2017年10月31日

Keep our business small.

今日はお馴染みの休日ならぬ定休日。
午前中、僕は経理関連の月末処理(地味だなぁ・・・)、
ともこは仕込みを黙々とこなし、
午後からお店の床のワックスがけです。

飲食店の平均寿命3〜4年という過酷な日本の飲食業界の中、
皆さまのお蔭で生き残ってはいるものの、
独立後7年8カ月を経過してなお、
相変わらずのD.I.Y。

これは今日やっている経理やメンテナンスのみならず、
機材の修理やウェブサイトの管理など、
ととら亭の仕事はすべからく、
『自分たちでやれることは自分たちでやる』となっています。

と申しますのも、その理由は懐事情の問題だけではなく、
(確かにそれはビッグプロブレムですが・・・)
度々お話している『ととらポリシー』のひとつだからなんですよ。

旅の食堂ととら亭とは、
僕たちのネイティブな部分を可能な限り形にしたもの、
つまりバックパッカーの旅のスタイルが、
そのまま仕事に反映されています。

ですから独立前に作った事業計画の中でさえ、
ビジネスサクセス本でお約束の『チェーン展開』や、
『スタッフ教育』云々という厄介な項目がありません。

旅人の身上である『自由』と『身軽さ』を失わずにいるには、
色気を出して事業規模を拡大しないことに尽きます。
『所有する』ということは、
同時に『所有される』ということでもありますから。

なぁんて云うとカッコイイかもしれませんが、
やり過ぎは疲れますね、実際。

ま、この年齢にしてジムに行かなくても健康を保っていられるのも、
肉体労働のお蔭かもしれませんが。

お、洗った床が乾いてきたようです。
それでは、もうひと汗流すとしますか!

えーじ
posted by ととら at 16:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年10月28日

第15回取材旅行の準備 その1

え? 『第5回研修旅行』の間違いじゃないのか?

いや、これでいいんですよ。
実はこの時期、毎年11月末の『研修』と、
翌年2月の『取材』の準備を同時に進めておりまして。

紛らわしいので皆さんにお知らせするのは、
どちらも出発の1ヵ月ほど前からにしていたのですが、
今回、取材の方を1月中旬に早めた関係で、
実際の作業通り、同時にお話することにしました。

行き先はちょ〜っと、遠いです。

航路から説明しますと、
まず成田から香港へ飛び、そこでトランジットではなく、
字義通りの給油。
乗客の乗降もあるかもしれませんが、
駐機時間はほんの50分間だけ。

そして再び離陸した飛行機が目指すのは、
アフリカ大陸東部の国、エチオピアのアジスアベバ〜!

あ、何となく分かって来ましたか?

でもここでは降りません。
懐かしの、いや因縁のボレ国際空港でトランジットして、
(ターミナル1じゃなくて本当に良かった!
 悲しい詳細はこのブログで「第11回取材旅行」を検索してみて下さい)
最初の目的地、南アフリカのケープタウンへ行きます。

そう、あの街は去年の2月に行ったところです。
しかし目的地は更に別の場所なのですよ。

ケープタウンでも5日間ほど取材はするのですが、
そこから僕たちは一度ヨハネスブルグへ戻り、
飛行機を乗り換えて次に降り立つのはスワジランド!

え? そりゃどこだ?

となりますよね?

その説明をする前に最終目的地まで話を進めましょう。

スワジランドではマツァパ国際空港の近くにある都市マンジーニと、
首都のムババネで取材し、
そこからは陸路で国境を超えてモザンビークのマプトへ。
(アフリカでは初めての陸路の国境越えだ〜!)
ここがこの旅の最終目的地です。

この長い旅のきっかけは、
今年の夏にととら亭で特集していた南アフリカ料理でした。
ご来店された方は記憶に新しいと思いますが、
その中に『ペリペリチキン』という料理がありましたよね?
どうやらあれの発祥地がモザンビークらしいのですよ。
となれば、食のルーツを追う僕たち『旅の食堂』としては、
行かない訳にはまいりません。

加えて、ペリペリチキンを追いかけるのは、これが最初ではないのですよ。
そう、ちょうど去年の今ごろ。
僕たちが研修目的で訪れたのがマカオと香港。
研修地の香港にマカオを絡めたのは偶然ではありません。
まさしく、アフリカ南部で生まれたペリペリチキンを、
ポルトガルがマカオに伝え、
『アフリカチキン』となって根付いていたからなのです。
(詳しくはこのブログで「第4回研修旅行」を検索してみて下さい)

南アのペリペリチキンとマカオのアフリカチキンを食べ比べたからには、
モザンビークの『元祖ペリペリチキン』を調べてみなくては、
この物語が終わらないじゃないですか。
そこで周辺も調べてみようと加えたのがスワジランド。

この国は南アの北東とモザンビークの南部に挟まれた小さな内陸国で、
面積は四国とほぼ同じくらい。
アフリカ最後の古王国とも言われるからには、
ここにも特徴的な食文化が残っているのではないか?
もしかしたらペリペリチキンの変種があるかもしれないし。

そんな訳で初日のフライトタイムは、
成田     →  香港     4時間30分
香港     →  アジスアベバ 11時間
アジスアベバ →  ケープタウン 6時間30分
トランジットタイムを除いても22時間!
あ〜、考えただけでお尻が痛くなりそうだ。

年明け早々、料理を探して地の果てまで行く僕らでありました。

えーじ
posted by ととら at 17:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2017年10月23日

嵐が去って

昨夜のディナーは予想通りの展開となり、
最後は一人で貸切状態のお客さまと、
衆議院選挙の開票速報を見ながら幕引きとなりました。

そして片付けが終わった後は、雨脚も強くなってきたので、
そのままHotel TOTORAにチェックイン。
ま、こうなることを予想してシュラフや着替えを持って来ていたのですよ。
その方が朝もゆっくりできますしね。
寝るだけのアパートにはコーヒーすらありませんから。

一夜明けてニュースを見れば、
首都圏の交通網はこれまた予想通りの大混乱。
いやなタイミングに当ってしまいました。
皆さんは無事に職場へたどり着けましたでしょうか?
僕らも今日、明日はお店を休んで高崎市に住む母を訪ねる予定でしたが、
湘南新宿ラインが運休し、高崎線も遅延するなどダイヤが大きく乱れ、
明日に延期しました。
早く復旧するといいですね。

選挙結果を見てみれば、
これまた下馬評通りの一人勝ち・・・か。
やっぱりなぁ。

外は台風一過の眩しい秋空が広がっていますけど、
永田町を中心に改憲という新しい嵐が始まる前触れのような気がします。
この国は何処へ向かって行くのだろう?

ともあれ、いま僕に出来ることは何か?

まずは洗濯だな。

えーじ
posted by ととら at 11:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年10月22日

ヒマな繁盛店 パート2

「ちょっとぉ〜、
 あんなに早く売り切れちゃったじゃない!」

今日の東京地方は朝から強い雨。
しかもランチタイムに雨脚が強まるとの予報で、
僕は集客予測数を大幅に絞り込んでいました。
ところが蓋を開ければ・・・

「む〜、選挙帰りの人があの雨の中をあんなに来るとは。
 今回はこういう天気だから、
 殆どの人が期日前投票に行ったと思ったんだけどな」
「あたしが機転を利かせてご飯を余分に炊かなかったら、
 12時半頃には売り切れだったよ」
「いい勘してたね」

「じゃ、ディナーはどうすんの?」
「今度は自信があるよ。
 まず国政選挙当日の夜は今まで例外なくヒマだった。
 ととら亭のお客さんは民度が高いから、
 日中選挙に行ったあと、
 みんな夜は自宅で選挙関連の番組を見ながら政治談議さ」
「ホント?」
「考えてごらんよ、加えてだ、大型の台風が接近してて、
 遅くなればなるほど天気が荒れるとみんな知っている」
「そういえばさっきスーパーに行ったら結構混んでたよ」
「だろう? みんな食材を買い込んで今夜は自宅で夕食だ」
「でも予約が1件だけ入ってるよ」
「だからやるのさ」

うちはヒマな繁盛店だからね。

えーじ
posted by ととら at 15:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年10月21日

白と黒

ここは北極。
海氷が日に日に小さくなり、
シロクマたちは餌を摂るのも一苦労。
時には仲間を訪ねるにも、
長い距離を泳がなければならなくなりました。

そんなある日、餌に恵まれずやせ細ったシロクマが、
仲間にアザラシを分けてもらおうと海を渡り、
隣の島までやって来ました。

すると同じようにやせ細ったシロクマが、
氷をかき分けて地面を探し、さらにそこを掘っているようです。
泳いできたシロクマが憐れな声で言いました。

「やぁ、お隣さん、そこにアザラシの肉が隠してあるのかい?
 だったら少し分けてくれないかな?
 おいらはもう5日間も食べ物にありついていないんだ」

その声を聞いた隣のシロクマが振り返ると、
泳いできたシロクマはぎょっとして声を上げました。

「わぁ!どうしたんだお隣さん、その顔は!」

隣のシロクマは氷の下から掘った土をこね、
顔に塗りたくっていたのです。
そして泳いできたシロクマを気にせず、
前足にも塗り始めました。

「おいおい、いったい何をやってるんだね?」

隣のシロクマは吐き捨てるようにして言いました。

「ふん、見て分からないのかい?
 オレはシロクマを辞めるんだよ」
「なんだって?」
「ここでこんなことをやってたら骨と皮だけになっちまう。
 だけどこうして体の一部を黒く塗れば、
 オレたちを見りゃ暴力を振るうあの性悪人間どもが、
 後生大事にしてくれるんだとさ」
「人間に捕まるのか!」
「そうだよ」
「毛皮を剥がされちまうぞ!」
「白いままならな。
 しかしオレは南から来た渡り鳥に聞いたんだ。
 シロクマがこうして目の周りや耳を黒く塗ると、
 人間どもはオレたちを神さま扱いしてくれるそうだ」
「ホントか!?」
「ああ、なんでも人間どもの巣よりずっと広い、
 プールとエアコンと嫁さん付きの邸宅が与えられ、
 おまけに餌も食べ放題だとさ」
「そりゃすごい!」
「もうこうして狩りに出る必要もない。
 寝てたって餌は向こうから口の中に入って来る」
「おいらもやるよ!」

そうして2匹のシロクマはがせっせと体に泥を塗り始めていると、
風に混じって何かの音が・・・

「ん? 聞こえる・・・人間の音だ!」

スノーモービルが雪原の向こうからだんだん近付いてきます。
乗っているのはふたりの猟師。

「おい、停まれ!
 2時の方角で何か動いているぞ。双眼鏡を貸してくれ」

先頭の猟師は目を疑いました。

「おいおい、なんだありゃ、
 貧相なシロクマが2頭、泥だらけになってじゃれあってるじゃないか」
「変だな、連中、こっちに気付いているのに逃げようとしない」
「それどころか立ち上がって手を振ってるみたいだ」

「お〜い、お〜い、にんげ〜ん! オレたちはこっちだぞ〜!」

「あいつら何を吠えてるんだ?」
「分からねぇ。最近は氷が解けて連中は餌に困ってるらしい」
「それでおかしな行動をとってるんだな」

「お〜い、お〜い、にんげ〜ん! はやくこっちにこ〜い!」

「今日は何も獲れなかったからな、仕方ない、あいつらで我慢するか」
「そうだな。じゃ同時にやろう。俺は右側をやる」
「なら俺は左側だな」
「よし、狙え」

「お〜い、お〜い、にんげ〜ん! オレたちはこっちだぞ〜!」

「3、2、1、撃て!」

えーじ
posted by ととら at 09:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年10月18日

雨が降る前に

今日の東京は久し振りの秋晴れ。
いやぁ〜、よく降りましたね。
ここまで雨が続くとお天気商売の僕らとしては、
空を恨めしく見上げるより、
あ〜、もう好きなだけ降ってくれ・・・
という敵前逃亡気分。
天気が相手じゃ勝ち目はないしね。

それじゃ、そろそろ仕事を始めましょうか、
と気合を入れ直してもう一度天気予報を見れば、
今夜からまた雨じゃん!

耐えましょう、同業者の皆さま。
耐えるしかない。

で、気持ちを入れ替えて、
雨が降る前に行って来ました衆議院選挙の期日前投票。

今回の争点は分かり易いですね。
まず安倍政権の評価ですが、
評価以前に野党第1党だった民進党がアウフヘーベンどころか空中分解し、
その一言が『終わり』を招いた小池都知事の自爆で希望の党も失速。
結局、離合集散を繰り返す野党はまとまりきれないまま、
政権王家、自民党の不戦勝となるのか?

昨今のきな臭い現状を鑑みると、
僕はパワーバランスを変えるのが最も現実的な解だと考えています。
すなわち理想は過半数割れした自民党に公明党を加えた与党51%、
そして野党49%。
いかがです? これなら緊張感漂っているでしょう?

圧勝という状態は驕りを生むだけではなく、
民主主義のバグを顕在化させるだけだと思うんですよ。
そのいい例が安全保障関連法や共謀罪法などの決め方。
とにもかくにも数が全てですから、
『民主的』にじゃんじゃん決まっちゃったじゃないですか?
あれはみんな『独裁的』ではなく『民主的』で、
『違法』ではなく『合法』なんですよ。
そこを僕らも勘違いしちゃいけない。

加えて『大きなご褒美』は人を狂わせるものです。
選挙結果が圧勝だった候補者がおかしくなったケースは、
最近では猪瀬元都知事をはじめ、今回の小池都知事も含めて珍しくありません。
外国を見渡せば、
カダフィもスターリンも毛沢東だって、みんな最初はナイスガイだった。
しかし身の程を超えた権力は、人を狂わせる悪魔の謂いなんですよ。
安全弁になるのは、初心を忘れさせない緊張感だけ。

憲法の改正はいい議論だと思います。
特に9条を世代を超えてみんなで考えるのは、とても意義のあることでしょう。
僕は『おうちにこもった平和論』に終始するのではなく、
世界には『話しても分かり合えない』リスクがあるという現実を共有し、
その上で戦略的な平和への道をビジョンとして持っている候補者を探していました。
「戦争反対!」って云うだけなら簡単なんですよ。
ま、こういう人も一度個人的におっかない目に合うと、
すぐに意見が変わると思いますが。

原発は何度もこのブログで書いていますけど、
3つの巨大な大陸プレートがせめぎ合う、逃げ場のない島国で運用するには、
あまりにもリスクが大き過ぎます。
活断層だってそこいらじゅうに走ってるし。
なによりヤバイのは、原子炉っていうシステムには、
最後まで作った本人が使える『切り札』が存在しないこと。
その切り札とは、IT業界でいうところの Kill Command。
すなわちシステムの停止です。
停まらなくなっちゃったでしょ?
しかも近付くことすら出来なかった。
(今でも出来ないし!)
いきなりゼロはハードランディングですけど、
近々やめる方向で進めましょうよ。
この前は人間の実力ではなく、運に救われたことを忘れずに。

経済問題はどうなんだろ?
これに関してなら僕は『そもそも論者』なんですよ。
だからそもそもですね、『好景気』って何なのでしょう?

たとえば、これから起業しようって人にいつも訊く質問があるんですけど、

1.あなたは月に幾らおカネが必要なんですか?
2.あなたは月に幾らおカネが欲しいんですか?


この似て本質的に異なる質問に即答できない場合は起業を勧めていません。
細かくお話すると『世界まるごとギョーザの旅』以上の長さになるので、
ここでは書きませんが、端的に言えば『豊かな生活』の定義のことなんですよ。
あなたはどういう状態が『豊かな状態』だと思います?
もちろん学校で習ったマクロな話ではなく、
誰も教えてくれないミクロな個人レベルの話で。

争点ではありませんが、今回もうひとつ気になったのがヤジ。
国会って場所ではこれが華だそうですけど、
人の話は静かに聴くものです。
ですからヤジは論外ですし、発言を遮るのも品のないマナー違反。
こういうルールを議員さんたちは小学校のホームルームで習わなかったのかしらん?
だから僕たちも真似して演説中に「ヤメロ〜っ!」とかやっちゃう。

いや、これが建設的な結果に結びつくならいいですよ。
でもならないでしょ?
だからやめましょうよ。
今はやらなきゃならないことがいっぱいあるんだから。

雨が降る前に。

でしょ?

えーじ
posted by ととら at 17:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年10月16日

魅力のもと

時折、
見た目の印象が実年齢よりだいぶ若い方がいらっしゃいます。

先日も話をしていたお客さまが、
思っていた年齢より7歳も歳上でびっくり。

どうしたらあんな風になれるんだろうね?
なんか特別なものでも食べてるのかしらん?

ふ〜む・・・と、他にも心当たりのある、
そうした人たちの顔を思い浮かべて気付いたんですが、
これって童顔、老け顔など顔の作りとはあまり関係がないんですよね。
メイクや髪形、ファッションなんかもそれほど重要なファクターじゃない。

では何が最も年齢の印象を左右しているのかというと、
『表情』と『姿勢』、そして『所作』ではないか?
という結論に達しました。
それというのも若く見える人に共通しているのは、
『朗らかな性格』と『背筋が伸びた姿勢』、
『きびきびした所作』なのですよ。

白髪頭だろうが、顔に皺やシミが沢山あろうが、
そんなことは老けて見えるファクターじゃない。

現に、
しっかり食事をしてワインも楽しみ、デザートまで食べた上に、
『こんなに食べたらお嫁に行けなくなっちゃう!』
と、横にいるご主人を唖然とさせてスキップしながら帰って行った彼女は、
なんと今年89歳!
いつもニコニコしていて快活な彼女の印象は、
控えめに言っても10歳は若いものです。

反対に、入ってきた時から顔に表情がなく、
スマホ片手に猫背で食べている彼は、
苦労の絶えない40歳前後の中間管理職なのかな?
と同情していたものの、レギュラーになって話をすればまだ30歳!

ここから僕はもう一つのことに気付きました。

人の魅力も同じではないかしらん?

ルックスやスタイル、ファッションは殆ど関係ない。

事実、失礼ながら、お客さまの中には、
上の条件でいうと『美女と野獣』型のカップルがままいらっしゃいます。
こんな素敵な彼女を射止めるたぁ、やるじゃねぇか!
と僕も感心することしきり。
そこで彼と話をしてみれば、おしなべてその性格は思いやりがあり、
やさしい気持ちが表情に現れています。

女性もまた然り。

芸能人やモデル基準からはかけ離れた彼女が、
素敵な彼氏と腕を組んで現れる。
そんな女性に共通しているのも、心根のやさしさですし、
それがまた自然な表情に現れている。

いや、これは異性関係に限りません。

僕が年齢性別を超えて人間的に素敵だなぁ、
と思う人たちの共通点を挙げてみると、
過去に何かをやった人ではなく、
未来に何かをやろうしているひとでもない、
今を正面からひたむきに生きている人なんですよ。

それがいかに不格好でも、不器用でも関係ありません。
取り組んでいる具体的な内容だって人それぞれでいい。
今は出来ない何かに挑戦する姿はカッコイイじゃないですか。

とどのつまり、人の魅力とは、
ルックスや経歴、高価な持ち物にあるのではなく、
『今の生き方』なのではないか?

え? かくいう君はどうなんだ?

ん〜・・・
一所懸命やってることはいろいろありますけどね。
自己評価はどうかというと・・・

ビミョーだな。

えーじ
posted by ととら at 09:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年10月13日

おおっと危ねぇ!

昨日の朝、
店頭に置いているポトスの大鉢を出そうとしたところ・・・

ビキッ!

・・・う・・やば・・・
腹筋に力を入れるタイミングがちと遅かったか!

「と、ともこ〜」
「なぁに?」
「今日は君が表の什器を出してくれるかい?」
「どうしたの?」
「・・・腰がヤバい」
「え!? やっちゃった?」
「いや・・・その一歩手前・・・だと思う」
「動ける?」
「ああ、ゆっくり座ってみるよ」

む〜・・・ちょっと横着したかもしれない?
ちゃんと屈んでからではなく、前屈して持ち上げようとしたからな。

「どう?」
「じっとしていれば痛みはないよ。でも安全装置が完全に外れている感じ。
 僕のデイバックを持って来てくれるかい? その中に薬が入ってる。
 それから水も」
「ちょっと待って!」

よし、ロキソニンをダブルで飲んで・・・
時刻は? 10時25分か。30分ほどこのまま様子を見よう。

そして時計は11時。

「ねぇ、ランチは臨時休業にしようよ」
「う〜ん、どうだろ? ちょっと動いて具合を確かめてみるよ。
 ベンチシートの手前に緊急用のトレッキングポールが入ってる。
 それを持って来てくれるかい?」

こんな時のために買っておいたのが役になったな。
OK、長さを調節して・・・よし、立ってみるか。

「ああ、ちょっと! 無理しないで!」
「大丈夫。ゆっくりやるよ」

じゃ、よっこらしょ・・・っと、うん、立てるね。
左足加重、右足加重・・・
次は腰をゆっくり回して・・・う、左に回すとイヤな感じだ。

それじゃ歩いてみますか。
ゆっくり行こうぜ。
ふんふん、大丈夫だな。ダメージは小さそうだ。

「ねぇ、あんまり動かない方がいいんじゃない?」
「だいたい状態が分かったよ。
 2、3年前にやった時ほどひどくはなさそうだ。
 次はポールなしで歩いてみる」

一歩ずつ行ってみよう。
右足、左足、右足、左足・・・OK、薬が効いたみたいだぞ。

「なんとか行けそうだ。ランチをやろう」
「え〜! やるの?」
「でも奥の席にサーブするのは無理だと思う。
 そこはやってくれるかい?」

そんなこんなで始まりました、昨日のランチタイム。
僕はコルセットを付けつつも、
非常に『良い姿勢』でやっていましたから、
どなたも気付かなかったようです。

腰痛は人によって痛み方やコンディションが異なり、
動く姿勢にも差が出てくるのですよね。
僕の場合、
安全装置が外れた状態で前屈すると爆発するかもしれないので、
やたらと『良い姿勢』でいることが自爆を避ける秘訣なのです。

腰部椎間板ヘルニアとの付き合いは、かれこれ5年半。
大分うまくやって行けるようになりました。
出会いは最悪でしたけど、(詳しくはブログ『入院日記』をご参照ください)
その後の涙ぐましいトライアル アンド エラーで、
こうしてダメージを最小限に食い止められるようになったのです。

一夜明けて、今日は朝から異常なし。

夏から秋への変わり目は危険なんですよね。
僕の場合、冷やすと良くないし。
危ないところでした。

えーじ
posted by ととら at 00:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2017年10月10日

ヒマな繁盛店

秋の3連休初日の16時半。
僕たちは『昼』の賄いを食べながら・・・

「今日のランチは混んだね〜」
「ああ、煽られたよ。お客さんが来たタイミングも重ねってたし」
「ディナーもけっこう混むと思うよ」
「そうだな、フルセットで行こう!」

そしてディナーの30分前。
テーブルセットをしながら・・・

「ねぇ、電話が鳴らないね」
「ん? そうだな。今夜の予約は?」
「え〜っと・・・カウンターにお一人さま」
「1件だけ?」
「うん」
「なんかイヤな予感がする」

そして暖簾を出して30分が過ぎ・・・

「あれ・・・誰も来ないよ」
「イヤな予感が当たりそうだな」
「テレビでスポーツ番組やってない?」
「ちょっと待って、調べてみる・・・あ、やってる。フィギュアだ!」
「サイテ〜!」
「こりゃ今夜はダメだよ」

そう。スポーツ番組、特に女子サッカー、バレーボールと並び、
フィギュアスケート番組のオンエア中は、
閑古鳥がテーブルで鳴いているのです。
そこへ電話が鳴り、

「はい、ととら亭でございます」
「あの〜、4名なんですけど、席はありますか?」

やった〜っ!

「はい、ございます! お時間は何時でしょうか?」
「明日の19時でお願いします」

がぁ〜ん!
こ、今夜じゃないのか・・・しかも・・・

「申し訳ございません。
 あいにく明日のディナーはご予約で満席となっております」
「え! そうなんですか!?」
「はい。今夜か明後日であればまだ空いておりますが」

そうなんですよ! 今夜来ませんか? 今夜!

「はぁ〜、そうですか〜」

おいおい、そんなつれない声を出さないで・・・

「それじゃまたにします」

ちょ、ちょっと待って〜!

その後も空いた店内に鳴る電話に出れば、
話は明日のディナーの予約ばかり・・・

ど、どうして今夜来ないんだ・・・明後日でもいいのに!

そして翌日の朝食で・・・

「今日のランチの集客予測は?」
「ん〜、3連休中日、天気は快晴・・・か」
「ヒマなんじゃない?」
「例年のデータを分析すると、3連休のランチは初日が雨、
 それから晴れが続いた場合は、集客線はV字になる」
「ということは?」
「昨日家にこもっていた人が今日は出かけるから、
 平均値にマイナス係数0.6を掛けて」
「はぁ〜い」

そしてランチ開店10分前。

「ちょっとぉ! 外で待ってる人がいるよ!」
「え? ああ、2人だけだろう?」
「予約の人?」
「いや予約は12時だから早過ぎる」
「混むんじゃない?」
「いや、データによればそんなことはないよ、
 待っているのは1組だけでしょ?」

そしてドアを開けると・・・

「こんにちは、お待たせしました」

2人と思った後ろにもお客さまの姿が・・・

「あの、3人ですが」
「どうぞこちらの席へ」

すぐに後ろの方が、

「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
「3名です
さらに、
「2名です」
さらに、
「一人だけど入れる?」
さらに、
「あの〜、2名なんですけど・・・」

どわぁ〜っ! 開店10分でほぼ満席に!

で、怒涛の中日が過ぎて最終日のランチが終わり・・・

「ふ〜、結局ランチは3日間とも混んだね」
「昨日は想定外だったけど、今日は予想どおりだ」
「じゃあ今夜は?」
「昨夜の勢いを考えるとすぐ満席だろう。予約は?」
「え〜っと、18時に3件」
「ほらね。あとは17時過ぎにまた予約が入るよ」
「じゃあ、それを見越して私も仕込みしちゃうね」

で、ディナーの始まり5分前。

「ねぇ、電話鳴らなかったじゃん」
「うん」
「それにさっきまで多かった人通りが」
「ぱたっと途絶えた」
「まさかヒマなんじゃ?」
「予約の人数は?」
「3件で5名」
「・・・なんかイヤな予感がする」
「ちょっとぉ! 混むって言ったからいっぱい仕込みしちゃったよ!」

そして最後のお客さまが帰った22時半・・・

「昨夜わんさかいたお客さんたちはどうしたんだろう?」
「入れなかった人だけで10人以上いたよ。予約の電話も大分断ったし」
「それがその翌日ときたら」
「予約以外ほとんど来ないじゃん」
「ディナーの集客線が逆V字になるとは」

「ねぇ、データはともかく、
 この仕込んだガロニの温野菜はどうすんの?」

「・・・よぉ〜し、今夜の賄いはベジタリアンだ!」

えーじ
posted by ととら at 11:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年10月07日

一皿が結び付けた記憶

「おいし〜!」
「へぇ〜、こんな料理があるんだ!」

お客さまからそんなお言葉を頂戴すると、
ああ、地の果てまで行った甲斐があったなぁ・・・
そう、しみじみ思います。

ところがこの仕事を始めて暫くすると、
当初は思いもよらなかった、
もうひとつの嬉しいリアクションがありました。

それは紹介した国の人々から頂いた言葉。

これまでも、ぱっと思い浮かんだだけで、
ポルトガル、デンマーク、ドイツ、オランダ、ポーランド、
スロバキア、フランス、イギリス、イタリア、ベラルーシ、
トルコ、ジョージア(グルジア)、アゼルバイジャン、イラン、
バングラデッシュ、パキスタン、インド、ネパール、ウズベキスタン、
韓国、中国、台湾、タイ、シンガポール、ニュージーランド、オーストラリア、
アメリカ、メキシコ、プエルトリコ、ブラジルなど、
様々な国からお客さまがご来店されました。

そして彼、彼女の、
「美味しかった!」
「自分の国で食べたのと同じ味だ!」
という言葉は、売り上げ云々ということ以上に、
僕たちの仕事の大きな励みとなっています。

先日も、南アフリカ特集が終わろうとしていた時、
同国から来日中の留学生が来てくれました。

音楽が趣味という快活な彼は、
僕たちの取材地ケープタウン出身ということもあり、
南アの料理、音楽、はてや地元のレストランなど、
あれこれローカルな話が弾んでそれは愉快なひと時に。

しかし、デザートのマルヴァプディングをサーブした時、
ふと彼の表情が曇ったのです。

ちょっと心配になった僕が、
「いかがでしたか? 今日の料理はお楽しみ頂けましたか?」
と訊けば、彼はしばしの沈黙の後、

「うん・・・なんだか、うちに帰りたくなっちゃった・・・」

僕たちがケープタウンに滞在したのはほんの数日でしたが、
一皿の料理で、そこで生まれ育った彼と、
あの街の記憶の一部をシェアできたのかもしれない。

あれは、そんな風に思えた一瞬でした。

えーじ
posted by ととら at 16:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年10月05日

ロシア料理特集が始まります!

今は25時5分。
ほぇ〜、やっと終わりました。

今夜はアパートに戻っております。
メニューなどの印刷物がたっぷりありますので。
今回は旅のメニューに加えてアンコールメニューも同時に変えましたから、
作業量はちょいと多かったかな?

そうそう、
ワインの特集をヴィーニョヴェルデから赤ワインに変えたのも、
重なっていたのですよ。
こうなるとさすがに1日でやるのは難しいですね。
2日お店にこもってギリギリでした。

そんなわけで力が入っています!
2017年最後の旅の特集は、

ロシア料理特集

アンコールはソビエト料理と言えば同じ輪に入るジョージア(グルジア)から、
スパイシーなアジカが香るジョージアンスペアリブです。
ワインもジョージアとアゼルバイジャンでプッシュ!
皆さまのご来店をお待ちしております。

それではおやすみなさい。

えーじ
posted by ととら at 01:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年10月03日

Such is my life.

今は22時半。

先ほど銭湯・・・ならぬ自宅に行ってシャワーを浴び、
Hotel TOTORAにチェックインしました。
そう、旅のメニュー変えを明後日に控え、
昨夜からずっとお店に泊り込んでいます。
明日も準備で営業はお休みですから今回は連泊。

ともこはもう『ベッド』でくつろいでいますが、
僕は26時くらいまでかかるかな?
キャプションが書き終わり、これから写真の仕込みです。

なんかこうして仕事をしていると、
会社員時代にひとりオフィスに残って日付が変わるまで、
コンピュータを相手にしパチパチやっていた日々を思い出しました。

ああいう働き方はビョーキですけど、
一生に一度くらいはとことんやるのもいいでしょう。

え? 君は今でもやってるじゃないか?

そうだなぁ・・・
でも、自由だとまた気分が違いますからね。

さて、明日中にウェブサイトもアップしなくては!

えーじ
posted by ととら at 22:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年10月01日

僕の小宇宙 その3 神保町3

10月。

金木犀の香りがそこかしこで漂っていますね。
この時期になると思い出すのがハイティーンの頃の学園祭。
そう、年末のクリスマスというビッグイベントに向けた、
ガールフレンドをゲットする天王山です。
このチャンスを典型的なリビドーボーイの僕が見逃すはずはありません。

そこでライブ! なわけです。

当時ラグビー部に在籍しつつ、フォークソング部も掛け持ちしていた僕は、
ここぞとばかりにステージに向けた練習に勤しんでおりました。
というのも、音の大きさの問題から普段は電気楽器が禁止されていましてね。
しかし学祭の時だけは、
特例としてエレキギターなどの使用が許可されていたのです。

このとき以上に自分をアピールする方法はまずないでしょう。
そりゃもう気合が入っていましたよ。

ところが、問題は機材。
憧れのアーティストのようにカッコよくキメたいものの、
持っている楽器も音響機材も涙なくしては語れないポンコツばかり。
特にライブの要たるPAやモニターは劣悪を極めていました。

たとえば体育館でプレイすれば、
演奏音がモニター音より大きく対向する壁で反射し、
ドラムスが実際にプレイしている、
4分音符のドン、パン、ドン、パンが、
ドッド、パッパ、ドッド、パッパのように聞こえるじゃありませんか。
これではそれぞれのプレイがずれるのも当たり前。
ユニゾンでカットアウトするエンディングなんて、
僕がまだ演奏しているのにドラムスはスティックを高らかに上げて終わってる、
なんてアバンギャルドな演出がしばしば起こっておりました。

若手のミュージシャンには想像もつかないと思いますが、
シンセサイザーも高嶺の花。
学校にナイショで夏休みいっぱいバイトして、
ようやく買ったのがローランドのモノフォニックシンセサイザーSH−1、
という友人もおりました。

モノフォニックシンセサイザーってのはですね、
字義通り、単音しか出ないんですよ。
つまりコードが弾けない。
その上、音色メモリーもできません。

僕がいたバンドのキーボディストが、
果敢にもイントロと間奏で音色を使い分けようとした時、
暗いステージ上で小さなつまみが犇めくコントロールパネルから、
音色を変えるVCFを操作しようとしたら、
間違ってチューニングダイヤルを回してしまい、
ポップな曲が途中から前衛に変わってしまった!
なんてハプニングもありました。

当時ギター担当だった僕もそう。
今でこそ1万円も出せば買えるデジタルリバーブが、
Lexicon 224Xのように100万円前後はしていた時代。
同じようなサウンドが欲しくて、
ギターアンプに内蔵されているスプリングリバーブをがんがんに使えば、
ステージアクションの勢いで蹴たぐりをかまし、
どわわわわぁ〜ん! とホールに響き渡る雷のSE。
当時人気の高かったオフコースやチューリップの曲が、
ギターソロの時にジミ・ヘンドリックス風になっちまうは、
その上シールドが抜けて時代を先取りするエアギタープレイになるはで、
度胸を磨くには最適の経験を多々いたしました。

そんな昔話はさておき、神保町です。

こうしたかつてのバンド小僧にとって楽器店が軒を並べる御茶ノ水界隈は、
ちょっとしたタイムトンネルなのですよ。
今でこそステージを離れておりますが、
僕の部屋にはまだベースもギターもキーボードもあります。

永らく愛用しているベースは Fender の Jazz Bass を改造にした、
フレットレスの5弦ベース。
久し振りにフレッテドベースも弾いてみたいなぁ・・・
と思い、ふらっと楽器屋さんに入れば、Warwick の手頃な Rockbass を手に、
ふむふむ・・・いいバランスだねぇ・・・手にしっくりくる。
ベベン、ベンベン♪
こりゃチョッパーもやり易いじゃん。
ん? おお、中古の Rickenbacker4001か!
プログレやるならこいつでゴリゴリ弾くのもいいんだよな。

新しいエフェクターも面白い。
僕が使っていたのは BOSS や MAXON、ちょっと気張ってMXRでしたけど、
今では聞いたことのないメーカーが沢山あるじゃありませんか。
しかも安い! TOTO の Steve Lukather に憧れて、
初めて買ったステレオコーラスは Roland の名器CE-1。
あれは当時で2万5千円もしましたが、
今ではみんな1万円以下で手に入ります。

お〜、ポータブルで廉価なギターシンセまであるじゃん!
20歳代後半のライブではYAMAHAのG10を使ったことがありましたけど、
レスポンスがイマイチで速い16分音符のフレーズを弾くにはちと苦しかった!
最新型はずいぶん改善されているんでしょうね。
ちょっと音出ししてみたいなぁ。

こんな調子で、楽器店をブラブラしていると、
つい時間が経つのを忘れてしまいます。
ただ余暇の殆どない最近は、楽器を触っていても寝た子を起こすだけですから、
ショーウィンドウを横目に、ささっと立ち去るようにしています。

実は、いつかもう少し余裕ができたらやってみたい、
と思っていることがひとつあります。
友人が持て余して置きっぱなしにした Chapman Stick が実家で眠っているのですよ。
あれをぜひ復活させたいと思っています。
このベースとギターを合体させたようなタッピングで弾く楽器。
弾きこなすのは至難の業ですが、他に似たもののない独特なサウンドでしてね。
上達したらスキンヘッド+口ひげでライブをやろうかしらん?
曲はもちろん、Elephant Talk!!

えーじ


P.S.
ととら亭のウェブサイトに、
こっそり昔の音源をアップしておきました、
おおむね20年前の僕の声です。

若いなぁ。
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2017年09月28日

ととらな本 その10

あなたにとって、
この世で一番『信用できない』人とは誰ですか?

己を知らぬ愚と申しますか、
いや、幸せと申しますか、
20歳代の頃の僕は、

「他人はどいつもこいつも信用できねぇ」

と公言して憚らない、ハラショーな若僧でございました。

ですから何かトラブっても問題解決方法はいたってシンプル。
他人さまを指差して、

「あんたが悪い!」

で一件落着。

しかし、そうした歪んだ世界観は、
遅かれ早かれ、厳しい現実を突きつけられるものです。

たとえばグラフィックデザインの仕事をしていた時、
特注名刺やハガキを取りに来たクライアントさんが、
納品前確認をしていると、

「あ、あれ? 住所が違ってますよ!」
「え!?」

あ、あり得ん!
たかが住所と名前、電話番号程度の情報量しかない上に、
こっちはクロスチェックもしてるんだ。
クライアントが注文書を書き間違えたに決まって・・・

と思って注文書を出すと・・・

間違ってないじゃん!

「す、すみませ〜ん!」

今度はIT稼業でサーバー管理者をやっていた時、

LinuxOSのテストサーバにセキュリティパッチの適用テストを行い、
ホスト名を確認してリブートコマンドを打つと、
1分も経たずにオフィスの電話がじゃんじゃん鳴り始め、

「はい、システム管理部です」
「あの、ホームページが閲覧できないと連絡が相次いでいます」
「え?」

「はい、システム管理部です」
「シス管? ウェブの受注システムが使えないんだけど」
「え?」

ま、まさか・・・

と思い、自分が打ったコマンドの履歴を辿ってみると、
なんと再起動をかけたのはテストサーバではなく、
本番のウェブサーバじゃん!
ディスプレイを指差しながら確認して打ったはずなのに・・・

「す、すみませ〜ん!」

こうした自爆的ミスは、
ゴーマンかました若かりし頃でもしょっちゅうやっていましたが、
(バンドのライブでよく間違えたのは自分で書いた曲の歌詞だったし・・・)
頑固で思慮が足りなかったが故に自己正当化できたのですね。

とまぁ、こうしてすッ転びながら歩いた半世紀余り、
本当に信用できないのは誰なのか、僕にもようやく分かりかけてきました。

そんなところへ舞い込んで来たのが出版のオファーです。
世界まるごとギョーザの旅』の執筆にあたり、
僕がどんな気持ちで推敲や校正をしていたか、ご想像頂けるかと思います。

そう、人間という奇妙な生き物は、
物理的に存在している対象をありのままに見ているのではありません。
無意識に『見たいものだけ』を見ているのです。
しかも、それに自分で気付いていませんから、
フィルタリングされた現実が全てだと信じて疑っていない。

この認識は次々とやって来る締め切り以上に僕を悩ませました。

よし、1章書き終わったぞ。
けっこう推敲して練り上げたし、校正も3回やった。
だけど僕には、
自分が書いた文章の『ありのまま』が見えてない・・・のか。

そこで頼りになったのが、
事情は知りつつも執筆においては第3者のともこです。
彼女の客観的なクロスチェックで、
主観の塊りである僕が見落としたバグをかなり見つけることが出来ました。

それでも全ての誤字脱字、
意味的、時間的不整合があぶり出せたわけではありません。
僕の文章を読み込み続けた村尾編集長の厳しい指摘と、
最後の砦たるバグフィクスの専門家、プロの校閲さんのチェックが入って、
ようやく印刷所に回せる最終原稿が整ったのです。

さて、そうして世に送り出された『世界まるごとギョーザの旅』。
はたして全てのバグがフィクスされたのか?
出版されて7カ月が経ち、もう一度ページを繰ってみると・・・

ん?

えーじ
posted by ととら at 15:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2017年09月25日

第5回研修旅行の準備 その1

2013年からはじめた研修旅行も今回で5回目。
「取材じゃないんだから遊んでいるだけだろう?」とのご指摘も、
証拠の研修写真をウェブサイトの『いろいろページ』にアップしましたから、
いよいよ大手を振って出かけれる・・・

と喜んだのも束の間。

朝鮮半島のムードは大分きな臭くなって来ましたね。
今までは各種ブッキング前に、
ギリギリまで渡航先の治安状況をチェックしていましたが、
ついにお隣さんから自分の膝元まで、
その範囲を広げなければならないとは!

バックパッカーへの直接影響範囲というと、
既にルフトハンザ航空、スイス国際航空、
スカンジナビア航空の3社が日本海を横切るルートから、
日本列島に沿って北上するルートに変更するなど、
見えない所で具体的な変化が起こりつつあります。
実際に朝鮮半島一帯が交戦地域となった場合、
空路のみならず、海路も少なからず影響を被らざるを得ないでしょう。
旅をするのも大変な時代になりました。

さて、その行き先ですが、
これまで参加したクッキングクラスはタイ、韓国、中国など、
アジアの国々だけでしたから、今回は少し西に移動して中東、
オマーンの首都マスカットでアラブ料理の手ほどきを受けることにしました。

調理技術は国ごとというより地域によってカテゴライズできます。
それもそのはず、
隣接する集団は多かれ少なかれ相互に影響を及ぼし合っていますからね。
(だから『純粋なオリジナル』というものは、まずないんですよ)
たとえばタイで学んだ調理技術は、
その後の特集で取り上げたインドネシア料理や、
シンガポール料理を再現するにあたり大変役に立ちました。

中東の文化はオアシスの定住民だけではなく、
遊牧民の生活習慣を多く取り入れたものです。
また自然環境も温暖湿潤な東アジアとは大きく異なり、
得られる作物や家畜も異なっていました。
それらの諸要素が時代を超えて混淆し、
イスラム教の戒律も加わってユニークな食文化を育んできたのです。

人は同質性に安心し、異質性から多くを学ぶといいます。
これが正しいのであれば、
この研修は僕たちにとって実り多きものになるでしょう

期間は11月27日(月)から12月4日(月)まで。
最初は成田からUAE(アラブ首長国連邦)のドバイに飛び、
そこで料理とスーク(市場)の下見をします、
それからオマーンの首都マスカットに移動して調理研修。
スクールの選定はこれから。
ちょっと調べたら、けっこう相場が高いんですよね。
手頃な料金で僕らの参考になるスクールがあるといいのだけどな。

ともあれ、
All we need is PEACE.

これがなくっちゃ何処へも行けません。

えーじ
posted by ととら at 12:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年09月22日

Hotel TOTORA

休日の朝。
皆さんも「ちょっと寝坊しようかな?」
という気分になりますよね?

僕たちも同じ。
飲食業界は一般的に『終業時刻』が不規則で、
ととら亭でも『退社時刻』は大体24時から24時半。
遅くなると25時半頃になってしまいます。
それでいて『始業時刻』はいつも変わらず7時半から8時半ですから
普段はやんわりと慢性的な寝不足状態。
(ブラックレストランたる所以でございます)

そこで定休日の火曜日や、ランチをお休みする金曜日は、
9時頃まで寝ていたいと思うのが人の心。

ところが!
いま僕たちが住んでいるアパートの隣は新築2棟の工事中。
朝8時になるとレッド・ツェッペリンの『移民の歌』よろしく、
ロバート・プラントの雄叫びのように威勢のいい大工さんたちの声が飛び交い、
続いてジョン・ボーナムのパワフルなドラムソロを彷彿させる、
作業音が延々と続きます。

どこででも眠れることがバックパッカーに求められる資質とはいえ、
さすがにこれではたまりません。

で、僕らが取った戦略は『全面的退却』。
敵は音だけではなく、揺さぶるような振動でも攻撃してきますから、
雨戸を閉めて耳栓をしたところで勝ち目はない。
だったらアパートを捨てて、ととら亭に退却だ!
総員退避〜っ!

という訳で僕たちはお店に泊っています。

え? 何処で寝てるんだ?

それがですね、ととら亭の設計はよく出来ているのですよ。
ホールのベンチシートの座面の高さは、
椅子のそれとぴったり合わせてあるのです。
ですからテーブルをずらし、ベンチシートと椅子をくっつけると、
ほら、簡易ベッドの出来上がり!
いや、簡易と言っては罰が当たります。
これがすこぶる寝心地が良い!

実はこの戦略、
開業準備で忙殺されていた2010年の2月から3月や、
練馬区の中村南に住んでいて自転車通勤していたころ、
豪雨や雪が降ると、しばしばやっていたのですよ。
当然ベンチシートの中にはシュラフ(寝袋)が2組しまってありました。

そして商店街とはいえ、シャッターを閉めていると、
店内は思いのほか静かなのです。
これならアパートと同じか、それ以上にぐっすり安眠できます。

昨夜も仕事が終わると銭湯に行く気分でアパートに戻り、
シャワーを浴びてから『ホテルととら』にチェックインしました。
こういうのも楽しいですよ。

災い転じて福となす。
これ、バックパッカーの極意でございます。

えーじ
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2017年09月20日

ととらな本 その9

9月も中旬を過ぎました。
秋風を感じて思い出すのは、去年の今ごろのこと。
僕は著書『世界まるごとキョーザの旅』の原稿締め切りに追われ、
ランチとディナーの合間だけではなく、
時にはととら亭の営業時間中もカウンターの裏側にしゃがみ込んで、
パソコンのキーボードを叩いていたのです。

執筆が難航したのはアイデアが浮かばなかったから・・・

ではありません。

僕たちの旅を主体とした第1章から第11章までは、
自分の経験を書いていたので結構すらすら進んでいました。
ところが問題はその後。
締めくくりに向けてギョーザの時代考証が必要となり、
知識が曖昧な部分を確認するためにいろいろ文献を当っていたのですが、
そこで思わぬ壁にぶつかってしまったのです。

ん?
この情報は断定形で書かれているけど、
著者が直接経験できない過去のことなのに、
そこまで胸を張ってモノが言える根拠は何なんだ?

ふと気になってよく読んでみれば、
僕が手にした文献の幾つかは出典が併記されていません。
特に誰もが気軽に発言できるインターネット上の情報は、
体裁が百科事典風でも事実かフィクションかすら微妙な記事が多い上に、
別の記事をそのままコピペしているだけの『なんちゃってオリジナル』も、
大手を振って跋扈しているではないですか。

それでも何とか裏を取ろうと出典のある情報を辿ってみたら、
出典そのものの出典がなかった!
なんてオチもありました。

時間がないのに困ったなぁ・・・

実証主義が僕らのポリシー。
テレビや雑誌、インターネットで料理は分かりませんから、
お客さまに紹介するためには必ず現地まで行き、
自分自身で食べてみます。

しかしこの手法が使えるのは、いま存在している対象だけ。
この料理はかつてどうだったのだ?
というような疑問のように相手が遠い過去になってしまうと、
誰もが例外なく、遺物という変質した物証を除き、
こうして本や画像などの情報だけが唯一の手掛かりにならざるをえません。
そして情報とは解読されて唯一の答えに行き着くものではなく、
個々人によって恣意的に解釈される玉虫色のものなのです。

ギョーザが何処で、いつ、誰の手によって生み出され、
それから、どのように広がっていったのか?

その答えはまだ僕の経験のはるか彼方ですが、
本という形にするからには、方向性くらい示しておきたい。

そう思いつつも、この『過去の壁』で行き詰った僕は、
可能な限り経験した『事実』と間接的に得た『情報』を混同しないよう、
はっきり書き分けることで、この壁を迂回するしかありませんでした。

え?
要するに最後はモノ言いの歯切れが悪くなっただけだろう?

う・・・アタリです。
正直、タイムマシンが欲しくなりました。

えーじ
posted by ととら at 01:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年09月17日

小さないかめしと大きな思い出

何かの拍子に思わぬ記憶が蘇る。
こんな経験は誰にでもあると思います。

僕らの場合、そのトリガーになるのは音楽と香り、
そして味でしょうか。

先日のランチが終わって間もなく・・・

「こんちは」

キッチンの裏戸に現れたのは近所のおじいさん。
ともことはずっと前から仲良しです。

「あ、こんにちは!」
「これ、さっき京王デパートに行ってきたんだ」
「え? 何かくれるんですか?」

ともこはおじいさんが差し出した袋を受け取り、
中を見ると、

「あ〜! いかめしだ!」
「北海道の物産展をやってたんだよ。そこでみつけてね」
「いただいていいんですか?」
「一個ずつ入ってるからケンカするんじゃないよ」
「いつもすみません!」

見てみればそれは北海道は森町の名物、
阿部商店のいかめしじゃないですか。
早速、その日の賄いで食べてみると・・・

「おいし〜!」
「うん、それだけじゃなくて北海道を旅していた頃を思い出したよ」
「そうね!」

北海道。
この北の大地は、ともこが青春時代を過ごした場所なのです。
そして僕にとっても、
日本をオートバイで周った旅のバックボーンともいえる特別なところ。

「あ〜、懐かしい味がする」
「最後に食べたのは何年前だっけ?」
「僕はね・・・ん〜・・・たぶん25年くらい前だと思う」
「じゃ、私たちが出会う前じゃない」

あの頃の僕は20歳代後半。
真っ黒に日焼けしたロン毛のライダーで、
お金が溜まると仕事を辞めては国内をぶらぶらしていたのです。
中でも北海道は幾度となく訪れた場所。
そして森町といえば、朝、函館を出発して国道5号線を長万部へ向かい、
大沼を越えてほどなく右折したところにある小さな町。
海沿いにあるJR函館本線の森駅の売店で、
阿部商店のいかめしをよく買ったものです。
(阿部商店は駅からもうちょっと西に行ったところにあります)

タンクバックにいかめしを入れ、再び5号線に戻って小樽を目指し、
昼頃、道路脇の売店で揚げいもと牛乳のランチ。
なんとも脈略のないメニューでしたけど、美味しかったなぁ・・・

おじいさんにもらったいかめしを噛みしめていたら、
北の大地を走った思い出が次々と蘇って来ました。
青い空、緑の地平線、群青色の海、そして心やさしい人々。
あの出会いの旅を一言でいうなら、
僕は迷わず『青春』という言葉を選ぶでしょう。

他の人にはなんの意味も価値もありませんが、
僕にとってはかけがえのない宝物の日々。
あの日々があるからこそ、今の僕がある。
そう躊躇なく言える、そんな旅だったのです。

「ねぇ! ちょっとぉ! あたしの話聞いてる?」
「え? あ、ああ、聞いてるよ」
「うそ! ぜんぜん上の空なんだもん」
「いや、なんかね、懐かしいことを思い出しちゃってさ」
「北海道?」
「うん」
「お互い別々だったけど、いい時代だったわね」

おじいさんがくれた、小さないかめし。
その中にはご飯の他に、
大きな、大きな思い出がいっぱい詰まっていたような気がしました。

えーじ
posted by ととら at 14:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年09月15日

遅れた宿題 もう一丁!

先週、初めて行った研修旅行のお話をアップしましたが、
続いて2回目、2014年12月のソウル研修も仕上がりました!

前回と同じく、ととら亭ウェブサイトの『いろいろ』ページを、
ずずっと下へスクロールすると、
『研修旅行  〜 調理を学ぶ旅の記録 〜』が出てきます。
そこの『第2回 (2014年12月) 韓国』をアップしました。

旅の食堂ととら亭ウェブサイト

前回の反省から、今度は講習中もなるべく写真を撮り、
全体の雰囲気が分かり易くなったと思います。

お楽しみを!

えーじ
posted by ととら at 10:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年09月13日

ゲージュツの秋

昨日の定休日はまたまたお出かけ。
今回は bunkamura musium で開催中の、
『ベルギー 奇想の系譜』に行って来ました。
僕は自他ともに認めるアートマニアですが、
とりわけ絵画には目がありません。
しかしながら好みは美術の教科書で習った、
文科省お墨付きの巨匠の作品ではなく、
明らかに傍流というか、
逆に学校では『道徳的に』避けられている類のもの。

そりゃまぁ当然の話で、
何と言っても、そうした画家や潮流のことを知ったのも、
若かりし頃に読んだ渋澤龍彦氏や種村季弘氏の著書からですしね。

とういうわけでシュールレアリスム一派のアーティストを起点に、
ダダに戻り、ウィーンの分離派やベルギー象徴派に飛び、
はてやフランドルのみょうちくりんな幻想画に遡る、
偏愛的な趣味が出来上がったわけです。

ならば当然今回の目玉は、かのアンドレ・ブルトン法皇にして、
「完璧な幻視者」と言わしめた、
幻想画の大家、ヒエロニムス・ボスでしょう。
この展示は真筆こそないものの、
工房も含めて追随者の系譜が俯瞰できる面白さがあります。

さて、そのボスの作品のコンセプトそのものは、
信仰にもとづいた真面目なものですが、
その絵を構成するディティールが変なのですよ。
特に得体のしれないクリーチャーや怪物たちが取る仕草は、
描かれた時代背景を鑑みると尋常ではありません。
19世紀の詩人、ロートレアモン伯爵が謳った、
『解剖台の上のミシンと傘の偶発的な出会い』が凡庸に思えるほど、
器物と生物が融合したり、
解剖学的なコンテクストが組み替えられた怪物たちは、
昨今のSF映画に登場してもおかしくない新奇さを持っているのです。
その影響範囲はことのほか広く、
メキシコで活躍した女流シュールレアリストのレメディオス・バロや、
夭折の人形作家、天野可淡の作品からも、ボスの影響は垣間見られます。

展示を見いて驚いたのは、こうした当時の思わぬヒット作を、
オヤジの方のピーテル・ブリューゲルが版画でパクっていること。
これまたパトロンのリクエストだったのかもしれませんが、
彼もボスのクリーチャーたちをほぼ完全コピーして、
7つの大罪の連作を描いている。

こういうのを見ていると、
今でこそ彼らの作品はゲージュツ品として美術館に隔離されていますが、
元来は食うため売るための商品なんですよね。
だからヒット作が出ると、
類似したものが雨後の筍のようにニョキニョキ現れて来る。
ビジネスは今も昔も変わらないってことです。

134点の展示はまずまずのボリューム感でした。
構成もよく練られており、
ベルギー象徴派からは、お約束のフェリシアン・ロップスや、
フェルナン・クノップフのダークなエログロ系だけではなく、
とことん暗いレオン・スピリアールトもあったし、
シュールレアリスムからは、
ポール・デルヴォーとルネ・マグリッドが彩を添えていました。

マグリットの『大家族』は、
宇都宮美術館が所蔵しているので度々見る機会がありますけど、
ポーラ美術館から貸し出された『前兆』はこれが初めてでした。
へぇ〜、こんな作品があったんですね。
この絵は『アルンハイムの領地』を洞窟の中から見た構図になっているのです。
マグリッドはリンゴや雲、葉っぱなど気に入ったモチーフを、
組み合わせを変えて何度も使いまわしながら仕事をする人でしたが、
『アルンハイムの領地』の山並みまで転用していたとは知らなかったな。
実はこの絵のレプリカが実家の僕の部屋に掛けてあるんですよ。

美術館を出て次に入ったのは向かいにある美術書の専門店、
ナディッフ モダンさん。
リブロポートが閉鎖されてリブロが『健全な』書店になってしまった今では、
こういうマニアックな店は本当に貴重です。
痒い所に手が届くと申しますか、
今度読もうかな、と思っていたジョージアの国民的飲んだくれ画家、
ニコ・ピロスマニの本が幾つか並んでいました。
実はギオルギ・シェンゲラヤ監督が撮った、
ピロスマニの自伝映画のDVDを少し前に手に入れたんですよ。
今度ゆっくり観ようと思っています。

さて、せっかく渋谷まで来たんだからと思い、
小雨が降る中、レコファンさんとディスクユニオンさんで仕入れもしよう!
と勇んでみたものの神保町や新宿、吉祥寺とは異なり、
売り物は若年層のお客さんをターゲットにしているようなものが多く、
残念ながらオジサン好みの収穫はありませんでした。

店を出てJR渋谷駅に向かって歩いていると、なるほどさもありなん。
僕の年齢だとこの街では少々浮きますね。
やっぱり下町の方が落ち着くな。
と妙に納得しつつ家路についた僕でした。

えーじ
posted by ととら at 09:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記