2018年10月13日

僕のおすすめ その1

お客さまの平均年齢がけっこう高めのととら亭。
ところがここ半年余り、
どうした訳か20歳代のお客さまが増えてきました。
そこでよく訊かれるのが「お勧めの国は何処ですか?」という質問。

もちろん彼、彼女たちが期待しているのは、
「そうだね、ボリビアかな?」
とか、
「エチオピアが良かったよ」
という答え。

でもねぇ・・・
まぁ、そんな国も頭に浮かんだのですが、
20歳代という相手の年齢を考えた僕は、

「日本がいいね」

と答えています。

なぜか?

外国に行くということは、
公務ではないにしても日本代表と見なされます。
そこで最も重要になるのは、
これから海外に行こうという人が気にする英会話力ではなく、
日本についての考えを持っているか? なんですよ。

だっていくら英語がペラペラ喋れたからって、
話すべき中身がないんじゃしょうがないでしょ?

え? 学校で習ったことを話す?
でも、それは知識であって経験じゃありませんよね?
(もちろん学生生活も経験のひとつですけど)

主語を明確に話す文法の国々で訊かれるのは、
往々にして本に書いてあったことではなく、
『あなたが何をどう考えているか?』なんですよ。
だから期待されるのは、
僕は××××××についてこう考えています、という答えなんですね。

で、日本についての意見を持つには実際に旅するのが手っ取り早い。
だからJAPANなのです。

といっても実際に旅するとなるとこの国も広い。
北海道と沖縄では気候風土だけではなく、文化もかなり違いますし。
そこで個人的にはまさしくその両方のどちらかをお勧めしています。

この前、別の文脈でちょろっと触れましたが、
沖縄と北海道は、もともと和人の住んでいた地域ではなかった。
ましてや沖縄は琉球として王朝もあった別の国でしょう?

美しい自然や美味しい食べ物を楽しむのは当然。
でも、それだけではなく、1日は沖縄でなら南部の戦跡や、
北海道ならアイヌコタンを訪れて現地の人の話を聞いてみて欲しい。
そこから何を感じるか?
それが『自分の考え』のコアになるんですよ。

20歳代の方であれば、
ぜひ一人旅にもチャレンジしてみて欲しいですね。
一人旅は二人旅やグループ旅行とはまったく次元の違う旅になります。
さらに、ツアーではなく、自分ですべてを手配する旅に出かけてみませんか?
心を開き、見ず知らずの人に接する最高のチャンスが訪れますよ。

北海道で、沖縄で、
あなたの経験がどんなものになるか、僕にはまったく分かりません。
でも、そうした旅から帰った後なら、
次の意見に同意してくれると僕はかたく信じています。

旅は究極的な学校であり、
そこで出会う全てが先生なんだ。

そうだったでしょ?

えーじ
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2018年10月10日

ランチリニューアル!

ととら亭は旅の食堂。

にもかかわらず、旅の料理がない!

とランチで言われ続けて8年7カ月。

なるべく幅広いお客さまに楽しんで頂こうと、
ランチタイムは旅ランチと洋食ランチの2本立てで、
これまでやって来ましたが、
当然のことながら、いつも売り切れになるのは旅ランチが先。
終わり間際には、しばしばこうしてお叱りを頂戴していたのですよ。

そこで思い切って、今日から旅ランチで統一しました!

毎日2ヵ国行きのランチ便を飛ばします。
記念すべき初日の行き先は、メキシコとモザンビーク。

おかげさまで全便満席となりました。
ありがとうございます!

えーじ

triplunch.jpg
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2018年10月08日

あと1時間あるから

この前の定休日の翌日。
メニュー変えで寝るのが深夜になった僕がぐっすり眠っていると・・・

ブイイイイブブブブブ・・・

・・・・?

「違うよ! そっちじゃなくて!」
「え? ここじゃないの?」
「違うったら! 2軒先の方!」

・・・・?
な、なんだ?

「だからその手前だってば!」
「最初からそういえば分かるのに!」

・・・・?
うるさいな〜・・・何時だと思ってるんだ?

時計を見れば6時20分です。

なんてこった、まだ3時間も寝てないじゃないか。

外を覘くとアパートの目の前でスクーターに乗った年配の男性が、
同じく年配の女性に何か指示を出しているようです。

・・・・?
新聞? いや、チラシでもポスティングしてるのか?
この早朝に、よりによってうちの前で、
大声を出さなくても良さそうなもんじゃないか。
やれやれ・・・目が醒めちゃった。

まだ店に行くまで1時間半ある・・・か。
じゃ、溜まった書類の片づけをやりながら洗濯機を回そう。

こうして寝不足のまま出勤した僕は、
通常の業務に加えてディスプレイ写真の交換やチラシの用意など、
メニュー変えの残務処理でディナーが終わった頃にはもうくたくた。

さすがにその晩は寝るというよりシャワーを出るなりほぼ気絶。
しかし爆睡しただけあって翌日は元気いっぱい。
で、ランチが終わった後、コーヒーブレイクをして間もなく、

さて、午後のタスクは・・・
そうか、ともこの方の排水が詰まりがちだったな。
このプライオリティが一番高い。

そこで腕まくりをした僕は下水掃除用のワイヤーを持って外へ。
グリストラップ側からグリグリとワイヤーを入れての大掃除です。
約45分ほどの格闘で通水に成功。

パントリーに戻って手を洗った後、

昼食(僕らの昼食は16時半前後なんですよ)までまだ1時間ある。
これだけあれば壊れた温水洗浄便座が交換できるな。

先日、約7年間使った温水洗浄便座の電源がまったく入らなくなり、
新品を取り寄せていたのですよ。
そこで箱から取り出していると、

「え? それ今やるの?」
「ああ、水道工事部分は前回のものがそのまま使えるから簡単に交換できるよ」
「ちょっと頑張り過ぎなんじゃない? メニュー変えで疲れてるんだし。
 大仕事は一日一個にしておけば?」
「昨日ぐっすり眠ったから大丈夫。それにこれなら1時間もかからないさ」

そうして作業に取り掛かり、

お、外してみると掃除しきれなかったところに手が届くようになったぞ。
ついでに便器もきれいにしてしまおう。

そうして屈みこみながらゴシゴシやること30分。
そこから便座を交換して動作確認でさらに10分。

「大丈夫? 予定より時間がかかってるけど」
「ああ、いま終わったよ。もう使えるからね」
「ごくろうさま!」

ふ〜・・・食事まであと20分か・・・
それまでちょろっとデスクワークをやろう。

と思いつつパソコンを起動し仕事を始めたところで・・・

ん? なんだ?

右臀部の上、やや背骨よりのところに鈍い痛みが感じられます。

ん? 姿勢が悪いのか?

上半身を真っ直ぐにしてみましたが、
痛みは短い周期で増してきているような気がします。

え? なんだこりゃ?
この前の前兆そっくりじゃないか!

去る8月2日の未明、
6年半ぶりに腰部椎間板ヘルニアを大クラッシュさせた記憶が
鮮明に蘇って来ました。

やば、安全装置が外れてる!
いや違う! 起爆装置が起動したんだ!

そう、あの時はこの状態でいま座っているカウンターから、
6歩歩いたら爆発したのです。

「ともこ!」
「わぁ、びっくりした! なに大きな声出して?」
「すぐ水を持って来て!」

僕は彼女の質問に応えもせず、
脇に置いてあったバックパックからファーストエイドポーチを取り出し、
ロキソニンをダブルで口に放り込みました。

「はいお水! どうしたの? 腰が痛いの?」
「爆発寸前だ!」
「え〜っ!」

時刻は15時55分。
薬は1時間以内に効いてくる。
17時までにクラッシュしなければセーフだ。

「やっぱりさっきの作業で悪化したんだよ!」
「ん〜・・・どうだろね? 作業中はなんともなかった。
 椅子に座ってからじわじわと起爆状態になったのさ」
「どう? 動ける? 今夜ディナーの予約が2件入ってるよ」
「とりあえずこのまま様子を見よう。じっとしてる限り痛みはないんだ。
 で、18時になったら判断するよ」

こうしてひやひやしながら1時間が経ち、2時間が経ち・・・
僕は座禅を組んだように椅子に座ったまま考えていました。

何がいけなかったんだろう?
しゃがんだ作業をやっていたけど姿勢には気を付けていたし、
昨夜は早く寝て体調も回復していた・・・

いや、待てよ。

椎間板ヘルニアを爆発させる要因は姿勢だけではありません。
神経の炎症を起こさせる原因は椎間板による圧迫以上に、
ストレスと過労の影響が大きい。
思えば8月のクラッシュの時も僕はだいぶ疲れていました。

そうか、椎間板ヘルニア以上に悪いビョーキが再発していたんだ。

それは『やりすぎ病』。
僕のタスクリストは飲食業に携わる個人事業主のご多分に漏れず、
いつもいっぱいです。
で、時間さえあればプライオリティの篩をかけて、
片っ端から手を付けてしまう。

あと30分ある。ならあれが出来る。

とか、

あと1時間ある。ならこれが出来る。

という具合にね。

こうした考え方は『勤勉さ』とか『効率的な仕事の仕方』なんかじゃなく、
一種のビョーキなんですよ。

と、いうわけでメニュー変えが終わった後にやるべき行動の正解は、

なにもしない。

だったんですね。

学習&反省しました。

えーじ

P.S.
今回はさいわいセーフでした。
はぁ〜・・・危なかった!
posted by ととら at 16:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年10月06日

Old & New

先日、運転免許証とパスポートのダブル更新で、
5年ぶりに都庁に行って来ました。

公共の交通機関が充実した東京に住み始めてかれこれ18年。
ほぼ完全にペーパードライバーとなった僕にとって、
運転免許証はたんなる身分証明書のひとつになってしまいましたが、
(実家でバイクが泣いている・・・)
パスポートは仕事柄よく使っています。

今回で10年有効のパスポートが4冊目。
中でもこの前まで使っていた3冊目は思い出深いもので、
ととら亭の歴史そのものなのですよ。

会社を辞めた2009年に更新して、
最初に押された入国スタンプが3カ月間の中南米旅行で訪れたメキシコのもの。
最後の出国スタンプは今年7月に行ったフィンランド。
この10年弱の日本出国回数は22回。
その中で訪れた国は48カ国。

スタンプはともかくビザでは1ページがフルで使われてしまいますから、
この数ともなるとページが足りなくなりそうですけど、
残念ながらページの増補にはなりませんでした。
比較的行った回数の多いヨーロッパでは、
多くの国がシェンゲン協定に加盟しているので、
たとえば4カ国を周っても圏外から入った時の入国スタンプと、
圏内から出る時の出国スタンプしか押されませんからね。

中でも思い出深いページはブラジルのビザかな?
あれは日本で取得したのではなく、
メキシコシティのブラジル大使館で苦労して取ったのです。

何が大変だったかって英語が通じなかったんですよ。
大使館なのに。
しかもビザの申請書も英文併記ではなく、スペイン語のみ。
料金は指定銀行で振り込み、その証明書を持ってこなければならないとは!
スパニッシュ齧りかけの僕は完全にお手上げ。

しかしそこは親切なメキシコ人&ブラジル人。
お客さんの中から英語が話せる人を探し出し、
即席通訳をやってくれました。

こうしていろいろなスタンプやビザを眺めてみると、
写真とは別に思い出すことが沢山あります。
ただでさえ国境はドラマとトラブルに満ちているところですからね。

片やまっさらな新しいパスポート。
最初に押される入国スタンプはどこになるのか?

実はもうブッキングが終わっているのですよ。
その詳しいお話はまたあらためてしましょうね。

えーじ
posted by ととら at 17:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年10月03日

世界のギョーザ特集パート4が始まります!

いつぞや映画プロデューサーのM氏と話していた時のこと。

「えーじさんたちはスゴイよね!
 旅して探した料理を再現してしまうんだから!」
「仕事だからですよ。
 Mさんだって普通の人じゃできないことをやってるでしょ?」
「そんなことないよ。
 オレ、映画の撮影どころかカメラの使い方も怪しいし」
「でもいい作品を作ってるじゃないですか」
「そうかな? オレがやってるのは人を結び付けることだけなんですよ。
 撮影ができなきゃ撮影できる人を呼び、
 照明ができなきゃ照明のできる人を呼んでくる。
 出来ないことがあれば出来る人を呼ぶ。
 ただそれだけ」

なるほどね・・・

今は日付が変わって26時42分。
隣の部屋でともこが寝ています。
僕は例によって旅のメニュー変えの仕事で2日間ほぼ缶詰状態。
やっと終わったところでふと頭に浮かんだのがM氏との会話でした。

彼と僕は正反対なんですよね。
DIYが座右の銘に等しい僕はこの通り、
なんでも自分でやらにゃ気が済まない。

でも、大きな仕事をする人は器が違うんですよ。
人を信じて任せることが出来るんだから。

あ、でも彼だって徹夜仕事は珍しくないんだったな。
とことんやっちゃうスタイルは同じか。

そういえば彼も元筋金入りのバックパッカーだ。

と納得(?)したところでリリースします。

世界のギョーザ特集パート4

今回はワインも含め旧ソビエト連邦圏でハラショーにまとめてみました。
気合が入ってます。

でも、今夜は力尽きました。
おやすみなさい。

えーじ
posted by ととら at 03:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年09月30日

P.S. Say Hello again.

先日、高円寺でスーパーマーケットに入った時のこと。
レジで僕たちの前に並んでいたのは、
20歳代後半とおぼしき女性でした。

「いらっしゃいませ」

「・・・・・・・・」

彼女はスマホに目を落としたまま買い物かごをレジ台に置き、

「1,296円でございます」

「・・・・・・・・」

財布から1,000円札を2枚取り出してキャッシュトレイに置き、

「704円のお返しでございます」

「・・・・・・・・」

キャッシュトレイから釣銭を受け取り、

「レジ袋はお必要ですか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

彼女はスマホから顔を上げようとしません。
ちらっと見えた画面は日本語表示、
そしてイヤフォンが接続されていことから(耳から外していますが)
聴覚障害のない日本人。
ということは、彼女にはレジ係の人の声が聞こえ、
その意味が分かっているはず。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

レジ係の人がしびれをきらせてレジ袋をカゴに入れると、
彼女はまだスマホに目を落としたままカゴを持ってサッカー台へ。
その背中へ消え入るようなレジ係の人の声が、

「ありがとうございました」

ほぇ〜・・・すごいな。

僕とともこはお互いの顔を見合わせてしまいました。
彼女は一度も返事をしなかっただけではなく、
レジ係の人に視線を向けることすらしなかったのです。
これぞ完璧な無視。

かわいそうに・・・

と僕は心底思いましたよ。

いや、レジ係の人が、ではありません。
先の彼女がです。

この国の生き難さや人口1千万都市の孤独というのは、
右寄りの政治家や利益至上主義の資本家が押し付けているのではなく、
市井の僕ら、
ひとりひとりの心の闇から湧き上がってきているのではないか?

そんなことを感じた夜でした。

で、前回お話した Say Hello が世界を変えるってわけなんですよ。

えーじ
posted by ととら at 15:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年09月27日

Say Hello!

ととら亭のお客さまは日本人に限らず、
さまざまな国から来た方たちがいらっしゃいます。

昨夜もポーランド出身の方がご来店されました。

「いらっしゃいませ」
「Hi!」

席にご案内し、メニューを渡すと、

「Thank you so much. ドーモアリガト」

そして飲み物や料理をサーブするたびに彼は、

「Thank you so much. ドーモアリガト」

と僕の目を見ながら『必ず』言います。

また僕がサーブしている時に会話を続けることは、
ほとんどありません。
さっと中断して僕の存在を意識しています。
彼は常連さんのひとりですが、
初めて来たときからこうなんですよ。

皆さんはこういう振舞いをどう思われますか?

実はこれ、
欧米とアジア圏での文化の違いのひとつなのですよ。

日本を始め、アジア圏の多くの国では飲食店に限らず、
お店に入る時に挨拶することはあまりありません。
黙って入って黙って出て行く。

ところが欧米では必ずとは言えないまでも、
多くの場合、入店した時にお店の人と挨拶を交わします。
そして物販店で冷やかしただけの時でさえ、
出る際には「Thank you」を忘れない。

これは思うに、
「私はあなたをひとりの人間として認めていますよ」
という意思表示なのですよね。

だから欧米で店に黙って入って勝手に商品を見ていると、
お店の人に対して、
「あなたは存在しないも同然」
というメッセージを送ることになってしまいます。

そんなことをされれば当然、相手もいい気持ちはしません。
そうなると、せっかく食事や買い物をしたのに、
扱いがまったく変わって来るのも無理からぬことでしょう。

僕は外国にいる時に限らず、
国内でもお店に入る時は最初に相手の目を見て挨拶します。
たとえば飲食店では、
「こんばんは。2名ですが席はありますか?」
コンビニやスーパーでも品物をレジ前に置いた時に
「こんにちは」
お釣りを受け取った時に、
「ありがとうございます」

ほんの一瞬のコミュニケ―ションですけど、
これはその場の雰囲気を変えるのに、
信じられないくらい大きな効果があるんですよ。

時には若い店員さんが機械的に「いらっしゃいませ」と言った後、
おじさんの僕に「こんにちは」と返されて、
一瞬フリーズすることがあります。
誰も彼、彼女の挨拶に応える人がいなかったからかもしれません。

でも、どんな状況であれ、相手が誰であれ、
挨拶には挨拶を返す。
これはコミュニケーションの、
いや、人間関係の基本じゃありませんか?

事前の学習も投資もいりません。

こんにちは。
ありがとう。

このふたつの言葉だけで、僕らの幸福度が上がるだけではなく、
日本という国における生きやすさも向上する。
それも確実に。

ホントですよ。

えーじ
posted by ととら at 15:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年09月24日

i

9月のダブル3連休が終わりました。
みなさん、どこかへお出かけになりましたか?

旅の食堂という職業柄、ここ2カ月ほど前から、
「パリに行こうと思ってるんですけど」とか、
「ハノイってどうでした?」
のようなお問い合わせを度々頂いていました。
ちょっとした旅行案内所のようになったととら亭です。

残念ながら『エーゲ海の豪華クルージング』や、
『ファーストクラスで行くケニアサファリツアー』
などのゴージャスな情報は持ち合わせておりませんが、
そこは質問する方も心得たもの。
僕に訊くとなれば、バックパッカーネタがほとんど。

頂いたご質問をジャンル分けすると、
ご時世柄か、治安に関するものが一番多かったですね。
次が移動ルートの妥当性と手頃な宿。
そして美味しい料理かな?

旅は人それぞれなので、
頂いた質問が同じでも、答えが同じとは限りません。
渡航先と目的だけではなく、
個人旅行か、パックツアーか?
ソロが、ペアか、グループか?
男性か、女性か?
そしてこれまでの旅の経験によって、
なにが最適かは変わって来ますからね。

でも、よっぽど無茶な計画でない限り、
共通している僕の答えは、

行ってらっしゃい!

たとえ行き先が誰もが知るところの有名観光地であっても、
旅はその人が自分で経験することに意義があります。
換言すれば、
ちっぽけな情報の小箱から、
広い経験の世界へ飛び込むことが旅じゃないですか?

なので同じ渡航先であっても、
旅人が変われば当然、旅の印象も変わります。

「帰って来ました! すんごく良かったですよ!」

僕が土産話を楽しみにしているのは、
ひとつとして同じものがないからなんですよね。

えーじ
posted by ととら at 21:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年09月21日

旅の肉体労働者

関東地方は秋の入り口。
アパートからお店までの通勤ルートにある柿の木の実が、
だんだん色づいてきました。

気持ちのいい季節ですね。

と、喜んでばかりはいられません。

季節の変わり目、とりわけ気温が下がる時は、
椎間板ヘルニア持ちにの僕にとって要注意の時期なのです。

そこで先日、MRIで椎間板の壊れ加減を検査してもらいました。
初めて病院送りになった2012年1月から6年半が経ち、
どれくらいガタがきているのか気になっていたのですよ。

「どうですか?」
「第3腰椎と第4の間、
 それから第4と第5の間の椎間板がやや乾いていますね。
 しかしヘルニアはそれほどひどくありませんよ」
「え? そうなんですか?」
「痛みがあった背骨の右側に炎症の跡が見られますが、
 神経を強く圧迫してはいないので、これなら軽症です」

そのわりに痛みは半端じゃなかったんだけどな。

「入院した時と同じ薬を処方しておきますから、
 また痛みが出たらそれを飲んでください」
「どんなタイミングで飲めばいいですか?」
「強い痛みが来てからではなく、違和感を感じた時点で飲んでください。
 ロキソニンは痛み止めで知られていますけど消炎作用もあるのですよ」

そうか、あんまり我慢しちゃいけなかったんだ。

「ひとつ相談したいことがあるのですが」
「はい、どうぞ」
「僕の仕事はある程度の身体能力が必要で、
 その為のトレーニングをやっているのですが、
 そのメニューが正しいかどうかのアドバイスが欲しいのですよ」
「・・・? どんなお仕事をされているのですか?」
「ん〜・・・そうですね、
 行動範囲が海抜マイナス400メートルから5000メートル、
 気温はマイナス20度から45度。
 そうした環境で20〜25キロの荷物を背負い、
 高低差のある道を何時間も歩かなければなりません」

ドクターは怪訝な表情で、

「それは何ですか?」
「料理探しです」
「・・・?」
「普段は東京の飲食店で働いていますが、
 年に合計で1カ月以上、料理を探して旅をしているのですよ。
 その旅ではさっきお話したような場所を訪れることがあり、
 いずれも最寄りの医療機関まで2日以上かかる場合が珍しくないので」
「大変ですね!
 それではこのあとリハビリルームで理学療法士から話を聞いて下さい」

2階で僕を迎えてくれたのは、体操の先生のような好青年の理学療法士さん。
そこで同じ説明をすると、

「へぇ〜、なるほど! 分かりました。
 それでどんなトレーニングをしているのですか?」
「週5回の基礎的な筋トレと週3回のジョギングです」
「ジョギングは問題ないですよ。筋トレは何をやっています?」
「弱い椎間板を守らなければならないので、腹筋と背筋を中心に鍛えています」
「ちょっとやってみて下さい」

そこで僕はベンチに仰向けで横になり、
両足を揃えて上げ下げするメニューをやってみせました。
30度まで10回、60度10回、そして90度10回。

「うん、いいじゃないですか。でも90度は過激ですよ。
 特に勢いを付けてやると腰に負荷がかかり過ぎます」

次は背筋です。ベンチにうつぶせになり、
手のひらを後頭部の後ろで組んでエビ反りに上半身を起こします。

「これも問題ないですよ。
 でも腹筋の時と同じように、速く勢いをつけてやると良くないです。
 全体的に呼吸を続けながらゆっくりやってみて下さい」

こうして意外にもあまりダメ出しはされず、
別の効果的なメニューも教えて頂いて、僕は病院を出たのでした。

総合的に判断すると、
椎間板ヘルニアはさいわい手術が必要なレベルではない。
トレーニングのメニューもほぼOK。
今後は腰に違和感を感じた時点でロキソニンを飲み、
炎症がひどくなる前に抑える・・・ってことかな?

安心材料をもらった僕は、その日の夕方トレーニングに行き、
ウォームアップが終わったところで試しに体のギアをトップに入れてみました。
坂道をダッシュで登り切り、
スピードを落としたら体に違和感がないかチェックします。

左足・・・OK、右足・・・OK、腰・・・OK、
上半身・・・OK。いやな感じはない。
どうやら復活したみたいだな。

とまぁ、55歳にしてこんなことをやらにゃならんのですからね。
旅の食堂ってのは、因果な商売でございます。

えーじ
posted by ととら at 14:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年09月17日

第16回取材旅行 その18 最終回

北欧諸国に『生き方の自由』の点で大きく引き離された僕らの日本。
前回は僕なりに考えた原因のひとつ、
メード イン ジャパンの悲しい『王道主義』についてお話しました。

自ら入る『概念の檻』ともいえるこのイズムは、
信仰に近い力を持って、
この島国に広く深く根を張っていると僕は考えています。

そしてその巨木から咲いた暗黒の花が『普通主義』。

これまた簡単に例を挙げると、

”僕は性的に女性が好きです。
 男性に性的な関心は持っていません。
 男性が女性を好み、女性が男性を好きなるのは自然なこと。
 そうでなければ子供が出来ませんからね。”

というのが『普通主義』の典型的な考え方のひとつ。
自然科学を引用しているようでいて、
実は自分の感覚を世界標準に拡大しているだけです。

僕がこれを怖いと言ったのは、こうした考え方が自らを『普通』と称し、
それ以外を排除しようとする傾向がきわめて強いからなんですよ。
そしてこの考え方を持つ人が増えて『普通』を『正常』と言い換え、
『普通ではない』を『異常』とした時、
さらに『正常』を『優秀』と言い換え、『異常』を『劣等』とした時、
僕たちの歴史の中では、
凄惨なエスノサイドが繰り広げられたのではなかったでしょうか?

先日炎上した杉田水脈衆議院議員の書いた記事は僕も読みましたが、
彼女が開陳した意見の後半は、
まさしく典型的な『普通主義』の吐露でした。
LGB(T)のひとは普通じゃない。
日本を自分のような異性愛以外の人が蔓延した国にしたくない・・のね。

僕は彼女が個人としてこうした思想を持つことそのものは、
どうでもいいと考えています。
しかし代表民主制の国会議員が持っているとなると、
話は思いっきり変わってくるでしょう。

なぜなら彼女が『代表』となるからには、
彼女の意見に賛同する人がそれなりの数でいるということを意味するからです。
(さいわい小選挙区ではなく、比例代表で当選した議員ですが)

これはマジで怖い。

え? そんな人は自分の周りにはいない?
そうですか?

じゃ、ちょっとしたチェックプログラムを走らせてみて下さい。
会話や文章の中で「常識」「絶対」「普通」「当然」「当り前」「ありえない」、
こうしたキーワードが
発言者の考えを正当化する目的で飛び交っていません?

僕は杉田議員の記事を繰り返し読んで、
心底「むわぁ〜・・・」っと思いましたよ。

だって彼女たちが力をつけてその主張に沿った法案を通すようになったら、
僕なんか再教育キャンプ行き間違いなしですからね。
なぜなら僕は異性愛ですが、異性愛以外の友人がいますし、
彼、彼女、そして彼でも彼女でもない人たちも好きだから。

ここでも誤解なきよう言っておかなければなりませんが、
僕は友人たちがLGBTの何れかだから好きなのではありません。
これまた僕にとってはどうでもいいことなのです。

もっと言えば、あなたの性がなんだろうが、肌が何色だろうが、
国籍が何処だろうが、何語を母語としていようが、宗教がなんだろうが、
僕にとってはあまり大きな意味はない。

なぜなら僕は、あなたをただの地球人としてしか見ていないから。

その逆もまた然り。
僕は社会的なステータスではなく、
(さいわい、ちやほやされるものはありませんけど)
素の自分として接してもらえる時が一番うれしい。

スウェーデンでは、
早くも1944年にホモセクシャルの差別が法律で禁止されました。
多様性についてのスタンスは、
2018年になっても『普通主義』が跋扈している日本を
完全にぶっちぎっていると思います。

「君は自分の国籍をどこだと思う?」

オスロで出会ったベトナム系ノルウェー人のダニエルにこう訊いた時、
「そうですね・・・」と少し考え込んでから、

「やっぱりノルウェーかな?」

彼はそう答えてきました。
これはあくまでひとつの限定された例ですが、
それでも難民の2世が下した、
受け入れ国についての大きな評価だと思います。

僕たちの日本は、こんな風に思ってもらえているのでしょうか?
(難民の受け入れ率は申請数のたった0.2パーセントですけど)

とまぁ、北欧の旅の後半は、
日本人としての自己卑下的なお話が多くなってしまいましたが、
僕は奇妙な高揚感を持って帰国の途についたのでした。

人類の壮大な社会システムの実験は共産主義で打ち止めとなり、
それがキューバを残して形骸化したいま、
僕らはバグだらけの民主主義+資本主義でやって行くしかないのか?
と、気が滅入っていたのですが、
ところがどっこい、北欧では静かな革命が進んでいたのですね。

今回の旅は行って良かった。

僕は心からそう思っています。

えーじ(生産性なし)

fi_us.jpg

See you on the next trip!!

P.S.
今回、ところどころで統計資料を引用しましたけど、
ご参考程度に読んでおいて下さい。
裏を取っていない数字は出どころが何処であれ、
僕は手放しで信用していませんので。
posted by ととら at 17:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記