2016年12月11日

第4回研修旅行 その7 最終回

大分遅くなりましたが、
最後に今回の旅をビジュアルに振り返ってみましょう。

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いきなり夕焼け。
成田からマカオまでのフライトタイムは約5時間。
出発は午前中でしたが、
香港国際空港で2時間ほど高速艇を待っていたので、
マカオに近付く頃には夕暮れに。
そのおかげでこんな夕陽を高速艇からのんびり見れました。

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マカオ側から南のタイパ方面を見た景色。
左はバンジージャンプでも知られるマカオタワーです。
右側に見える長い橋が3本マカオとタイパを結んでおり、
行き来はローカルバスでもOK。

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僕らが投宿したのはマカオの西の端にあるこんなホテル。
かなり年季が入っていましたが、立地が便利でコスパも良かったです。

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観光の中心はセナド広場。
ご覧の通り雰囲気はヨーロッパ。
確かにリスボンっぽくもあるような気がします。

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街並みもアジアとは思えない感じ。

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しかしちょっと路地に入り込めば、やはりここは中華圏。

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坂が多く、ちょっと横浜や神戸、函館を思い出しましたが、
この雑然とした街並みはマカオそのものですね。

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ここでのミッションはポルトガル料理とマカオ料理の比較。
さっそく試してみたのがお約束のエッグタルト。
本家のポルトガルではパステル・デ・ナタ(Pastel de Nata)といいます。
で、そのお味は・・・
リスボンのベレンで食べたものと同じ、
控えめな甘さ、サクサクの生地・・・ん〜・・・美味しい!
これは熱々を食べなくちゃダメです。

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これはバカリャウ(干し塩鱈)を入れたコロッケのパスティス・デ・バカリャウ。
(Pasteis de Bacalhau)
あ〜・・・これもオリジナルとほぼ同じ。
久し振りに食べたなぁ。

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んで、謎の食べ物、ポルトガルライス。
どんなものかと思いきや、出て来たのは・・・ケチャップライス!
なぜだ?

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そして更にポルトガルチキン。
これは・・・土鍋に入ったマイルドなチキンカレー!
な、なぜだ?

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そして一番の期待は、
南アフリカのケープタウンで出会ったぺリぺリチキン。
マカオではアフリカチキンと名前が変わっていますが・・・
ん〜・・・まず見かけは全く違います。
ぺリぺリチキンは主に柑橘系のフルーツとガーリック、
トウガラシでマリナしたチキンのロースト。
ところがアフリカチキンはご覧の通り。
どっぷり赤いソースに浸かっております。
当然味も違う。
エビチリソースのガーリックを強調したような味じゃないですか。

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もう一軒、別の所で食べたのはこんな感じ。
これはプレーンなトマトソースにガーリックと豆板醤を入れたような味。
変われば変わるものですね。
いや、これはこれで美味しいですよ。

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ちょっとしたサプライズはウイグル料理の店が近くにあったこと。
やっぱりありました、今年の6月、キルギスで食べたダパンジ!
ビシュケクのジャララバードで食べたバージョンは、
さながらパスタのような盛り付けでしたが、
ここではご覧の通り、スープがたっぷり。
でも味は結構近かったな。美味しいです。

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そしてもう一丁。ウイグル版のスープギョーザ。
湯餃(ダンジャオ)。

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そして再び高速艇で移動し12年振りの香港。

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ここでの楽しみは何といっても飲茶。

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やっぱり僕らは昔ながらのワゴン式にこだわりたいですね。
そうした香港人も多いのかお店は大繁盛。
もちろん味は文句なし!

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ここではクッキングクラスに参加します。
インストラクターは愉快な親日家のジョイスさん。
地下鉄の駅で待ち合わせて、まずは市場で買い出し。

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教室は彼女の自宅。
香港名物えんぴつ型の高層マンションの25階。
「狭くてごめんなさいね〜」と言われていましたが、
普通の家庭を垣間見れるチャンス。
アクセスからしてなかなか興味深かったです。

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キッチンはさすがに狭いので、調理は主にダイニングで。

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教えて頂いたのは、
蓮の葉でチキンとキノコ、クコの実を包んだ蒸し物と、

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今回のメインテーマのジャオズ(餃子)。
中身はともかく、僕たちが知りたかったのはこの包み方。
先のブログでもお話しましたが、
元来、正月に食べる縁起物の料理でしたから、
形は当時のオカネだそうで。

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で、食べる時は、ご覧の通り、一口でパクっと行くのが礼儀。
(うそ)

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締めくくりはやっぱり香港の夜景でしょう。
僕のお気に入りは尖沙咀のスターフェリーターミナル脇から見る景色。
陽が暮れるまでここでぼ〜っとして、
夜景を楽しんだらフェリーで香港島に戻ります。
短いながらも旅情があっていいですよ。(安いし)
でも久し振りに乗ったら乗客は観光客が殆ど。
ローカルたちは地下鉄の方が便利ですからね。
そのうち廃止されてしまうかも。
次はいつか分かりませんが、なくならないといいなぁ。

えーじ
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2016年12月08日

第4回研修旅行 その6

僕の旅先の楽しみの一つがマンウォッチング。
空港の雰囲気は独特で興味深いのですが、
一番面白いのはローカルの日常の姿が見れる場所です。

例えば市井の飲食店。
今回もローカルでごった返す昔ながらの飲茶店で、
ちょっと早い昼食を食べていた時のこと。

僕たちはひとつの大きな円卓を8人でシェアしていました。
ともこの隣はひとり飯の40歳台半ばの男性。
彼は時折スマートフォンに目を落としつつ点心をつまんでいます。
彼の右側には空席が一つ。

店内は凄い喧噪です。
料理を乗せたワゴンは店内を回る間もなく、
キッチンから出るとすぐお客さんに取り囲まれ、
瞬く間に完売。
僕らも黙って座っていては何もありつけません。

――― よ〜し、そんじゃ僕も突撃しようじゃないか。

そう意を決して立ち上がろうとした時、
70歳代後半と思しき男性が、
お客さんで犇めき合う通路を覚束ない足取りで、
近付いてくるのが目に入りました。

――― ありゃりゃ、じいちゃん、大丈夫かな?

と思った矢先、先の男性がすっと立ち上がり、
空席を指差して何か話しかけたのです。

「ご老人、この席が空いていますよ」(多分こう言っていたのだと思います)
「あ、ああ、ありがとう、すまないね。
 しかし、わしは後ろを人が通る席は落ち着かんのじゃ」
「そうですか、では・・・あ、向こうに空席がありますよ」

男性は隣のテーブルを指しています。
そこからじいちゃんの手を引いて席に座らせました。

「お茶はどれがよろしいですか?」
「ポーレイ(プーアル茶)を頼んでくれないか」
「点心は何を召し上がります?」
「そうだな、まず魚介の蒸し物がいい」

男性は給仕に茶の種類を伝え、
ワゴンに行って蒸籠をひとつ持って来ました。

――― ・・・?
随分甲斐甲斐しいじゃないか。知り合いなのかしらん?

彼はじいちゃんの前に点心を置くとすぐ自分の席に戻り、
何事もなかったように食事を続けています。
そしてほどなく伝票を持ってレジへ行ってしまいました。
じいちゃんには挨拶なし。

――― ・・・? 知り合いでは・・・なさそうだな。

そうか、さすがは儒教を生み出した国。
周りをよく見ていると、
お年寄りたちは、そこはかとなく敬意を払われています。
電車の中でも若者たちはお年寄りが乗って来ると、
すぐに席を譲っていましたし。

もうひとつ気付いたのは、香港のアイデンティティ。
彼らは中国人ではなく、香港人なんですね。
クッキングクラスで使う食材を買いに、近くの市場へ行った時のこと。
ところ狭しと並ぶ新鮮な野菜や肉、魚介を前に、
いろいろ質問していたら、
インストラクターのジョイスさんが面白いことを言いました。

「こっちの野菜は香港で採れた物。すごく質がいいのよ。
 で、こっちは中国から入って来た物ね」

分かります?
この何気ない表現に現れた香港人のアイデンティティが。

こういう言い方は日本ではまずしないでしょう。
たとえば沖縄の公設市場で同じような質問しても、
産地が鹿児島とか北海道という言い方はしても、
「ああ、それは日本産だよ」
とは言いません。

彼女たちの中で香港は中国の経済特区ではなく、
気持ちの上では香港そのものなのかもしれません。

その香港も最後に訪れた12年前に比べて、
ソフトの面で大きく変わったと思います。

一番それを感じたのがまたしても飲茶の店。
サイインプンの外れにある狭い店に入った時のこと。
同席の人たちは、
不器用な手つきで食器を洗う僕らをすぐに外国人だと分かったでしょう。
僕が持ってきた点心を食べようとすると、

「あ、それはこれをつけるのよ!」

正面の女性が片言の英語で話しかけてきました。

「え? これですか?」
「いえ、反対側の・・・そうそうそれ、お酢よ」
「謝謝」
「どちらから来たのですか?」
「日本です。ああ、うまい! ここの点心は絶品ですね!」
「そうでしょう?
 もう一つの皿はそのまま食べてみて。味が付いているから」

かつて返還前の香港を訪れた時は殆ど英語が通じなくて驚きましたが、
今回は逆に話しかけられてびっくり。
しかも、心なしか街に笑顔が増えた気がします。

12年振りの香港。
フライトタイムだけではなく、
心の距離も近くなった気がしました。
近々また行きたいなぁ・・・

えーじ
posted by ととら at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年12月05日

第4回研修旅行 その5

12年振りに香港を訪れた僕にとって、
変わりつつある街の姿以上に印象に残ったのは、
観光地で出会う旅行者のスタイルでした。

旅行者の必携のアイテムと言えばカメラ。
そこにみられた変化は、なるほど〜、と頷けるものだったのです。

それはコンパクトデジタルカメラの消失。

カメラは一眼レフとスマートフォンの完全な二極化が進んでいました。
確かにスマートフォンに実装されているカメラは解像度が高く、
また強力な手ぶれ補正機能も相まって、
驚くほど高画質の写真を撮ることが出来ます。
更にSNSへの投稿がシームレスに行えるとなれば、
多少の機能的なアドバンテージを持っていたとしても、
別にコンパクトデジタルカメラを買う理由はないでしょう。

そう言えば先日、家電量販店のカメラ売り場に行った際、
かつては広い売り場面積を占めていたコンパクトデジタルカメラが、
大分端の方に小さく追いやられていました。
もうすぐフィルムカメラやAPSカメラのようになってしまうのかしらん?
カメラメーカーさんは大変ですね。

しかし新興勢力も安心はしていられません。
2012年あたりから見かけ始めたタブレット端末で写真を撮っていた人も、
殆ど見かけなくなりました。
今や9割以上がスマートフォン。
デジタル家電の寿命は驚くほど短いですね。

同じように姿を消したのが、
昨年のタイ・ミャンマー旅行でも書いたCDショップ。
今やインターネット経由でスマートフォンにダウンロードするのが主流となり、
音楽の器としてのCDは淘汰されつつあるのでしょう。

実際にマカオや香港の繁華街をぶらついていて、
CDショップはおろか、
かつてはよく見かけた違法コピー店ですら一軒もありませんでした、

今回は行かなかった男人街や女人街の屋台でなら、
まだ残っているのかもしれませんが、
やがては完全に姿を消すのかもしれません。
個人的にはちょっと寂しい感じがしています。

手元の小さな変化は風景にまで及び、香港の風景の一つにもなっていた、
Starhouseビルの上のMOTOROLAの看板もデジタルサイネージュに取って代わられ、
CanonやPanasonicなど日系企業のネオンも姿を消しました。

しかし、コピー文化は健在でした!
尖沙咀の繁華街を歩いていると、

「ハロー、ニセモノドケイアルヨ!」

おお〜、まだいたのか!
20年以上前、初めて香港を訪れた時にも見かけたインド人の偽ロレックス売り。
もちろん買いはしませんでしたが、
古い友人に会ったような気がして嬉しくなりました。

もし5年後に訪れたら、彼らはまだいるのかな?

こんな風に思う僕は、もう古い世代の旅人なのかもしれませんね。

えーじ
posted by ととら at 16:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年12月04日

ととら亭再起動 201612

昨日は定刻通り帰国し、野方には22時半頃戻りました。
気温が13度もあったので、気候のギャップは殆ど感じなかったですね。

一応様子見でお店に寄りましたが、
帰った早々あまり飛ばし過ぎても調子が狂いますからすぐアパートへ。

一夜明けて、ともこは朝から全開で仕込み中です。
僕もいつも通り掃除を終わらせたら、
月末月初のじみ〜なペーパーワーク。

いやぁ〜、ちょっとホッとしました。

年末を前にして、
その年の旅行が全て終わったタイミングが、
僕たちの仕切り直しなのですよ。

ここから2016年を振り返り、来年の計画を練り始めます。
今月中旬の繁忙期の始まりまでが、
少し静かに考えられる時間かな。

ま、ぼちぼち行きましょう。
営業は今日のディナーからです。

えーじ

P.S.
名古屋のブラザー、シスター&けいこさん
野方から何度も旅に出ていますが、
帰国した時に駅で出迎えてもらったのは初めてです!

Thank you and have a nice trip!!
posted by ととら at 14:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年12月03日

第4回研修旅行 その4

うぁ〜、もう最終日になっちゃいました。
6日間なんてのは早いもんですね。
しかし出発日こそ仮眠&Go!でくたくたでしたが、
それから先は毎日7時間以上ぐっすり眠って疲れが取れました。
3食外食と言うのも、料理が仕事のともこにとっては、
年間で僅かしかないオフのひとつ。
大分ゆっくりできたようです。

え? 研修はどうした?

あ、いや、昨日ちゃんと行って来ましたよ。
今回お世話になったのはここ。

Homes Cooking Studio

スクールと言うより、高層マンションにある個人宅で受ける、
アットホームなプライベートレッスン。
インストラクターは来日歴20回ともなる親日家のジョイスさんです。

9時に地下鉄のShau Kei Wan駅で待ち合せて、
近所の活気溢れるオープンマーケットで買い出し。
ここで買い食いしたエッグタルトは絶品でした。

そこから車で約10分。
観光ではまず縁のない住宅地なので僕らは興味津々。

「東京ではどんな所に住んでいるのですか? 一軒家?」
「とんでもない!小さなアパートですよ」
「うちも同じよ!」

―――― のお話通り、
25階にある彼女の部屋もこじんまりしたもの。
ともあれ、普通の香港人の生活を垣間見れたのはラッキーです。

ここで習ったのは、
蓮の葉で包んだチキンとクコの実の蒸し物とギョーザ。
そう、2年前にソウルでも作りましたが、
本場で是非習ってみたかったのです。

具は意外とシンプル。
豚の挽肉とコリアンダー、セロリのみじん切り、
そして塩、砂糖、紹興酒、ごま油のみ。
日本では欠かせないニンニクやニラは使いません。

ここまではともかく、僕たちの興味は包み方。
ここでは楕円型の皮を使い、帽子型の包み方をしました。

「ねぇ、ジョイス。僕たちは色々な国のギョーザを紹介しているんだけど、
 包み方は国によって微妙なルールがあると思うんです。
 これには何か理由があるのですか?」
「そうよ。ギョーザはもともと正月のお祝いに食べていたの。
 でね、この形は当時使われていたおカネを現しているのよ」
「いわゆる縁起ものなんですね」
「ええ、お金が溜まったり、商売が繁盛するようにね」

なるほど。
そう言えば、おカネの発祥も中国だったな。
大英博物館で見たけれど、一番古いのは貝で作られたものだったっけ。
やっぱり現地で話を聞くと、思わぬ情報が得られるものです。

さて、残り時間は僅か。
これから最後の食事で近くの飲茶屋に行き、昼には空港へ移動します。
予定通りなら成田に着くのは20時過ぎかな?

それでは次は東京から。

えーじ
posted by ととら at 11:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年12月01日

第4回研修旅行 その3

香港を訪れたのは12年振り。
今日は香港島の中環からサイインプンまでぶらぶらしていましたが、
やっぱり微妙に変わった感じがしますね。
欧米タイプの店が増え、
以前は「取り敢えず作ってみました」レベルのコンチネンタルフードが、
結構アップグレードした気がします。
特にパンや洋菓子が洗練された印象を受けましたね。

とは言っても、僕らがここでコンチを食べる意味はありません。
そこでちょっと早い昼食で入ったのは、昔ながらのワゴン式飲茶の老舗。
広い店内はローカルで満員盛況。
ワゴンは回る前にお客さんが取り囲んですぐ完売状態。
僕らも負けじと突撃してご馳走をゲットしました。
いや〜、ほんと美味しいですね。
8品食べてハズレなし。

お店の人はスマイルこそありませんが親切です。
大きな丸テーブルを8人くらいでシェアして食べるのですが、
言葉こそ分からなくても、この雑然とした雰囲気が面白い。
とにかくすごい喧噪で大きな声で話さないと聞こえない盛り上がり。
中国茶のサーブはドカン、がちゃがちゃっと急須や湯呑が置かれ、
お湯はじゃばじゃば注がれるは、勢い余って溢れるはで大騒動。

しかし、僕の対面にいた老夫婦は、新聞を広げ、
泰然とお茶を啜っていました。
それはまるでこの喧騒が、
いっさい目にも耳にも入らんと言わんばかりの落ち着きよう。
さすが仙人の国は違う。

食後に訪れた骨董品で知られるキャットストリートは、
店の数が減り、商品も美術館級からただのお土産品と言う二極化が進み、
少々勢いを失った様子。
以前はもっと怪しげな商品を扱う店が沢山あり、
泥棒市の面目躍如だったのですけどね。

とはいえ経済は活況だと思います。
住民一人当たりの収入でいえば日本を抜き、
シンガポールと並んでアジアの最上位をキープする香港。
しかし、そこには大きな格差という負の側面もあります。

2013年のワールドファクトブック(CIA)によれば、
データのある141ヵ国中、中国は27位。
(日本は平均以下の73位)
中でも香港は12位で、
世界でも所得の格差がずば抜けて大きくなっているのです。

僕は政治も経済も素人ですが、
この状況に以前から素朴な疑問を持っているのですよ。
だって中国は社会主義の国でしょう?
かつて誕生間もない資本主義が勢いづき、
溢れたワーキングプアに心を痛めて、
マルクスとエンゲルスが考えた社会主義。

だった筈ですよね?

だとしたら、社会主義国家内で収入格差があること自体、
自己矛盾なんじゃないかしらん?
政治はマルクス・レーニン型の一党独裁。
でも経済は市場経済型。
ベトナムも同じタイプなんだけど、何か変だ。

いや、ひとんちのことだから、
いちゃもんを付ける筋合いはないんですけどね。

中国の人、特に貧困層の人は、
この状況をどう考えているのかしらん?

えーじ
posted by ととら at 22:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月30日

第4回研修旅行 その2

マカオでのミッションは、
今年の2月に南アフリカのケープタウンで食べたペリペリチキンと、
ポルトガルがここに伝えたと言われるアフリカチキンの食べ比べ。
で、その結果は?

全然違いました。

ケープタウンバージョンは、
レモンなどの柑橘系の果汁とガーリック、
トウガラシなどがベースのペーストでマリネしたチキンのグリルでした。
ところがマカオではグリルしたチキンに豆板醤風味のトマトソースや、
エビチリ風のソースがどばっとかかっているもの。
これはこれでまぁ美味しかったですが、
はっきり言って別物です。

ん〜・・・何故だろう?

ポルトガルを源流とするマカオ版の『洋食』も面白かったです。
例えばポルトガルチキン。
どんな料理かと思いきや、
出て来たのは土鍋に入ったマイルドなフツーのチキンカレー!
茹で卵とポテトがゴロっと入るのがお約束。

ん〜・・・何故だろう?

次がポルトガルライス。

これは何と、ただのチキンライス!
いやほんと、オムライスの中身のアレです。

ん〜・・・何故だろう?

この辺はもう一度行って掘り下げてみたいですね。

ちょっとしたサプライズは昨日の晩。
何処で食べようかな〜、とぶらついていてふと目に入ったのは、
Halalの文字。

お? アラブ系のレストランかしらん?

と思って近付くと、ウイグル族の料理店じゃないですか。
しかも表のメニューに一番大きく書かれているのは、
6月の取材で訪れたキルギスでも食べたダパンジ(Dapanji)!
これは無視できません。

マカオは往々にして料理の量が多いのですが、
ダパンジも日本サイズの2倍で登場。
肝心の味は・・・キルギスバージョンと近いですね。
花山椒とスターアニス、
そしてガーリックとショウガの織りなす独特なハーモニーは、
まさしく中国とは一線を引く中央アジアの香り。
ここでこのように再会するとは思っていませんでした。

さて、今日は再び高速艇で香港に移動。
僕たちは今、
香港島のサイインプンにある高層ホテルの25階の部屋にいます。
海側の部屋なので夜景が美しい・・・

とロマンティックに言いたいところですが、
人様を見下すような高い場所で生活したことがないので、
なんか落ち着きません。

僕らにはやっぱり、
せいぜい2階建て程度のゲストハウスがお似合いなのかも。

えーじ
posted by ととら at 21:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月29日

第4回研修旅行 その1

日本の皆さま、こんばんは!
僕たちは今、マカオにいます。
そちらとの時差は1時間。
これなら殆ど差とは言えませんね。
今日の天気は曇り。気温は18度。
東京の10月中旬程度の陽気で、とても過ごし易いです。
風に吹かれていると長袖のシャツだけでは肌寒いくらい。

昨日は飛行機に乗るまで、
寝過ごしたらアウト!の可能性が2回ありました。
一番気を付けていたのは朝4時半起きの出発。
次が成田エクスプレスの終点ではなく、
一つ手前の「空港第2ターミナル」で下車すること。
どちらも疲労と寝不足で寝過ごすのではないかと心配していたのですが
幸い「ヤバっ!」とはなりませんでした。

9時に成田空港を出発予定だったキャセイパシフィックCX509便は、
機内整備の関係で出発が遅れたのに加え、香港国際空港の着陸渋滞で、
到着したのは定刻を40分ほど遅れた14時過ぎ。
乗継の方は焦っていましたが、僕らは時間に縛られていなかったのでのんびり。
マカオ行きの高速艇が出るまで、ちょっと遅いランチをしていました。

マカオに着いたのは19時。
高速艇に乗っていた時、途中で見た海に落ちる夕焼けは美しかったなぁ・・・
こんな風景を楽しめたのは、ととら亭を開業する前、
2009年に中南米を3カ月間、旅していた時以来ではないかしらん?

マカオの入国はパスポートを提示するだけですんなり終了。
入国カードは要りません。税関は無きに等しい感じ。
半島の東側にある外港から西側のホテルまではタクシーで10分程度の距離です。

そうそう、旅の面白さは何回行っても「初めて」の体験が出来ること。
今回もすでに2つありました。

その1。

香港国際空港でトイレに入った時のこと。
僕が歯を磨いていると、
ふたつ隣の洗面台に体格のいい黒人のお兄さんが来ました。
彼は用をたして手を洗うのかと思いきや、
いきなりしゃがむと、おもむろにスニーカーとソックスを脱ぎ、
器用に足を洗面台に入れて、じゃぶじゃぶ洗い始めたではないですか!

今までトイレで髪を洗っていた人は何度か見かけましたが、
さすがに足は初めてです。
彼は片足が洗い終わると、
ペーパータオルでゴシゴシ拭いてソックスとスニーカーを履き、
次は反対の足に。
手慣れた段取りからして、よくやっているのかもしれません。
洗面台はそれなりの高さがあるのに、なかなか体の柔らかい人です。

さて、彼が立ち去った時、僕もトイレを出ようとしたら、
初老のおじさんが彼が使ったばかりの洗面台で、
本来の使い方をしようと顔を屈めていました。
おじさんに神のご加護を。

その2。

僕らがホテルにチェックインして5階の部屋まで行こうとした時、
コントロールパネルの5階のボタンを押してもエレベータは沈黙したまま。

故障してるのかしらん?

で、隣のエレベータに行っても状況は同じ。

・・・?
2基とも故障中? それはないよね?

はたと気付いたのは、
コントロールパネルに見慣れないものがあることです。

それはカードキーのスロット。
そしてその下には、

Please insert and remove card key.
Then push floor button.
(カードキーを挿入して抜き、それからフロアボタンを押して下さい)

ほ〜、こんなセキュリティもあるのか。
勉強になりました。

えーじ
posted by ととら at 19:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月28日

第4回研修旅行の準備 その3

今は日付が変わって24時40分。
ととら亭からアパートへ帰って来ました。

今日は雨にもかかわらず、
ランチ、ディナー共に沢山のお客さまにご来店頂き、
お蔭さまで殆どの料理が完売となりました。
それから「いってらっしゃい」の温かいお言葉が嬉しかったです。
本当にありがとうございます。

さて、これからシャワーを浴びてパッキング。
渡航先がマカオと香港なので装備はかなり少な目です。
ささっと終わらせたらすぐ仮眠。
この前と同じく、成田エクスプレスの始発に乗る為、
4時半に起きて5時11分に野方を出発しなければならないのです。
寝過ごしたら一大事!

それでは次のお話はマカオから。

えーじ
posted by ととら at 02:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月27日

巨星が去り

男って生き物は単純なもので、
根はいい奴でも、
カネ、権力、女の何れかで身を持ち崩すというのは、
洋の東西、昨今を問わず、枚挙に暇がありません。

しかも、その強力な魅力を持つ3つが全て揃う国家の権力者ともなると、
引退するまで、まっとうでいるのは至難の業。

悲惨な最期を遂げたカダフィ大佐やフセイン大統領のみならず、
スターリンにポルポト、チャウシェスクだって、
最初は大志を抱き、人望も厚く、
虐げられた人々の為に戦ったナイスガイだったのでしょう。

ところが末路はあの通り。

しかし、いつの世にも例外はあるものです。

それはキューバのフィデル・カストロ。

勿論、彼とて完全無欠のスーパーヒーローという訳ではありませんが、
90歳で亡くなるまで、バチスタ政権と戦った頃の、
いや、護身用の拳銃を忍ばせて大学に通っていた頃のスピリッツを、
失くさずに持ち続けた、稀有な男だと、僕は思っています。

彼の伝記を手にすれば、
眉唾で読んでも、そんじょそこらの指導者には及びもつかない、
とてつもない人間を感じることが出来でしょう。

革命家としての栄光と政治家としての挫折。

お疲れさまでした。
今頃は久し振りにチェとハバナクラブの7年物を傾け、
懐かしい話をしていることでしょう。

Adios Fidel me Héroe! Hasta la vista!

えーじ
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2016年11月26日

第4回研修旅行の準備 その2

僕が海外旅行に出始めた頃に比べ、
各国の旅行産業は大きく変わったと思います。
今回の渡航地、香港とマカオもそう。
初めて訪れたのは香港が返還前の1994年のこと。
まだ空港も着陸難易度が飛び抜けて高かった啓徳空港でした。

香港に行くならパックツアーに参加するのが基本の時代。
レートがイマイチの両替屋はまだしも、
買い物に興味のない人には免税店巡りは興醒めだと思いますが、
その分、安いコストでいいグレードのホテルに泊れたりしました。

ところが自由度を優先して個人旅行をするとなると、
航空券はまだしも、ホテル代がとにかく高い!
ロンドンやニューヨークほどとは言いませんが、
バンコクやカルカッタ、カトマンドゥなど、
バックパッカーが集う都市の相場で比較するならやっぱり腰が引けたものです。
勿論ローカル相手の入り組んだ雑居ビルにある旅社なら安く上げられますが、
火災などで脱出することを考えれば、選択肢に入れるのは難しいでしょう。

そこで今回もその折衷案で、スケルトンツアーに参加しようかしらん?
と思いました。

しかし、お世話になっている旅行代理店さんの回答は、
「取扱いがございません」

仕方ない。
じゃ、ある程度のコストアップは目をつぶるとして、
いつものように自分でブッキングするか・・・

で、驚いたのは、booking.com のようなホテル予約サイトを見ると、
立地のいい手頃なホテルがマカオ、香港共に結構あるじゃないですか!
へぇ〜・・・変わったもんだな。

2カ月くらい早めに押さえれば、
マカオでならセナド広場まで400メートルの場所にある、
バストイレ付きのダブルルームが1泊約6,000円、
香港はマカオ行きフェリーターミナルにほど近い、
上環の同グレードのホテルで約1泊約7,700円。
この程度なら僕らの乏しい懐事情でも予算内です。

香港を訪れるのは何と12年振り。
旅行産業だけではなく、街はどんな風に変わったでしょうね?
以前は何かと胡散臭い場所がありましたが、
バンコクなどの変わりようを思うと、
「健全」になったんじゃないかな?

はてさて。

えーじ
posted by ととら at 15:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月24日

困った「休憩」時間

一昨日の定休日は、
新宿の花園神社でやっている酉の市に行って来ました。
熊手を新調すると、ああ今年も冬の入り口だな・・・
という気持ちになります。

しかし今日は入り口どころか真っ只中!
雪まで降ったじゃありませんか。

積もらなかったのは幸いでしたが、
今からこんなじゃ先が思いやられます。
今年の冬はどうなるんだろう?

温暖化ガスを撒き散らしまくっているお蔭で気象が過激化し、
夏は気温が体温を超え、冬はこんな時期から震え上がる。

マクロな話からいきなりミクロな話題で恐縮ですが、
そこで問題になるのが老朽化の進むととら亭のエアコン。

寒さが厳しくなると、室外機が霜取り運転に入り、
1時間中、10分は「お休み」してしまいます。

外が寒ければ寒いほど頻繁に「お休み」しちゃう。
で、「今日は結構温かいね〜」な日は、
休みも取らず、必要以上に効いてくる。

おいおい、それじゃ逆だよ!
と言ってみてもエアコン君には馬耳東風。

最新型では改善されているのかしらん?
いや、その前に予算が問題だ。

取り敢えず2台のエアコンが動いているので、
2台同時に「お休み」されなければ、
今のところ何とかなっています。

でも、たまぁ〜にあるんですよ。
「なんか寒いな・・・」と思っていたら、
2台揃ってお休みしている時が。

ん〜・・・鍋料理でも始めようかしらん?

えーじ
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2016年11月22日

人智か運か

速いですね。
外国の友人たちから既に「大丈夫か?」とメールが入り始めました。
『あの時』と同じです。

で、僕は「ありがとう、大丈夫だよ」とレスしましたが、
その後をどう続けていいものやら、
キーボードを打つ手が止まったまま。

これをあなたは個人的にどう考えています?

「ああ、これは経験から学んだ成果だ!」

それとも、

「あの時も今回も運に救われた。3回目はこうはいかないかも・・・」

・・・・・・・・・・

自分で考えて、自分の意見を持ち、自分で行動する。

そのチャンスが、いつまでもあるとは限りません。

小さなことでもいい。
今できることをやろう。

もし、僕たちが、そう思っているのなら。

えーじ
posted by ととら at 11:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月20日

愉快な誤変換

ととら亭ウェブサイトのアクセスログを見るのは、
僕の小さな楽しみです。

面白いことがあるのですよ。
特に、以前お話したことのある検索文字列。

例えば、

「ととら低」

この文字列で検索した方は、
当店の経営事情に精通しているのかもしれませんね。
税務署の方かな?

「ととら停」

これも鋭い!
多分、月曜日や木曜日の夜に、店の前を通りかかった人でしょう。
「停まって」いることがままあります。
明日の夜なんて、更に雨が降るそうだし・・・

傑作なのが、「ととら帝」!
かっこいいね!
手塚治虫の漫画に出てきそうだな。

それにしても感心したのは、
「旅の食堂」や「亭 野方」でも、ととら亭がヒットしていること。

そうか、野方でXXXX亭ってのは、うちだけかもしれない。

それから「旅の食堂」。
全国的に見ても、こんなバカなことをやってるのは、
僕たちだけなのでしょう。
同業者はまずマネしようなんて思いませんからね。

えーじ
posted by ととら at 17:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月18日

昨日と1996年の秋

昨日のランチでご予約のお問い合わせを頂いたお客さま、
すみませんでした。
営業スケジュールには載せておいたのですが、
僕はパシフィコ横浜国立大ホールで行われた、
ダライ・ラマ法皇の講演を聴講しに行っていたのです。

30分ほどの講演は、
幸福への鍵としての共感をテーマに、
かつて本で読んだ内容とあまり変わらないものでしたが、
その後の聴講者との質疑応答は興味深かったですね。

Yes or No 型の回答を求める質問者に、
その答えは自分で探すべきであり、
彼が教えられるのは、その方法でしかないという、
極めて仏教的な対応をしていたのが印象的でした。

また質問者は日本人だけではなく、
モンゴル人や韓国人の方もおり、
突然場内に流れた言葉に関係者が顔を見合わせ、
ダライ・ラマ法皇自ら、
「え? モンゴル語を喋っているのですか? 
 誰かモンゴル語を通訳できる方はいませんか?」

こうしたやり取りを聴いていると、
言葉や文化が違っても、人間の悩みと言うのは同じなんだなぁ・・・
とつくづく思います。

敵を作り、壁を作り、敵愾心を煽ることで、
批判の矛先をかわしながら集団をまとめるという手法は、
大は国から小は小学校や幼稚園まで、
広い範囲で採用されているポピュラーなものですが、
「あいつらは俺たちと違う」という考え方は、
事実の表面を一方からみたものでしかありません。
より深い所まで降りて立体的に捉えることが出来れば、
そこにあまり違いはないのではないか?

これは宗教的な発想ではなく、
僕にとっても旅の中で教えられたものです。
とどのつまり地球人なんですよ、みんな。
あなたと僕との間にある違い以上のものが、
地球の裏側にだけある訳じゃない。

また彼の独特なユーモアを垣間見れた時もありました。

司会者が写真撮影をしないよう英語で注意したところ、
「写真くらいいいでしょう? カメラは危険物ではありませんから」
と応じたのは彼らしいところ。
すると同時に場内から、
写真アプリの音が鳴り響き始めたのには苦笑していましたが。

僕が思い出すのは1996年の秋。
チベット仏教と出会ったのは、カトマンドゥの書店でした。
そこの柱に貼ってあった一枚のステッカー。

Chinese army go home!

なんだろ? これ?

そして手にした中古のチベット仏教についての本。
帰りに寄ったカフェで、
チャイを啜りながら読んだ時のことを今でも覚えています。

僕がまだロン毛のお兄ちゃんだった頃のことでございます。

えーじ
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2016年11月16日

ボジョレー・ヌーボー…ではなくて!

この時期になるとしばしば訊かれる解禁日。
今年もフランスの新酒の季節がやって参りました。

ととら亭でも2010年のオープン以来、
何回かは面白そうなネゴシエーターのものをご紹介していましたが、
やはりライトなガメイ種のワイン。
旅の料理にはもうちょっと腰の太いワインが欲しい・・・
で、今年は趣向をガラッと変えて、

グラスもOK売り切れ御免!のポルトガルワイン特集!

でどうだ!?

昨今のワインの大御所と言えば、フランス、スペイン、イタリア・・・
それもまぁいいのですが、
ワインを作っている国は思いの外たくさんあります。

ととら亭は旅の食堂ですから、
チュニジア、アゼルバイジャン、クロアチアなど、
ちょっと珍しい国の逸品を揃えてお待ちしております。

えーじ
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2016年11月13日

錆びた民主主義

選挙権が18歳まで広げられ、
初めて行われた国政選挙が今年の7月11日。
若者たちは、どんな考えを持って投票所へ行ったのでしょうね。

野方の中でととら亭はお客さまの平均年齢が高めですから、
18歳から20歳の人と話をする機会は残念ながら殆どありません。
その所為か、僕はこの話を聞いた時、
若者たちが事前に何を教えられたのか、
とても興味がありました。

寡黙にして僕はその具体的な内容を知りませんが、
少なくとも、
この国が採用している「民主主義」という仕組みの概略は教わったのでしょう。
今や世界のデファクトスタンダードでもありますからね。

しかし、僕にはずっと前から引っかかっていたことがあるのですよ。

それは民主主義の美しさ。

特に戦中の帝国主義と相対化されて語られる時に帯びる民主主義の輝きは、
一種、熱狂的な眩しさすら感じることがあります。

確かに、封建時代から参政権が一般化する戦後まで続いた茨の道を振り返れば、
それも無理からぬことかもしれません。
独裁者や一部の組織に牛耳られた、
息の詰まる社会が未だ存在している現状を鑑みても、
(しかもすぐ近くに)
やっぱり我々の選択は間違っていなかった!
と安堵する材料には事欠かないでしょう。

と分かっていても、どうした訳か、僕はそれを手放しで喜べない。

むしろ、何か言いしれない不気味なものを感じる時があります。

若者が持つ夢と希望に水を差すのはオヤジの悪趣味ですが、
民主主義と言うのは、とどのつまり「みんなのことはみんなで決める」仕組みです。
それ以上でも以下でもない。

そして人間が作ったものから、
不完全性を全て取り除くことは出来ないという原則通り、
(作った本人が完全に不完全なのですから)
作られたものもまた完全なものではありません。
民主主義なるイズムもまた例外ではないでしょう。

たとえば議決する時や選挙の投票日。
選ぶ人たちの前に並べられているのは無限の選択肢ではなく、
ととら亭のランチ並みに少ないメニューから選ぶしかないことは珍しくありません。
しかもその中に必ず食べたい料理があるとも限らない。
選挙の場合はそれでも選ぶしかない。

もうひとつ誤解しちゃまずいのは、
民主主義は満場一致を前提としているのではないこと。
基本的に過半数を超えた人々の意見を採用するのであって、
少数派の意見は原理的に通りません。
一握りの人々の意見がまかり通ったら封建主義に逆戻りでしょう?

この点は日本で生まれて日本に住んでいる、
日本人にはピンと来ないかもしれませんが、
民主主義の多民族国家で少数民族の家に生まれた場合はシビアな問題です。
字義通りに多数決で決められたら、
自分たちの意見が多数派と違っていた場合、通る可能性はゼロなのですから。
キツイですよ、これは。

ここが民主主義のビミョ〜な点のひとつ。

そして何より僕が一番違和感を感じているのは、
民主主義への期待感です。

この仕組みには、みんなで選んだものが、
封建主義的な選択より正しいと保証する機能は実装されていません。
つまり、選択後に必ずやって来る幸福はサポートされていないのです。

でしょ?

もしそんな夢みたいな機能を民主主義が持っているのであれば、
過去10年を遡っただけでも、国内外でゴロゴロ出て来た、
とんでもないリーダーたちを、どう説明します?

近所を見たって某都知事「たち」は、
イカサマやクーデターで知事の椅子に座った訳ではありません。
どなたも公正な民主的選挙を通じて選ばれた方たちなのです。
(東京都民の皆さま! 僕たちが彼らを選んだのですよ!)

で、来年の1月20日にはトランプさんが、
世界で最も権力のある椅子に座れるようになりました。
ちゃんちゃん。

如何です? 民主主義。

良くも悪くも、こうした限界があるのです。

ともあれ若人諸君。
すべてのバグに手が付けられない訳ではないと僕は思っています。
拙い脳みそからひねくり出したそのフィクス方法は・・・

1.候補者の公約や政党のマニフェストだけではなく、
  過去少なくとも5年は遡って、彼、彼女の行動を確認する。
  口では何とでも言えますが、行動で嘘をつくことはなかなか難しい。
  ましてや5年も遡れば、かなりの精度でその候補者や政党の本質が分かります。

2.公約やマニフェストを自分の利益と言う秤だけで測るのではなく、
  より大きな、組織や社会、国と言うフレームに当てはめて評価する。
  絞った票田の利益を高らかに鼓舞するのはポピュリストの常套手段でしょう。
  外国の商売敵の製品に高い関税をかけてくれるから、
  コケても不安のない補助金をくれるから、
  大学のOBだから、同郷人だから、知人に頼まれたから、ルックスがいいから、
  こう言う理由で選ぶのはやめましょう。
  結局、小さな利益と引き換えに大きな不幸がやって来ます。

3.選挙に行く。これに尽きます。
  行かなきゃダメです。始まらない。

ま、大した効果はないかもしれませんが、
少なくともこの程度でもやれれば、
この国で『日本のトランプさん』が権力の座に就くようなことは避けられる・・・

と思いたい。

えーじ
posted by ととら at 21:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月11日

夢と理想の国で

一昨日以来、
トランプ大統領誕生の話でそこかしこが盛り上がっていますね。

かくいう僕も開票速報を断続的に見ていて、
数字の下馬評とは異なる動きに「ん?」となり、
トランプ票が過半数を超えた時には「マ、マジですか〜?」となった一人です。

どうなっちゃうんですかね、アメリカ。

ともあれ、よその国のこととはいえ、
今回のアメリカ大統領選挙は色々なことを考えるきっかけになりました。

その筆頭は候補者の討論会から、選挙結果が出た今日までの間で、
民主主義を否定るする動きが出ていることです。
世論調査の数字に異議を唱えた挙句、
それを選挙の正当性にまでエスカレートさせたトランプさん。
ところが逆転した結果が出ると、今度は全米規模で起こっている抗議デモ。

これが専制政治からの移行期にある国であればいざしらず、
世界に名だたる「自由と民主主義の国」で起こっているのは、
何とも示唆的なことだと思いませんか?

それから世界が地滑り的に移行しつつある、
保護主義と言うグローバリズム。
矛盾した表現になりますけど、
僕にはこれがぴったりな気がするのですよ。

イギリスがEU離脱を表明し、
低迷する経済のみならず難民問題で揺れる欧州各国。
第二次世界大戦の惨禍から学んだ教訓で、
「みんなでやって行こう!」と始めたEUの理念は確かに美しかった!

でも、異なる環境と状況に置かれ、
思考方法や価値観が異なる各国、各民族が一緒に何かをやろうとした場合、
それはどうしても最小公倍数的な内容にならざるを得ません。
違いが大きければ大きいほど、やれることも小さくなっちゃう。

で、結局、
走り始めてみたものの、ぐるっと回って元通りになってしまうのか?

今回はアメリカがそれに同調する流れを選びました。
とどのつまり、アダム・スミスの言う「神の見えざる手」にもう一回任せましょうよ!
てなオチなんでしょうかね?

反して同じ経済学のタームで「合成の誤謬」ってのがあります。
「個々の最適化が必ずしも最適な全体を実現するわけではない」っていうあれです。
これ、マクロな話じゃイメージし難いかもしれませんが、
組織で横断的なプロジェクトに参加したことのある人なら覚えがあるでしょう。

それぞれの部署がそれぞれの部署の都合で勝手なことを言って来る。
しかし、それを全部実現したら会社の利益になるどころか、
下手すると不利益になりかねない。
よくある話です。

そしてトランプさんの言う「アメリカンドリーム」。
これって何だろう?
みんながみんな第2のビル・ゲイツさんになるってことかな?

でもね、
世銀がまとめた2012年のデータを見ると、
アメリカにおける国民一人当たりの平均所得は114ヵ国中6位で384,083円/月。
日本は17位で316,058円/月。その差は月額67,980円。

所得の格差を現すジニ係数は、
ワールドファクトブック(CIA)の2013年のデータを見ると、
141ヵ国中アメリカは45%で41位。(順位が高ければそれだけ格差が大きい)
日本はもうちょいと格差が少なく、世界平均以下の37.9%で73位。

更に、一人当たりのエネルギー消費量が世界で最も大きいのはカナダですが、
2位のアメリカは人口がカナダを上回っているので、
国としては実質的に世界の消費量の1/4を占めている。

まぁ、統計を鵜呑みにするのは非常にリスキーだとはいえ、
少なくともこうした数字を俯瞰しなくても、
体感的に、アメリカ人がプアーでサハラ以南のアフリカ諸国だけではなく、
日本の方がリッチだと考えている人はあまりいないでしょう。

にもかかわらず、何が不満で、どうなりたいのか?

かつて眩しく輝いていたアメリカンドリームを可能にする社会が、
何を約束し、とどのつまり何を実現したのか、
僕はそれを考えずにはいられませんでした。

そう、このいま目の前にある現実を認めることが、アメリカだけではなく、
世界の所得平均を上回る国の人々に求められているのではないか?

そんな気がしたのですよ。

えーじ
posted by ととら at 16:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月01日

第4回研修旅行の準備 その1

先日取材旅行のお話をしたばかりですが、
順番が逆になってしまいました。
今月末の28日(月)から翌12月3日(土)まで、
研修でマカオと香港に行って来ます。

 →11月と12月の営業スケジュール

今年は2月と6月の取材がハードな場所だったので、
最後は楽をさせて頂こうと近場にしたのです。
香港は12年振り。マカオは初めてです。

研修は香港で受けることにしました。
今回のテーマは点心の包み方。
世界のギョーザを追いかけるととら亭としては、
その包み方のバリエーションにも精通していなければなりません。
そこで最も多様なギョーザの包み方がある中国で学ぼう! という訳です。

もう一つのマカオではちょいと休暇・・・ではありません。
これも取材です。

今年の2月に訪れた南アフリカのケープタウン。
大航海時代には列強の中継地としてイギリス、オランダ、
スペインの船が寄港していましたが、
その中にはマカオを占領していたポルトガルも含まれていました。
彼らは東洋から様々な商品をヨーロッパに持ち帰りつつ、
逆の働きもしていたのです。

その中のひとつがケープタウンで出会ったぺリぺリチキン。
中米のトウガラシがアフリカに伝わり、
柑橘系のフルーツ、ガーリックと結び付いて生まれた、
フルーティでピリッと辛いチキン料理。
これがマカオに伝わり、
その名もずばり、アフリカチキンとなって根付いたのです。
前情報によれば、ココナッツミルクや醤油など、
アジア系の調味料も加わり、オリジナルとは大分変化した様子。
この食べ比べは楽しみです。

もうひとつの調査対象がポルトガルチキン。
これもマカオ名物らしいのですが、
おそらくポルトガルには存在しない料理だと思います。

こうした例はよくあるもので、
日本では洋食のひとつに数えられているトルコライスもそう。
ドライカレーや炒めピラフにトンカツを乗せ、
デミグラスソースをかけた面妖なしろもの。
この料理の語源には諸説ありますが、
トンカツが乗っていること自体、トルコ起源とは考えにくいでしょう。
少なくとも僕はトルコでトルコライスやそれに似た料理に、
お目にかかったことはありません。

それからデニッシュ(デンマークのパン)。
日本ではバターたっぷりでリッチな菓子パンの代名詞のようになっていますが、
デンマークにデニッシュはありません。
いや、ものとしては存在していますが、
デンマーク人はそれをヴィーナーブロート(ウィーンのパン)と呼んでいるのです。
そのココロは、ウィーンから呼んだパン職人が作ったのが始まりだからとか。
(オーストリアではデニッシュと呼ばれていますが)

実はこうした例は枚挙に暇がないのですけど、
今日の本題からはそれるのでこれくらいにして、
ポルトガルチキンですよ。
どうもチキンをカレー風味のココナッツミルクで煮込んだ物のよう。
どんな味なのでしょうね?

航空券と宿は手配済です。
先日お話したバルカン半島の取材と同じく、これもかなりの低予算。
飛行機はキャセイパシフィックさんのお世話になることになりました。
キャセイさんはエコノミーでも中華の機内食が美味しいので楽しみです。
それでいて昨今の原油安に助けられて、二人で往復62,120円也!
ホテルはアジアでも有数の相場の高い地域とはいえ、
地の利のいいところでダブルルームを探し、
マカオが一泊約日本円で5,500円、同じく香港が7,000円です。

相変わらずセコイ僕たちの旅。
とまれ慣れた場所なので気分的にはとても楽です。
アジアはやっぱりいいですね。

えーじ
posted by ととら at 18:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年10月29日

食卓の幸福を決めるもの

飲食店で仕事をしていると、
働いている時だけではなく、オフや取材で外食していても、
店内の様子に目が向いてきます。

ひとりで食事をしている人、
二人で飲んでいる人たち、
家族でテーブルを囲んでいる人たち・・・

そこで暫く前から気付いていていたのが、
僕たちにとって大切なのは、
『何を食べるのか』より、
むしろ『どう食べるのか』なのだ、ということ。

僕はふと、古い友人のことを思い出しました。
小学生と幼稚園に通う子供を持つ夫婦は、
けして裕福な家庭ではありませんでした。

そんな彼らの楽しみは、給料日のあと、
家族そろって行くマックでの食事。

僕には彼らの楽しそうな食事風景が目に浮かびました。

またある時は、
ちょっと値の張るレストランでのディナーで。

僕たちの隣には初老のご夫婦がいらっしゃいました。
お二人が熱く語っていたのは、訪れたことのある他のレストランの評価。

僕たちも名を知る有名店が、ばっさばっさと切り刻まれて行きます。
当然、今いるレストランも厳しい点数が。
やがてご主人は食事がまだ終わる前から、
スマートフォンでグルメサイトを検索し、次に行く店を探し始めました。

僕には彼らが次に訪れるレストランで、
ここと同じように批評しながら食べる姿が目に浮かびました。

食事や酒の味、いや、それにまつわる僕たちの幸福とは、
とどのつまり、料理や店の雰囲気、コストや食べる人の経験ではなく、
僕たち自身の生き方によって決まるのではないか?

毎日、多くの食事風景を目にしていて、
僕はそんなことを考えていたのです。

えーじ
posted by ととら at 14:53| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記