもありがとうございました。

来たる年がすべての生きとし生けるものにとって、
良き年でありますように。

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ともこ & えーじ

We'd like to big thanks to...
All people who had support our trip in Tokyo, Japan
and WORLD.
May the New Year be happy for all sentient being.

Tomoko and Eiji

LOVE
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2018年12月30日

仕事納め2018

時間というのは奇妙なもので、
同じ1年365日でも元旦から大晦日を見渡すと果てしなく、
それでいて振り返れば、あっという間に感じる。

この1年間、僕にもいろいろなことがありましたけど、
野方での仕事にせよ、外国を周る旅にせよ、
ひとたび過ぎ去ってしまうと、
同じ年に起こったこととは、どうも思えなくなります。

そういえばアフリカ南部や北欧の国々を旅したのは、
今年のことなんですよね。
バリ島に居たのなんかまだ今月中の話じゃないですか?!

信じられん!

ってなっちゃう。

もしかしたらお伽噺の『浦島太郎』を書いた作者は、
こうした感覚を物語にしたのかもしれませんね。

今年の仕事始めの1月5日。
はるか彼方に見えた2018年最後の営業が目の前にあります。

振り返り見た長い旅の道は、
暦で数えた日にちより、ずっと、ずっと長いような気がします。

昔むかし、あなたが見たのも、
こんな光景だったんじゃないかな?

ね? 太郎さん。

えーじ
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2018年12月28日

とある究極の一品

今さらなんですが、
和食・・・
いや、日本的な調理方法というのは、
世界でもかなりレアな部類に入ると思うんですよ。

えてして外国の料理は足し算的なメソッドで作られていますからね。
絵で例えるなら油絵かな?

ところが和食の手法は水墨画、もしくは書画と申しましょうか、
シンプルに素材から最高の部分だけを引き出す、
字義通りの引き算型なんですね。

だから失敗した時の修正がほぼできない。

えぐくなった出汁は薄めても使えないし、
みょうちくりんに切った刺身はもうくっつかないでしょ?

こんな話を始めたのも理由がありまして。

先日、群馬県の高崎市に住む母が、
土地の名産、下仁田ネギを送ってきてくれたんですけどね。
これがもうはっきり言ってキング・オブ・ネギ!
風格からして他のネギとはまったく違います。

negi02.jpg

ね?
ビッグでしょ? (左が一般的なネギ。右が下仁田ネギ)

さらに驚くのはそのとろけるような風味と旨み。
こういう素材はグラタンやキッシュにするより、
もっと素材そのものを活かす調理方法じゃないともったいない。

それじゃってんで、ネギを主役に和風で行きましょう。

negi01.jpg

じゃあ〜んっ!
ネギをフライパンで蒸し焼きにしただけの逸品。
これに鰹節を振り、ユズとしょう油を垂らしてみると・・・

はぁ〜、ユズの澄んだ香り、香ばしい鰹節、
そしてそれに続く焦げた部分のコクを、
とろけるような下仁田ネギの旨みと甘みが包み込んで・・・

スーパー・デリシャス!
これはもう料理を超えたアートだね。

僕の知る限り、下仁田ネギをこれ以上美味しく食べる方法は、
この地球上に存在しません。
まさにパーフェクト!!

え? 今夜のディナーで食べられるのか?

あ、
あ〜・・・すみません。

あんまり美味しかったので、賄いで全部食べちゃいました。

えーじ
posted by ととら at 15:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年12月25日

第17回取材旅行の準備 その2

2019年最初の取材旅行はトルコとエジプト。

準備編『その1』でお話しましたように、
以前から検討していただけあって内容は盛り沢山です。

まずトルコ。

実証主義はととら亭のポリシーのひとつですが、
トルコを訪れたのは11年前の2007年。
しかもまだこの仕事を始める前でしたから記録も乏しく、
料理の記憶はだいぶ薄れてきているような気がします。

それで2012年にトルコ料理特集をやった時、
「ん〜・・・こんな感じだったかな? ・・・だよね?」
と再現するのに骨が折れたんですよ。

加えて2016年、『世界まるごとギョーザの旅』の執筆オファーを頂いた時、
心配だったのが第1章のトルコ編。
記憶に頼った文章はともかく、あまりいい写真が残ってなくて。
何といっても肝心のマントゥがピンボケ!
「これしかないっす・・・」
「しょ〜がないわね〜・・」
と編集長に横目で見られながらの採用となった経緯がありました。

で、まず訪れるのがアナトリア半島中部の街、カイセリ。
ここはカッパドキアへ行くゲートウェイとして知られていますが、
マントゥの本場でもあるんですよ。(なぜ『本場』なのかも調べます)
できたら因縁のアヴァノスも行ってみる予定。
(この辺は本のweb版でもお読みいただけます)

次はバスで4時間ほど南下してアダナを訪れます。
トルコ料理特集でご紹介したピリ辛のアダナケバブは、
その名の通り、この街で生まれたものなのですよ。
僕たちが再現したのはギョレメやイスタンブールで食べたものですからね。
ここでもやはり本場で食べて自分たちの仕事の確度を検証しなくては。

そして第3のミッションはイスケンデルケバブ。
アダナからイスタンブールへ空路で戻ったら、
この料理の考案者、イスケンデル・エフェンディ氏が開いた店のある、
古都ブルサまで足を伸ばします。
これまた僕たちが再現したのは、かつて他の街で食べたものですからね。
オリジナルはどうなのかしらん? ん〜・・・興味津々!

トルコで調べる料理はこれだけではなく、
ギリシャ料理のコンテクストでご紹介したムサッカや、
皆さまご存知ロールキャベツの元祖と目されるサルマなど、
他にもたくさんありますので取材リストの話はまた後日しますね。

さて、次はエジプト航空さんに乗り換えてイスタンブールを立ち、
カイロを経由してルクソールへ。
ここからは僕らにとって未踏の地です。

少年の頃から憧れていた古代エジプトの遺跡を周りつつ料理の取材を始め、
夜行列車で北上してカイロに戻り、
アレキサンドリアを加えた3都市で地域的な料理の違いを比較します。
エジプトは北西アフリカのマグリブの文化とアラビア半島の文化の交差点。
双方の影響が食文化のレベルでどのように及び、
3500年以上に遡るエジプト文明の土台の上で結実したのかを探ることは、
ととら亭開業以来、ずっと僕の頭の中にあったテーマでした。

具体的には有名なハト料理のみならず、
日本でもベジタリアンレストランでお馴染みのファラフェルのオリジナル、
ソラマメで作ったターメイヤや、ごたまぜ炭水化物のコシャリなどを中心に、
何が伝わり、何が伝わらなかったのか、
そして伝わったものがどのようになったのかを3都市で比較して行きます。

ほら〜、まじめに仕事してるでしょ?

で、前回のブログで触れたバックパックの話に戻るんですよ。
今回はこのように現地で飛行機、鉄道、バス、高速船、フェリー、タクシーなど、
さまざまな公共の移動手段を使って旅をします。

I have a bad feeling about this...

だから機動性重視・・・なんですね。

えーじ
posted by ととら at 13:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年12月22日

なぜかいつも同じ服

12キログラム

これ、
取材旅行で背負っているバックパックの平均的な重さです。
もうちょっと正確に言うと、ともこが11キログラム、
僕が13キログラム前後ってとこでしょうか。
当然、寒い地域に行く時はこれより服の分だけ重くなり、
夏の日本から同じような気候の地域に行く時が最も軽くなります。

そして貴重品を入れるサブザックはともこが3キログラム、
僕が5キログラム前後。
パソコンやカメラなど取材用の機材がなければ、
全体で6キログラムくらいは軽くなるじゃないかな?

皆さんの手荷物と比べていかがですか?

で、何が言いたいのかともうしますと、
これがどの写真も同じような服で写っている理由なのですよ。

そう、服だけ見ていると、
前回のインドネシアで47カ国を巡ったととら亭としての旅も
さながら1回で全てを周っているかのような気がしてきます。
ところがその裏事情は、
『かさばる服は持って行けないから・・・』なんですね。

先日、お洒落な女性のお客さまと話をしていたら、
海外でちょっとリッチなレストランに行く時は、
移動用とは別に、
服から靴までよりドレスアップして楽しむそうな。

なるほど〜。

どおりでパックツアーが頻発している、
バルト3国や北欧の国々で僕らが目立っていた訳です。
ドレスコードこそなくても、
ガイドブックに載っているようなレストランに行くと、
居合わせた日本人のお客さまの中では明らかに浮いていましたからね。

まぁ、僕らだってTPOに合わせて服を変えてはどうかしらん?
と思ったことはありますよ。
たとえばせっかくウィーンやプラハまで来たのにオペラは観に行けないし、
飲食店でも歴史的な風格のある店は入り難い。

でも、バックパックの重さを考えると、
やっぱり軽さを重視してしまうのです。

id_backpacker.jpg

ほら、このスタイルで、
最寄りの駅から宿まで1キロメートル前後歩くだけではなく、
時には駅やバスターミナルで「走れ!」な時がありますからね。

残念ながら来月の取材旅行はそうしたケースが大いにありそうなので、
普段にも増して機動性重視で行きたいと思います。

えーじ
posted by ととら at 15:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年12月20日

9年目もフツーにやります

クリスマスも2010年のデビューから数えて9回目。
今年もととら亭は特別なクリスマスメニューなし。
お店にサンタもトナカイもモミの木もありません。
いつもと変わらずフツーの旅の食堂でやっています。

今どき寿司屋やラーメン屋だって何かしらの企画をやるものですが、
横文字系の飲食店にもかかわらず、
9年間もそっぽを向き続けているそのココロは?

僕が仏教徒だからです。

というのは表向きな話。

若かりし頃に、
さんざん恋の大作戦をやった僕が言える科白じゃありません。

本音は『やり過ぎて冷めちゃった』

のかな?

いや、みんながやるからやらないという、
反骨心からかもしれません。

ま、キラキラしている街の中で、
一軒くらいよそ行きの顔をしていない店があったっていいじゃないか?

素顔のままのととら亭。

というわけで、
ことしもフツーにお待ちしております。

えーじ
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2018年12月17日

第17回取材旅行の準備 その1

「取材旅行先はどうやって決めているのですか?」

このご質問を頂くことがしばしばあります。

選択基準の第1はいわずもがな、
ご紹介すべき料理があるかないか。

次に入国条件を調べます。
ビザが必要であれば入手可能なのかどうか?
サウジアラビアのように、
そもそも観光ビザを発給していない国もありますからね。

それから治安や疾病情報も重要です。
入るには入れるけれど、
入ったが最後、ビッグトラブルが待っている、
もしくは、最悪もう出てこられないかも・・・な国。
たとえば今ならシリアやソマリア、ベネズエラには、
おカネを積まれても行くことはないでしょう。

こうして絞り込まれた渡航先の優先順位を決め、
例によってプランAからCまでの取材計画を2年分作っています。

で、今回の渡航先はトルコとエジプト。

国際情勢に明るい方はもうお気付きかもしれません。
そう、この2ヵ国とも以前プランAだったのが、
計画の変更を余儀なくされてボツになったのですよ。

エジプトは2012年の2月に行く計画がありましたが、
2010年にチュニジアで起こったジャスミン革命の煽りを受け、
大規模な反政府デモが起こってムバラク大統領は辞任。
後を受けたムルスィー大統領も新憲法を成立させたはいいけど、
2013年にまた大規模な反政府デモが起こってクビ。
その後も情勢は予断を許さず、
テロが散発して外務省さんの指定する危険レベルは、
カイロですらレベル2の『不要不急の渡航は止めてください』。
当然旅行者は激減して『地球の歩き方』も、
2014-2015版から更新されない始末です。

今回、僕たちが踏ん切りをつけたのは、
状況が落ちついて危険レベルが主要観光地のルクソール、
カイロ、アレキサンドリアなどを中心に下げられたからです。
また、JICAさんの事務所が置かれ、
今年に入ってようやく大手旅行社のツアーが再開されたのも、
大きな安心材料でした。

トルコは去年の1月にギリシャと絡めて行く予定だったのですけどね。
ところがこれまたイスタンブールで一昨年からテロが頻発し、
(アンカラだけではなくアタテュルク国際空港まで攻撃されましたし・・・)
さらにクーデター未遂事件まで起こって戒厳令が発令され、
料理の取材どころではなくなってしまいました。

このところようやく沈静化を見せたようですが、
暴れん坊大統領のエルドアンさんのことですから、
またいつなん時ドンパチ始まるか分からない。
ならば、まさに行くなら今しかないじゃないですか!

というわけで期間は2019年1月21日(月)の夜から2月7日(木)まで。
各種ブッキングはほぼ完了。

あとは愛と平和を祈るのみでございます。

えーじ
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