2018年08月18日

入院日記パート2 その4

「どう? 少しは良くなった?」

時刻は16時半。
ランチ営業の片付けを終えたともこが来てくれました。

「うん、取りあえず最悪の状態は抜けたな。
 ベッドのリクライニング機能を使えばこうして上半身は起こせるよ。
 トイレも自分でどうにかなる。
 でもまだ自力で立つのはポールを使っても難しいね」
「ブロック注射を打ってもらったの?」
「ん〜・・・注射はされたけど違うと思う。
 あれは脊椎じゃなくて筋肉の表面に打っていた。
 でもそれに加えて座薬と2種類の錠剤の痛み止めを飲んだから、
 朝に比べてだいぶ楽になったよ」
「良かったね〜!
 あ、メールに書いてあったものを持ってきたよ」

僕は彼女が自宅を出る前に、
持って来てほしい物のリストを送っていました。
お泊りセットの他にノートPCがあれば、
僕の場合、ほとんどの仕事が出来ます。
それから本!

「OK、ありがとね。
 これだけあればしばらく入院してもいろいろできる」
「ちょっと〜、休暇じゃないんだからね!」
「まぁまぁ。じゃ次だ。まずベッドの後ろの壁を見てくれる?
 電源コンセントはあるかな?」
「うん」
「そこから僕の手元までの距離は?」
「1メートル以上あるけど・・・2メートルはないかなぁ・・・」
「ライトのスイッチは?」
「あるよ。あ、調光機能付きだ」

ふ〜ん・・・とはいえ手が届かないから自分で操作はできないな。
21時の消灯以降は紙の印刷物が読めない・・・か。
読書は電子ブックに切り替えることにしよう。

「あと冷蔵庫はある?」
「ちょっと待って・・・あ、テレビの下に小さいのがあるよ。
 ん〜・・・この大きさじゃ入っても500ccのペットボトルくらいかな?」
「なるほど。じゃ、この病院に売店はある?」
「それがないの。飲み物の自動販売機だけ。でも隣がコンビニだよ」
「ハラショ〜! じゃお疲れのところすまないけど、
 入院手続きの書類を出しつつ、
 コンビニまでお遣いに行ってくれる? 必要なのはね・・・」

僕が買ってきてもらったのは水と朝の起動用コーヒー、
それから2メートルの電源コードが付いた電源タップ。
これにPCとスマホの充電器を繋げば、
急場しのぎのベースキャンプが完成です。

洗面台まで行けないから、
顔は濡らしてもらったフェイスタオルで拭き、
歯磨きは専用の小型のたらいを貸してもらおう。

19時。
夕食が終わり、ともこも自宅に帰りました。
昨夜はあまり寝られなかっただけではなく、
ひとりでランチ営業もやったのでだいぶ疲れていたでしょう。
彼女のおかげでこのピンチもなんとか切り抜けることができました。
もし動けなくなった時に電話が近くになく、
施錠した建物の中で一人きりだったら、
かなり深刻なことになっていたと思います。

僕は再び天井を見上げながら考えていました。

いろいろあったけど、どうやらレールに乗ったようだな。
あとは病院に任せて回復を待つしかない。
どのくらいで退院できるかな?
前回は1週間かかったけど今回はあれより軽そうだから、
もう少し短縮できるかもしれない。

ここで大きな欠伸をひとつ。

はぁ〜・・・なんとも長い一日だった。
昨夜のことがずっと前のように感じるよ。

こうして消灯を待つまでもなく、
僕は深い眠りに落ちたのでした。

to be continued...

えーじ
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2018年08月15日

休みが休みであるために

休暇。

西欧、北欧を旅していて気付いたのが、
この言葉に対する日本との反応の違いです。

端的に言ってしまうと、
「わぁ〜い!」と待ち焦がれる欧州人と、
「む〜・・・」と考え込んでしまう僕ら日本人の違いとなりましょうか。

これは数字にも表れており、
エクスペディアがアンケート調査を行った世界30カ国の中で、
有給休暇取得率50パーセントの日本は最下位だそうな。

さらに有給休暇を取る際に罪悪感を感じるか?
という質問に63パーセントが『はい』と答えて、
これも首位を取ったのは僕らの日本。

しかし、「なるほどね〜・・・」と頷きつつも、
僕が会社員だった頃を思い出すと、ちょっと違う気がしました。
特に『罪悪感』の方。

確かに取得率は高くなかったと思います。
(僕はがんがん消化していましたけど・・・)
でも、会社側は基本的に、
『有給休暇を取得して下さい!』というスタンスだったのですよ。
(いい会社だったなぁ!)

なのに社員が休まない、そのココロは?

休暇の中身が仕事以上に疲れるものだから、
ではないかしらん?

これは暦通りの仕事に就いている人には言わずもがな、
記録的圧縮率の交通機関を乗り継ぎ、飽和状態の観光地に出かけ、
更にオフシーズンにはない高い料金を払わされては、
強がっても「わぁ〜い!」とはなりませんよね?

僕は時期をずらして休暇が取れましたので、
当然のことながら正月、ゴールデンウィーク、お盆、年末という、
とほほな期間は避けることができました。
でもお子さんがいる社員はそうも言っていられなかったので、
げっそり疲れて出社してくる彼、彼女らはちょっと気の毒でしたね。

そして『休まない日本人』の最大の理由は、
会社を休むと仕事が溜まる。
これじゃないでしょうか?

たとえば飲食業を支える生鮮や乾物など食材を扱っている企業の社員さんは、
3日間休むならその前に、
3日分働かなくてはならないケースが珍しくありません。
僕たち飲食店は営業していますから、
彼らが休むとあらば、その分を見越して発注するでしょう?
そうすると肉屋さんなんかは通常の数倍の注文が殺到するので、
それこそ未明に出社して肉をおろし、
朝から夜遅くまで得意先を配達して回ることになってしまうのです。

こんな大変な思いをするくらいなら、
コンスタントに働いていた方がマシだ!

という声は、多かれ少なかれ、こうした業界からよく聞こえてきます。

これは昨今話題に上がるワーク・ライフバランスの話ではなく、
ワーク・マンパワーバランスの問題なんですよね。

だって3日間休むためには事前に3日分働かなくてはならないのであれば、
たとえその分の早出や残業手当てが出たとしても、
実質的に休みは相殺されて、ないも同然でしょ?

え? かく言うととら亭はどうなんだって?

いや、休暇の前に、
そもそもフツーの休みがございません。

ブラックレストランですから。

えーじ
posted by ととら at 16:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年08月12日

Goodbye our old fellow.

今日、
僕たちはひとりの仲間を失いました。

ありがとう、さぶちゃん。
ケンカしたこともあったけど、
僕らはさぶちゃんが大好きだったよ。

ともこ & えーじ
posted by ととら at 18:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年08月11日

入院日記パート2 その3

今日のランチ営業は無事に終了。
お蔭さまで、だいぶ回復してきました。
安全装置がオンになるまで、あともう少しといったところです。

普段は気にも留めませんが、
ほんと、自由に動けるというのは素晴らしいことですよね?
健康のありがた味は失くして初めて分かる。
今回の入院もまさにそうしたことの連続でした。

それでは不便を屈服する第一歩となった、
入院初日のお話を始めましょうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

時刻はまもなく10時半。
ベッドに寝ころんだ僕は、天井を見上げながら考えていました。

ふぅ〜・・・ようやくここまで来たか。
フェーズ3の始まりだな。
6年前と違うのは・・・パンツをはいている!
あの時』は素っ裸で運ばれたからな〜。
これだけでも大きな差だ。

それから腰の痛みはひどいけど前回ほどじゃない。
ひと息ついたことだし、
この辺で体のチェックを始めてみようか。

僕は手足の先から順番にゆっくり動かし始めました。
右足の指・・・OK、右足首・・・OK。
こんな感じでひとつずつ確認して行きます。

うっ・・・腰を支点に伸ばした足を上げると痛むな。
あと寝たまま首を上げても微妙に響く。
背中の神経根が引っ張られてるからだ。
やっぱりこりゃヘルニアの再発としか思えない。

ということは自力で起きれる・・・うっ・はぅっ・・わきゃないよね!
さっきは横向きにはなれたよな?
うっ・・・ゆっきりやろうぜ・・・
なるほど、横向きにはなれても肘を支点にして起きるのは無理ってことか。

ではベッドのリクライニング機能を使ってみよう。
リモコンは?・・・これだな?
よし、少しずつ角度を上げて、30度・・・40度・・・50・・うっ!
いてててて・・・速過ぎたか! ふぅ・・・ちょいまち。
50度・・・60度・・・70度・・・
お〜、いい感じじゃないか。
ここまで起きれれば食事も無理なくできる。
寝転がった姿勢で飲み食いするってのは想像以上に難しいからな。

僕は自分の体のコンディションが大体わかってきました。

腕と足の膝から先は自由に動かせる。
しかし自力で起き上がることはできない。
ということは立てないし、歩けない。
このベッドの上に閉じ込められてるってわけだ。

そこまで分かったら、
次はやらなきゃならないことが出来るかどうかの確認か。

まず食事。
これはベッドのリクライニング機能で体が起こせるからOK。
よく考えなければならないのは『食べる』に続く『その次』です。

この姿勢なら自分の下半身がぜんぶ見渡せる。
自力で『自然の要求』にも応えられるだろう。
看護士さんが来る前にテストしといた方がいいな。
で、ツールはどこだ? うっ! 体を捻るのはNGか。
あれは大体ベッドの右側の手すりに引っかけてあるんだよな。
右手を後ろに回し・・・ん? ん? これか? ・・・あった!

よ〜し、そんじゃチャックを下げて・・・こんにちは!
次はツールを股に挟んで・・・よっと・・・
上下角調整・・よし・・左右角調整・・よし、ロックオン完了!
ではちょいと失礼して・・・

イェ〜、テスト成功だぁ〜!
ふぅ〜・・・これで『前回のようなこと』にならずに済むぞ。
次は自然の要求パート2だ。
まず大人用パンパースの着用だけは避けたい。
しかし歩くことが出来ないからトイレまで行くにはどうしたらいいか?
車椅子?
なるほど、ベッドの上で起き上がれるってことは、
車椅子にも座れるってことだ。
問題はどうやってベッドから乗り移るか? だな。

僕はしばし考えていました。

ベッドのリクライニング機能で体を起こし、
高さも電動で変えられるから、座面の高さを揃える。
そしてトレッキングポールを使ってゆっくり体を横にずらして行けば、
何とか乗り移れるかもしれない。

車椅子はまだありませんが、
さっそくベッドの高さを下げて途中まで練習してみることにしました。

よし、高さは概ねこんなもんだろう。
で、体を起こし・・・OK。
次にトレッキングポールを使って体を持ち上げるようにして・・・
うっ! こいつは難しいな。
そうか、まず腰を軸に足を時計の針のように動かし、
ベッドの側面に対して90度になるまで続ける。
そうして前に少し出ればベッドに座る姿勢になるじゃないか。
やってみよう!

病室はしっかりエアコンが効いていましたが、
僕は汗びっしょりになってきました。

よ・・・よ〜し・・・電撃2回で方向転換完了だ!
で、そろっと、そろっと前に出て・・・
OK、座れたぞ!
ここで車椅子を持って来てもらい、
少しずつ座っている位置をずらして行けばなんとかなるな。
トイレまで行けば便座の周りに手すりがある筈だから、
向こうで乗り移るのもそう難しくはないだろう。
ただある程度の時間をみておかないと別のピンチがやって来る。
それを織り込んでおかなくちゃ。

「具合はいかがですか?」

そこへタイムリーに看護士さんが現れました。

「あら、起き上がって大丈夫?」
「ええ、この姿勢でじっとしているなら。
 でも寝ている状態から自力で起き上がるのは無理です」
「食事は常食でいいわね?」
「はい」
「では点滴が済んだ後で常食を持って来ます。
 終ったらこれで呼んでください」

慣れた手つきで点滴をセットした彼女は、
ナースコール用のボタンを僕に渡して出来行きました。

12時を過ぎて運ばれて来たのはご覧のランチ。

hospmeal01.jpg

豆腐ハンバーグとひじきの煮ものにお味噌汁とヤクルト(懐かしい!)。
ご飯は食べ易いようにおにぎりにしてくれました。
病院食と言えば一般的にマズイが相場ですが、
初回に限らずY病院は全般的に美味しかったです。
あくまで主観的な評価ですけど、量も結構あり、
塩加減たってもともと薄味の僕には丁度いい感じ。

時刻はまもなく13時。
ともこはひとりで予約のお客さまの対応中。
こちらも大変ですが向こうも大変です。

大丈夫かな?

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 14:58| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2018年08月09日

夏とアートと絵日記と

今日から始まりました、
多様な文化・芸術を育む夏の一大アートイベント
新宿クリエイターズ・フェスタ

この中でかもめの本棚online わたしの仕事道具のイラストを担当された、
高尾斉氏が個展を開きます。

Hitoshi Takao Exhibition 2018
Hitpenの絵日記 〜ペンに込めた想い〜

場所:ヒルトピアアートスクエア(ヒルトン東京B1F)
日時:8月9日(木) 〜 8月14日(火) 11:00〜19:00 ※最終日は16:00まで

僕の仕事道具(旅道具?)の原画イラストも掲示されるそうなので、
ぜひ行ってみなくては! 楽しみにしています。

えーじ
posted by ととら at 12:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年08月06日

復帰しました

実は昨夜の片付けから店に出て動作確認していたのですよ。
まだ体の動きが未来少年コナンに登場するロボノイドみたいですが、
屈身系の作業を除けばどうにかなりそうです。

幸い痛みは退院時からありません。
しかし安全装置がオンにならないので、
ちょっとした動作も気を付けないと、また病院のベッドに逆戻りです。

まぁ、かれこれ54年以上酷使していますから、
いろいろ壊れて来るのも仕方がないですね。
治るものは治し、治らないものは付き合って行く。
それが生き物として自然なことだと思ってます。

さて、それじゃそろそろランチの準備を始めますか!

えーじ
posted by ととら at 10:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年08月05日

入院日記パート2 その2

すみません。
引き続きご不便をおかけしております。

今日のディナーから現場復帰しようと思っていましたが、
まだ体の動きが老朽化したC3-POのような状態なので、
もう1日自宅で静養することになりました。

明日はランチから出る予定ですから、
なんとかもう少し動けるようになっているといいのですが。

それではお話の続きです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「もしもし? 救急です! こちらは中野区野方5丁目31の7。
 主人が椎間板ヘルニアで動けないんです!」

僕はともこの声を聞きながら腕時計に目をやりました。
時刻は7時40分。

電話を切って3分ほど経つと救急にかけた店の電話が鳴り、

「はい、ととら亭でございます。
 あ、はい、そうです!
 ときわ通りを入って40メートルくらい先の左側です」

遠くで救急車のサイレンが聞こえてきました。
そして最初のコールから約7分後、
ストレッチャーを持った救急隊員の方たちの姿が。

「どうしました?」
「ヘルニアの痛みで動けなくなってしまったのです」
「今日の日にちは分かりますか?」

僕が意識確認と状況の質問を受ける中、
もう一人の隊員が素早い手際で血圧や脈拍を測っています。

「病院は近い方がいいですよね? ではY病院に行きましょう」
「お願いします」
「その位置から直接ストレッチャーには乗せられないので、
 一度フラットな板の上に乗り、そこから移る方法でやります」

さぁ、最初の難関だぞ。
以前は手首から先くらいしか動かせなかったけど、
今回は結構からだが動かせる。
痛みも強いとはいえあの時ほどじゃない。
でも、まだ今回の痛みを避けるコツが分からないんだよな。
どうもこれまでとパターンが違うみたいだ。

「われわれがやるよりご自分で移った方がいいですよね?」
「はい。お忙しいところすみませんが、ちょっと時間を下さい」

よ〜し、まずこの板に乗るんだ。いくぜ!

びぎっ!
うっ! っておい! いきなりこれかい?
んじゃこれでどうだ?
びぎっ!
はうっ! これもダメ? たのんますよ!

救急隊員の方たちと、ともこに見下ろされながら、
ベンチシートの上で奇妙に体をくねらせる姿は客観的に見たら、
ルイス・ブニュエルのフィルム顔負けのシュールな光景だったことでしょう。
しかしあぶら汗をかいて奮闘する僕は100パーセント『マジ』でした。

「お、その調子! 乗って来ましたよ!」

そりゃね、もう電撃を5発食らってるからさ。
あと2発以内でOKをもらいたいもんだ。

「乗りました! 次はストレッチャーです」

ここは板から僕を滑り移してくれたので楽うっ!
じゃなかった! あう〜・・・お手柔らかにブラザー!

「よし、バンドで固定!」

僕が店の外に運び出されると与太呂の野崎板長が心配顔で、

「えーじさん、やっちまった?」
「ああ、動けないんだ。病院まで運んでもらうよ」
「がんばって!」

救急隊員がともこの方を見ています。

「ワイフはもう受けてしまった予約があるので一緒に行けません、
 昼過ぎに病院に来ます」
「分かりました。それじゃ出発しますね」

救急車がサイレンを鳴らしながら走り始めました。
僕には天井しか見えないのでどこに向かっているのかまったく分かりません。
車内の時計を見ていると約15分走ったところでサイレンが消え、
救急車が停まりました。ほどなくしてドアが開き、

「着きました。ゆっくり降ろしますよ!」

どこの病院だろう? 新しい建物だな。

処置室に運び込まれた僕はもう一度状況質問を受け、
「寝たまま書けますか?」と問診票を渡されました。
その半分も書かないうちに、

「まずレントゲン写真を撮りましょう」

そ〜ら来た。これが次のハードルだ。

ストレッチャーを撮影台と同じ高さに調整し、
間に滑り易いビニールを敷いたら僕の出番です。
またもくねくねダンスで3回電撃に撃たれながら横に移動。
正面からの撮影はすぐOK。次は・・・

「体を横に向けられますか?」
「どちらを下に?」
「左側です」
「やってみましょう」

6年前はこの姿勢ならできたと記憶しています。
しかし・・・いろいろな姿勢で試すもことごとく電撃を食らって降参。
忍耐強いレントゲン技師さんは仕方なく機械を斜めにセットして撮影。
これで勘弁して頂けました。

そして再びストレッチャーに。
体で学習してますから今度は電撃1発で welcome back
ようやく僕は診察室に入れました。

担当は落ち着いた女性のドクターです。
僕が再度状況を説明すると、
看護師さんにてきぱき投薬の指示を出し始めました。

痛みとは不思議なもので、
人の精神的許容量を広げる効果があるんですよね。
ふつう初対面の20歳代の女性にいきなり「肛門はここですか?」
とパンツの中に手を入れられるのは No Thanks ですが、
即効性の痛み止めの座薬を入れるとあらば、Yes, please.

次は飲み薬。
説明不要です。なんでも飲みますよ。どんどん下さい。

最後は注射。こいつは効きそうだ。
しかし・・・

「患部に直接打ちますからうつ伏せになって下さい」

難しいことを言うね。

「OK、やってみます。ちょっと待って下さい」

まず右腕で左側の柵を握り・・・
ゆっくり体を引き上げて横向きに・・・うっ!
いてててて・・・
よ〜し、90度回転したぞ。さっきの座薬がもう効いてきたのかな?
次は下になった左腕をどうにかして抜き出すんだ。
頭の先にそっと突き出して・・・突き出して・・・
そうそう抜けて来た、いいアイデアだ!
よし抜けた!
これでもう90度体を倒せば・・・

「頑張りましたね!」

ありがと。

「どこが痛いですか?」
「骨盤の中央上3センチくらいのやや右側です」
「そこかぁ・・・もう少し下なら効き易いのですけどね。
 上となると難しいかな?」

センセー、そんなこと言わないでよ!

脊椎麻酔のように打つのかと思ったら、
筋肉の部分にちくっと針の刺さる感触がありました。

筋肉注射? これで効くんだろうか?

「では起きられるかやってみて下さい」

別の看護師さんがやって来ました。

ブロック注射の時は魔法のように起きれたけど、
今度は・・・うっ!

僕は仰向けに戻るだけで精一杯です。

「難しいですか? それじゃ私の肩に手を回してみて下さい」

僕は寝たまま左腕を彼女の肩に、右腕を脇から回し、
抱きつくような格好で起こしてもらう形になりました。

お尻の次は別の看護師さんとハグか。
いろんな経験が出来るなぁ・・・と感心している場合じゃない!

いててててて・・・

「ダメですか?」

僕は素直に白旗を揚げました。

「それでは入院の手続きを」

こうして僕の入院生活パート2が始まったのでございます。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年08月04日

入院日記パート2 その1

ご心配おかけしております。

1日の深夜からいろいろありましたが、
今日の13時ころ、僕はなんとか自宅に帰って参りました。

それから僕の不在中にご来店頂きました皆さま、
ご不便をおかけして申し訳ございません。
ととら亭はそもそも2人で運営する設計になっておりますので、
ともこ一人では提供スピードが落ちるだけではなく、
ご入店いただける人数にも席数以上の制限が発生してしまうのです。

僕は明日のディナーから復帰する予定ですが、
来週の水曜日まで、
ご入店は事前にご予約のお客さまに限らせて頂きますことを、
ご了承くださいませ。

それでは時計を8月1日23時50分ごろに巻き戻して、
空白の2日間のお話を始めましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「お疲れさまで〜す!」

僕が外で什器を片付けていた時、
そう声をかけて来たのはカフェリーゾの江夏シェフ。

「ああ、お疲れさん! 今日も暑かったね」
「うちは茹で麺器がありますからすごい熱気なんですよ」
「まだ先は長いからさ、
 こんな時期は食事と睡眠をしっかりとって乗り切ろうぜ」
「そうですね、毎日サウナに入っているつもりで頑張りますよ」

遠ざかる彼の背中を見送りながら、
僕は屈みこんで次の踏み板を持ち上げようとしました。
その瞬間・・・・

びぎっ!

うっ・・・ヤ・・・ヤバイ・・・
そっと降ろし・・・て・・・

僕は薄氷を踏むような足取りで店内に戻りました。

「と・・・ともこ・・・外の片付け替わってくれる?」
「どうしたの!?」
「ちとヤバイ・・・」
「え? 腰? すぐ座って!」
「大丈夫・・・もろにやってはいないよ。
 でも安全装置が完全に外れてる。すぐ薬を飲まなくちゃ」

椅子に深く腰掛けると痛みは感じません。

「ふぅ・・・どうやら爆発はしなかったみたいだな」
「ほんと? ご飯食べられる?」
「ああ、問題ないよ」

こうして夜の賄いを食べている時はなんともありませんでした。
しかし最後の片付けをするためにパントリーへ戻りかけると・・・

びぎっ!
はうぅっ!

こ、こいつはヤバいぜ!

僕はシンクとカウンターに腕をかけて体を持ち上げ、
腰にかかる負荷を減らしました。
しかし痛みは和らぐどころか強さを増してきます。

ちっ・・・か・完全に爆発したな!
どうする?

きゃあ! 大丈夫?」

両腕を突っ張ったまま、
ずるずると膝を折りつつある僕にともこが気付きました。

「ちょっと・・・待って・・・」

うぅ・・少し痛みが引いて来たぞ。
でもこの狭い場所で倒れたら、ストレッチャーに乗ることも出来ない。
そうなったら6年前の悪夢の再来だ。
なんとかしなくちゃ・・・

「ともこ・・・椅子を持って来て・・・僕の後ろに置いてくれる?」
「座れる?」
「わ・・・分からない。でもさっきはその姿勢だと楽だった」

よし・・・呼吸を合わせて・・・

「椅子の位置をもうちょい下げて・・・そうそう・・・
 3、2、1、行くよ!」

僕は腰に加重しないようシンクの縁とカウンターにかけた腕で体を引き上げ、

「いまだ! 椅子を下に入れて!」

びぎっ!

くあぁぁ・・・キクぜこの痛みは!

椎間板ヘルニアの激痛。
経験者以外の方にこれを伝えるのは難しいと思いますが、
ターミネーターに背骨を鷲掴みにされ、
100ボルトの電流を流されたと言えば近いでしょうか?
痛みが来ている最中は身動きどころか息も出来ません。

「ふぅ・・・取りあえず座れたな・・・
 さっきより楽だよ。
 次はこの狭い場所からカウンターまで移動しよう」
「できるの?」
「ああ、やってみる。その前に一番手前のベンチシートを開けて、
 奥からトレッキングポールを持って来てくれるかい?」

そう、こんな時のために、
杖にする折りたたみ式のトレッキングポールを
店と自宅の両方に備えておいたのです。
(使いたくなかったけど・・・)
ともこがポールを連結して長さを調整してくれました。

「これくらいでいい?」
「いいね、ありがと。それじゃ腰を浮かしてバックで下がるから、
 椅子もそれに合わせて引いてくれる? 痛みが来たらすぐ座るからね」
「うん!」
「それじゃいくよ。3,2,1!」

僕が体重をポールに移して腰を上げ、彼女が椅子を引いたら一歩ずつ下がる。
この調子でゆっくりカウンターまで戻れました。

「む〜・・・ヤバイな。6年前に初めてやった時は身動きできなかったけど、
 今回はそれに次ぐ強い痛みだ」
「どうする?」
「ロキソニンをダブルで飲んで様子を見よう。
 もう遅いからともこはアパートに帰って休むんだ」
「え? イヤだよ! あたしも一緒にいる」
「この暑さで疲れている上に寝不足はまずい。
 二人とも倒れちゃったら万事休すじゃないか」
「でもひとりで大丈夫?」
「ああ、さっきの調子でベンチシートまで移動して横になるよ。
 それで動けそうになったら僕もアパートに帰る」

ベンチシートに座った僕はともこを見送り、
そろそろと体を倒しました。

ふぅ〜・・・なんてこった。
今回は爆発の予兆が分からなかった。
数日前から少し背骨の関節が緩んでいるような感じがあったけど、
あれがそうだったとは・・・
まぁ、薬も飲んだことだし、あとは寝て様子を見るしかない・・・か。
と・・・その前にトイレに行っておこう。

僕はゆっくり体を起こそうとしました。
ところが・・・

びぎっ!
はうっ・・・!

な、なんだこりゃ・・・
じゃ体を横にして片肘をついて起き・・・

びぎっ!
はうっ・・・!

だ、ダメだ・・・起きれないじゃん!
ピ〜ンチ!
仕方ない・・・

僕はテーブルの上に置いたスマホを手探りで探し始めました。

どこだ? この辺に置いたはずだぞ・・・
あ、あった! え?・・手が届かない?
よ・・・よっと! こっちこい! よし! 掴んだぞ!

「もしもし、ともこ?」
「どうしたの? 大丈夫?」
「いや、さっきより悪化して来た。
 ベンチシートに寝たら起きれなくなっちゃったんだ」
「え〜っ!」
「で、悪いけど戻って来てくれるかい?」
「うん!」
「ついでに僕の健康保険証も持って来て。
 もしかしたらこのまま病院行きになるかもしれない」

どうする?
どうしたらいい?

考えがまとまる前にともこが戻って来ました。

「ひどい様子ね」
「ああ、こうなったら救急車を呼ぶしかない・・・か」
「電話しようか?」
「ちょっと待って。いま考えてる・・・」

疲れと暑さ、そして痛みで思考が空転しています。

「ねぇ、こんな夜中に運ばれてもお医者さんはいないから、
 前回みたいに処置してもらえるのは結局あしたの朝だよ」
「その通り。だったらここで様子を見て朝判断した方がいいか・・・」
「そう思うわ」
「じゃ少し眠ろう」

こうして気が付けば朝7時半。

「どう?」
「起きれるかやってみる・・・」

びぎっ!
はうっ・・・!

「だ・・・ダメだ。降参」
「救急車呼ぼうよ!」
「それしかないな。でもその前に搬出ルートを作らなくちゃ。
 電話したら10分以内に救急隊がやって来るからね。
 まず外の什器を全部出して、次にテーブルと椅子を逆端に寄せる。
 そうすればベンチシートにストレッチャーを横付けできるよ。
 前回みたいに悲鳴を上げ乍ら担ぎ出されるのはゴメンだからな」

ともこは手際よく作業を始めました。

「できたよ!」
「次は僕のバックパックにスマホと充電器、
 それとさっき持って来てもらった保険証とサンダルを入れておいて。
 入院になったら後で他のものを持って来てもらうから」

よ〜し・・・第2フェーズに入りますか。

「準備OK、それじゃ119番して!」
「うん!
 もしもし? 救急です! こちらは中野区野方5丁目・・・」

to be continued

えーじ
posted by ととら at 17:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年08月03日

緊急のお知らせ

突然ですが、ただいま僕は入院中です。
詳しくは後日改めてお話しますね。

そんなわけで、
ととら亭はともこがソロでやりますから、
営業が少々不規則になります。

4日土曜日 ランチ、ディナー共に営業
5日日曜日 ディナーのみ営業
6日月曜日 未定

ご不便をおかけして申し訳ありませんが、
ご理解のほど宜しくお願いします。

えーじ
posted by ととら at 19:07| Comment(5) | TrackBack(0) | 日記

2018年07月27日

第16回取材旅行 その14

北欧に行く前は何人かのお客さまから、
「夏でも寒いよ〜!」と衣類のアドバイスを頂いていたのですが、
いざ着いてみると汗ばむ日が珍しくありませんでした。

それはこの世界的な北半球の酷暑の前兆だったのかもしれませんね。
今月17日、ノルウェーの北極圏でも、
最高気温が33.5度を記録したそうですから。

酷暑の夏と厳冬。
干ばつと洪水。
『温暖化』というより『極端化』や『過激化』という言葉が妥当な気象変動は、
僕たちが訪れた地域に限っても、耳目に新しいものではありません。

国が違ってもこの星で他人ごとはないんだな・・・
そんなことを考えながらヘルシンキの写真の仕込みをやっていました。

それでは遠くて近い国、
フィンランド編の後半を行ってみましょうか。

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トゥルクを出発して20分もすると車窓を流れる風景はこんな長閑なものに。
あの黄色い花は菜の花でしょうか?
去年の同じ時期にバルト3国を旅していた時も、
同じような景色が続いていました。
外国人が日本を訪れて驚くことの一つがこの逆だといいます。
たとえば成田空港から都心にアクセスした場合、
電車が走り始めてからずっと市街地ばかりが続いているでしょう?
僕たちにとっては見慣れた光景ですが、
ああいうのは世界的に見てあまりないそうですよ。

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約2時間で僕たちは最後の目的地、ヘルシンキに到着。
フィンランドはペットの考え方が日本と異なり、
ケージに入れなくても電車やフェリーに乗れます。
この列車は2階建てで1階部分はペットも同伴OK。
みんな仲良くいい子にしていました。

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ヘルシンキ駅は売店やカフェが充実しており、
2時間程度の待ち時間ならまったく苦になりません。
でも待合室というか、ベンチがほとんどないんですよね。
そこが不便かな?

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これは後日撮った雨に濡れるヘルシンキ駅。
地下鉄の駅が連結しバスターミナルも隣接しているので、
交通の便はとてもいいです。

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僕たちの最後の宿はここ。
駅から徒歩5分ほどの場所にあるちょっと古めかしいホテル。
部屋代はフィンランド相場で安い方ですけど、
ととら亭の通常の予算枠では少々オーバー。
朝食付きのダブルルームで1泊約11,600円(2人分)也。
個人というより団体客が多かったかな?

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部屋は簡素ですが機能的で使いやすかったです。
シャワーブースの重いガラス戸が壊れていましたけど、
フレンドリーなフロントスタッフに話したらすぐ修理してくれました。
ここのビュッフェ式朝食は評判がいいですね。
どれにしようかな? と迷っていると、
スタッフの女性から流暢な日本語で話しかけられてびっくり。
訊けば彼女は日本人とインドネシア人のハーフで、
日本に住んでいたこともあるとのこと。
時間があったらもう少し話を聞きたかったです。
テレマカシー!

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ヘルシンキも美しい街ですね。
ヨーロッパの時間感覚だとこの街の歴史はそれほど長くないのですが、
建物の寿命が短い日本に比べれば、時の重みが感じられます。

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ここでも庶民の足の一つがトラム。
かつて市電が走っていた横浜の本牧で育った僕は、
どこか懐かしさを覚えました。
特に古めかしい車両が好きですね。

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ヨーロッパの街の美しさは古い石造建築だけではなく、
色の少なさにも求められると思います。
ま、趣味の問題ですけど、
秋葉原、歌舞伎町タイプの色と光の氾濫には、
ちょいと疲れてしまう僕なのです。

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駅前の目抜き通りには百貨店の他、
カフェやレストランが軒を並べています。
どの店も趣向を凝らしたファサードを持っていますので、
通りそのものがひとつの美術館のよう。

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北欧と言えばお洒落で機能的なデザインでも知られていますね。
ウインドウデザインを見て歩くだけでも半日以上は楽しめますよ。
ほら、面白いでしょう?

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ヘルシンキは港町でもあり、駅から南に1キロも歩けばすぐ海に出ます。
ここからはストックホルムや、
フィンランド湾をはさんでの対岸に位置する、
エストニアのタリンまでフェリーが出ています。
そう言えば去年の今ごろのは反対側から、
この海を見ていました。
ヘルシンキ、タリン間は高速船でたった2時間の距離です。

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岸壁には観光市が立ち、飲食店では美味しいシーフードが楽しめます。

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僕たちは欲張って盛り合わせをオーダーしました。
からっと揚がったイワシのフリッター、サーモンのグリル、
コクのあるフィスクズッペ、黒パンも忘れずに。
北欧で食に迷ったら、
こうしたシーフードをオーダーすればまずハズれません。
美味しいですよ〜。
しかしここで困ったのはグレた海鳥たち。
このご馳走を狙って急降下突撃してきます。
でも原因を作ったのは人間なんですよね。
観光地に限らず、野生動物にエサを与えるのは止めましょう。

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港には市場も隣接しています。
どうです? この美味しそうな燻製品の数々。

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これが食べられる飲食店も並んでいますから、
ここで一食摂るのも一興ですね。

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ニシンのマリネはフィンランドでも定番。
甘味が苦手と云う人もいますけど僕らは好みですね。
右側のアルミフォイルにくるまれているのはカルクッコ。
ライ麦の生地で肉や魚のこま切れを包み、
オーブンでじっくり焼いた料理です。
これを食べさせる店を見つけられなかったのは残念!

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ヘルシンキはオスロ、ストックホルムとはまた違った趣があります。
歩いているだけで本当に楽しい。
ここでも自分だけのとっておきの場所が見つけられますよ。

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ふらっと訪れた蚤の市で掘り出し物がないか物色。
ここはプロのアンティークショップの出店ではなく、
一般の人が集まったところ。
並んでいる雑多な『商品』を眺めていると、
別の角度から市井の生活が感じられます。

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観光スポットを離れても面白いですよ。
ほら、建物そのものが美術品じゃないですか?

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歩き疲れてもこんなブロンズ像のある公園が散在していて、
休憩場所には困りません。

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フィンランドはインターネットが普及した今でも読書の盛んな国。
日本では激減している街の書店も健在です。
そして嬉しいことに日本通でもあるのですね。
日本への注目は今に始まったことではなく、
ロシア統治時代にかの強国を小さな島国の日本が破ったことから、
強い関心が持たれていたそうです。
そして今は文化面に興味がシフトし、
こうした日本語の本を専門に扱う書店までありました。

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こうした広場ではストリートパフォーマーや、
スキルの高いミュージシャンが演奏しています。
クレジットカードが普及して小銭を持たなくなったので、
空き缶の中がちょっと寂しい。

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フィンランドの料理も他の北欧の国々と多くを共有していますが、
独自色の強いものと言えば北東部のカレリア地方のもの。
このカレリアパイは薄いライ麦の生地で硬めのポリッジを包んで焼いたもの。
これにマッシュした茹で卵を乗せて頂きます。
質素な農民の食べ物です。

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ポーランドのビゴスとも共通点を持つ猟師鍋風のカレリアシチュー。
ポークやビーフ、ジビエなどの残り物のこま切れ肉をじっくり煮込み、
ピクルスとミートボール同様リンゴベリーのコンポートを添えます。
このシンプルさがある意味北欧を感じさせますね。
厳しい北国の歴史が一皿の料理に詰まっています。

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こうした文化を共有しているエリアを旅する時は、
同じ料理を比較するのも楽しいですよ。
よく味わってみればこのフィスクズッペもノルウェー、
スウェーデン、そしてここフィンランドで微妙に違っていました。
ヘルシンキタイプが一番あっさりしていると思います。
主菜を別にオーダーする時はこっちの方はいいかも。

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今回の旅で驚いたことのひとつが北欧におけるタイ料理レストランの多さ。
北ヨーロッパの人は遺伝子レベルでカプサイシンに対する耐性が低く、
辛みだけではなく香りの強い食べ物は好まない、
と考えていたのですが、どうやらこの説は修正が必要なようです。
事実はご覧のとおり。
中華料理店より、圧倒的にこうしたタイ料理店が多いのですよ。
しかもどこもローカルで混んでいる!
僕らも入って食べてみたら辛さは加減していませんでした。
でもナンプラーは控えめかな?
多分、発酵調味料独特の香りの方が辛みより苦手なのかも。
スタッフに訊いてみると、ヘルシンキ、バンコク間は直行便が飛んでおり、
若者を中心とした交流が盛んになったことから、
タイ料理屋も増えたのではないか、とのこと。
なるほど〜・・・。

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こうしてちゃんと料理の取材を続けていたのですけど、
結局こうなっちゃうんですよね。
この熱意とパワーを取材にも向けてくれるといいのですが・・・

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さて、そろそろ僕らも帰り支度です。
ヘルシンキ駅は地下で地下鉄の駅や商業施設と連結しており、
電車待ちの僕らにはとても便利でした。
ここのカフェから現地最後のブログをアップしたのですよ。

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いまではヘルシンキ駅からヴァンター国際空港まで鉄道が繋がっています。
所要時間もたった30分。新しい車両で席も広く快適です。

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さぁ、18日間におよんだこの旅も終わり。
ここから灼熱のドーハに飛びます。
その先には同じくらいの酷暑の東京か・・・
肉体的、心理的ギャップが今回はことのほか大きそうです。
そのメンタル面は総集編として次回お話しますね。

えーじ
posted by ととら at 14:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記