2018年06月27日

第16回取材旅行 その5

この旅も折り返しとなりました。
僕たちは今、スウェーデンの首都ストックホルムに滞在しています。
さすがは北欧最大といわれる都市ですね。
ノルウェーのオスロと比べても明らかに大きい。
またそれだけではなく、
中世からの建築物がガムラスタンを中心に多数残っており、
古い街並みや現代の北欧デザインビルが歩いているだけで楽しめます。

さて今日は記憶が褪せないうちに、
ノルウェーの総集編をビジュアルにいってみましょう。

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今回お世話になったのはカタール航空さん
エコノミーでも機内食が美味しいので僕たちのお気に入り。
キャビンクルーだけではなく地上勤務のスタッフも親切ですよ。

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経由地のドーハを飛び立った飛行機は間もなくオスロへ。
僕はこのフライトマップが好きでね。
ああ、ここは行ったことがある・・・ここはまだだ・・・
こんな風に眺めながら次の旅を考えているのですよ。

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オスロ中央駅はさすが首都の玄関口。
しかし構内は分かりやすく飲食店や売店もたくさんあり、
使い勝手がいいですね。
ここにあるノルウェー鉄道(NSB)の窓口で、
僕らはベルゲン往復の各種チケットを受け取りました。

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駅舎のデザインはすっきりしていて、なるほど北欧という感じ。

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僕らの投宿先は駅から歩いて10分ほどのところにあるホステル。
ホテルではありません。ホステルです。
この差はビミョーに大きい。
ま、分かりやすく言うと、
ここはドミトリーのある大型バックパッカーズですね。
世界各国から旅人たちが集まっていました。
現地相場では安いせいか仕事で泊っている人も少なくありません。

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簡素ですが清潔で居心地のいい部屋。
僕たちは2段ベッドとシングルベッドがひとつずつある、
トリプルを二人で使わせてもらいました。

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ホステルには朝食がついていません。
しかし同じ経営の隣接しているホテルでは110クローネ(約1540円)の、
ビュッフェ式朝食にありつけました。
ふつう取材中はこんなに食べないのですけど、
ここではニシンのマリネやフィスクケーキなど、
調査対象の料理があったので朝から頑張りました。

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ノルウェーはEUの一国ですが通貨はユーロを導入していません。
昨今の経済的ドタバタを見るかぎり英断だったのかな?
これは通貨のノルウェークローネ。
クレジットカードが公衆トイレですら使えますから、
実はキャッシュの出番はほとんどありません。

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オスロ一番の繁華街といえば駅から西に延びるカールヨハン通り。
半分以上が歩行者天国で道幅も広く、安心して歩けます。

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周囲は素敵なレストランや物販店、そして高級ホテルが立ち並び、
ぶらぶら歩いているだけでも楽しいですよ。

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市電は庶民の足のひとつ。
時折ひかる電線のスパークがレトロな雰囲気を醸し出しています。
ちなみにこの明るさで夜の11時半!
まさしく白夜の国ですね。

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オスロ大聖堂の周りには古いレストランが散在しています。

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いかがです?
ファサードを見るだけで入ってみたくなるようなレストランでしょ?

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ここは美術館ではありません。
先の写真とは別ですが、これも老舗のレストラン。
高級そうですけど意外とリーズナブル。

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ノルウェー料理で取材対象の筆頭はこれ。
シーフードがたっぷり入ったフィスクズッペ。
コクのあるスープに生クリームを入れレモンジュースを絞って頂きます。
上に鎮座しているのはこれまた名物のザリガニ。

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肉料理ならばミートボール。
ざっくりした触感で濃厚なグレービーソースがよく合います。
アクセントはこけもものジャム。
脇役のポテトがこれまた美味しい!

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腹ごなしにボートで20分ほどのところにあるビドコイ地区の、
民俗博物館に行ってきました。
ここはいわゆる博物館というよりテーマパークのようなところで、
広大な敷地にノルウェー各地から集められた古い建築物が建っています。
それぞれのユニークな様式が面白い。
写真は教会です。

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ノーベル賞は運営がちょっと複雑で、
スウェーデン王立科学アカデミーが「物理学賞」、「化学賞」、「経済学賞」を、
「生理学・医学賞」は同じくスウェーデンのカロリンスカ研究所、
「文学賞」はスウェーデン・アカデミー、
そして「平和賞」がここノルウェーのノーベル委員会が担当しています。
写真はその授賞式が行われるオスロ市庁舎のホール。

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オスロからベルゲン鉄道でソグネフィヨルドのゲートウェイ、
ベルゲンまで行きました。
ミュールダールの手前30分くらいのところに広がる光景は、
息をのむ美しさです。

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車内では事前に買い込んだパンと缶詰とチーズのランチ。
こういうのが僕らの旅らしくて好きです。
コーヒーは食堂車でゲット!

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こじんまりしたベルゲン駅。
小雨が降っていたのでちょっと肌寒かったです。

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小さいながらも北欧らしい街並みが残っています。

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世界遺産にもなっている古い木造家屋が軒を並べるブリッゲン。
一歩入ると細い路地が入り組んでおり、
個性的なショップがそこかしこにあります。

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裏通りをさまよっていたら思わぬ光景に出会えました。
こうしたアート感覚に満ちた街です。

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僕たちが泊まった『ビッグブラザータイプ』の宿。
右側にずらっと並んだ小さなキーボックスのダイヤル錠に、
メールで送られてきた暗証暗号をセットし、
中に入っているカードキーを取り出します。
ここから先はそのカードキーがないと入れません。
一泊しか滞在しなかったからか、清掃スタッフにすら会いませんでした。

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チェックインのオペレーションはともかくとして、
部屋はキッチンもあり、自炊派にはうれしい内容でしょう。

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ここまで来た理由の一つがこれ。
ベルゲン名物のバカラオです。
覚えていますか?
2011年秋、ポルトガル特集の時にご紹介したバカリヤウ(干しタラ)は、
ここ北欧から輸入しています。
それなら本家の料理を調べないわけにはいきません。
トマトソースで煮込んだ滋味あふれるバカラオは絶品でした。
ビールは地元のハンザをチョイス。
フルーティでコクがあり、料理との相性は抜群!

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そして小エビを散らしたシンプルな舌ヒラメのムニエル。
なんていったらいいでしょうね?
ああ、生きていて良かった!
と思える味でした。

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僕らが乗ったフィヨルドを抜ける高速船。
時速70キロメートルくらいのスピードが出ますが、
双胴型で安定していますから、あまり揺れません。

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不思議な静けさに満ちたフィヨルド。
月並みな表現ですけど、本当に美しい。
4時間余りの船旅はあっという間に過ぎてしまいました。

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ベルゲン鉄道は景観の美しさで有名ですが、
フロムからミュールダールへ至るフロム鉄道も負けてはいません。
途中ではこんな滝もあります。

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ミュールダールで再びベルゲン鉄道に乗り換え、
僕たちはオスロに戻りました。
雨の多いこの地域で天候に恵まれ、本当にラッキー!

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治安のいいヨーロッパを訪れる楽しみの一つが、
こうしたオープンテラスのレストラン。
時間を気にせず、気持ちのいい風に吹かれて囲むテーブルは、
何ものにも代え難い喜びです。
日本ではなかなか味わえませんからね。

さぁ、旅を続けましょう。

えーじ
posted by ととら at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月25日

第16回取材旅行 その4

12:51にオスロ中央駅をバスで出発した僕たちは、
Ryggaで鉄道に乗り換え、16:50にスウェーデンのヨーテボリに着きました。
シェンゲン協定締結国内での移動のため、
国境での各種手続きはなし。
「まもなく国境を越えるな…」と外を見ていたものの、
気が付けば既にスウェーデンに入って3キロメートルほどの場所まで来ていました。

さて、ここで取材のお話です。

この旅の準備編でもお話ししました通り、
「北欧に行きます」と言えば、
「美味しいものはないでしょ?」というのが一般的な反応でしたね。

ところが、この1週間を振り返ってみれば、
反対に「まずかったものはあったっけ?」というのが僕たちの正直な印象です。

そう、ノルウェーの料理はとても美味しかったですよ。

具体的にはシーフードがたっぷり入ったクリーミーなフィスクズッペ。
コクのあるブラウンソースとベリー系のジャムを添えた、
ボリューム満点のミートボール。
軽くスモークしたノルディックサーモンのステーキ。
滋味が凝縮したバカラオのトマトソース煮。
北欧風さつま揚げのともいえるフィスクケーキ。

いずれも十分ととら亭の特集でご紹介するに値する逸品じゃないですか。

確かに先に挙げた料理は、
ノルウェー「でしかない」郷土料理ではありません。
スカンディナビアの国々は多くの食文化を共有しています。
それ故に比べてみるのも一興じゃありませんか。

そこでさっそくスウェーデン初日から、
ミートボールやニジマスの燻製を比べてみれば、
ほ〜ら、やっぱり!
2品とも似て微妙に異なる料理なんですよ。

明日の午後はストックホルムに向けて移動します。
そこでもいろいろ比べてみたいですね。
そしてもちろん、スウェーデン独自の料理も調べる予定です。

おっと、
それからノルウェーではひとつ大きなオマケがありました。

人の運命というのは奇遇なもの。
中国からの留学生で、ととら亭によく来てくれていたアレックスが、
オスロ大学のサマースクールに参加することになったと言ってきたのです。
しかも彼女が到着するのは僕たちがオスロを発つ2日前!
そこで一緒に食事をしようということになりました。

更に老舗のレストランでテーブルを囲んだのは、
同じく日本に留学経験のあるベトナム系ノルウェー人のダニエル。
彼はアレックスと共に日本で学んだ学友のひとりです。
二人とも流暢な日本語が話せるので、
異文化間のコアな話が日本人どうして話しているかのように弾みました。

ホント、旅は出会いですね!

えーじ
posted by ととら at 08:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月23日

第16回取材旅行 その3

僕たちは昨夜オスロに戻ってきました。
今日の空は曇り時々晴れ。
ここまでは天気に恵まれています。
なんといっても雨の多さで知られるベルゲンだけではなく、
ソグネフィヨルドですら時折り晴れ間が広がりましたからね。

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雨に煙るフィヨルドも幻想的ですが、
陽光と雲を背景に聳える山々を縫う海は、
特別に開かれた聖域のような美しさがありました。

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それはベルゲン鉄道で通過した標高1300メートルを超える高原も同じ。
車内には様々な国籍の旅人が乗っていましたが、
信じる神が違っても、
目の前に広がる創造主の力を否定する人はまずいなかったでしょう。

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旅をしていて残念に思うことがひとつあります。

それはこうした風景を前にして、
この経験を皆さんと、
ととら亭で出している料理のようにシェアできないこと。

もちろん旅の印象は人それぞれ違います。
だけど、なんて言ったらいいかな?

言葉にすると陳腐なんですけど、
地球は美しいんですよ。

そして僕たちは例外なく、この星で生きている。
これこそが、少なくとも僕にとっての真理に他なりません。

きれいだね?

すべての違いを超えて、僕たちみんながそう言えるように、
彼女は時折、その聖域を開いて見せてくれています。

それは遠い彼方にだけあることではなく、
身近な日常の中でも見つかるものなのでしょう。

ただ、僕たちは忙し過ぎて、それに気づいていないだけ。

旅とはとどのつまり、
それに気づく方法を学ぶために出かける、
学び舎のひとつなのかもしれませんね。

えーじ
posted by ととら at 01:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月21日

第16回取材旅行 その2

今はノルウェー時間22時58分。
僕たちはソグネフィヨルドのゲートウェイとなるベルゲンに滞在しています。
外はようやく陽が傾いてきたところ。

そう、明日は夏至。
北半球では最も日中の時間が長くなります。
その上、ここは北緯60°23°35°。
僕たちの旅の記録では、
昨年訪れたロシアのサンクトペテルブルグ(北緯59°56°19°)が最北端でしたから、
日没もなんと23時!
午前零時を回っても薄暗いままですから、まさに白夜なんですよ。
記録を少々更新しました。

オスロからのアクセスで乗ったベルゲン鉄道は、
さすがに世界の鉄道ファン憧れの的と言われるだけあり、
ミュールダールの手前30分くらいからの景色は圧巻でしたね。
雪渓を頂く峰々に囲まれた湖の光景は、
普通、スキルの高いクライマーだけに許される褒賞としての景観でしょう。
それを汗もかかず、ゆったり座って見られるのですから。
(写真はのちほどお見せしますね!)

さらに僕らはラッキーでした。
道中ほとんど雨に降られなかっただけではなく、
1週間に8日雨が降るとまで言われたベルゲンに着くなり、
太陽が顔を出したのですよ!
天気予報は雨だったのに。

そして二つ目の不確定要素も無事にクリアできました。

というのも、ベルゲンの宿はビッグブラザータイプのホテルなんですよ。
(詳しくは『第4回取材旅行 その2』をご参照下さい)

今回はどうかな〜・・・と訝りつつ、
メールをチェックしていると、
昨日、チェックインの方法を説明したメールが届きました。

その内容は・・・

1.エントランスを入ると部屋番号が記されたキーボックスが並んでいる。
2.自分の部屋番号が記されたキーボックスのふたを開けて中にあるダイヤル錠に、
  この手紙に書いてある暗証番号をセットする。
3.中のレバーを下げるとロックが開きルームキーが取り出せる。
4.そのキーを使ってホテルの中に入り、自分の部屋のドアを開ける。

意味分かります?
直訳するとこうなんですよ。

さらに、

5.15時前にはチェックインできません!
6.同じ通り上に同じ名前のホテルが3つありますが、
  あなたが泊まるのは29番地のところです。44、48番地ではありません!
  
との追記が・・・

これを読めば旅人なら、
ミッションインポッシブルのテーマが聞こえてくるってもんです。

そこでベルゲン駅を出てからオフラインでも使えるマップを使い、
現地まで行ってみると・・・

ほ〜ら、暗証番号を入力してもエントランスのドアが開きません。

ん? でもおかしいぞ。
住所が違う。ここは29番地じゃない。

で周りの番地を確認してみれば、進行方向右側に並んでいるのは、
偶数番号の住所しかありません。
こういうのはブカレストでやられたことがありました。

で、来た道を戻りながら、もう一度住所を確認していると、
少し北に行ったところに
奇数番号の住所のブロックが並んでいるじゃないですか。

ここは33番地・・・ということは・・・

あった!

で居並ぶキーボックスから指定された部屋番号のものを探し、
ふたを開けてダイヤル錠に暗証番号をセット!

じゃあ〜ん!

うちブタが開いて現れたのはパンチカード型のアナログカードキー。
これを入り口のスロットに挿入すると・・・

じゃ、じゃあ〜ん! 開きましたぁ〜

どうですこういうの?
スパイごっこみたいで楽しいですよ〜。

さっき夕食から帰ってきたとき、
キーボックスの前で奮闘する老夫婦の姿がありました。

「ちょっと、そうじゃないわよ!」
「いや、これでいいんだ! あれ?」
「ほら違うじゃない! キーボックスが違うのよ!」

「あの〜、お手伝いしましょうか?」
「あら! そう?」
「ちょっと待ってくれ・・・ああ! 開いたぞ!」
「おめでとうございま〜す!」

ここが『こういうところ』だとは、ちょっと分からないと思いますよ。
ご興味のある方は、こちらをご覧下さい。

→ Bergen Budget Hotel


ま、慣れている方には結構居心地のいい場所だとは思いますが。

えーじ
posted by ととら at 06:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月19日

第16回取材旅行 その1


日本の皆さまおはようございます! そしてこんにちは!
僕らは昨日、予定通り現地時間13時20分にノルウェーのオスロに到着しました。
日本との時差が7時間ありますので、こっちはまだ朝の10時なんですよ。

天候は曇り。気温は東京の4月上旬というところでしょうか。
気持ちいいですけど風が吹くと肌寒いですね。

羽田を定刻通り飛び立ったカタール航空QR813便は、
10時間54分でカタールのドーハへ。
機内は8割程度の搭乗率。
僕は食後に1本映画を観たあとスイッチを切ったように爆睡(気絶?)。
「朝食を召し上がりますか?」とキャビンクルーに肩を揺り起こされたのは、
着陸の2時間前でした。

ドーハでのトランジットタイムは約2時間。
一昨年冬のエチオピア、南アフリカ取材旅行以来のハマド国際空港でしたが、
勝手は変わってなかったのでさらっと次の出発ゲートまで行けました。
ここのカフェで取り出したのは前回使い残した24カタールディナール(約720円)
で、ミネラルウォーターとエスプレッソをゲット!
(空港価格なのでこれくらいしか買えませんでした)

オスロまでのQR175便は搭乗率が4割程度に下がり、
乗っているのは8割以上が白人。
周りで日本語が聞こえてくることはありません。
旅が始まったぜ! という気分になります。

そうそう、
今回、予算の都合でフィンエアーさんに乗れなかったのは残念でしたが、
カタール航空さんも僕たちのお気に入りなんですよ。
キャビンクルーはラブリーだし、
なによりエコノミークラスでも機内食が美味しい!

オスロのガーデモエン国際空港は北欧らしいデザインもさることながら、
ターミナルに入ってすぐ驚いたのは『木の香り』。
そう建築素材に木材が多用されているのですよ。
だから空港というより、ホテルのような感じ。

イミグレーションの整然とした乗客さばきは成田以上だし、
インスペクターもフレンドリーでした。
バックパックを待つことなくピックアップした僕たちは、
珍しくここで免税品店へ。
ノルウェーは高税率の国ですからお酒を仕入れるなら街中は論外なんですよ。

さらっと税関を抜けた僕たちは、
成田エクスプレスに相当するエアポート・エクスプレス・トレインに乗って・・・
行きたいところでしたが、
チケット料金(約2500円/1人)を見たともこの「高〜い!」の一言で、
NSB(ノルウェー鉄道)の窓口へ。

しかしながら一人約1400円の料金とはいえ、
ローカル列車はゴージャスなピカピカ車両でスピードも速く、
僕たちは空港から30分もかからずオスロ中央駅へ到着しました。

車窓を逃れる風景はちょっと北海道に似ていますね。
緑が多く、建物がまばらで時折見える道路の交通量も少ない。

さて、オスロ中央駅では『準備編その2』でお話しした、
不確定要素その1をクリアしなければなりません。

それはベルゲン往復鉄道チケットの受け取り。

事前にネットから購入していたのですが、
航空券のようにこちらがプリントアウトするのではなく、
紙の乗車券を現地で受け取らなければなりません。
今までもこうしたオペレーションは、
ワルシャワやブラチスラバでやったことがありましたけど、
ちょっと微妙なんですよね。

しかし予め送られてきた電子メールにあったように、
8番ホームと9番ホームの間にあるNSBのオフィスで、
プリントアウトしたメールを見せたら、
さらっと乗車券一式を印刷してくれただけではなく、
いつもならインフォメーションでもらう、
マップなどの資料一式も一緒にくれたではないですか!

いやぁ〜、この至れり尽くせりの対応。
さすがは北欧だ。

さて、初日の宿は駅から徒歩10分程度のところにあるバックパッカーズ。
とはいえ、これまた良くも悪くも北欧。
ドミトリーが併設されているいわゆる『安宿』なんですけど、
ツインルームでも最低約9,000円!
僕らの予算ではかなり高いほうです。
それでも部屋は質素で居心地はいいですよ。

昨夜は目抜き通りのカール・ヨハン通り周辺を下見して遅い夕食を摂り、
23時前にはまた爆睡してしまいました。
長距離フライトの後で熱いシャワーを浴び、
ベッドで体を伸ばして寝ると、ほんと生き返ります。

今日のオスロは快晴。
いい写真が撮れそうだな。

それでは行ってきます!

えーじ
posted by ととら at 18:55| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月17日

第16回取材旅行の準備 その3

今は16時05分。
ととら亭をシャットダウンしてアパートに帰ってきました。

今回のフライトは2014年末の韓国行き以来、
3年半ぶりの羽田空港から。
出発は日付が変わった0時1分なので時間的には余裕です。
野方を出るのは20時半くらいで十分でしょう。

準備は粛々と進めてはいたものの、
最後の数日がドタバタするのはいつものこと。
特に今回は寒暖の差が激しい天候と、
サッカーのワールドカップが始まった影響からか、
お客さまの来店パターンが通常と変わり、
意表を突かれまくったのが効きましたね。

ともあれご好評をいただいたギリシャ料理も昨夜でほぼ完売となり、
おかげさまで達成感をもって気持ちよく出かけられそうです。

旅は僕たちにとって公私ともにひとつの区切り。
終わりであり、また始まりでもあります。

なので今日のように営業をやってから出発するとなると、
少し微妙な気分になるかな?

さぁ、それじゃ頭を旅人モードに切り替えましょうか。
次はノルウェーのオスロから!

えーじ
posted by ととら at 19:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月15日

おじさんから質問

ととら亭でお話を聞いている限り、
僕のブログの読者は年齢層の高い方が多いようですが、
一度、小学生の男の子から
「ブログ読んでます!」と言われて驚いたことがありました。

そういえばお店で高校生の女の子が僕の本を読んでいて、
ドキっとしたこともあったっけ。
なにせR指定ではありませんが、
未成年の方が読むことを想定していなかったもので・・・

そんなこんなで若い方にも縁ができつつ、
選挙権だけではなく成人年齢も18歳になりそうなので、
ここでひとつ、そんな君たちに質問してもいいかな?

これから君たちが大人としてデビューする社会を
次のふたつから選べるとしたら、
どちらがいいですか?

A.億万長者とホームレスがいる社会
B.億万長者もホームレスもいない社会

これはとても大切なビジョンでね。
誰かに答えを教えてもらうのではなく、
自分で考えて自分だけの答えを持つべきことなんだよ。

え? 選択肢Cはないのか?

ああ、すまないけど、
僕たちの世代もその前の世代も、それを思いつかなかった。

だからいま君たちが出来る選択は、
僕たちが並べたAかBを選ぶだけだけではなく、
まだないCを創りだすってこともありなんだ。

ま、僕も往生際が悪いんでね、
明後日から、
その疑問を解く鍵を探す旅に出るところなんだけどさ。

えーじ
posted by ととら at 14:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月13日

夢のおつり

「大型プラズマディスプレイにポスターを表示できないかな?」

10年前、
まだネクタイを締めて商業施設のシステムを管理していた頃、
広報担当からこんな相談を受けました。

なんでも、
B0サイズのフルカラーポスターを印刷するのはコストと時間がかかる上に、
広い館内での貼り換え作業もかなり負担になっているとのこと。
ポップサーバー上のデータを各ディスプレイに直接配信出来たら、
相当な省力化に繋がります。

ふ〜む・・・
技術的なハードルは高くない。
でも、コストがね〜・・・

で、この話は立ち消えに。

それから時は流れ、2018年6月12日。
昨日は小用があって新宿に行っていたのですけどね、
10年前の『夢のシステム』は、
ありきたりの情景の一部となっていました。

レトロなムードが漂う野方から西武新宿線で新宿駅に着いてみれば、
虹色に輝く巨大な電光テロップに迎えられ、
外に踏み出すと大型ビジョンにCGの少女たちが舞い、
地下街はさながらパソコンの画面を巨大化したかのような光景が
延々と続いているじゃないですか。

なんとも便利になりました。
十年一日とはよく言ったものです。

でも、疲れません?

普段、地味な野方5丁目から出ていないせいかな?
1時間もあれこれ歩き回っているうちに
あまりの光学的な情報の多さに、
目も頭もくたくたになってしまいました。

特にディスプレイのコンテンツは静止画ではなく、
動きの速い動画でしょう?

個人的に言うと、
あれはもう僕の情報処理能力を完全に超えていましたね。
ただでさえ歩行者が多いのに、
その背景まで光りながら、わらわら動いているのですから。

こりゃマジで疲れる。

で、ほどなく僕の自己防衛システムが働きはじめ、
フィルタリング機能がオンに。

見ているようで見ないようにすると大分楽になりました。

これは音も同様です。
そこかしこから流れる音楽や声も、
聞いているようで聞いていない。
こうした時の僕は殆ど『自閉モード』と言ってもいい状態。

ここでちょっと訊いてもいいでしょうか?

過剰な情報、
いや、光と音とコトバ(意味)の濁流に飲み込まれた時、
皆さんはどうしています?

雑踏の端でふと立ち止まった僕は、
10年前の夢の『おつり』に気が付いたのですよ。

それは『無関心』。

人間が溢れているにもかかわらず個々人は孤独だという、
大都会の奇妙な矛盾も、
こんなところから説明できるのかもしれない。

野方に戻る電車の中で、
僕もまた沈黙をまとう群衆の一人として、
そんなことを考えていました。

えーじ
posted by ととら at 17:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月10日

国旗に込めた思い

国家間の紛争というのは、
何処も複雑な事情が絡んでいるものですが、
地政学的には隣どうしでもめることが殆どです。

というのも、
そもそも国境の取り決めが穏便に行われるケースは稀でしょうし、
隣に住んでいるにも拘らず、
別居するにはそれ相応の理由があるからかもしれません。

しかし、僕たちが食を巡る旅をしていて気付いたのは、
数十年、数百年の時を超えて反目し合う民族や国同士が、
実はその文化の多くを共有しているという事実です。

特に食は言語や宗教、イデオロギーの壁を易々と超え、
目に見える形で、
いや、味わい、自らの体になる形で日常に溶け込んでいるのでした。

それ故に『同じ釜の飯を食った者どうし』が戦火を交えるのは悲しい。

ととら亭では、
旅のメニューに合わせた当該国の国旗をディスプレイしています。
今の特集はギリシャとトルコ。

flags0806.jpg

この2国もまた国境を接し、
ビザンティン帝国の昔に遡る因縁の歴史を背負っています。

しかし彼らもまた例外ではなく、
食という文化の低層は、両国をしっかり結び付けているのでした。

僕たちがこうしたディスプレイを始めたのは、
当該国の国旗を紹介するだけではなく、
時にはその結びつきを表そうと思ったからなのです。

そういえば奇しくも両国の国旗を支えている小さな花瓶は、
アルメニアのエレバンを訪れた時に蚤の市で買ったものです。

僕たちの歴史は侵略と略奪にまみれています。
でも、シェアしていることだって沢山ある。

心の痛むことが絶えない昨今、
これは希望の原点と言えるのではないでしょうか?

えーじ
posted by ととら at 16:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月07日

Back stage of Tototratei

どんな仕事にも『舞台裏』があるものです。
僕らの場合、旅の料理の試作がそのひとつ。

どうやって現地の味を再現するのか?

これまで何度もいろいろな方からご質問を頂きましたが、
作業そのものは至って地味なものなんですよ。
思えばこのプロセスは、
ちょっとゴルフに似ているかもしれないですね。

最初はドライバーでバーンと飛ばし、
そこから先は少しずつ寄せてホールに沈める。
微妙なところで味が決まらない時は、
ホールから半径50センチ圏内で行ったり来たり・・・

不運にも1打目で池に飛び込んだり、
バンカーにはまってしまうこともあります。

特にヨーロッパ以外の文化圏の料理では、
ともこの持ち前のスキル(和・仏・独料理)が使えないケースがあり、
失敗が続くと、
とばっちりを恐れた僕がキッチンに近付かなくなるのも珍しくありません。
(コワイんですよ)

で、いま挑戦しているのがモザンビークとスワジランドの料理。

だからヤバいです。

いや、レシピが難解だからではありません。
クッキングメソッドのノリが違うんですよ。

ともこの場合、修行時代に習った料理のジャンルのみならず、
性格的にもきっちり仕事をやろうとします。
しかし、アフリカのプリミティブな料理は、
良くも悪くもラフなんですよ。
ちまちまやらないでババ〜んと作っちゃう。

こりゃもう音大出のクラシックプレーヤーに
デスメタルを演奏させるようなものなんですね。
(僕のプロデューサーとして苦労をお察し下さい)

それでも今回、なんとか4品の試作に成功し、
写真撮りまで終わりました。
あとは提供ラインの整理と味と香りの微調整。
めでたしめでたし・・・

と行けばいいのですが、飲食店ならではのオチが待っているのです。

makanai052018.jpg

これ、ある日の賄い風景なんですが、
並んでいるのはモザンビークとスワジランドの料理。

美味しそう?

あ〜、確かに美味しいんですけどね。
でも、試作とはいえ一度に作る量は8人前くらいあります。
それに試作も1度では終わりません。
ってことは、この同じ内容の賄いが延々と続くわけなんですよ!

そういえば今やっているギリシャ料理特集の時も、
ムサカなんて二人で30食分は食べたんじゃないかな?

取材だけではなく、
試作もまた過酷なフードファイトのととら亭でございました。

えーじ

P.S.
その苦労の結晶のギリシャ料理特集は、
6月16日(土)で終了します。
お食べ逃しなく!!
posted by ととら at 10:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記