先の長旅についてはいろいろなご質問を頂戴しておりますが、
ちょっと前にお話した「いちばん良かった場所」に次いで多いのが、
「何にいちばん苦労しましたか?」
僕らの旅の場合、苦労はフツーに付きものですから、
(残念ながら)
今さら1番も2番もないのですけど、
今回、かなり手を焼いたのが旅行シーズンに伴う「大混雑」。
これは想定を大きく上回っておりました。
いやぁ〜、7月から9月のヨーロッパがあんな状態とはね。
とにかくどこもかしこも混んでいて、
出たとこ勝負ではどうしようもありません。
そこで仕方なく、事前に宿や交通手段から、
レストランまでブッキングしまくったものの、
今度はそれが仇となって、
スケジュールは融通の利かないがちがちに。
レンタカーで移動していたときなど、疲れて一泊したくても、
予約した宿のある街まで根性で走らねばならなかったり。
レンタカーといえば、これも大失敗でした。
いや、ディーゼル事件の件ではありません。
ヨーロッパの道路があんなに混んでいるとは知らなかったのですよ。
しかも皆さん、えらいスピードで走っていますから、
よそ者の僕がとろとろやっていると煽られる、煽られる・・・
さらに取材といえば古い飲食店の多い旧市街でしょ?
で、旧市街といえば、文字通り「旧い」街ですから、
道路は現代の自動車ではなく、歩行者や馬車を基準に作られています。
その細く曲がりくねった道を走ることの恐ろしさといったらもう・・・
ボディをこすりそうになるだけではなく、
突然、狭い路地から電動キックボードが飛び出してきたり。
加えてトラムがやたらと走っているじゃないですか。
軌道内を走行中、あれに追いかけられたときなんか、
生きた心地がしませんでした。
ほんと、よく無事故で戻れたものです。
取材そのものでの苦労といえば、
いちばん大変だったのが、お目当ての料理のあるレストランを探すこと。
郷土料理であればどこにでもあるというわけではなく、
場合によっては、街中がファーストフード店ばかりになっていて、
なかなか、ここだ! という店が見つからないのです。
ボスニアやイタリア、モロッコなど、
簡単に探し出せた国もあれば、
イギリスやモンテネグロなど、
かなり難航したケースも珍しくありません。
そして取材といえば、やはり問題だったのが一皿の量。
クロアチアのザグレブで入ったレストランなど、
場合によってはととら亭の量の4倍はありましたからね。
あれはマジできつかった!
そんなこんなで、
とにかく苦労の絶えない4カ月間ではありましたが、
そんな想定外も想定内なのが僕らの旅。
今から思えば、そうしたハードルを乗り越えたプロセスもまた、
いい思い出のひとつです。
次はこれらから学んだ教訓を活かし、
より密度の高い旅をして行きたいと思います。
えーじ
2025年01月20日
2025年01月17日
第25回取材旅行の準備 その2
旅の準備といえば、まず渡航先の文化と料理の下調べ、
そして航空券の手配から、
VISAや保険など入出国に関する手続きとなりますが、
忘れてはならないのが体の調整。
僕らの場合、バックパッカーなので、
一般的な旅行より身体能力が求められるのですよ。
なんといってもメインザックの重さが約17キログラム、
サブザックが約8キログラム、
これに挟まれたサンドウイッチマンスタイルで旅をしていますからね。

というわけで61歳にして、
筋トレやらジョギングやらやらねばならんわけですが、
体の仕上がりの目安となるのが体重と運動時の心拍数。
いつぞやお話しましたように、僕はもともとひょろひょろ君ですので、
旅の出発前には筋肉量を3キロ前後増やさねばなりません。
なので、もうちょい上げて68キログラム前後を目指しています。
それから階段ダッシュを入れたジョギングで、
最大心拍数を150bpm以下にする。
(体がダレた状態だと180くらい打ってしまう)
これは完全に調整が終わると、安静時に55bpmくらいまで下げられます。
(入院してた時に50くらいまで下がり、死にそうだと思われたことも)
この基準に照らすと、今日現在、出発前10日にして、
仕上がりは65パーセントくらいでしょうか。
このまま続ければ、まぁ、どうにかなるかな?
今回のルートで高地はありませんし、
長距離徒歩移動やフル装備ダッシュなど、
あまり過激なことはやらなくて済みそうなので。
(たぶん・・・I hope so.)
さいわい健康診断の結果は二人ともオールグリーン。
今の年齢にしては上出来でしょう。
これをいつまで維持できるかな?
ん〜・・・ここ4、5年のうちに、
アフリカや南米など、しんどいところはクリアしておきたいなぁ。
旅の食堂などというのは因果な商売でして。
日本にいても、外国にいても、
体が資本なのでございます。
to be continued...
えーじ
そして航空券の手配から、
VISAや保険など入出国に関する手続きとなりますが、
忘れてはならないのが体の調整。
僕らの場合、バックパッカーなので、
一般的な旅行より身体能力が求められるのですよ。
なんといってもメインザックの重さが約17キログラム、
サブザックが約8キログラム、
これに挟まれたサンドウイッチマンスタイルで旅をしていますからね。

というわけで61歳にして、
筋トレやらジョギングやらやらねばならんわけですが、
体の仕上がりの目安となるのが体重と運動時の心拍数。
いつぞやお話しましたように、僕はもともとひょろひょろ君ですので、
旅の出発前には筋肉量を3キロ前後増やさねばなりません。
なので、もうちょい上げて68キログラム前後を目指しています。
それから階段ダッシュを入れたジョギングで、
最大心拍数を150bpm以下にする。
(体がダレた状態だと180くらい打ってしまう)
これは完全に調整が終わると、安静時に55bpmくらいまで下げられます。
(入院してた時に50くらいまで下がり、死にそうだと思われたことも)
この基準に照らすと、今日現在、出発前10日にして、
仕上がりは65パーセントくらいでしょうか。
このまま続ければ、まぁ、どうにかなるかな?
今回のルートで高地はありませんし、
長距離徒歩移動やフル装備ダッシュなど、
あまり過激なことはやらなくて済みそうなので。
(たぶん・・・I hope so.)
さいわい健康診断の結果は二人ともオールグリーン。
今の年齢にしては上出来でしょう。
これをいつまで維持できるかな?
ん〜・・・ここ4、5年のうちに、
アフリカや南米など、しんどいところはクリアしておきたいなぁ。
旅の食堂などというのは因果な商売でして。
日本にいても、外国にいても、
体が資本なのでございます。
to be continued...
えーじ
2025年01月14日
第25回取材旅行の準備 その1
長い旅の余韻も冷めやらぬうちから、
パラレルで進めていたのが中東の旅の準備。
当初はもう少し後でと考えていましたが、
昨年末、シリアのアサド政権が崩壊し、
アラビア半島はさらなる混迷の瀬戸際に・・・
そこで急遽、前倒しして行かねば! となったのでございます。
まぁ、圧制者が去って地に平和が訪れた、
こんなハリウッド映画のようなシナリオになればいいのですけどね。
シリア料理は隣国のレバノンと並び、
以前から調べてみたいと思っていましたから。
ところがイラクやリビアの例を鑑みますと、
前政権が封殺していた他勢力同士の権力争いが先鋭化し、
圧制より悪いカオスになってしまうこともじゅうぶん考えられます。
どっちに転ぶかは現時点で誰も何とも言えないでしょう。
今回のルートはカタールのドーハを経由し、
クウェート、バーレーン、サウジアラビアと周るもの。
急がねばと思った理由はサウジで、
シリア情勢には深くイランが関与しており、
イランはイスラエルの宿敵、
イスラエルの宿敵といえば、
パレスチナのハマスやレバノンのヒズボラのほか、
イエメンのフーシ派がおり、
フーシ派はイランと連携してサウジと敵対している。
つまり、シリアというドミノを倒すと、
先に挙げた関係者が連鎖的に反応する可能性があり、
そうなれば地図を見るまでもなく、
アラビア半島全体が危険なムードになる可能性が高いのです。
別の要素として、かつてムスリムに改宗するか、
ビジネスビザを取る以外に入国できなかったサウジが、
いつまた入れなくなるかわからない、というのもあります。
観光ビザを出すようになったのもついこの前、2019年のことなのですよ。
しかも国の全権を掌握するのはたったひとりの王さまですから、
(サルマン・ビン・アブドルアジーズ・アール・サウード国王)
いつまた「やっぱ、やぁ〜めた!」と心変わりするかもしれない。
というわけで、行くなら早いに越したことなし。
期間は1月27日(月)から2月12日(水)の17日間。
はてさて、どうなることやら。
いま以上に不確定要素が増えないことを祈りつつ、
準備を進めて行きたいと思います。
All we need is PEACE.
to be continued...
えーじ
パラレルで進めていたのが中東の旅の準備。
当初はもう少し後でと考えていましたが、
昨年末、シリアのアサド政権が崩壊し、
アラビア半島はさらなる混迷の瀬戸際に・・・
そこで急遽、前倒しして行かねば! となったのでございます。
まぁ、圧制者が去って地に平和が訪れた、
こんなハリウッド映画のようなシナリオになればいいのですけどね。
シリア料理は隣国のレバノンと並び、
以前から調べてみたいと思っていましたから。
ところがイラクやリビアの例を鑑みますと、
前政権が封殺していた他勢力同士の権力争いが先鋭化し、
圧制より悪いカオスになってしまうこともじゅうぶん考えられます。
どっちに転ぶかは現時点で誰も何とも言えないでしょう。
今回のルートはカタールのドーハを経由し、
クウェート、バーレーン、サウジアラビアと周るもの。
急がねばと思った理由はサウジで、
シリア情勢には深くイランが関与しており、
イランはイスラエルの宿敵、
イスラエルの宿敵といえば、
パレスチナのハマスやレバノンのヒズボラのほか、
イエメンのフーシ派がおり、
フーシ派はイランと連携してサウジと敵対している。
つまり、シリアというドミノを倒すと、
先に挙げた関係者が連鎖的に反応する可能性があり、
そうなれば地図を見るまでもなく、
アラビア半島全体が危険なムードになる可能性が高いのです。
別の要素として、かつてムスリムに改宗するか、
ビジネスビザを取る以外に入国できなかったサウジが、
いつまた入れなくなるかわからない、というのもあります。
観光ビザを出すようになったのもついこの前、2019年のことなのですよ。
しかも国の全権を掌握するのはたったひとりの王さまですから、
(サルマン・ビン・アブドルアジーズ・アール・サウード国王)
いつまた「やっぱ、やぁ〜めた!」と心変わりするかもしれない。
というわけで、行くなら早いに越したことなし。
期間は1月27日(月)から2月12日(水)の17日間。
はてさて、どうなることやら。
いま以上に不確定要素が増えないことを祈りつつ、
準備を進めて行きたいと思います。
All we need is PEACE.
to be continued...
えーじ
2025年01月10日
長い旅を振り返り
ヨーロッパ横断の旅から戻って1カ月。
しかし、本当の区切りがついたのは昨日でした。
旅は実際に現地を移動している期間だけではありません。
その準備から、帰国後の整理を含めて、
ひとつの大きな流れを作っているのです。
とりわけ今回のように生活と仕事が一体化した長い旅は、
さまざまな前後のすり合わせが求められ、
クロスフェードの期間もそれなりに長くなりました。
帰国後のみを振り返っても、
まず日本での生活と、ととら亭の再起動に始まり、
病院巡りによる体調チェック、
今回はそれに旅のメニュー替え(世界のギョーザ特集)と年末年始営業、
最後にもう一度メニュー替え(スウェーデン料理特集)があり、
これらが終わってようやくひと段落となったのです。
もちろんこれが完全に終了という意味ではなく、
フェーズ2として4か月に及ぶ膨大なインプットを取りまとめ、
個別のテーマでアウトプットして行く作業がありますけどね。
これは国内での通常営業とパラレルで進めて行く予定。
で、肝心のフェーズ1の評価ですが、
初めての試みにしては上出来だった、と自己評価しております。
ま、ご存知のとおり、あれこれアクシデントはあったものの、
「想定外は想定内」が僕らの旅。
いずれも基本技である「柔軟な発想と粘り強い行動」で、
何とか切り抜けられましたから。
帰国後から昨日までの期間も、
ゼロからの再起動が10日間でできるか、
感染症が流行るなか健康をキープできるか、
リソースに余裕がない状態で繁忙期を越えられるか、など、
いくつかの不安要素はありましたけど、
結果的にいい形で着地できて、ほっとしております。
これらから得られたフィードバックを活かし、
次の旅をよりブラッシュアップされたものにしたいと思っています。
まずは今月27日スタートの中東3カ国を巡る取材旅行。
シリアの政変を受けて予定をだいぶ前倒ししたため、
かなり忙しい準備となっていますが、
まぁ、何とかなる・・・でしょう。
今年も早々に新しいことへのチャレンジの始まりです。
えーじ
しかし、本当の区切りがついたのは昨日でした。
旅は実際に現地を移動している期間だけではありません。
その準備から、帰国後の整理を含めて、
ひとつの大きな流れを作っているのです。
とりわけ今回のように生活と仕事が一体化した長い旅は、
さまざまな前後のすり合わせが求められ、
クロスフェードの期間もそれなりに長くなりました。
帰国後のみを振り返っても、
まず日本での生活と、ととら亭の再起動に始まり、
病院巡りによる体調チェック、
今回はそれに旅のメニュー替え(世界のギョーザ特集)と年末年始営業、
最後にもう一度メニュー替え(スウェーデン料理特集)があり、
これらが終わってようやくひと段落となったのです。
もちろんこれが完全に終了という意味ではなく、
フェーズ2として4か月に及ぶ膨大なインプットを取りまとめ、
個別のテーマでアウトプットして行く作業がありますけどね。
これは国内での通常営業とパラレルで進めて行く予定。
で、肝心のフェーズ1の評価ですが、
初めての試みにしては上出来だった、と自己評価しております。
ま、ご存知のとおり、あれこれアクシデントはあったものの、
「想定外は想定内」が僕らの旅。
いずれも基本技である「柔軟な発想と粘り強い行動」で、
何とか切り抜けられましたから。
帰国後から昨日までの期間も、
ゼロからの再起動が10日間でできるか、
感染症が流行るなか健康をキープできるか、
リソースに余裕がない状態で繁忙期を越えられるか、など、
いくつかの不安要素はありましたけど、
結果的にいい形で着地できて、ほっとしております。
これらから得られたフィードバックを活かし、
次の旅をよりブラッシュアップされたものにしたいと思っています。
まずは今月27日スタートの中東3カ国を巡る取材旅行。
シリアの政変を受けて予定をだいぶ前倒ししたため、
かなり忙しい準備となっていますが、
まぁ、何とかなる・・・でしょう。
今年も早々に新しいことへのチャレンジの始まりです。
えーじ
2025年01月07日
旅の入り口
「海外旅行に行きたいのですけど、お勧めの国はありますか?」
ここ最近、柴又でも30歳前後の若手のお客さまが増えてきました。
そこでしばしば頂くのがこのご質問。
ふ〜む・・・
まだ経験の浅い彼、彼女たちにどこを勧めたらいいだろう?
「そうだね、ちょっとコストは高いけど、北欧はどうだい?」
実際、僕も自分が旅したときに、
ああ、ここはぜひ若い人に来てほしいなぁ・・・
と思ったものです。
なぜなら、この美しい国々という鏡に映った日本の姿は、
きっと既存の印象を変えるだろうから。
日本はG7(主要国首脳会議)の中の一国。
当然、「先進国」だという自負を、
ほとんどの人が持っているでしょう。
しかし、北欧5カ国のリアルな姿を目の当たりにしたら、
そう安穏としてはいられなくなるかもしれません。
一般的に「福祉が進んでいる」という印象は持たれていますけど、
それは氷山の一角に過ぎないのですよ。
経済から、労働の質、教育、人権、政治、医療など、
広い範囲で驚くほど先に進んでいる。
取材前の下調べである程度は把握していたものの、
実際に現地でその現実を垣間見たとき、
これほどまでに引き離されているとは思いませんでした。
たとえばノルウェー人の平均収入は、日本人の約1.6倍。
では彼らが僕らを上回るワーカホリックなのかというと、
労働時間は逆の0.8倍という数字が出ています。
(いずれも2018年に各国のゼネラルインフォを調べたものですが)
確かにデンマークでも17時となるや、続々と人々が帰宅して行く。
まるで「残業」という言葉を知らないかのように。
ちょうど夏至の頃に訪れたスウェーデンでは、
観光客が溢れる書き入れ時にも関わらず、
長期休業に入っているレストランをしばしば見かけました。
(1年で一番いい季節を家族と過ごすために!)
とにかくワークライフバランスが違い過ぎる。
教育もそう。
全員が同じ教育を同時に受けることが「平等のモデル」である日本に対し、
彼らは個々人の学習速度に応じて個別にカリキュラムを組んでいる。
だから自ずと落ちこぼれる確率も低い。
人権に至っては、日本が今ごろ議論しているLGBTQの問題も、
スウェーデンではさっさと半世紀前に差別を禁止する法案を通している。
僕はここで自国を卑下するつもりはありませんが、
たとえば少数民族の言語を人口比率に応じて公用語にしている件だけでも、
沖縄で琉球語を、北海道のアイヌ人口が多い地域でアイヌ語を、
それぞれ公用語にするとしたら、どれくらいの時間がかかると思います?
(そもそもその気はないかもしれませんけど)
繰り返しになりますが、僕は若者に劣等感を植え付けようとして、
北欧を勧めているのではありません。
僕たちはけしてベストではない、と知ってほしいだけ。
それはつまり、成長の余地があるという意味であり、
また、現状の行き詰まりで絶望することはないのだという、
メッセージでもあります。
あ、話がマクロになりました。
そんなわけで、未来への扉のひとつになればいいな、
と思ってやります。
スウェーデン料理特集
ここから君たちの旅が始まりますように。
えーじ
ここ最近、柴又でも30歳前後の若手のお客さまが増えてきました。
そこでしばしば頂くのがこのご質問。
ふ〜む・・・
まだ経験の浅い彼、彼女たちにどこを勧めたらいいだろう?
「そうだね、ちょっとコストは高いけど、北欧はどうだい?」
実際、僕も自分が旅したときに、
ああ、ここはぜひ若い人に来てほしいなぁ・・・
と思ったものです。
なぜなら、この美しい国々という鏡に映った日本の姿は、
きっと既存の印象を変えるだろうから。
日本はG7(主要国首脳会議)の中の一国。
当然、「先進国」だという自負を、
ほとんどの人が持っているでしょう。
しかし、北欧5カ国のリアルな姿を目の当たりにしたら、
そう安穏としてはいられなくなるかもしれません。
一般的に「福祉が進んでいる」という印象は持たれていますけど、
それは氷山の一角に過ぎないのですよ。
経済から、労働の質、教育、人権、政治、医療など、
広い範囲で驚くほど先に進んでいる。
取材前の下調べである程度は把握していたものの、
実際に現地でその現実を垣間見たとき、
これほどまでに引き離されているとは思いませんでした。
たとえばノルウェー人の平均収入は、日本人の約1.6倍。
では彼らが僕らを上回るワーカホリックなのかというと、
労働時間は逆の0.8倍という数字が出ています。
(いずれも2018年に各国のゼネラルインフォを調べたものですが)
確かにデンマークでも17時となるや、続々と人々が帰宅して行く。
まるで「残業」という言葉を知らないかのように。
ちょうど夏至の頃に訪れたスウェーデンでは、
観光客が溢れる書き入れ時にも関わらず、
長期休業に入っているレストランをしばしば見かけました。
(1年で一番いい季節を家族と過ごすために!)
とにかくワークライフバランスが違い過ぎる。
教育もそう。
全員が同じ教育を同時に受けることが「平等のモデル」である日本に対し、
彼らは個々人の学習速度に応じて個別にカリキュラムを組んでいる。
だから自ずと落ちこぼれる確率も低い。
人権に至っては、日本が今ごろ議論しているLGBTQの問題も、
スウェーデンではさっさと半世紀前に差別を禁止する法案を通している。
僕はここで自国を卑下するつもりはありませんが、
たとえば少数民族の言語を人口比率に応じて公用語にしている件だけでも、
沖縄で琉球語を、北海道のアイヌ人口が多い地域でアイヌ語を、
それぞれ公用語にするとしたら、どれくらいの時間がかかると思います?
(そもそもその気はないかもしれませんけど)
繰り返しになりますが、僕は若者に劣等感を植え付けようとして、
北欧を勧めているのではありません。
僕たちはけしてベストではない、と知ってほしいだけ。
それはつまり、成長の余地があるという意味であり、
また、現状の行き詰まりで絶望することはないのだという、
メッセージでもあります。
あ、話がマクロになりました。
そんなわけで、未来への扉のひとつになればいいな、
と思ってやります。
スウェーデン料理特集
ここから君たちの旅が始まりますように。
えーじ
2025年01月04日
今年の抱負2025
今年の抱負。
これをお仕事風にいうと「事業計画」になりますが、
僕らの場合、予定を線表に落としたところで絵に描いた餅なんですよ。
それと申しますのも、
全体を通して自力ではいかんともし難い要素が多いため、
細かい計画を立てても、
結局、最後は出たとこ勝負になってしまうから。
たとえば先のヨーロッパ横断旅行。
8月5日の出発時をプランAとしますと、
12月9日の帰国時にはプランJになっていたじゃないですか。
そう、計画変更は数えること9回!
詳細はブログ「第24回取材旅行」シリーズに譲るとして、
鉄道やフェリーのストライキによる欠航や、
僕らの体調不良など、
いろいろな理由からルートを変更したり、
ホテルや交通手段の再ブッキングを強いられていたのです。
とはいえ、沈没したり迷走したりしていたわけではありません。
変えていたのはあくまでも手段であって、
旅の目的そのものは、最後までブレませんでしたからね。
今はその成果を少しずつまとめているところです。
さて、このように的を広げたレベルであれば、
今年も旅のインプットに軸足を置いて行きたいと考えています。
まずは今月末の中東3カ国と、
それに続く6月のボルネオ島の取材で外堀を埋め、
9月末から来年1月にかけての中東‐アジア横断で、
ユーラシア大陸の旅を一時終了しようと思っています。
それから忘れちゃいけない旅のフィードバック。
来週の水曜日からスウェーデン料理特集が始まりますが、
年内にその他の新作もリリース予定。
ともあれ、今の国際情勢や気候変動と僕らの健康状態を鑑みますと、
(老朽化が進んでいますからねぇ・・・)
いつ何が起こっても不思議ではありません。
今日のお話がプランAだとしますと、
年末には何になっているのかな?
ん〜・・・
何とかプランCかDくらいでフィニュッシュしたいなぁ。
まぁ、これは希望的観測ですけど。
えーじ
これをお仕事風にいうと「事業計画」になりますが、
僕らの場合、予定を線表に落としたところで絵に描いた餅なんですよ。
それと申しますのも、
全体を通して自力ではいかんともし難い要素が多いため、
細かい計画を立てても、
結局、最後は出たとこ勝負になってしまうから。
たとえば先のヨーロッパ横断旅行。
8月5日の出発時をプランAとしますと、
12月9日の帰国時にはプランJになっていたじゃないですか。
そう、計画変更は数えること9回!
詳細はブログ「第24回取材旅行」シリーズに譲るとして、
鉄道やフェリーのストライキによる欠航や、
僕らの体調不良など、
いろいろな理由からルートを変更したり、
ホテルや交通手段の再ブッキングを強いられていたのです。
とはいえ、沈没したり迷走したりしていたわけではありません。
変えていたのはあくまでも手段であって、
旅の目的そのものは、最後までブレませんでしたからね。
今はその成果を少しずつまとめているところです。
さて、このように的を広げたレベルであれば、
今年も旅のインプットに軸足を置いて行きたいと考えています。
まずは今月末の中東3カ国と、
それに続く6月のボルネオ島の取材で外堀を埋め、
9月末から来年1月にかけての中東‐アジア横断で、
ユーラシア大陸の旅を一時終了しようと思っています。
それから忘れちゃいけない旅のフィードバック。
来週の水曜日からスウェーデン料理特集が始まりますが、
年内にその他の新作もリリース予定。
ともあれ、今の国際情勢や気候変動と僕らの健康状態を鑑みますと、
(老朽化が進んでいますからねぇ・・・)
いつ何が起こっても不思議ではありません。
今日のお話がプランAだとしますと、
年末には何になっているのかな?
ん〜・・・
何とかプランCかDくらいでフィニュッシュしたいなぁ。
まぁ、これは希望的観測ですけど。
えーじ
2025年01月01日
仕事始め2025
あけましておめでとうございます!
昨日はフルマラソン、
いや、トライアスロンを完走したような気分と申しますか、
疲労感とともに、心地良い達成感に浸って、
大晦日を過ごしました。
余力を残さずゴールすると、
その結果がたとえ最下位であっても満足できるものです。
やるだけやったということは、
もうそれ以上できなかったということですから。
ととら亭は今日が仕事始め。
今年も最後まで走り切りたいと思います。
えーじ
昨日はフルマラソン、
いや、トライアスロンを完走したような気分と申しますか、
疲労感とともに、心地良い達成感に浸って、
大晦日を過ごしました。
余力を残さずゴールすると、
その結果がたとえ最下位であっても満足できるものです。
やるだけやったということは、
もうそれ以上できなかったということですから。
ととら亭は今日が仕事始め。
今年も最後まで走り切りたいと思います。
えーじ
2024年12月31日
End Roll of 2024
今年は旅をいっぱいできた充実した1年でした。
長いあいだ夢みていたユーラシア大陸横断の旅もスタートできました。
そして柴又でも、野方からも、そしてもっと遠い所からも、
「お帰りなさい!」と言ってくれる、
お客さまが沢山いることに幸せを感じました。
旅も大好きだし、ととら亭での日々も大切なので、
毎日が新鮮で、一日が、一年があっという間に感じます。
夢を持てたこと、夢に向かってがんばれること、
そして、夢を一緒に楽しむ相棒がいることが私の宝物です。
来年は今年以上にワクワクする毎日になりそうです。
パワー全開で、走り続けたいと思います。
ともこ
2月に行ったメキシコの旅。
6月に行ったフィリピンと台湾の旅。
8月から12月にかけて横断したヨーロッパの旅。
そして、柴又で送る日々の旅。
今年もこれらの途上で、たくさんの人々のお世話になりました。
僕らの旅は、基本的にD.I.Y.ですが、
さりとて、すべてが自力で出来たわけではありません。
本当にありがとうございました。
それから、ときに厳しく、困難なことの多い旅を、
一緒に歩いてくれたともこへ。
お疲れさまでした。
来年もよろしくお願いいたします。
えーじ

Thank you sooooo much!
長いあいだ夢みていたユーラシア大陸横断の旅もスタートできました。
そして柴又でも、野方からも、そしてもっと遠い所からも、
「お帰りなさい!」と言ってくれる、
お客さまが沢山いることに幸せを感じました。
旅も大好きだし、ととら亭での日々も大切なので、
毎日が新鮮で、一日が、一年があっという間に感じます。
夢を持てたこと、夢に向かってがんばれること、
そして、夢を一緒に楽しむ相棒がいることが私の宝物です。
来年は今年以上にワクワクする毎日になりそうです。
パワー全開で、走り続けたいと思います。
ともこ
2月に行ったメキシコの旅。
6月に行ったフィリピンと台湾の旅。
8月から12月にかけて横断したヨーロッパの旅。
そして、柴又で送る日々の旅。
今年もこれらの途上で、たくさんの人々のお世話になりました。
僕らの旅は、基本的にD.I.Y.ですが、
さりとて、すべてが自力で出来たわけではありません。
本当にありがとうございました。
それから、ときに厳しく、困難なことの多い旅を、
一緒に歩いてくれたともこへ。
お疲れさまでした。
来年もよろしくお願いいたします。
えーじ

Thank you sooooo much!
2024年12月30日
仕事納め2024
今日は今年の営業最終日。
息を切らせて山を登っているとき、
見えているのは、すぐ目の前の退屈な斜面ですが、
立ち止まって振り返れば、
それまで踏破した遠大な世界が広がっています。
今年は僕らにとって特別な年だったせいか、
ここから見渡せるのは、
1年を越えて、ずっと、ずっと彼方まで続く、、
ととら亭と歩んだ15年の月日でした。
北千住に始まり、野方を経由し、柴又へ続く、
長く、曲がりくねった道。
ふたたび自由な旅に出られるようになるまで、
なんとも長い時間がかかりましたけど、
それでもどうやら、
僕らは正しい方向へ進んできたのかな?
さて、あともう少し登れば頂上。
そこから今度は過去ではなく、未来の風景を眺めてみましょう。
そしてルートを定めたら、また歩き始めるのです。
旅とは、そういうものですから。
えーじ
息を切らせて山を登っているとき、
見えているのは、すぐ目の前の退屈な斜面ですが、
立ち止まって振り返れば、
それまで踏破した遠大な世界が広がっています。
今年は僕らにとって特別な年だったせいか、
ここから見渡せるのは、
1年を越えて、ずっと、ずっと彼方まで続く、、
ととら亭と歩んだ15年の月日でした。
北千住に始まり、野方を経由し、柴又へ続く、
長く、曲がりくねった道。
ふたたび自由な旅に出られるようになるまで、
なんとも長い時間がかかりましたけど、
それでもどうやら、
僕らは正しい方向へ進んできたのかな?
さて、あともう少し登れば頂上。
そこから今度は過去ではなく、未来の風景を眺めてみましょう。
そしてルートを定めたら、また歩き始めるのです。
旅とは、そういうものですから。
えーじ
2024年12月26日
クリスマスも Let it be
昨日はクリスマス。
例によって、ととら亭にリースの飾りつけなし、
クリスマスツリーも、特別メニューもなし、
僕もサンタのコスプレをしないで営業しておりました。
え? 一昨日のイブ?
休んじゃいましたよ、定休日ですから。
こんなことを続けて15年になりますが、
その理由はと申しますと、
僕らが「つむじ曲がりのへそ曲がり」だからでございます。
この協調性に欠ける性格は遺伝子レベルなのか、
「×××はかくあるべし」のような、
暗黙の了解というか、いま風に言えば同調圧力を感じると、
本能的に逆を行ってしまうのですよ。
その一例がこれ。
クリスマスだから何なんだ?
いや、僕は、
クリスチャンでもないのに真似ごとだけするとはけしからん!
と、のたまう原理主義者ではありません。
やりたい人はやればよろしい。
(実は僕も若かりし頃、さんざんやりましたので・・・)
ただ、ぷいっと横を向いてしまうのは、
「クリスマスだからこう過ごさなくちゃ」
というイデオロギーなんですよ。
そこでこうしたムードに加担したくなかったから、
ととら亭では(販促)イベントとしてのクリスマスを、
特別あつかいしないのです。
(宗教行事じゃないでしょ?
ことクリスチャンが人口の2パーセント程度しかいない日本では)
もっというと、
イブの晩にひとりで牛丼食べて何が悪い?
と同じように、
40歳過ぎて結婚していなくて何が悪い?
(僕らも政略ならぬ「戦略」結婚ですし)
結婚したのに子供がいなくて何が悪い?
(わが家は自分たちの意思で作りませんでしたし)
男性が男性を、女性が女性を好きになって何が悪い?
(僕らはヘテロセクシャルですが)
こう延々と続きます。
いずれも他人さまに迷惑をかけていないにもかかわらず、
周りがあれこれプレッシャーをかけることの方に違和感を感じている。
「わたし、わき毛がぼうぼうなんですけど、どう思います?」
以前、20歳前後の女性から唐突にこう訊かれたことがありました。
(一瞬たじろぎましたが・・・)
そこで僕はこう答えたのです。
「君が望むのなら、それでいいじゃないか」
Let it be.
あるがまま、それが自然じゃないですか?
えーじ
例によって、ととら亭にリースの飾りつけなし、
クリスマスツリーも、特別メニューもなし、
僕もサンタのコスプレをしないで営業しておりました。
え? 一昨日のイブ?
休んじゃいましたよ、定休日ですから。
こんなことを続けて15年になりますが、
その理由はと申しますと、
僕らが「つむじ曲がりのへそ曲がり」だからでございます。
この協調性に欠ける性格は遺伝子レベルなのか、
「×××はかくあるべし」のような、
暗黙の了解というか、いま風に言えば同調圧力を感じると、
本能的に逆を行ってしまうのですよ。
その一例がこれ。
クリスマスだから何なんだ?
いや、僕は、
クリスチャンでもないのに真似ごとだけするとはけしからん!
と、のたまう原理主義者ではありません。
やりたい人はやればよろしい。
(実は僕も若かりし頃、さんざんやりましたので・・・)
ただ、ぷいっと横を向いてしまうのは、
「クリスマスだからこう過ごさなくちゃ」
というイデオロギーなんですよ。
そこでこうしたムードに加担したくなかったから、
ととら亭では(販促)イベントとしてのクリスマスを、
特別あつかいしないのです。
(宗教行事じゃないでしょ?
ことクリスチャンが人口の2パーセント程度しかいない日本では)
もっというと、
イブの晩にひとりで牛丼食べて何が悪い?
と同じように、
40歳過ぎて結婚していなくて何が悪い?
(僕らも政略ならぬ「戦略」結婚ですし)
結婚したのに子供がいなくて何が悪い?
(わが家は自分たちの意思で作りませんでしたし)
男性が男性を、女性が女性を好きになって何が悪い?
(僕らはヘテロセクシャルですが)
こう延々と続きます。
いずれも他人さまに迷惑をかけていないにもかかわらず、
周りがあれこれプレッシャーをかけることの方に違和感を感じている。
「わたし、わき毛がぼうぼうなんですけど、どう思います?」
以前、20歳前後の女性から唐突にこう訊かれたことがありました。
(一瞬たじろぎましたが・・・)
そこで僕はこう答えたのです。
「君が望むのなら、それでいいじゃないか」
Let it be.
あるがまま、それが自然じゃないですか?
えーじ