2018年06月04日

第16回取材旅行の準備 その2

『その1』では今回の渡航国をお話しましたので、
今日はルートを詳しく見て行きましょうか。

コストの問題で、
残念ながらフィンエアーさんのヘルシンキ直行便を諦めた僕らは、
カタールのドーハ経由でノルウェーのオスロへ向かうことにしました。
そこから車窓を流れる景観の美しさで知られるベルゲン鉄道に乗り、
西部のフィヨルドのゲートウェイ、ベルゲンを目指します。

今回、少し早めの3月上旬にブッキングを始めた理由はこれ。
ベルゲンからアクセスする欧州最大のソグネフィヨルドは、
北欧きっての観光地のひとつ。
特にピークの初夏は大変混雑する上に宿泊施設はそれほど多くありません。
一般的に宿は安いところから埋まってしまいますから、
予算の乏しい僕らがのんびりしているわけにはいかなかったのです。
ま、本来の目的は北海に面した魚市場のシーフードなんですけどね。
(おいしそうだ〜!)

さて、ベルゲンからは船でソグネフィヨルドへ行き、
奥端の小さな街フロムで下船。
そこからはまた鉄道でミュールダールを経由してオスロに戻ります。

宿だけではなく、
こうした交通手段も事前にブッキングできるところが
やっぱりヨーロッパですね。
1月の取材旅行で行ったアフリカ南部とは大きな違いです。
あの辺を陸路で国境越えをするとなると、
すべからく出たとこ勝負になりますから。

ともあれ交通手段を確保したのはここまで。
オスロから先は例によってフレキシブルに行きますよ。

プランAでは、
まず鉄道で国境を越えてスウェーデン西部の商業都市ヨーテンボリへ。
そこで1泊したのち、再び鉄道でストックホルムまで北上し、
スウェーデン料理の取材を進めます。

一般的にドイツと並んで『美味しいものがない!』と不評の北欧料理。
しかし調べてみるといろいろあるのですよ。
ここはひとつ旅人の勘でドイツ料理特集の時と同じく、
美味しい料理を探し出したいですね。

次はフェリーで海上の国境を越えてフィンランド領のオーランド諸島に上陸。
ここのマリエハウンで1泊したのちまたフェリーで対岸のトゥルクに渡り、
最後は鉄道でヘルシンキを目指します。

よくあるツアーコースと違ってかなり蛇行したルートですが、
取材地が首都だけだと料理の内容に偏りが生じる可能性があるため、
なるべく地方都市を絡める必要があるのです。

交通手段は場合によって鉄道からバスに変えるかもしれません。
混雑するルートはオスロ、ベルゲン間を除いて外しているものの、
いずれも現地の状況次第ですね。

6月下旬と言えば白夜の季節。
夏至の祭りが行われる6月22日は予定通りだと、
ベルゲンからフロムを経由してオスロへ戻る日です。
22時半頃まで明るいし治安も良いので行動時間の幅が広く取れます。
ちょっと得した気分ですね。

え? 今回はすんなり行きそうでつまらない?

いや、そうでもないのですよ。
実はビミョーな不確定要素がふたつありまして。

それがどうなるかは現地から道々お話しますね。

えーじ
posted by ととら at 09:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年06月01日

20分後の未来で

遅ればせながら観てみましたブレードランナー2049。
で、その感想は・・・

良かったです。

というか、安心しました。

まだ観ていない方もいると思うので詳しい内容には触れませんが、
『ハリウッド版惑星ソラリス』のように、
精神性が抜け落ちたコケ方はしていませんでしたから。

でも厳しい意見を言うと、
テーマといい全体の構成といい、
前作を踏襲した域を超えていなかった・・・と思うのですよ。

だからコケていなかった。

ただ『人間にとってヒトの定義とは何か?』という重いテーマを描くために、
人間と見分けのつかない工業製品のレプリカントのみならず、
昨今、巷で話題のAIが登場したのは示唆的でしたね。

なぜなら、
バイオテクノロジーがレプリカントを作れるレベルまで進化するより、
映画の中で登場したジョイのようなAIを実現する方が、
遠い未来の話ではないからです。

ホログラムではなく、マックス・ヘッドルーム(※1)のような、
サイバースペースに棲む疑似人格を製品化するのに、
もはやさほど時間はかからないでしょう。

それはすなわち、
古くて新しい疑問の再来に他なりません。

『人間にとってヒトの定義とは何か?』

これは哲学的なヒマつぶしでも分類学上の議論でもなく。
僕たち市井の市民にとって、今ここにある問題となりつつあるのです。

意識的にも、無意識的にも、
僕たちはヒトから生まれた生物を人間と呼んでいます。

しかし、この認識は少なくともギリシャ神話の昔にはほころびかけていました。
そう、ピュグマリオーン(※2)にとって人形は人間と等しかったじゃないですか?

コギト(我)以外の全てを疑ってかかったデカルトですら、
フランシーヌと呼んだ人形を人間のように溺愛していた。

そしてそれは時と場所を隔てた例外的な事例ではなく、
ロボット犬のAIBOの葬式が真面目に行われている現代の日本において、
十分すぎる土台が完成していると思いませんか?

僕は確信しているのですよ。

やがてAIと恋に落ちる人が現れる。
必ずね。

その先に待っているのは、
あなたのお子さんがフィアンセを紹介したいと言ってきた時、
その相手が生身の人間である保証のない世界なのです。

だからいま、僕たちは考え始める必要があると思うのですよ。

『人間にとってヒトの定義とは何か?』を。

えーじ


※1 マックス・ヘッドルーム
1987年、アメリカのABCで放送された近未来ドラマに登場する、
人間の記憶をサイバースペースに移植して再構成された疑似人格。

※2 ピュグマリオーン
現実の女性に失望し、自ら彫り上げた彫刻のガラテアと恋に落ちたキプロス島の王。
posted by ととら at 13:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年05月29日

異業種コミュニケーションの妙味

先日、
拙著の出版社から面白い企画のオファーを頂きまして。
なんでも今度は著者のお気に入りの仕事道具を
イラスト入りで紹介するそうな。
そこでどんな記事かとアクセスしてみれば・・・

かもめの本棚online
わたしの仕事道具

なぁ〜るほど、面白いですね!
記事だけではなく、イラストにまた味があるじゃないですか。
メモ書きのような説明もいい雰囲気だし。

でも、僕の仕事の小道具ってなんだろ?
ともこならネタに困らないけど、
僕の場合は・・・ソムリエナイフ?
でも別にソムリエじゃないしストーリーもない・・・

んじゃ本の執筆に使ったノートPC!
では絵にならないし味気ない・・・
どうしたもんだろ?

そうか、旅の小道具ならいろいろありそうだ!

そこで幾つか候補を見繕って村尾編集長に訊けば、
意外なチョイスの回答が戻って来ました。

そうして行われた取材。
僕は原稿を担当する川島さんのインタビューを受けつつ、
どうしても視線は目の前で筆を走らせるイラストレータの高尾氏の手元に・・・

いやぁ、こうしてプロの手業を間近で見るのは久し振りです。
単純に模写しているのではありません。
目の前のオブジェが彼の感性を通して紙上で再構成されて行くのですよ。

そしてそれに色が入り始めると、
これまた写実の世界からかけ離れた、
高尾氏独自の絵になるじゃありませんか!

いやぁ〜、役得、役得・・・いい経験を・・・
もとい、いい仕事をさせて頂きました。

interview0518.jpg

そうそう、
ちょうど明日から高尾斉氏をはじめとする8名の作家のグループ展が始まります。

メルヘン展
5月30日(水)〜6月4日(月)
銀座ミレージャギャラリー
〒104-0061 東京都中央区銀座2-10-5 オオイビル4F
11:00〜19:00 火曜休廊 wed.12:00〜 mon.〜17:00
(tel/fax) 03-6303-8844

僕の記事がアップされるのは7月上旬の予定です。
乞うご期待!

えーじ
posted by ととら at 22:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年05月26日

あり得ないはあり得ない

「大変だなぁ・・・」

巷ではアメフトの反則行為が社会問題化しておりますが、
他人事だと思って安心していちゃいけません。

先日、
対面通行の道路の左端を自転車でとろとろ走っていた時のこと。

ふと20メートルほど前の右側に男性の姿が目に入りました。
20歳代と思しき彼は僕と同じ方向に向かって歩いています。

で、僕は何ごともなくそのまま直進。
ところが彼との距離がほぼ15メートルくらいになったその瞬間、

え?

僕は一瞬なにが起こったのか分かりませんでした。
彼は突然、クウォーターバックから
タッチダウンパスを受け取るレシーバーのように、
後ろ向きで斜めの方向に走り始めたのです!
そう、僕に向かって!

僕は反射的に急ブレーキをかけて停まりました。
しかし後ろ向きで疾走する彼は止まりません。

衝突まであと数メートル!

「危ない!」

ここでようやく僕に気付いた彼もストップ。

こ、このプレーはいったい何なんだ?
彼はアメフトのユニフォームを着ていないし、
クウォーターバックが投げたボールもない。、

我に返った僕は静かに言いました。

「轢かれちゃうよ」

スマホから伸びたイヤフォンを片耳に入れたままの彼は、
笑顔を浮かべて、

「あ、すみません」

人間の社会であり得ないプレーはない。
グラウンドだけではなく一般の道路でも。

気を付けましょう。

えーじ
posted by ととら at 00:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年05月22日

勉強と仕事の違い

5月も下旬。
新卒のルーキーたちがそろそろ実戦配備される時期ですね。

ととら亭にも「研修期間が間もなく終わります」、
と言っていた若者たちが何人か来ていました。

これから彼、彼女たちはどんな世界に羽ばたいて行くのでしょう?

最初はただ新しい環境に慣れ、仕事を覚えるだけで精一杯。
そしてようやく一息つけたところでぶつかるのが、
『勉強と仕事の違い』という壁なんですよね。
これは『理論と現実の違い』とも言い換えられるかな?

官民を問わず、
大なり小なり組織の中で働いた経験のある方なら説明不要でしょうが、
『ヒト、カネ、モノ、時間』という、
仕事に必須の4大リソースを教科書通りに与えられて、
「さぁ、行ってこい!」と始まる仕事はまずありません。(よね?)

で、たいてい不足しているのがヒト。

「マジですか? これをこの人数でやるの?」

と唖然とするのは一種の社会的な通過儀礼。
こうして社会人としての一歩を踏み出すわけです。

次がカネ。
期初に見込んでいなかった突発的な事案では、
カツカツの予算でやり繰りしなければなりませんし、
大事な得意先から減額プレッシャーをかけられれば、
四方八方に頭を下げまくっての膨大な社内調整が待っています。

そして僕が個人的に一番泣いたのは時間でしたね。
(皆さんもそうじゃありません?)
ある程度の場数を踏んだ社会人なら、
キックオフの時点でマスタースケジュールを一瞥すれば、
その後に自分たちを待ち受ける悲しい運命を悟るものです。

さて、
こうしたナイナイづくしのミッションをどうやって切り抜けるのか?

最初は僕も愚直に教科書どおりの100点満点を狙っていましたけど、
次第に大人の世界の現実を学習し、
走り始める前に与えられたリソースで可能な到達点を考えるようになりました。

これじゃ逆立ちしたって70点が限界だよ・・・

という具合に。

そこで求められるのは、
70点でも「ほら、できたじゃないですか!」と関係者を納得させるストーリー。
こういうのはMBAの試験にも出てこないでしょうね。

個人事業主となった今では、
かつてほどこうしたメタレベルの苦労は減りましたけど、
それでもゼロというわけではありません。

そうした意味で大人の仕事の世界ってのは、
何処へ行っても似たり寄ったりなのですよ。

Welcome to the REAL WORLD!!

えーじ
posted by ととら at 13:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年05月20日

ありふれた日常に

今朝、ぼ〜っとしながらお店に向かって歩いていた時、
40歳代前半と思しき女性とすれ違いました。

彼女の手にはマックの紙袋。
大きさからして2〜3人分くらいかな?

朝日に目を細めた表情は、どこか微笑んでいるみたい。
足早な様子からは、
彼女を待っている人のために「早く帰らなくちゃ!」、
という気持ちが伝わって来るようです。

誰と一緒に食べるのでしょうね?

友だちと? 恋人と? それとも家族と?

大切な誰かと一緒に食べる日曜日のちょっと遅い朝食。

それは何でもいいのですよ。

おいしいね?
うん!

そうして過ごすありふれた日常が、
実は幸せの原点なのだから。

僕は旅人ですが、
幸せを探して旅をしているのではありません。

それは地球の裏側に行かなくても、
本当は、すぐ手の届くところにあるのですよ。

ただ、僕たちはそれに気付いていないだけ。

え? 
ああ、さっきの彼女は、
きっと知っているんじゃないかな?

えーじ
posted by ととら at 16:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年05月17日

空飛ぶ資本主義

前回に引き続き、今日も飛行機ネタをもう一丁。

これまた素朴な印象なのですけどね、
飛行機、いや、空港も含めて、
あの巨大な輸送システムは、
資本主義の典型的なモデルのひとつだと思うのですよ。

実はこれ、僕の友人がかつて指摘したことでもありました。
少年時代に経済的な苦労が絶えなかった彼いわく、

「差別はいけないことですよね?」
「そのとおり」
「でも、日本では差別がまかり通っているじゃないですか」
「・・・? そうかい? たとえば?」
「経済差別ですよ。
 所得の内容で差別されることは誰もなんとも思わない。
 えーじさんが行く旅だってそうでしょう?」

云われてはたと思い当たりました。

僕たちには当然のことですが、
空港ではチェックインの時からエコノミークラスとビジネス、
ファーストクラスでカウンターが違います。
その後もラグジュアリーなラウンジでくつろげるのも、
並ばずさらっと搭乗できるのも、
当然僕たちエコノミークラス以外の方々。

そして機内となれば、
20パーセントの富裕層と80パーセントの庶民層に区画がきっぱりと分かれ、
前回お話したエコノミークラスの過酷な環境とは全く異なるバラ色の世界が、
機体の前部か上部に用意されています。

支払った金額に応じてサービスが異なるのは、
資本主義社会でごく当たり前のこと。
そう納得しつつ、こんなことも思い出しました。

僕がインドに行った時、
駅の中の食堂には入り口が二つ並んであったのです。
そしてそれぞれのドアの上に書かれていたのは、
Vege と Non Vege という言葉。
これは『菜食主義者(ハイカースト)』と
『菜食主義者ではない人々(ローカースト)』を意味していたのですね。

白人と黒人のドアが異なっていたアパルトヘイト時代の南アや、
かつて知った公民権運動以前のアメリカの状況を思い出し、
公の場所におけるカースト制度のあからさまな『差別的』表現に
驚いたのを覚えています。

しかし「人を指差してもの申す時には、
その指が汚れていないか見てからにしてくれ」
というボブ・マーリーの言葉通り、
経済差別を指摘した友人を思い出した時、
安易に他国のことは言えないな、という気がしました。

というのも、
おカネは建前上、その持ち主の『労働の成果』ですが、
『そうでない』場合も少なくありません。(でしょ?)
そう、平等なようでいて個人的な財ってのは微妙なものなんですよ。

ですからキューバ人が日本の空港を訪れた時には、
僕がインドで感じたことと似た印象を持つかもしれない。
その可能性は否定できませんよね。

キューバはいまや世界で唯一の純粋な社会主義国家。
政治体制だけでなく、
経済も中国やベトナムのようなダブルスタンダードではなく、
国民総公務員でやっている平等マニアなのですから。

あれ? でもクバーナ航空(キューバのフラッグキャリア)には、
エコノミークラスの他にビジネスクラスもあるじゃん?

お〜、ってことは、
ついに空の上は資本主義が席巻したのか!

えーじ

Ending Theme "MONEY" by Pink Floyd
posted by ととら at 13:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年05月14日

Welcome on board!

僕たちは現役のバックパッカー。
仕事も旅の食堂なんてことをしているので、
飛行機に乗る機会がぼちぼちあります。

そこで今更ながらに思ったのですが、
あの乗り物は数ある移動手段の中でも、
極めて特殊なものではないでしょうか?

なぜって、
まずエコノミークラスのシートに座ったところを想像してみて下さい。

あの狭いスペースって日常的にあまりないと思いません?
占有できる空間で考えると近いのは満員電車くらいかな?

でも座っているとはいえ、
満員電車に3時間以上乗り続けることはまずないでしょう?
それが国際線の場合、長いと12時間前後になるのですよ!

いや、何が言いたいのかというとですね、
エコノミークラスで行く限り、
飛行機の旅はけして『快適ではない』
という真実を述べているのです。

だから航空会社さんのコマーシャルは、
おしなべてビジネスクラス以上が対象でしょ?

空間的制約だけではありません。
ひとり旅の場合、3列シートの中央に座ると、
僕の前後左右には見知らぬ他人が座っています。

その人たちが僕と同じ『常識』を持っている保証は、
どこにもありません。

最悪の場合、プロレスラー級のビッグガイに両側から挟まれ、
前の人は食事中もシートをフルリクライニングしたまま、
更に四六時中騒ぐ乗客が半径2メートル以内に複数おり、
後ろからシートを蹴られ続ける拷問が待っているかもしれないのです。

こ、こりゃたまらん!
とキャビンクルーに助けを求めても機内は満席で逃げ場はなし。

昨今、機内のトラブルネタがネット上をよく流れていますが、
こうした状況を鑑みれば何の不思議もないでしょう。
それだけ忍耐力を試される過酷な環境なのですから。

で、僕はどうしているかというとですね、
音についてはインナーイヤーのイヤフォンでブロックしています。
最近のMP3プレーヤは優れたノイズキャンセル機能が付いているので、
となりに座った AC/DC の Brian Johnson が発声練習でも始めない限り
殆ど気にならなくなります。

狭さについては、
なるべく背筋を伸ばして姿勢よく座ること。
この方がでれっとしなだれるより体がコンパクトにまとまり、
狭さを感じ難くなるのですよ。
腰にもいいですしね。

ビッグガイ対策ではこんなことがありました。
今年2月の取材でアジスアベバから、
香港を経由して成田へ帰る足掛け16時間のフライトで、
僕の隣に座ったのは100キロ超級のインド人の青年。
(注:彼の体形が問題なのではありませんよ。
   人間工学より経済性を優先した設計に無理があるのです)

エコノミーシート恒例のアームレスト争奪戦は、
僕がはなから棄権して不戦敗。

でも8時間近く爆睡して
「ふぁ〜・・・よく眠たな〜」と思って目を覚ますと、
僕は彼にぺっとり寄りかかって寝ていたではないですか!

どおりでポニャポニャして暖かく、寝心地が良かったわけだ。
(Sorry brother!)

と、まぁいろいろありますけどね、
過酷な環境で可能な限り居心地よく過ごす最大の秘訣は、
座ったらすぐご近所さんに挨拶すること。
これに尽きます。

例えば窓際の列の中央に座ったら、
窓際の人に
「僕が寝ていてもトイレに行きたくなったらいつでも起こして下さいね」
とか、
通路側の人には、
「僕がトイレに行く時に起こしてしまったらごめんなさいね」
という具合に。

みんながつらいエコノミークラスでの長距離フライト。
でも、協力し合えばけっこう楽になるものです。

Have a nice flight!

えーじ
posted by ととら at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年05月11日

大きくなったね

ととら亭を始めて8年余が過ぎました。
その年月は僕たちの仕事の変遷であると同時に、
お客さまたちの家族の歴史でもあります。

とりわけ開業年に小学生くらいのお子さんを連れて来られたご家族では、
今やあの可愛らしかった子供たちが間もなく成人ではないですか。

大きくなったね。

そう思うことが時々あります。

でもそれは身体的な意味ではありません。

ある日のディナータイムのこと。
4人掛けのテーブルで僕がサーブしていた時、
奥に座っていた高校生の少年が、
僕の手が届かない所にある食器をさっと僕に渡して来たのです。
誰に言われるのでもなく。

僕は彼が小学生の頃から知っていました。
実は彼がそうした行動をとったのはこれが初めてです。

僕はその時、彼の視線の変化にも気付きました。
それまでは自分のスマートフォンや本、
料理など個人的な興味の対象に没頭しがちだったのが、
周囲の人々に意識を向け、気を配るようになったのです。

他者の立場を鑑み、慮ること。
すなわち利他的な行動は身体的な成長や学力レベルなどより、
人間としての成長の度合いを現すものだと僕は考えています。

彼はまだ率先して壁際の席に飛び込んでしまいますが、
やがて遠からず、お母さんとお父さんを先に壁際の席に案内し、
自分は通路側の席に座る日が来るでしょう。

身体的な力だけではなく、
他者より秀でたものはすべからく、
それを持たない者のためにある。

彼もまた自分自身の旅の中で、
それを学び始めたのでしょうね。

えーじ
posted by ととら at 12:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年05月09日

第16回取材旅行の準備 その1

さて、春の旅行シーズンが終わり、
今度は僕たちの番です。

1月の取材はアフリカ南部で何かと大変でしたから、
6月の旅は少し楽がしたい!

というわけで行き先は北欧にしました。

渡航国は2012年に行ったデンマークを外し、
ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの3カ国です。

期間は6月18日(日)〜7月5日(木)の18日間。
実はもう殆どのブッキングは終わっていまして。

空路はシンプルですし、
何より現地の旅行産業が発達しているので、
宿や移動手段はインターネットで情報を集め、
ブッキングもリアルタイムでできます。
ほんと、
『行ってみなけりゃ分からない』アフリカとは違うんですよ。
楽だ〜!

しかし・・・

「どう? 進んでる?」
「ああ、順調だよ。
 いま細かいルートを決めているんだけどね、
 ちょうど白夜の季節だからオーロラを見るにはイマイチだな。
 でもフィヨルドを訪れるにはベストシーズンさ」
「じゃ、オーロラを見るのは次回ね」
「うん、だからルートはラップランドまで北上しないよ。
 どちらかというと各国の南部を西から東へ移動する感じ。
 ま、冬に来る下見を兼ねての取材だね」
「航空会社は?」
「フィンエアーさんにお願いしようと思う。
 あそこは旅人の間でも評判がいいからね。
 それにヘルシンキまでは直行だ」
「へぇ〜、初めての会社だね! 機内食は美味しいかなぁ?」

なぁ〜んて話をしていたのが、今年の3月。
で、ブッキングを進めつつ予算を組んでいると・・・

「ホテルは予約できた?」
「あ・・・ああ」
「航空券も?」
「う・・・うん」
「わぁ〜い! 新しい旅の始まりだね!」

「なんだけど、ちょいと変更があるんだ」
「なに?」
「航空会社はカタール航空さんにした」
「え? フィンエアーさんじゃないの?
 それに直行便はないじゃない」
「ん〜・・・予算の都合でね」
「オーバー気味?」
「というかね・・・
 そうそう、オーロラを見るのは・・・カナダにしよう!」

北欧と言えば高税率高福祉で知られる国々。
わかっちゃいましたけど、ここまで高いとは思いませんでした。
端的にいいますと、宿泊費と交通費を積み上げたら、
僕らがアジア圏の旅行で使う費用のほぼ4倍!

いや、ゴージャスな内容にしたんじゃありませんよ。
いつもと同じ、宿は個室の最低金額、移動手段は一般の交通機関。
でも、あれよあれよというまに数字が膨らみ、
とてもフィンエアーさんの直行便に乗る予算はなくなってしまったのです。

スカンディナビアの国々。
美しいところで料理も美味しそうなんですけどね。

一生に一度の旅となりそうです。

えーじ
posted by ととら at 14:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記