2023年03月03日

The best day of our life.

世にさまざまな記念日がありますけど、
僕らにとって最高の日は3月3日。

雇われの身から独立した日であり、
ととら亭の開業日でもあります。

あれから13年が経ちました。

楽しかったこと、悲しかったこと、
いろんなことがありました。

そんな移ろいゆく社会の中で、
進むべき方向を見失うこともありますが、
どんなときも僕たちが立ち戻るのは、この日なのです。

そこには僕らの夢と希望がありますから。

この日を信じて進み。
この日があったからこそ今日まで旅を続けてこられた。

The best day of our life.

いつまでも忘れることはないでしょう。

daruma2023.jpg

ともこ & えーじ
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2023年03月01日

13年目のこだわり

明後日の独立記念日から、
2年ぶりにチレス・エン・ノガーダが始まります
(去年はととら亭が移転建築中だったので)

そこで、いきなり困ったのがピーマン。

重要な素材であるチレ・ポブラーノをシミュレートする、
大きめのピーマンを探していたのですが
何処をどう探してもSサイズしかないのですよ。

2009年に僕らがメキシコのプエブラで食べたのは、
日本の標準的なピーマンのほぼ倍はありましたから、
この雰囲気を再現するためにも特大を探さなければなりません。

nogadaorijinal.jpg
これがオリジナル

また、大きければいいというわけでもなく、
パプリカのように肉厚でもダメ。
火の通りが悪くなってしまいますからね。

そこでこの難題を相談したのが近所の八百屋の八百勝さん。
担当のヒロくん曰く、

「え〜! そんなに大きいのですか?
 困ったな・・・
 今季は例年になく小さいものしか出回ってないんですよ。
 でも太田市場ならあるかも・・・」

そうしていろいろな伝手に連絡して、
ようやく見つけてくれたのが茨城県行方(なめがた)産のこれ。

nogadapeman.jpg

どうです、この大きさ!
しかも肉厚過ぎず、チレ・ポブラーノそっくり。

料理というのは技術もさることながら、
素材がなければどうにもなりませんからね。
とりわけオリジナルの再現を目指すととら亭としては、
味だけではなく、見栄えも重要な要素。

今回はこれまでになく、
オリジナルに近いチレス・エン・ノガーダが作れそうです。
乞うご期待!

えーじ
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2023年02月27日

僕らの野望

「えーじさんの野望って何ですか?」

先日、こんなご質問を頂きました。

ん〜・・・野望ねぇ・・・

やっぱり、ミシュランの星を取って銀座に移転し、
ニューヨークやパリに支店を出す・・・

なんてないし。

ぱっと思い浮かんだのは、
夫婦そろって旅を続けること・・・かな?

え? 地味すぎる?

でも、旅が地球規模になると、
けっこう大きな話になってくるのですよ。

たとえば僕らが行った国の数は現在70数カ国ですが、
この数字だけでも国連加盟国の1/3程度しかありません。
さらにアメリカやロシアなど面積の広い国になると、
たかだかニューヨークやサンクトペテルブルクに1週間いたくらいで、
「知ってます」とはとても言えないでしょう?

そうなると、
「僕らは世界中を旅してきました!」と胸を張るには、
少なくとも3回くらい生まれ変わって続けていなければ、
無理だということが分かります。

地球は Google Earth で見るよりずっと大きい。

そして旅は大容量のシステムと、
高速化されたネットワークで構成された情報の堆積ではなく、
五感を通して感じる経験に他なりません。
だからその場に行くしかない。

というわけで、
「どれだけ遠くまで行けるか?」が、僕らの野望なのでございます。

えーじ
posted by ととら at 09:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2023年02月25日

ローテク社会からのメッセージ

取材をしていて、
ときおり料理以外のものに感銘を受けることがあります。
たとえば先日のバリ島でパダン料理店に入ったときのこと。
店内を見回していて、ふと思わぬメッセージが目に入りました。

goodmessage.jpg

字が小さいので抜粋したのがこれ。

Forreign visitors and domestic guest
If you are satisfied tell your friends
If you are not satisfied
let our employes know
thank you for your patronage
Happy travel and see you again.

意訳しますと、

外国から訪れた方と国内のお客さまへ
もしあなたが(当店に)満足したのであれば、あなたのお友だちに伝えて下さい
(そして)もし満足しなかったならば、(それを)従業員に知らせて下さい
ご愛顧をありがとうございます
楽しいご旅行を、そして、また会いましょう。

ん〜・・・飲食店のスタッフとお客の間に限らず、
人間関係たるもの、かくあるべし。

ハイテクが生み出した闇の中で、
匿名の罵詈雑言が飛び交う昨今、
ローテクの社会からこんなメッセージが発せられるとは。

そうなんだよね。

おいしいパダン料理を頬張りながら、
僕はそんなことを考えていました。

えーじ
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2023年02月21日

寅さんと僕

木賃宿(きちんやど)って知ってます?

昨今は簡易宿泊所と名を変えましたが、
そういうと寿町や山谷のドヤを想像してしまうかもしれません。
ドヤは長期滞在型、木賃宿は一時型なので、
用途がちょっと違うんですよね。

かといって安宿といえば、
バックパッカーズの和訳になりつつあるようなので、
僕は敢えて古語のまま、木賃宿と呼んでいます。

さて、この宿、どういうところかと申しますと、
簡単にいえば、一般的に相部屋で安く泊まれる宿のこと。
たいてい襖で仕切られた大部屋に雑魚寝するシステムで、
宿泊客は観光旅行者ではなく、ほとんど行商人ですね。
(山頭火の旅日記にもよく出てきます)
僕は旅費を行商で稼いでいたわけではありませんが、
手軽さと懐事情から、しばしば木賃宿に泊まっていました。

さて、街から街を渡り歩く行商人といえば、
柴又のシンボル、寅さんもそのひとり。
もちろん彼は架空の人物ですが、
もし実際に存在していたら、
どこかで会った可能性もあるのではないか?
そんな風に思うことがあります。

寅さんの生年月日は一説によると昭和15年11月29日。
ということは、僕の23歳上。

「ほい、ちょっくら御免なさいよ。
 荷物をここに置かせてもらいますからね・・・
 お、こいつは驚いた!
 髪が長いから女とばかり思っていたら、
 あんた、男じゃねぇか!」
「え? ああ、ずいぶん切ってないもんで」
「最近はそういうのがファッションってのかい?」
「いえ、おカネを節約しているだけです」
「なんだ散髪代もないのか、しけたやつだね〜。
 で、お兄ちゃん、ここで何をしてるんだ?」
「仕事を辞めて、オートバイで旅をしています。
 おじさんは?」
「俺かい? 俺はまっとうに働いているよ」
「じゃ、出張ですか?」
「シュッチョウ? あ、ああ、びじねすまんってやつだからな。
 全国を飛び回って、いろいろ忙しいんだ」
「格好いいですね。本社は東京?」
「おお、葛飾区の柴又だ。帝釈天って知ってるか?
 その参道でダンゴ屋や印刷会社なんかを手広くやってる。
 ま、仕事は叔父夫婦と妹に任せてるがな」
「実業家ですか、チェーン展開してるなんてすごいですね。
 僕は無職なんで、帰ったらまた仕事を探さなくちゃ。
 柴又はまだ行ったことがありません」
「おめぇ、名前は?」
「久保えーじです」
「俺の姓は車、名は寅次郎ってんだ。
 仕事に困ったらいつでも柴又のホンシャに来な」
「本当ですか?」
「ああ、お前は筋が良さそうだから、
 海外支店の総支配人なんてどうだ?」
「ありがとうございます!」

そして数週間が流れ・・・

「御免ください」
「はい、おひとりさん?」
「あ、いえ、仕事で来ました。
 車社長はいらっしゃいますでしょうか?」
「え? 仕事? ちょ、ちょっとお待ちください」

「ねぇ、あんた!
 髪の長いスーツを着た人が来て車社長に会いたいって」
「はぁ? 車社長? また寅のやつがなんかやったんじゃ・・・
 さくら! 寅はまだ寝てんのか?」

「ちょっと!お兄ちゃん!起きてよ!」
「うるせぇな・・・なんだよ。
 俺は遅くまで仕事していて疲れてんだ」
「仕事って、御前様のとこで飲んでただけでしょ!
 若い人がお兄ちゃんを訪ねてきてるのよ」
「若い人? 女?」
「違うわよ。髪の長いスーツを着た男の人」
「知らねぇなぁ・・・留守って言ってくれ」
「ダメよ。下で待たせてるんだから」
「ったく、人気者はつらいよ。
 ゆっくり寝かしてももらえねぇとは」
 
「あ、こんにちは!えーじです!
 仕事をしに来ました。
 外国は得意なんで、いつでも出張できます」
「え? あんた、誰?」
「誰って、ほら、宿毛の木賃宿で一緒だったえーじですよ!
 ダンゴ屋の海外支店を展開するって言ってたじゃないですか」
「海外支店? 寅、おめぇ、そんなことを言ったのか?」

「あ! 思い出した! 長髪のオートバイ野郎か!」
「はい!」
「バカだね〜、本当に来やがった」
「お兄ちゃん、どういうこと?」
「ちっ、しょうがねぇなぁ・・・
 おいちゃん、今日からこいつを頼むよ」
「お、おい! 頼むって、うちには他人を雇う余裕なんか・・・」
「そんな冷てぇこというなって!
 この頭を見てよ、ほら!
 散髪代もないやつを黙って帰すわけにもいかないだろ?
 どうせ帰りの電車賃もないんだろうし。
 んじゃ、とりあえず店の前の掃除でもしてもらうか。
 おっと、前だけじゃだめだ、向こう三軒両隣も忘れちゃいけねぇよ。
 世のなか付き合いってのが大切だからな。
 おう、さくら、箒とチリトリ!」
「そ、掃除・・・ですか? あの〜、海外出張の件は・・・」
「ったく、これだからせっかちな若者は困るんだ。
 千里の道も一歩からって言うだろ?」
「はぁ・・・」

と、こんなことになっていたかも・・・

えーじ

P.S.
ちなみにととら亭の由来は寅さんではなく、こちら
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2023年02月17日

思わぬところに

ある日、ともこがお店の前で掃除をしていると・・・

「あれ? ここにこんな店があったっけ?」
「こんにちは」
「ととら亭・・・確かこの名前は・・・
 あの、野方に同じ店がありません?」
「ええ、同じお店ですよ」
「やっぱり! あっちはどうしてるんですか?」
「もうありません」
「えっ!?」
「去年の7月に移転したんですよ。
 閉店したのは一昨年の11月末ですけど」
「なんと!
 それじゃこれからここまで来なくちゃいけないのか!」

思わぬところへ西武新宿線沿い在住の方が、
そしてまた、思わぬところにととら亭が。

旅の出会いというのは、そういうものかもしれません。

えーじ
posted by ととら at 09:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年02月13日

ととら亭 完全再起動完了!

長いトンネルをついに抜けました。
移転が終わり、旅に戻って完全再起動完了です。
それもかつてのととら亭ではなく、
新しいととら亭として。

野方時代、ゼロから作り上げたスタイルが完成したとき、
それはある意味で、
そのスタイルの限界が見えた瞬間でもありました。

それを乗り越えるにはどうしたらいいか?

その答えが柴又のととら亭だったのです。
これが実に困難なプロセスでしたから、
ウブドの風に吹かれたときは、
新店舗の完成を超える感動でした。

鳥は空へ、魚は水へ、そして旅人は旅へ、
それが自然な姿です。
僕らもまた、本来の自分に戻りました。

地図もガイドもなく、
手探りで進む旅はサプライズの連続でしたが、
振り返り見て、
ようやく「ああ、このルートで間違ってなかったんだ・・・」と、
ひと心地ついたところです。

ここからまた、
新しい旅の一歩を踏み出したいと思います。

えーじ
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2023年02月08日

第19回取材旅行 その8 最終回

「そんなことまで調べるんですか?」

取材や料理の説明が宗教の話にまで及ぶと、
多くの方が意外に思うようですね。

しかし、食文化は多かれ少なかれ宗教と結びついており、
その関係を無視して個々の料理を理解することは、まずできません。

今回、僕たちが訪れたバリ島はその典型的な例のひとつ。
インドネシアはムスリム人口が世界最大の国として知られていますが、
それはクリスチャンや中華系を除くと、
基本的にお酒とブタ肉料理がNGであることを意味します。

ところがバリ島のマジョリティーはヒンドゥー教徒。
そこでインドネシアであるにもかかわらず、
例外的にお酒が飲めてブタ肉料理がポピュラーなのですよ。
(しかもおいしい!)
また、その反面、他の地域で食べられているウシ肉料理は、
少数のムスリムやクリスチャンの地域を除いて見かけません。

この視点からひも解いて行くと、先日お話したパダン料理とは別の意味で、
バリ料理のユニークさが楽しめるのではないかと思います。
それでは蘊蓄はここまでにして、具体的な料理を見て行きましょうか。

バリ島のワルン(ローカル食堂)に入って何を食べていいか分からないときは、
まずこれを注文してみましょう。

ubud_nasichample.JPG
ナシチャンプル

これは料理名が字義通りの説明になっていて、
ナシ(ご飯)+チャンプル(ごたまぜ)、
つまりいろいろなおかず添えのご飯のこと。
内容に決まりはなく、季節折々の料理や、
そのワルンの得意料理が何種類かご飯に添えられています。
ちょっとずつ味見してみたいときには打って付けのメニュー。
ちなみにお気付きと思いますが、
マレー(インドネシア)語の「チャンプル」は、
音、意味ともに沖縄のそれと同じで、
語源は前者ではないないかとの説が有力のようです。

ubud_sotoayam.JPG
ソトアヤム

これも和訳すると捻りのない名前で、
ソト(スープ)+アヤム(トリ)でチキンスープとなります。
しかし、その味わいは複雑かつディープ。
具だくさんでもあるので、これとご飯で一食にしてしまう人も。

ubud_nasigoren.JPG
ナシゴレン

全国的な定番料理で読者の方もご存知ではないでしょうか?
ナシ(ご飯)+ゴレン(炒める)ということで、インドネシア風チャーハンです。
味付けがインドネシア定番調味料のケチャップアシン(塩味醤油)か、
ケチャップマニス(甘口醤油)なので、本家の炒飯とは一味違います。
そういう意味ではクラッシュピーナッツと干しエビを添えないから、
タイ料理のカオパッツとも違うな。
またメキシコのサルサに似たソースのサンバルを添えると、
味が引き締まってさらにパンチが効いて来ます。
目玉焼きを乗せ、エビせんを添えるのがお約束。

ubud_miegoren.JPG
ミーゴレン

ナシゴレンと並んでポピュラーな料理。
ミー(麺)+ゴレン(炒める)ということで、インドネシア風焼きそばです。
味付けがナシゴレンと同じなので、日本のソース焼きそばとはまるで違います。
これもたいていエビせんが付いて来ます。

ubud_ayamgoren.JPG
アヤムゴレン

ここまで来ると名前からどんな料理かお分かりになるでしょう。
そう、アヤム(トリ)+ゴレン(炒める)でチキンソテー?
いや、惜しいですね。
ゴレンには揚げるの意もあり、フライドチキンのことです。
見かけはまさしく鶏のから揚げですが、日本のそれとはちと違い、
まずターメリックやレモングラスを入れたお湯でトリ肉を下茹でし、
それに衣を付けて揚げています。
調味料に直漬けする日本のそれより薄味で、竜田揚げに近いかな?
しかし、これもサンバルを添えるとまさしくインドネシアの味に。
ご飯もビールも進みます。

ubud_satelilit.JPG
サテリリ

バリ風チキン焼きつくね。
実はガドガドと並んで2016年にととら亭で紹介したことがある料理です。
日本のつくねとは大きく異なり、
カッファーライムの爽やかな香りが食欲をそそる一品。
ココナッツフレークが使われているところもインドネシアっぽいですね。
これはシーフードバージョンもあります。

ubud_kariayam.JPG
カリアヤム

もう説明は要らないでしょう。
さらっとしていてコクのあるココナッツ風味のインドネシア風チキンカレー。
タイのゲーンカリーとはナンプラーとパクチーの香りがない点で別物です。
この差は料理全体にも当てはまり、
タイ料理との似て異なるコントラストを醸し出しています。
では、バリ料理の香りの中心は何かというと、
カッファーライム(タイ名はバイマックル)ですね。
これがパクチーに変わって香りの中心となっています。

ubud_mahimahi.JPG
白身魚のサンバルマター添え

サンバルは家庭の数だけあるともいわれていますが、
大きく分けるとメジャーな幾つかにまとめられます。
生の野菜やハーブを使った非加熱のサンバルムラーはバリ島の定番で、
白身魚からチキンまで焼いた料理との相性は抜群。
また、この料理はしばしばココナッツミルクを使って炒めた、
青菜がお供になっており、この3つを一緒に食べると、とてもおいしいです。
ちなみに現地ではマヒマヒという魚がよく使われていました。
これはポリネシア一帯でシイラを指す言葉だそうな。

ubud_babigrin.JPG
バビグリン

ここでバリ島ならではの真打登場。
バビ(ブタ)+グリン(回転させる)の字義通り、豚の回転丸焼きです。
(画面中央の四角いのがパリパリのブタの皮)
食べ方は、肉をそぎ切りにして、野菜の和え物やサンバルを添えるのですが、
一見豪快でいて、混ぜると極めて繊細な味わいになります。
この微妙なバランスがバリ料理の神髄なのではないか、
と僕は頬張りながら考えていました。

ubud_desert.JPG
デザート

バリ島にはもち米とココナッツ、
パームシュガーを使ったさまざまなデザートがありますが、
ぜひトライして頂きたいのがココナッツのアイスクリームと、
フレッシュフルーツジュース。
取り立ててインドネシア限定ではないものの、
現地ではポピュラーで、レストランでもたいていメニューにあります。
フレッシュフルーツジュースのお勧めコンビネーションは、
マンゴーとライム。
ねっとりした甘さと爽やかな酸味が絶妙のバランスですよ。

ubud_beer.jpg
インドネシアのお酒

ビールといえばコクのあるラガーのビンタンビール。
それをもうちょい軽くしたバリハイビールも暑い昼下がりにぴったりです。
またバリ島で作られているHATTEN WINEもお勧め。
きりっと冷えたドライなロゼは、スパイシーなバリ料理と相性抜群です。
気のせいか、行くたびに美味しくなっているような。

とまぁ、ざっと取材した一部をご紹介しましたが、
いかがです? どれもおいしそうでしょ?
そう、実際おいしいんですよ。
タイ料理やベトナム料理と素材は共通している部分があっても、
食べれば大きく異なるインドネシア料理。

そこで不思議なのが、
なぜ東京でインドネシア料理店が減ってしまったんだろう?
以前、新橋と銀座にあったインドネシア・ラヤさんには、
ずいぶん通ったものでしたが、
気が付けば両店とも閉店してしまっていました。

ま、だからこそ、ととら亭で紹介する意義があるのかもしれません。
まだいつどれをやるか決めていませんが、お楽しみに!

End

えーじ
posted by ととら at 19:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年02月07日

第19回取材旅行 その7

日本の皆さま、こんにちは!

僕らは予定どおり、
昨夜24時少し前に柴又へ戻りました。

今回の旅はウォームアップということで、
スリルとサスペンスを避けた場所にしたものの、
移動は何かと気忙しい内容になりました。
航空券の高騰(2018年比でほぼ倍額!)から、
時間繰りの厳しい価格優先ルートにしましたからね。

航空券の価格といえば「エコノミーか?ビジネスか?」
という文脈で語られることが殆どですが、
それに加え「直行便か?乗り換えか?」や、
到着、乗り換え、到着時間が「楽か?余裕なしか?」という要素もあるんですよ。

たとえば今回のバリ島を例にとりますと、
成田から直行便のあるガルーダインドネシアを使えば、
11時出発、17時40分到着ですから、その前後の移動を逆算すれば、
7時30分に自宅を出て19時ごろウブドに着くこととなります。
(2018年11月の場合)

無理がなくて楽でしょ?

これが今回は8時20分出発となり、自宅を出たのがまだ暗い5時。
トランジットタイムは1時間(一般的な限界)しかない上、
乗り換え地のチャンギ国際空港では、
ターミナル2着のターミナル3発でしたから空港内は競歩移動。
で、ングラライ国際空港着が19時05分ということは、
ウブド着は21時過ぎ。
飲食店が閉まるのは殆どが22時ですから、
何かの事情で到着が遅れると、
夕食はコンビニで、ということになります。

復路も同様で10時20分発のフライトということは、
8時20分までにチェックインしなければならず、
渋滞を考えれば7時にホテルを出なければなりません。
従いましておいしい朝食をキャンセル。

さらにチャンギ国際空港に遅れて到着したため、
(次便のボーディングタイムに到着!
ま、こういうのはよくあることですが)
長いターミナル間はほぼジョギング状態。
(僕がなぜトレーニングを欠かせないか分かるでしょ?)

とどめが羽田着で、21時40分ということは、
入国手続きやバゲッジクレームでもたもたしていると、
帰りの電車を逃してしまうのです。
今回は柴又まで帰れる最終が22時53分発。
高砂までが23時37分でした。

ま、こんな感じで同じエコノミークラスでも、
移動の内容に天地の差がでますけど、
これを直行便の価格との差額と照らし合わせてどう評価するか?
それが個々人の判断となるわけです。

ともあれ、全体を通して、とてもいい旅でした。
シンガポール航空さんにも大変お世話になりました。
復路の機内食もおいしかったです。
特にバリ島、シンガポール間で出たラクサ(※)にはびっくり!
まさかこれが機内食で出るとは。
まさしく僕らの旅の予告編でしたね。

さて、次の最終回は、
バリ島の料理をビジュアルにご覧いただきましょう。

to be continued...

えーじ

※ ラクサ
マレー半島の広い範囲で日常的に食べられている麺料理。
地域によって大きく特徴が変わるところは、
日本のラーメンみたいなものかな?
僕らが知っているのは濃厚なエビの出汁が効いた、
カレーココナッツミルク風味のシンガポールバージョンですが、
これの発祥地はペナン島だとマレーシア人のお客さまから教わりました。
というわけで、6月の取材はスマトラ島のパダン料理と、
マラッカやペナン島などマレー半島のラクサということになったのです。
楽しみだ〜!
posted by ととら at 11:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年02月06日

第19回取材旅行 その6

旅の時間の流れは速いですね。
7日間の旅もあっという間に最終日となってしまいました。

明日は朝7時にチェックアウトして、
タクシーでングラライ国際空港に戻り、
10時20分発シンガポール行きの便で帰路につきます。
予定通り行けば、21時40分ごろには羽田空港に着いているでしょう。

移転や新型コロナ騒動など、
この数年間、公私ともにいろいろありましたが、
今回の旅でようやく僕らの人生も、元の軌道に戻せたようです。

ウブドの湿った風に吹かれて、気持ちがすっかり切り替わりました。
ですから終わりというより、新しい始まりという感じかな?

世界は広く、美しい。
そして驚きと、美味しいものに満ちている。
だから旅も続いて行くのでしょう。

それでは次は真冬の東京から!

えーじ

to be continued...
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2023年02月05日

第19回取材旅行 その5

今回の旅の目的は複数あり、
それをざっと割合でソートしますと、

40% TReP(ととら亭移転プロジェクト)完了のご褒美
30% 旅の勘の取り戻し
20% バリ料理の取材
10% 次の取材の予備調査

こんなところでしょうか。

なぁんだ、取材と言いつつ7割は遊んでるんじゃん。

と言うなかれ。
ちゃんとやることはやっているんですよ。
(ま、確かにのんびりさせて頂いておりますが・・・)

そこで自己弁護、
いや、まじめなお仕事の一部をちょろっとご覧いただきましょうか。

話は20年ほど前に遡ります。
ジャワ島の遺跡、ボルブドゥールやプランバナンを訪れた際、
ジョグジャカルタで偶然パダン料理のローカル食堂に入ったんですよ。
これがかつて知ったインドネシア料理のいずれとも異なり、
ピリ辛でスパイスが効いていて、そのうまいことといったら。

以来、バリ島を訪れても一度はパダン料理を楽しんでいたのですが、
いつか発祥地であるスマトラ島のパダンに行って、
本場のものを食べてみたい! そうずっと思っておりました。

そこで計画したのが次の旅。
今年の6月にジャワ島からスマトラ島に渡り、
陸路でパダンを目指します。
(英語はぜんぜん通じそうもないし、
ローカルバス移動だからいろいろ起こるだろうなぁ・・・)
この事前調査として、バリ料理取材の傍ら、
ウブドにあるパダン料理店をはしごしていたのです。

インドネシアはハイパー多民族国家で、
言語の違う民族が280以上もおり、
それぞれが独自の食文化を持っていると言われています。
しかしながら、料理は一般的にナシ(ご飯)の一言で表されているなか、
唯一パダン料理だけが特別に「ナシ パダン」、
もしくは「マサカン パダン(パダン料理)」と地名を冠しているそうな。
つまりインドネシア人にとっても特別な位置づけなのですよ。
それじゃ、一緒にお店に行きましょうか?

ubud_restaurant.jpg

なるほど、ファサードには必ず「Masakan Padang」と表記されていますね。
分かりやすいです。

ubud_restaurantinside.jpg

店内はこんな感じ。
お店によって規模や内装は異なりますが、基本的にローカル向けなので、
欧米的な要素はなく、もろインドネシアというムード。

ubud_padanfoods.jpg

オーダー方法も変わっていて、
台湾の自助餐やベトナムのコムビンサンと同じく、
最初はライスだけが盛ってあるお皿を手渡され、
並んださまざまな料理の中から好きなものを好きなだけ自分でよそい、
レジで会計してもらいます。

お店によっては食べ終わってからレジで自己申告しますが、
僕らは料理名が分からないので、先に会計しておきました。
不安なら写真を撮っておくのもいいでしょう。

ubud_nashipadang.jpg

料金はローカル価格。
4種類のおかずをよそっても概ね350円くらいでしょうか。
2品だけなら物にもよりますが250円ほどだと思います。
野菜料理が豊富でベジタリアンの方にもお勧め。

ランチに合わせて料理を作っていますから、
行くならお昼がベストです。
夕方になると人気料理は売り切れて品数が少なくなってしまいますし、
(あんまり追加で作らないみたい)
常温保存なので、暑い季節は衛生的にも微妙になってきますからね。
(ハエがたからないように薄いカーテンが閉められているところも)

パダンのあるインドネシア最西端のスマトラ島は、
文化的にインド、アラブの影響が強く、それが料理にもはっきり表れています。
また、ジャワやバリなど他の島に比べて辛味が強めで、
コリアンダーなどパウダー系のスパイスを多用するのも特徴のひとつですね。

食べ方の基本は手食。
(手洗いボウルが出されますので飲まないように!)
しかし僕らは一見して外国人と分かりますから、
たいてい黙ってスプーンとフォークを出してくれます。

どの店もテイクアウト客がひっきりなしに訪れ、
好みのおかずを器用に包んでもらって持ち帰っていました。

今日は実質上の現地最終日。
午前中は雨が降っているので取材内容の取りまとめ会議です。
どんな形でリリースするかまだ決めていませんが、
旅の成果を楽しみにしていてくださいね。

to be continued...

えーじ

ubud_restauranttomoko.jpg
パダン料理大好き!
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2023年02月04日

第19回取材旅行 その4

野方時代からの読者の方には説明不要ですが、
この旅から「ととら亭の取材旅行って?」の方のために、
今日は僕らがどんな宿をどのように選んでいるのか、
お話したいと思います。

まず場所は料理の取材ですから、
自ずと飲食店が集まっている繁華街になります。

ubud_mfstreet.jpg
遅くまで自動車やバイクが行き交うモンキーフォレスト通り

たとえば今回は王宮前のラヤウブド通りから、
モンキーフォレスト通りを300メートルほど南に下ったあたり。
ここならウブドのもろ中心ですので、
メジャーなレストランもローカル食堂も歩いて行ける範囲に、
ひと通り揃っています。

しかし、そこで問題になるのが騒音。
バイクの爆音だけではなく、
飲食店のライブ演奏から酔っぱらいの雄叫びまで、
通り沿いは耳栓なくして眠れる環境ではないのですよ。
しかし、こんなわき道を入って行くと・・・

ubud_nallowstreet.jpg

どん詰まりは表通りの喧騒が噓のようにひっそりとしています。
ここなら取材の利便性と安眠が両立するでしょう。
そんなところで見つけたのがこのホテル。

ubud_hotel.jpg

バリヒンズー教の寺院を思わせる重厚なファサードと中庭。
古いけれど手入れが行き届いた建物は清潔で、
スタッフもみなラブリー。
部屋の広さは申し分なく、さらに選択肢が多く美味しい朝食も付いて、
ダブルルームが一泊約4,700円! 一人当たり何と2,350円なんですよ。
ま、僕らの予算はだいたいこんなものでして。

ubud_breakfast.jpg
とある日の朝食(ナシゴレンとバリ風パンケーキ)

最近はbooking.comなどを利用することが増えましたけど、
いちばん得意なのは、その場で飛び込んで交渉すること。

「こんにちは、ダブルかツインは空いてます?」
「ありますよ」
「いくらですか?」
「540,000ルピア(約4,700円)です」
「朝食は付いてます?」
「はい」
「じゃ、部屋を見せてもらえますか?」

そこで部屋に入り、窓やドアの鍵がきちんとかかるか?
バスルームのお湯は出るか? トイレの水は流れるか?
そして火災のときに脱出しやすいか? をささっと確認し、
すべてがOKであれば、

「どうもありがとう。
 いい部屋ですね。ここに泊ります」
 
となります。

ちなみに周辺の治安に問題がないのかも大切なチェックポイント。
人通りはあるか? 夜間の照明はあるか?
ゴミは散らかっていないか? 小便臭くないか?
怪しげな連中がたむろっていないか?
いくら安くても、これらの条件をパスしていない場所の宿には、
基本的に泊まりません。
(ときには選択肢がないときもありますが)

それからネット上の匿名情報は参考程度にはしても、
手放しで受け入れることはありません。
あくまでも信用するのは自分の目と耳で確かめたことだけです。

今回、ウォームアップにウブドを選んだのは、
かつて4回訪れており、政情、治安、
衛生の問題をいずれもクリアしていたからなんですよ。
もちろんおいしい料理があることも大前提ですけどね。
長いブランクの後でいきなりスリルとサスペンスに満ちた旅を始めるのは、
ちょいとリスキーだと思いまして。

ここは僕らが泊った限り、とてもいいホテルでした。

Narasoma Homestay & Retreat
No 35 Gang Beji Jl Monkey Forest Ubud, 80571

to be continued...

えーじ

ubud_us.jpg
部屋の前のテラスにて
posted by ととら at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年02月03日

第19回取材旅行 その3

今のバリ島は雨季。
といっても日本の梅雨のようではなく、
基本は曇天で、ときおり日差しが差したり雨が降ったり、という感じ。
気温も22度から29度の範囲なので、東京の夏とはかなり違います。
3階の部屋にいると風が入ってくるのでエアコンを使わなくても、
気持ちいいですね。

さて、旅の楽しみといえばアクティビティや食事などいろいろありますが、
僕の場合、ローカルや他の旅行者との会話は欠かせません。
何かとチャンスがあれば、「どちらからですか?」とか、
「景気はどう?」という具合に話しかけてみるのですよ。
そこで得られる情報は、
メディアやネットの匿名情報よりずっと信頼できますからね。

たとえばこの3日間でもローカルと話していて、
興味深い話がだいぶ聞けました。
タクシードライバーやホテルのスタッフに訊けば、
観光客はまだあまり帰って来ていないとのことです。
日本人はどうですか、と続ければ、
同じように「あんまりねぇ・・・」と元気のないご返事。
確かに街をぶらついていても、
日本人はおろか、アジア系そのものが少ないですね。

そのせいか、ツーリストインフォメーションは閉鎖されており、
ケチャやジェゴグのライブもほとんど行われていないので、
公演スケジュールは手に入りませんでした。

意外だったのは、1年くらい前までコロナ禍であるにも関わらず、
ロシア人が大勢いたという話。
しかしウクライナ戦争が勃発し、移動が難しくなったせいか、
今はまったくいなくなってしまったそうな。
なるほどスラブ系の言葉が耳に入ったのは今のところ1回だけで、
それも、もしかしたらロシア人ではなく、
ブルガリアなどの南スラブ系かもしれません。

コロナの感染拡大防止はまったく行われてないです。
マスクをしている人はローカルにごく少数いるだけで、
それも理由は排気ガス対策でしょうし。
(とにかく交通渋滞がひどいので)
それからお店の入り口に消毒用アルコールはなし。
全体的にもう過ぎた話のようです。

そこで気になるローカルの医療ですが、
それは日本と同じく治療費、ワクチン接種費ともに国費で賄われており、
感染した場合の不安はないとドライバーのお兄さんは言っていました。
(小学生のお子さん2名と奥さんの4人暮らし)

物価の上昇は日本と同じで、
とりわけ輸入品の小麦は2倍以上の値上がりだそうです。
石油も同様で「ドライバーにはキツイっすよ」と渋い顔でした。

とまぁ、不景気な話が続きましたが、
市井の人々の表情は以前と変わらず朗らかです。
バリ島は家族や村単位でのセイフティネットがきめ細かいせいか、
それとも価値観の置き所が僕らと違うからか、
笑顔で「景気悪いけど、まぁ何とかやってますよ」という感じ。

こういうのも多くを望み、結果として多くを失う先進国の人々には、
魅力的に見えるのかもしれませんね。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 21:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年02月02日

第19回取材旅行 その2

真冬の東京から常夏のバリ島へ。
寒暖の差が激しい移動をした翌日のミッションはただひとつ。

Do nothing.

そう、環境適応に最も有効なのは、
あれこれ動かず、のんびりしていることなのですよ。
雨季のバリ島はそれほど暑くないとはいえ、
飛行機を降りた瞬間に感じた湿度と温度はやはり別世界でしたからね。

そこで到着の翌日は午前中いっぱい、
ホテルの部屋で本を片手にぼけ〜っとしていました。
(好きだなぁ・・・こういうの)

お仕事は軽くランチからスタート。
アイデア探しにまず王宮脇道のイブオカで、
バリ名物、バビグリン(ローストポーク)をオーダー。
ここは以前も通ったところなんですけど、
もう一度、視点を変えれば何か見つかるかな、と思いまして。

サンバルがマッチしたざく切りのローストポークを頬張っていたら、
取材の勘が戻ってきたと申しますか、

ふむふむ、なるほどこの手があったか・・・

と思わずスイッチが入り、
それじゃ行ってみよう! な気分に。
しかしここはぐっと堪えてすぐホテルに戻り、
シャワーを浴びたらお昼寝です。

ん〜、こういうの、東京の生活ではあり得ませんね。
しかし、環境適応には食事と水分補給、それに睡眠が欠かせません。
僕はベッドに転がるなり、秒殺で爆睡していました。

気が付けば夕方。これで体調はばっちりです。
気温も下がってきたので僕らは街に繰り出しました。
王宮を中心とした半径200メートル圏内は、
思ったよりコロナのダメージが少なかったですね。
それでもよく見ると、以前訪れたお店がつぶれており、
中心から離れるにつれ、For Rent の看板が目立ってきました。

やっぱり3年間は長かったか・・・
それにまだ全面的に世界経済が復活したわけではありませんし。
でも、たくましいバリ人のことです。
この苦境を乗り越えて、
ウブドの街も遠からず往年の活気を取り戻すことでしょう。

ディナーで入ったこれまたお気に入りの一軒で、
ローカルバンドの演奏を聴きながら、
僕はウブド市場がリニューアルオープンし、
お客さんたちが戻った街の情景を思い浮かべていました。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 22:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年02月01日

第19回取材旅行 その1

スラマッマラン!(Selamat malam(こんばんは!))。
昨夜21時ごろ、僕らは無事にバリ島のウブドに着きました。

結局、あれこれやっているうちに徹夜明けで出発した僕は、
電車や飛行機が動くたびに断続的に気絶。
はたとわれに返ったのは、経由地のシンガポールに着陸するところでした。

3年2か月ぶりの海外とあって初心に戻り、
羽田空港に着いたところから先入観を捨てて進みましたが、
羽田の出国手続きは、
最初の入り口で行われていた航空券のチェックが自動化された以外、
何も変わっていませんでしたね。

いやぁ〜、出発ロビーに入ったときは感無量でしたよ。
コロナにまつわる缶詰め状態は3年間を超えましたし、
移転後の柴又から出発するのもこれが初めてでしょ?
あ〜・・・やっとここまで来たんだな、という感じ。

そうなると狭いエコノミークラスもパラダイス。
子供のようにはしゃぎたくなりました。
今回お世話になったのはシンガポール航空。
アジアではサービス、セイフティレートの両面でトップクラスとはいえ、
この厳しい3年間でどうなったのか、と気になっていましたが、
その心配は杞憂に終わりました。

機内食もエコノミークラスでさえ美味しかったですよ。
2回4種類食べて、どれもハズレなし。
いや、そう言っちゃ失礼だ。
チャンギ国際空港からングラライ国際空港までのフライトで出た軽食は、
歯ごたえの残ったペンネとトムヤム風味のビーフンで、
思わずお代わりしたくなるうまさだったのですから。

さて、気になるコロナ禍のフライトですが、
機内はマスクの着用を求められました。
しかし空港では自由で白人系の旅行者はほぼ全員ノーマスク。
しっかりマスクをしているな、と思えばもちろん韓国人と日本人。
本国と思しき中華系は出にくい状況なので、
今回のルートではまったくといっていいほど見かけませんでした。

外務省によるとングラライ国際空港では入国の際に、
ワクチンの接種証明とPeduliLindungiへの登録が求められるとのことでしたが、
ふたを開ければパスポートを見せただけで、にっこりWelcome!
あ、その前にVOA(VISA On Arrival)の支払いがありました。
(2018年にはなかったけどな)
これはVISAという名目の単なる入国料で、
オマーン、エジプト、アルメニアなどでも払ったことがあります。
それにしてもその高いこと! ひとり概ね4,600円ですよ!
ふたりで9,000円超はイタイね。
ま、お世話になるドネーションということにしておきましょうか。

もうひとつ変わっていたのが税関申告。
これがカード式から電子式になっていたのですが、
イミグレを抜けてバゲッジクレームで荷物を受け取り、
さぁ、着いたぞ! と意気込んだところで、
Have you done customs declaration? と来たじゃないですか?
で、ああ、申告書をここで書くのね、と思って指差された方へ行くと、
待っていたのは書類ではなくデスクトップパソコン。
これに入力してQRコードをプリントアウトするのか。

ま、それならそれでいいんですけど、
このシステム、インドネシア語と英語しか対応していません。
個人旅行でこういうのに不慣れな人は戸惑うかも。

4年ぶりのウブドはほとんど変わっていませんでした。
馴染みだったお店も健在で、ほっと一安心。
でも王宮前の市場がリノベーション中だったのは、
ちと残念だったかな。
あの雑然とした雰囲気が好きだったのでね。

部屋にバックパックを置いたころには時計が21時半を回り、
そろそろお店も閉まり始める時刻。
僕らは取り急ぎ、一番近いモンキーフォレスト通りにある、
お気に入りのカフェワヤンに滑り込み、
テンペのレンダンと定番のナシチャンプルを注文。
身も心も大満足のうちに宿へ戻ったのでした。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月31日

第19回取材旅行の準備 その2

さぁ、準備を進めよう!

と、気合が入ったところでコロナ感染の缶詰状態。
まさしく僕らの旅(人生?)を象徴するかのような出来事でしたが、
プランBは毎度のことですので、
あれこれ手段を変えて準備しておりました。

これもまた旅のウォームアップ・・・
ということにしましょう。

いきなり躓いた入出国に伴うワクチン接種証明も、
中野区分、葛飾区分の両方をゲット。
スマホを機種変したおかげで「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」も動き、
手軽な電子版もOK。

次はインドネシア政府が求めている、
新型コロナ管理ソフト「PeduliLindungi」です。
(こりゃなんて発音するんだ? ペドリリドゥギ?)

インストールしようとしたら、
「アクティベーションコードをWhatsAppで送りました」とな!?
おいおい、またSNSを入れにゃならんの?
僕はLINEですら、しょうがなくインストールしてるんだけどな。
む〜・・・困ったもんだ。
とりあえず電話帳をリンクさせなければ面倒にならないか。

で、コードを受け取って設定。
パスポートと新型コロナワクチン接種証明書の画像データを送付し、
申請して待つこと1時間半。
「おめでとうございます! 承認されました」
とメッセージが・・・

さんきゅ〜べりまっち。

同じようにともこのスマホも設定し、
次は日本の「Visit Japan」か。
これは出国後でも設定できそうなので今はパス。

時間はたっぷりあると思っていたら、
出発間際にいろいろあって、結局慌ただしくなってしまいました。

というわけで時計を見れば24:47。
明日(というかもう今日)は4時半起きの5時出発というのに、
まだパッキングが終わっていません。
2時間くらいは仮眠が取れるかな?

ま、機内食を食べ終わったところで爆睡。
気が付けば経由地のシンガポールに着陸ってシナリオか。
3年のブランクがあっても、こうなることはお約束なんですね。

それでは次はバリ島のウブドから。
行ってきます!

えーじ
posted by ととら at 00:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月27日

ともこの文明開化

僕のiPhone 6s Plusは、
まだかろうじてアップルのサポートを受けられていますが、
一昨日、前倒しで機種変更をしてきました。

と申しますのも、サポートは続いているものの、
必要なデジタル庁の「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」などが、
もう動かないのですよ。
そこで仕方なく買い替えというわけです。

しかしiPhoneではありません。
最低でも14万円を超える価格は、
所詮また数年で買い替えさせられることを考えると、
いかがなものかと思いまして。
そもそも僕はアップル信者でもありませんし。
(というか、特定のメーカーや機種に愛着はないのです)

加えて、これを2台買わねばならない事情もありました。
そう、ついにともこさんもガラケーからスマホになったのです!

ま、イヤイヤですが。

実のところこれは僕も同じでして、
正直、個人的には必要ないのですけどね。
情報端末はPCでこと足りていますから。

しかしながら旅をするとなると、
航空券がe-チケットになったり、
ホテルの部屋の開錠ナンバーがショートメール送られてきたり、
はてやスマホのアプリが入国の条件になったりしてるでしょ?
こうなるともうイヤでも持たざるをえません。
これも今でいう「同調圧力」ってやつかしらん?

ちなみに行政まで、
「税務相談の予約はLINEからのみ」なんてつれないことをするからなぁ。
困ったもんだ。

で、困るのはそれだけじゃありません。
OSがiOSからAndroidに変わり、
「ん〜? コンパネはどこだ?」なんてやっているところに、

「えーじ、メールってどうやるの?」
「あ!変なの出てきちゃった!OKしていい?」

とまぁ、家庭内サポセンコールがじゃんじゃん入り始めまして。
これも折り込み済みだったとはいえ、
仕事が増えるのも困ったものでございます。

えーじ
posted by ととら at 10:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月23日

コロナ日記 その10 最終回

今日から営業を再開しました。

休業期間は11日半に及びましたが、
さいわい3年前に想定したようなシビアさはなく、
計画通り元のレールに戻せた、といったところでしょうか。

まぁ、新型コロナといえば、
まだまだ旬な話だとは思いますけど、
怪我慣れ、病気慣れしている僕らからすると、
いろいろあったうちのひとつでしかありません。
実際、もっとやばかったケースがいくらでもありますからね。

なのでこれが最後とも考えていません。
当然のことながら、この後も日本で、外国で、
うげぇ〜・・・っとなることはあるでしょう。
(もちろんなるべく避けたいですが)

そこで大切なのは、可能な範囲でそれを予防することと、
感染することを前提としたカードを持つこと。
そして土壇場で過剰反応することなく、
クールに対応することなんですよ。

言い換えると一般的な危機管理と同じく、
迅速な状況の把握、被害の拡大を防ぐ初期対応、
最後に復旧のシナリオの立案と実行となりましょうか。

今回もいい勉強になりました。
次に備えてこの経験を活かして行きたいと思います。

End

えーじ
posted by ととら at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月22日

コロナ日記 その9

何をやるにしても、
最も重要なリソースはおカネより時間。

いつまでも減らない僕のタスクもとどのつまり、
優先度と時間の天秤にかけて、
手前から片付けているのが実情です。

そうした意味で、この休業期間は収入が止まりこそすれ、
時間が生まれたのは大きなメリットでした。

ならば、
まとまった時間がないとできないことにフォーカスしよう!
というわけで7月の開業以来手付かずだった、
大工仕事をやることにしたのです。

柴又のととら亭はまだ完成していません。

そういうと「え? もう営業しているじゃないですか?」
と怪訝な顔をする方もいらっしゃいますが、
ととら亭の構築は、ハード、ソフトともに、
アジャイル型の開発スタイルを取っているのですよ。

これは必要最低限の機能を実装した段階でリリース(開業)し、
後は現場で運営しながら2次機能部分を追加したり、
既存の部分を改修したりしながら完成度を高めるという、
システム開発で使われている手法。

とりわけデザイン面は予算の都合でD.I.Y.部分が多く、
僕の作業待ちがしこたまありまして。
その中のひとつがカウンターの装飾。

gridwork_02.jpg

下がり壁とカウンターを繋ぐ柱の手前には格子があり、
アストロラーベなどをディスプレイするデザインだったのですが、
今回ようやく作ることが出来ました。
(白木の部分)

例によって役割分担は、僕がデザインと形作り。

gridwork_01.jpg

次にともこが塗装します。
今回の塗料はホールの天井やカウンターと同じものを使いました。
店舗工事の職人さんが置いて行ってくれたものです。

gridwork_03.jpg

これで完成!
いかがです? いい感じでしょう?
通路面にディスプレイしたのはアルメニアのエレバンで買った、
アルメニア語のアルファベットレリーフ。
カウンター側はモロッコのマラケシュで手に入れた、
本物のアストロラーベです。

他にも小物では、
ビールディスペンサー裏の目隠しパネルも作りました。
僕らはこうした大工仕事が大好きでして、
次は住居部分でベッドのヘッドボードや、
電子ピアノやシンセサイザーを収納するラックも作る予定です。
春になったら2〜3日お休みしてやろうかな?

さて、明日から営業再開です。
それに向けて、ただいまホールの大掃除中。
微妙にアップグレードしたととら亭で、
皆さまのご来店をお待ちしています。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 14:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月21日

コロナ日記 その8

臨時休業も10日目。
指定された自宅隔離期間は昨日で終わりました。

念のため「自主的な感染予防行動の徹底期間」とされる、
明日までお店は休業ですが、僕らは元気にしています。

僕は木曜日から軽い筋トレを始め、
今日は夕方暗くなってからショートコースのジョギングへ。
なんと11日ぶりの外出です。

思えば柴又での仕事が始まって以来、
一歩も外へ出ない日が多くなりました。

と申しますのも、
いわゆる「自宅」に相当する2階で寝起きし、
1階のととら亭へ「出勤」。
合間に3階の「事務所」でデスクワークとなると、
外へ出るきっかけが全然ないじゃないですか。

オフに用事で出かけることを除けば、
今日のようにジョギングが唯一の理由になってしまいました。
野方時代はアパートとお店のあった野方5丁目で、
生活がすべて完結していましたが、
今度はさらに世界が小さくなってしまったような・・・
在宅勤務というのも楽なようでいて考えものですね。

ともあれ、そういう生活に慣れているせいか、
10日間を超える自宅療養もここまであっという間でした。
明日はお店の再起動に向けて大掃除です。
そろそろレールを元に戻しましょう。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 19:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月18日

コロナ日記 その7

この抗原検査結果が陰性であれば、
明日には自主隔離から解放される。

そこでトライした結果は、

えーじ = 陰性
ともこ = 陽性

はぁ〜・・・

というわけで、19日からの営業は延期。
大事を取って再開は23日(月)からとなりました。

ともあれ、
これもいつかは越えねばならないハードルと考えれば、
タイミング的にはラッキーだったといえるかもしれません。
(ご予約をキャンセルさせて頂いたお客さまには、
申し訳ありませんでしたが)

たとえばこれが取材先の外国だったとしたら、
症状がより深刻だったとしたら、
ハードルの高さは数倍になっていたと思います。

また、今後に備えた経験値としても役に立つでしょう。
なぜなら当分このリスクは何をするにも伴うものだからです。
現時点で新型コロナウイルスが撲滅不可能であり、
免疫回避の変異が早い性質を考えると、
継続的にワクチンを接種しても、
また今回のように感染してしまうのは、
インフルと同じく避けられません。
ですからこれは終わりではなく、始まりなんですよ。

初の正月営業が収益よりデータ収集を目的としたように、
今回の新型コロナ感染は療養過程で、
さまざまなデータと課題を提供してくれました。
営業が先送りになったことも、
自主隔離で生まれた時間がその整理に役立っていると思えば、
あながちマイナスばかりではないでしょう。

というわけで熱が下がって以来、
僕らは営業と外出を除き、
普段通りのタイムテーブルで生活しています。

喉の違和感がほぼなくなり、
涙と鼻水で情けない顔もまともに見れるようになってきたので、
ぼちぼち軽くトレーニングも始めようかしらん?
まずは部屋の掃除からだな。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 13:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月17日

コロナ日記 その6

「つまんない!」

4半世紀を超えた、ともことのパートナーシップ。
この歳月から学んだ僕にとって、
自宅待機の「つまんない!」事態もまた折り込み済みでした。

僕らも似たもの夫婦の一例に漏れませんが、
そこには大きな例外もあります。
それは、のんびりできるか?できないか?

僕は制限さえなければ、どこまでものんびりしてしまいますが、
彼女にとって、これは最も苦手とすることのひとつ。

もちろん病気で動けないときは観念しています。
ところが今回のように、
自覚症状が全くない状態でじっとしているのは、
我慢がならないことなのですね。

ま、それもあと数日で終わりますから、
(たぶん・・・I hope so...)
ここはひとつ、たまにはテレビでも見てもらって。
良い子にしていて頂きましょう。

それにしても皮肉なのは、これまでの成り行きです。

そもそものスタートは、
ともこが新型コロナの陽性になってしまったことでした。
しかし、その本人に自覚症状がない。
つまりフツーに元気いっぱいです。

で、2回の抗原検査も陰性だった脇役の僕が、
喉の違和感 → 発熱 となり、名実ともに病人そのもの。
しかも熱が下がったと思ったら、今度は花粉症のような症状が始まり、
今や涙と鼻水で、同情なくして見れないご面相になっております。

ちなみに二人とも4回の新型コロナワクチンだけではなく、
インフルエンザワクチンも打っているんですよ。
それでこの体たらくですから、
人知を過信するべからずという格言も説得力を持ちますね。

さて、病院の指導によれば、今日の抗原検査結果が陰性であれば、
明日で自主隔離は解除してもいいそうな。

結果オーライだとしても念のためもう一日休んで、
木曜日からととら亭を再開しようと思っています。
(明日また別の何かが起こるのかもしれませんが・・・)

はたしてテスターに現れる結果は、
陽性の2本線か? それとも陰性の1本線か?
Let's roll the dice again!

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 13:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月16日

コロナ日記 その5

その3でコロナ感染も2019年の時点で折り込み済みだった、
とお話しましたが、そのシナリオの中には、
今回のブログのようなカミングアウトも既に含まれていました。

それというのも、当時から言い続けていましたように、
新型コロナを人災にするべきではないと思っていたからなのです。

だって実際に罹患して苦しんだり亡くなったりした人がいるなかで、
患者さんに向かって「バイキンあっち行け!」みたいに、
傷に塩を塗るのは、同じ人間として悲しいと思いません?
皆さんはそうした社会に住みたいですか?

だから僕はお店でもお客さまをばっちいと考えたことはありません。
使い終わった食器やおしぼりを片付けるとき、
気持ち悪いと思ったこともない。
一般的な飲食店の対応として、
こまめに手を洗えばいいことです。

それに感染した経験のある方なら説明不要ですが、
自分なりに気を付けていても感染しちゃうでしょ?
しかもそのきっかけなんて、まず覚えてないだろうし。

今の社会で感染を完全に防ぐことは不可能なんですよ。
だから世界的に「打倒コロナ」が「ウイズコロナ」になっちゃった。

自らの力を過信するべからずというのは手垢にまみれた格言ですが、
自らを人類に置き換えることを叡智というのだと僕は考えています。
僕ら人類は自分たちが考えているほどクレバーでもワイズでもない。
違います?

繰り返しになりますが、
患者さんに必要なのは社会的なバッシングではなく、
ヘルプなんですよ。
理由は簡単。幼稚園の子供だって分かります。

自分がやられてイヤなことは他人にもしない。

それをポジティブに言い換えるなら、
自分が相手の立場だったら、どうして欲しいのかイメージしてみる。
そしてそれをやれる範囲で実行すればいい。
何も難しい話じゃない。

僕はともこが新型コロナウイルスに感染したことを、
社会的に悪いことだとも個人的に恥ずかしいことだとも考えていません。
これは彼女の名前とあなたの名前を入れ替えても同じことです。

感染症と共存するには、医学的知識だけではなく、
ひとりひとりに共助の意思が求められる。

そう僕は素朴に信じております。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 13:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月15日

コロナ日記 その4

2度目の抗原検査の結果は・・・

陰性でした。

ふ〜・・・
取りあえず現状は、ダブルコロナじゃなかったな。

昼を過ぎると喉の具合もだいぶ良くなってきました。
何に感染したか分かりませんが、
この調子で行けば、
明日には二人とも家の中で普通に動けるでしょう。

さて、もうひと眠りするか。

そう安心した矢先に・・・

ん〜・・・なんか寒いな。
暖房の温度を上げよう。
あれ、室温は24度もあるぞ。

僕はもう一枚フリースを着こんで仕事部屋の簡易ベッドにもぐりこみ、

なんか寒気がする。
まさか・・・

検温した結果は37度2分。

ありゃ、熱が出始めちゃった。
しかも寒気がするからには、まだ上がるということだ。
カロナールを飲んでおこう。

悪い予想は当たり、
2時間もしないうちに37度9分になりました。
時計は16時。

おいおい、のどの痛みの次は発熱か。
やってくれるねぇ・・・

18時にはより具合が悪くなったので、
もう一度検温すると、

37度9分。
へぇ、さっきと変わらないとは。
カロナール効いてないのかな?
なんかどんどん悪化しているような・・・

20時。
「えーじ、どう?」
「熱が出てだいぶ病人らしくなったよ。
 これならずる休みしている感じはないな」
「熱は?」
「測ってみよう」

「37度9分だって」
「・・・? まじ? 体感的には38度台なんだけどな。
 それに2時間置きの3回計測で値が全部同じなのは妙だ」
「これ古い体温計でしょ? 新しいのを使ってみれば?」

そこで再計測すると・・・

「大変!38度7分もある!」
「僕もそっちの体温計の意見に賛成だ」
「どうしよ?」
「カロナールじゃ効かないとなると・・・
 手持ちじゃ、ボルタレンの座薬しかない」

そうして待つこと1時間。

「どう?」
「さすが座薬は効きが早い。だいぶ楽になってきたよ。
 どれどれ・・・お、やっぱり38度に落ちてる」
「良かったね! 何か食べる?」
「そうだな、消化器系は異常ないので、
 軽くうどんでも食べから薬を飲んでおこう」

ともこの新型コロナ感染に始まり、
次は僕の風邪のような症状。
喉の違和感から発熱でフィナーレとなるか?

「とりあえず食べたら寝るよ」

こういうときはこれしかありませんね。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 13:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月14日

コロナ日記 その3

事業継続性、いや、旅の継続性の確保は僕らの必須課題。
悲観的に対策し、楽観的に実行するをモットーに、
多岐にわたる「もしも」のカードを作っております。
(これまで抜け落ちていたのは311の放射性物質の件だけ。
 フフ・・・すごい?)

新型コロナの件も、遡れば2019年の12月、
まだ武漢の新型肺炎なんて言われていたときから、
どうディフェンスラインを張るか?
そして突破されたときはどうするか?
を検討していたのですよ。

ですから翌年1月には体温計と血圧計だけではなく、
早くもパルスオキシメータを取り揃え、
3年間というもの、
毎朝バイタルチェックを欠かさなかったのです。

そんなわけで今回もドリルに従い、
現状把握、安全の確保、関係者への告知と、
ステップバイステップで進めておりました。

ここまでの総体評価はポジティブなものです。
まず、ともこが軽症であること。
(というか今や無症状)
また、お茶濁しの隔離環境も、
アパート暮らしのときに比べたら効果が期待できます。
食料品が「売るほどある」のも大きいですね。
自宅待機中にレストランで食事ができますから。

しかし、後は回復を待てばよい、というわけにはいきません。
ともこからの第一報を受けて以来、
僕の頭の片隅にいつもあるのは、2019年1月のカイセリの一件です。

いつも一緒にいるパートナーが感染症にかかった場合、
もう片方が無事でいられる確率は極めて低い。
(実際、風呂とトイレ以外はほぼ一緒なので)
あの時もともこが先に発熱し、
その1日半後に僕も発症しましたからね。

となると、今回も?

ん? なんか喉に違和感があるな。

と気付いたのは昨日の朝でした。
しかし、うがいをしたら消失。
やがてペーパーワークをこなすうちに夜が更けて・・・

ありゃ? また喉がいがらっぽくなったぞ。
イヤな予感だ。
うがいをして、念のためにともこがもらってきた薬を飲んでおこう。

そして今朝。

む〜・・・

「どう?体調は?」
「あたしは元気。えーじは? なんか元気ないね」
「どうも昨日の夜から喉の調子が悪いんだ」
「え〜!? 感染しちゃった?」
「わからない。取りあえずバイタルを測ってみよう」

「値はみんな正常だよ」
「うん。熱が出ている感じはないし、だるくもない。
 ただ喉の調子だけがいまいち」

皆さんもご存知のとおり、
このシナリオは新型コロナの定番のひとつです。

「検査キットがまだひとつ残っていたよね?」
「うん」
「それじゃ試してみよう」

検査キットに検体を4滴落とし、待つこと数分。
現れた結果は・・・

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 14:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月13日

コロナ日記 その2

ご心配おかけしております。
また、ご予約のお客さまには申し訳ない限りです。

病院の説明によりますと、
昨日レベルの症状だった場合、保健所への申告は必要ないとのこと。
自宅待機も来週火曜日の抗原検査が陰性であれば、
6日後の水曜日に解除していいそうです。

ともこは鼻声である以外、普通の状態です。
僕も昨日となんら変わらず。
なんかずる休みしている気分かな?

ブレークスルー感染したとはいえ、
こうしてほぼ無症状でいられるのも、
ワクチンのおかげなのかもしれませんね。

病院のともこから一報をもらったとき、
「ありゃ〜」と思ったものの、
想定外のことが起こったショックはありませんでした。
これも3年前から折り込み済みで、
感染は避けられないものとして、
あれこれ対策は講じていたのですよ。

毎朝、検温のほか、
血中酸素濃度などのバイタルチェックを続けていたことや、
ご予約を頂いたときに電話番号を聞いていたのも、
ノーショー対策ではなく、
実はこうしたケースが起こった場合に備えてのことでした。

取り急ぎ、昨日から僕は3階の仕事部屋へ引っ越し、
家庭内別居環境が完成。
ほぼ無症状とはいえ、
念のため、6時間おきにバイタルチェックは続けています。

さて、次は今日からの5日間、
僕らは突然転がり込んだ時間を使って何をすべきか?
先ほど朝食会議で、決算に向けた処理など、
まず、溜まったペーパーワークを片付けよう!
ということになりました。

まぁ、やるだけやってなっちまったものはしょうがない。
出来ないことより出来ることに目を向けて、
楽しくやろうと思います。

to be continued...

えーじ

stayhomelunch.jpg
posted by ととら at 12:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月12日

コロナ日記 その1

とタイトルでお察しいただけたと思いますが
なんと新型コロナの陽性になってしまいました。

いや、僕ではなくともこがです。

昨日の昼過ぎから鼻かぜのような症状が出始め、
念のためにディナーを臨時休業。
早めに休んだところ、今朝は体調が良くなり、
仕事も出来そうでした。
しかしまだ体温が平熱よりやや高めで鼻声ですし、
だるさも少々残っていたので万が一を考えて近くの病院へ。

そこで抗原検査を受けたら結果は陽性だったんですよ〜。

ご存知のようにオミクロン株対応の4回目ワクチンを昨年11月末に打ち
今や抗体価マックスのはずが、ブレークスルー感染するとは。
しかも従前の対策を続けていたにもかかわらず。

どこでどう感染したのかまったく分かりませんね。

さいわい症状は軽いだるさと鼻水くらいなので、
家の中ではフツーにごろごろしています。
食欲もあり、さっきもおやつのエビせんをポリポリ食べておりました。

で、濃厚接触者の僕も先ほどさっそく抗原検査です。
結果は陰性。
体調はすこぶる良いです。
僕の免疫システムの方がパワフルなのかな?

取り急ぎ、店頭とウェブの休業告知を済ませ、
関係者に連絡を取りました。
これから家庭内別居環境の構築です。

やれやれ、新年早々いろいろ起こりますな。
今年も先が思いやられます。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 15:26| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月10日

第19回取材旅行の準備 その1

柴又で最初の年末年始を無事に乗り越え、
今日はこれまた今年初の定休日でのんびり・・・

してはいられません。

新型コロナ対策もウイズコロナの名のもと、
世界的になし崩しとなり、
いよいよ僕らも通常のルーチンに戻すときが来ました!

そこでさっそく手配したバリ島行きの航空券。
まずはウブドでウォームアップです。

と、その前に、
海外旅行のニューノーマルを調べてみると、
新型コロナワクチンの接種証明が必要とな。

なるほど。

じゃ、その入手方法は? ん、アプリから申請?
それじゃダウンロードして・・・

みようとしたら、
僕のiPhone 6s plusは対応していないとな!

というわけで今日は葛飾保健所に行ってきました。
昨年7月にととら亭の営業許可証を取ったところです。

これで航空券に続き、第2ステップまでが完了・・・

しませんでした。

窓口の女性が僕らの記録を調べていわく、

「中野区から昨年ひっこしてこられたのですね。
 そうなると第4回目の接種証明は出せるのですが、
 それ以前の記録は中野区にあるので出せません」
「そうなんですか。
 でも、葛飾区で発行する証明書には、
 第4回目であることが明記されているのですよね?
 インドネシアの入国条件は2回の接種です」
「はい。しかし、こうした場合、
 皆さんそれ以前の証明書も取られていますよ」

さんきゅ〜べりまっち。

こりゃ次の金曜日の半休で、
懐かしの中野保健所まで行かにゃならんか。

ま、この程度のハードルはいつものこと。
ひとつずつ駒を進めて行きましょう。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 15:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月08日

Hey Bro!

「野方って、どうすか?」

時は2010年7月。
ディナータイムで背の高いタンクトップ姿の男性が訊いて来ました。

何だろ? うちの店らしくないお客だな。
ミスチョイスで入っちゃったのかも?

「どういう意味で?」
「オレ、店をやろうと思ってるんですよ」
「なるほど。で、どんな店?」
「イタリアンっす」

これが野方のイタリアンレストラン、
チッチョベッロの大野さんとの出会いでした。
それから翌年1月の開店に向けて、
彼は度々パートナーの平山シェフと一緒に現れ、
次第に打ち解けていったのです。

あれから12年余。

僕らは仕事でコラボレーションをやったり、
オフでは閉店後の飲み会などをしつつ、
舞台裏の悩みをシェアし、
ともに幾多の困難を乗り越えて来ました。

今日はチッチョベッロの12周年記念日。

飲食店の平均寿命は3〜4年と言われる厳しい経営環境下で、
一緒にここまで来れたことを心から嬉しく思っています。
今では野方と柴又で離れてしまいましたが、
あの頃の思い出は、何年たっても色あせることがありません。
素晴らしい経験でしたね。
これからも大野さんらしい、いつものペースでがんばってください。

withohno.jpg
At Shibamata Totoratei on construction.

ともこ&えーじ
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2023年01月05日

トルコ料理特集が始まります!

お待たせしました。
明日からディナー営業が始まります。
2023年最初の特集はトルコ料理

新型コロナで東京缶詰になる前年の丁度この時期、
僕らはトルコとエジプトに行っていたのですよ。
メニューを作るために写真を見ていて懐かしくなりました。

トルコは2007年以来、12年ぶりだったのですが、
イスタンブールはほとんど変わっていませんでしたね。
サビハ・ギョクチェン国際空港からカラキョイへ移動し、
フェリーでエミノニュに渡ったとき、
暮れなずむリュステム・パシャ・ジャーミィを見て、
「あ〜、またこの街に来れたんだなぁ・・・」
と少々センチな気分になったのを思い出します。

karakyoi2023.jpg
カラキョイの港

eminonu202301.jpg
エミノニュの港
右奥がライトアップされたリュステム・パシャ・ジャーミィ

世界三大料理のひとつだけあって、
トルコ料理は多様性に富み、価格帯に関わらずおいしいですね。
洗練された宮廷料理はいわずもがな、
ロカンタ(指さし食堂)やケバブチェ(ケバブ屋)にも、
ゴキゲンな料理が溢れています。

ムスリムの国にも関わらず、
お酒が大っぴらにOKなのも珍しいかな?
しかもビール、ワイン、蒸留酒ともにイケますし。
メイハネ(居酒屋)でメゼ(前菜)を摘まむなんて楽しみ方は、
レバノンを除いて他の中東諸国ではまず味わえません。

今回はそんな雰囲気を、
ささやかながら再現できればと思っています。

restaurant202301.jpg
Let's enjoy it!

えーじ
posted by ととら at 07:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記