2017年04月03日

一歩先の世界へ

今日は年度初めですね。
学生、社会人を問わず、
沢山の人が新しい環境でスタートを切ったことでしょう。

変化と言えば、わが家は二人とも転職の多い人生なので、
(長い旅に出る度に仕事を辞めてしまいましたから・・・)
春に限らず、
これまで生活ががらっと変わることは珍しくありませんでした。

慣れない場所で初めての仕事をするのは、
なかなか骨が折れるものです。
業界が変わると同じ日本で日本人と仕事をしていても、
最初は外国にいるようなものですからね。

でも、その違いは、
狭い自分の世界と価値観を広げてくれることもあります。

若かりし頃の僕は自分自身に行き詰まった時、
転職以外でも、やったことのない世界に飛び込んだことがありました。
まぁ、ちょっとしたショック療法みたいなものだったのですけどね。

そのひとつがロッククライミング。
発想の転換を促す短文に、
小松左京氏の「地図を逆さまに眺めてごらん」というのがありましたけど、
過激な僕は『肉体的に』これを実践した訳です。
たとえばですね、ロッククライミングには懸垂降下というのがあります。
これはザイルを頼りに垂直の崖で体を90度倒し、
壁面を軽く蹴りながら降りて行く技術なのですが、
『崖に立って』見る光景は、日常の世界を打ち砕くショックがありました。
だって右利きの僕の場合、右を見るとはるかな谷底、左は空なんですから。

そして墜落。
登攀中に手掛かりを失い、筋力も萎えてしまったら、
ザイルを確保しているパートナーに向かって、
「落ちるぞ〜っ!」と叫んで、ひゅ〜・・・

と言ってもせいぜい5メートルくらいなものですが、
シングルザイルだとバシッと止まらず、
ヨーヨーのようにびよぉ〜ん、びよぉ〜ん、となります。
そのままオーバーハングの下に振り子よろしく飛び込んで、
壁面にどしんっ!と叩きつけられ、あいたたた・・・
結構スリルがありますよ。

もうひとつがスキューバダイビング。
スピードはオートバイで、高さはロッククライミングとなれば、
単純ながら深さはこれです。

水中の魅力と言えば、一般的には魚などの水生生物ですが、
僕には重さから解放された3次元の世界が衝撃的でした。
端的に言うと、上下逆もありなのです。

とんぼ返りしながら見る揺らめく太陽。
180度回転して見る『頭上の地面』に立つバディ。
これはそれまでの人生ではあり得ない光景でした。

こうした荒療治で自分を縛っていた既成概念を少しずつ破り、
精神的な袋小路から脱出してはみたものの、
残念ながら素人療法には思わぬ副作用があったのです。

それはバーチャル不感症。

そう、あんなことをやっていたら、
スクリーンの向こうの魔法にはかからなくなっちゃったんですよ。
とにかくリアルじゃなきゃダメ。
こいつはいろんな意味で高くつきます。

困ったもんだ。

えーじ
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2017年03月30日

第14回取材旅行の準備 その1

バルカン半島の取材旅行から戻って間もなく1カ月。
その片付けもまだ残るなか、僕たちは次の準備を始めています。

今回の行き先はロシアとバルト3国。
積年の懸案事項だったロシアのビザが取得できることになり、
併せて航空券のブッキングが終わったところです。

個人旅行で取るには何かとハードルの高いロシアのビザ。
その『裏技』はいずれお話するとして、
僕らは早速渡航先の下調べに取り掛かりました。

まずは資料集めです。
外務省のウェブサイトを参照する他に、
毎回読み込むのが、
明石書店の『エリア・スタディーズ』シリーズ。
当該国の概略が広い範囲で取り上げられているため、
取材前にアウトラインを掴むには最適の一冊です。

しかしながら取り扱っている範囲が広いので、
食文化について割かれた記述は多くありません。
その不足を補うのが、
農山漁村文化協会の『世界の食文化』シリーズ。
各地域によって著者は様々ですが、
監修はかの石毛直道氏とあらば内容はお墨付き。
食にまつわる石毛氏の著作にはこのシリーズに限らず、
毎回とても助けられています。

それからガイドブックなら、
言わずと知れた『地球の歩き方』でしょう。
時折ある誤情報から『地球の迷い方』と揶揄されたり、
紋切り型旅行のマニュアルと目されることもありますが、
欧米バックパッカー御用達のロンリープラネットと比べても、
遜色のない、優れたガイドブックだと僕は思っています。
確かに地図の精度は微妙なことがありますけど、
要は使い方なのですよ。
場数を踏んだ旅人であれば、
情報と経験の違いは頭に叩き込まれているはず。
有名ガイドブックであろうが、ネットの情報であろうが、
所詮、伝聞は伝聞。
現実との差異はあって当たり前ですからね。

実のところ、情報のレベルで一番確度が高いのは、
現地に行ったことのある旅人の話です。
今回は昨年バルト三国を回った友人、
羽賀さんからいろいろアドバイスを頂きました。
彼もまた手練れのバックパッカー。
その才を活かして今は東京の経堂で、
自ら現地で仕入れた珍しい品を扱う、
ユニークなアンティークショップを営んでいます。

ルンタ

さて、こうして下調べを始めたところから、
日本に居ながらにして僕たちの旅は始まっています。
これが実に楽しいんですよね。
ロシア、エストニア、ラトビア、それからリトアニア。
頭の中に行ったことのない国のイメージが次々と浮かび上がってきます。

そして旅の醍醐味とは、事前にこうして思い浮かべたイメージを、
実際に訪れた時の現実が、必ずひっくり返してくれること。

そう、確かに下調べをする際の情報は大切ですが、
情報は幾ら積み重ねても、けして現実にはなりません。
あいまみえて、初めて世界はその神秘の扉を開く。
畢竟、旅に出る意味とは、
そんなところにあるのだと僕は考えています。

温かくなってきました。
バーチャルな世界では感じられなくなってしまった皆さま。
そろそろ旅の支度を始めませんか?

えーじ
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2017年03月28日

人々を結び付けるもの

先日ご紹介したYouTubeのチャンネル、TabiEats
ユーチューバーのシンイチさんとサトシさんが、
日本の市井の食文化を世界に向けて発信するユニークな番組です。

最近では世界中のファンから、
ご当地自慢のスウィーツやお酒などが続々と届き、
それを紹介する文化交流の場にもなってきました。
コメントを読んでいると、
色々な国の方が「へぇ〜、そんな食べ物があるんだ!」とか、
「あ、僕の国にもそっくりなものがあるよ!」など、
活発に意見を交換しているのが分かります。

昨夜はそんな彼らを訪ね、
日本旅行中のファンがととら亭に集まりました。
オランダ、フィリピン、オーストラリア、アメリカと国籍も様々。

政治や宗教など、限られた専門的な話ではなく、
年齢や性別にかかわらず、
誰もが手の届く身近な食べ物を共通言語にして語らう人々を見ていると、
サーブする僕たちもハッピーな気持ちになって来ます。

コトバも、肌の色も、宗教も違う。
でも、僕たちは同じテーブルにつき、笑顔で向かい合うことが出来る。
そう、もっとも広く人を結び付けるのは、食と人なんですよね。

お帰りの際、握手した皆さんの手は、
みな同じように温かく、力強いものでした。

tabieatsfan.jpg

Good luck our brothers and sisters.
Have a nice trip!


えーじ

tabieats.png TabiEats
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2017年03月26日

ととらな本 その3

「単行本を出しませんか?」

そんなオファーを「かもめの本棚編集部」こと、
東海教育研究所さんから頂いたのが去年の6月27日。

実はその前年、ウェブ記事の取材を頂いた時に、
立ち話でそんな話が出ていたのですが、
それが現実のものになるとは、正直、考えていませんでした。

本の出版は僕も初めて。
最初の打ち合わせから新入生の心づもりで席に着き、
本の内容を考えるというより、
異業種の仕事の流れを理解するところから始めたのです。

概略を聞いて僕がイメージしたのは映画製作でした。
確かに『世界まるごとギョーザの旅』という本の著者は僕ですが、
ひとりで作ったのかと言うと、そんなことはありません。

この作品の製作総指揮と監督、編集を務められたのは、
「かもめの本棚編集部」編集長の村尾由紀さん。
本の奥付にお名前こそありませんが、
映画でならクレジットの一番最初に出るべき方です。
原稿を何度も読み返し続け、今ある形にまとめ上げた彼女は、
今やととら亭の第3のメンバーと言ってもいいほど、
深い理解者となられています。

美術は稲葉奏子さんと大口ユキエさん。
文章が主体の作品とはいえ、
料理を取り扱う本の性質上、ビジュアル面は疎かに出来ません。
そこで一般的な料理本とは一味違い、
旅行書の体裁とも異なるユニークなデザインに仕上げられた手腕はご覧の通り。
僕らもデザインの第1稿を見ただけで即決してしまったセンスの持ち主です。

また広報の美術を担当されたのは、きりたに かほりさん。
ウェブの広告や書店用のポップなど、
限られた枠の中で作品のテイストを残しつつ、
伝えるべき内容を表現したイラストは、
本の素晴らしい代弁者となってくれました。

そんなメンバーに囲まれた僕の役割は、出演と脚本、そして撮影。
勿論ともこも出演者のひとりですし、
料理部分の監修からアシスタントディレクターとして、
様々なパートで仕事をしていたのです。

こうしてさながらインディーズ映画のように、
マルチタレントで作り上げたのが、
『世界まるごとギョーザの旅』なのですよ。

先日、その他にもこの仕事に携わったメンバーが集まって、
お祝いの打ち上げがありました。

いい仕事ができたなぁ・・・

いま、こう言えるチャンスと幸運に恵まれたことを、
僕は心から感謝しています。

kamomeparty.jpg

どうもありがとうございました!

えーじ
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2017年03月24日

旅の思いの変奏曲

「人は人に救われる」
「救われた人に感謝を伝える」

これなくして僕たちの旅は成り立ちませんが、
同じ思いを抱き、別のフィールドで作品を作っている人もいます。

放送作家、大島昌勝氏はそのひとり。
彼が永らく温めていたイメージが形になり、
明日、オンエアされることになりました。

3月25日(土)テレビ東京 11:30〜13:24
「芸能界ちょっとイイ話SP 私を救ってくれた人」

料理や本に限らず、
もの作りには、必ずその背景に作り手の『思い』があります。

もちろん仕事であるからには、『思い』だけではなく、
商売故のケレン味が加えられたり、
一部がデフォルメされたりすることもありますが、
それはけして消えることなく、
基底通音のように、作品の底を流れているものです。

この番組は、ととら亭とはまた違った、
『旅の思い』の変奏曲なのかもしれませんね。
見るのがとても楽しみです。
しかし放送時間中、僕たちにはお仕事が・・・

というわけでミスティー!
録画をお願いします!

えーじ
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2017年03月21日

おもしろい...? 店

「おもしろいお店ですね! また来ま〜す!」

先日、初めてご来店された女性のお客さまから、
こんなお言葉を頂戴しました。

聞いた瞬間はその場の流れで素直に喜んだものの、
間もなく、はたと考えてしまいまして。

おもしろい・・・おもしろい?

何か変だ。

一般的に飲食店を評価する場合の表現は、
『美味しい店』、『うまい店』、
軸をズラしても、『安い店』などになるはず。
料理を売る場所なのだから、
それを形容する言葉が使われてしかるべきじゃないですか?

確かにととら亭は同業者がまずやらない類の店。
(ハイリスク(過労働)、ローリターン(低収入)ですからね)
そうした意味でユニークだとは思いますけど、
事業計画を作っていた時に遡っても「おもしろい店にしよう!」
と考えたことは一度もありませんでした。

思えばエジソンが遺言記録装置として考案したレコードが、
音楽の媒体となって普及してしまったように、
様々なものごとは、作り手の意図をはなれ、
いつしか一人歩きを始めることがあるものです。

ととら亭も生まれて7年が経ち、
だんだんそんな風になってきたのかしらん?

先日発売になったととら亭の本『世界まるごとギョーザの旅』も、
企画当初に文体を検討した際、
コミカルでも、どこかしっとり感動するシーンのある、
たとえばトム・ハンクスやリチャード・ドレイファス、
ロビン・ウイリアムスの主演する作品がイメージにあったのですが、
出来上がってみると、スティーブ・マーチン、
いや、ジャック・ブラックやジム・キャリー演ずる、
ドタバタ悪乗りコメディー色が濃くなってしまったような気がしています。

むわぁ〜、なんか僕らはヤバイ方向に進んでいるのでは?
軌道修正せねばっ!

えーじ
posted by ととら at 13:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年03月18日

見解のさらなる相違

「ともこ〜!」
「なぁに?」
「君の記事の最終回がアップされてるよ」
「どれどれ見せて!」

“旅のメニュー”ができるまで

「お〜、お〜、いいじゃない!」
「って速いね、ちゃんと読んだのかい?」
「まずは写真よ! うんうん、こうでなくっちゃ!
 ん〜・・・でもなぁ、これもいいけど、
 私はプロフィールの写真が一番いいな。
 あれをアップにしてくれたらもっと良かったのに」
「え? どれ? あ〜、これか。
 でもさ、ルーを抱いている写真だろう?」
「かわいいじゃない?」
「・・・?
 かもしれないけど、写真とタイトルの関連が分からないよ」
「いいのよそれは! 写真うつりの方が大切じゃん」
「僕は記事の方が重要だと思うけどね。
 ライターの山下さんが今回もうまくまとめてくれているじゃないか。
 それにレイアウトもすっきりしていていい」
「どうせだったらお店の看板より、全部私の別の写真をパ〜っと並べて・・・」
「ちょっと、僕の話を聞いてるのかい?
 ともこの写真ばかりだったら、
 それこそ何の記事だか分からなくなっちゃうよ」
「えーじ分かってないね!
 イメージが大切なのよ! イメージ!」

だ、そうで。

えーじ
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2017年03月13日

Only time knows

3月も中旬に入りました。
梅が散り、沈丁花の香りが漂い始めると、
そこかしこで「今日は卒業式でした」という声を聞きます。
出会いと別れの季節ですね。

ちょっとニュアンスは変わりますけど、これは僕たち大人も同じ。
3月と言えば大方の組織で人事異動の時期じゃないですか。
ハラハラドキドキの数週間。辞令をもらって一喜一憂。

今でこそ僕はそうした枠の外に出てしまいましたが、
振り返れば春は卒業と入学、就職と異動など、
人生における大きな変化がいろいろありました、

しかし、生活を根底から変えるほどの転機と言えば、
成人後に思い当たるのはふたつ。

ひとつはソロの旅ライダーから、デュオのバックパッカーへ転身したこと。
まぁ、ワイフとの出会いが直接的な『原因』のひとつなのですが、
仕事は二の次で旅を中心に人生を回していた僕にとって、
このスタイルの変更はビッグイベントであり、
ある種のパラダイムシフトでもあったのです。
これはもう、行き先が国内から海外へ移り、
移動手段がオートバイから飛行機や鉄道、
バスなどに変わったこと以上の変化だったと言えるでしょう。

もうひとつは独立。
ととら亭を立ち上げたことで生活は全く別ものになりました。
端的には給料日がなくなりましたからね。
日銭商売ですから毎日が給料日と言えば聞こえはいいかもしれませんが、
ヒマな日には貰えるのが『基本給』の1/20程度しかない場合もあります。

銀行さんとの付き合い方も真逆です。
会社員の時は窓口にしろATMにしろ、
基本的におカネをおろす場所でしょう?
それが今はこっちから持って行くだけ。
たまに自分が右から左へ、左から右へ、
ただおカネを運ぶだけが仕事なのかしらん?
と思えることもあります。

日常の移動も逆ですよ。
電車はウィークデーではなく、
オフの日に時々乗るものになりましたからね。
そして天を仰いだのは、
当たり前だった週休二日が今では遠い彼方の話になったこと。
現実は年休二日になっちゃった。
有給休暇ももちろんゼロ。
これぞ典型的なブラックレストランなのですが、
プチブルは労基局のサポート外。

ありゃ〜、それじゃあ、堅気に戻ったら?

とは思っていそうで、実は一度も後悔したことはありません。
僕の場合、パンドラの箱の底に残ったものは、
『希望』ではなく『自由』でしたけど。

こいつには、
それだけの投資をする価値があるんですよ、うん。

ともあれ、次の大転機はいつ、どんな風に起こり、
僕はどうなって行くのか?

それは時だけが知っているのでしょうね。

えーじ
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2017年03月09日

第13回取材旅行 その13 最終回

本の発売や独立7周年記念などでドタバタしているうちに、
取材旅行から帰って早9日間が経ちました。

振り返って見ると、あの旅で一番考えさせられたのは、
国や民族のオリジナリティと純粋性だった気がします。

ととら亭では各国の料理を紹介するという都合上、
便宜的に、
「ポーランド料理」とか「エチオピア料理」という表現の仕方をしますが、
いずれも他から全く影響を受けず、
完全に独立した文化と言うものを僕は知りません。

バルカン半島の料理で例えるなら、先に一度お話したムサカ。
僕は子どもの頃、横浜のギリシャ料理レストランで食べて以来、
ずっとギリシャ料理だとばかり思っていました。
ところが起源はアラブにあるらしく、ブルガリアやルーマニアにも、
微妙にローカライズされて根付いています。

オスマン帝国の影響からケバブやキョフテ、ドルマも広く存在し、
ポークやアルコールが使えないというハラールの縛りが外れて、
独自のバージョンが溶け込んでいたり、
イタリアから伝わったパスタもすっかり土着化しているではないですか。

僕はそうした食文化の広大な織物を目の当たりにして、
まるで音楽のクラシックやジャズのようだな、と独り言ちてしまいました。
スタンダードがプレイヤーに解釈され、異なる楽器で奏でられた結果、
様々なバリエーションが生み出されて行く。

ではそのスタンダードに相当する『オリジナル』とは何で、
どこにあり、どのように広がって行ったのか?

これこそが、
『答え』とは『次なる謎』の謂いであるという、
僕たちの旅に付きものの逆説的なオチなのです。

さて、それでは新しい旅の準備を始める前に、
バルカン半島の旅で最後に訪れたハンガリーの取材を、
ビジュアルに振り返ってみましょう。

szegedview.jpg

szegedstreet.jpg

ハンガリーの南部、ティサ川の西岸に中心を持つ街、セゲド。

church.jpg

ご覧の誓約教会くらいしかランドマークになるものはありませんが、
普段着姿のハンガリーと申しますか、
のんびりプライベートな時間を過ごすには打ってつけの場所だと思います。
僕たちはこうした地味な街が大好きなのですよ。

glyas.jpg

川岸を歩いていて偶然見つけた料理中のグヤーシュ。
元々はこうした野外料理だったそうです。
あ〜、美味しそうだな、と近付いて行ったら、
今にも食べてしまいそうに見えたのか、
ボートハウスのおじいさんが出てきて、
「すまんな旅の人よ、これは売り物ではないのじゃ」
(マジャール語で多分こう言ったのだと思います)

breakfast.jpg

僕たちが投宿したこの旅で一番の高級ホテル(1泊約5,000円也)の朝食。
取材のためにお腹をすかしておかなくてはならない僕たちにとって、
この誘惑はマジでヤバかった!
しかしながらセゲドはハンガリーで最初にサラミが作られた街。
老舗のPICK社のそれを食べずに去るなんて・・・
しかも畜肉製品は日本に持ち帰れないし・・・
という訳で、お腹いっぱい食べてしまいました。
うう・・・胃薬ぷり〜ず・・・

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ブダペストまでは鉄道で移動。
マケドニアとセルビアの鉄道はかなり草臥れていましたが、
ハンガリーは健在です。
着いたのはブダペスト西駅。
ここは確か、
映画『ミッションインポッシブル ゴーストプロトコル』で、
冒頭シーンのロケが行われたところだったな。

budapestview.jpg

ドナウ川を挟み左が王宮のあるブダ側、右が商業的な中心のペスト側です。
ドナウ川は17カ国を貫く国際河川ですから、
ボートでウィーンやブラチスラバにも行けます。
いつかそんなゆったりした旅もしてみたいですね。

vircist.jpg

取材の中心になったのはここ、一番の繁華街になっているヴァーツィ通り。
しかし、いかにもツーリスト相手のレストランではイマイチなので、
実際に入ったのは中央市場の脇道や、デアーク広場周辺の店です。

budapesthotel.jpg

僕たちが投宿したのはヴァーツィ通りの脇道にあるこんなホテル。
利便性が良い割に静かでスタッフもフレンドリー。
夜はゆっくり休めました。

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12年振りのブダペストは殆ど変わっていなかったですね。
僕らは王宮裏に広がる旧市街の風景がお気に入り。
ぶらぶら歩いているだけで時間を忘れますよ。

marcket.jpg

さて、それでは取材を始めましょうか。
まず訪れたのはここ、中央市場の2階にある軽食堂。
いつも観光客で賑わっています。
場所柄、料金は少々高めですけど、
料理を見ながら注文できるのは便利ですね。
美味しそうなものが沢山ありますから目移りしてしまいます。

restaurant01.jpg

郷土料理を出しているこうした素敵なレストランが沢山あります。
メニューがそれぞれ微妙に違うので、
事前にじっくり検討してから入りました。

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グヤーシュと並ぶ国民食のハラースレ。
鯉やナマズ、淡水スズキなどの魚を使ったスープです。
地域によってレシピの差が大きく、
セゲドではさらっとしていましたが、ブダペストではとろっと濃厚な感じ。
スープの色はトマトではなくパプリカで出しています。

foshstew.jpg

鯉のシチュー。
ハラースレをもっと濃くした感じと言えば当らずとも遠からず。
でも油っぽくはありません。
ガロニ(付け合わせ)は・・・なんとハルシュキ!
本にも書きましたけど、スロバキアの取材で出会った難敵です。
この思わぬ再会には驚きました。
あの時はそのボリュームとこってりさ加減に白旗を揚げましたけど、
今回は量が少なく、生クリームもそれほど使われていなかったのでクリア。
そう言えばスロバキアは隣国ですし、オスマン帝国が北上した際には、
ハンガリー帝国の首都機能が、
ブラチスラバに移されていたこともありましたからね。
両国に共通する料理が沢山あるわけです。

paprikash.jpg

パプリカーシュ・チルケ。
チキンをパプリカクリームソースで煮込んだものです。
お供はドイツのシュペッツレに似たハンガリアンダンプリング。
チキンとダンプリングのバランスが見ての通りですので、
何となくパスタのような印象を受けました。
コクがあってとても美味しいです。

porkglash.jpg

ポークグヤーシュ。
グヤーシュと言えばスープを想像しますが、要は『煮込み』のこと。
これはポークをパプリカソースで柔らかく煮込んだ料理です。
しかしながら先のパプリカーシュとは大分風味が違います。
お供はやっぱりダンプリング。

porknackle.jpg

ハンガリーでお肉と言えばポーク。
ポーランドでもそうでしたが、そうした土地でご馳走と言えば、
豪快なすね肉を使った料理。
英語ではポークナックルのシチューとなっていたので、
注文してみたら出て来たのがこれです。
じっくり煮込んでとろとろにした骨付きすね肉に衣を付けてカラッと揚げ、
濃厚な赤ワインソースを添えたもの。
むわぁ〜、ワルシャワで食べたゴロンカそっくりじゃん!
食べきれるかな?
と心配になりましたが、余分な脂が落ちていたので完食成功。
ガロニはキャベツのダンプリングでした。
ハンガリーはダンプリングの種類が沢山あるのですよ。
で、このお味はどこかノスタルジックなものが・・・
そう、キャベツと小麦粉と言えば、お好み焼き!
ブダペストでこの味を思い出すとは驚きました。

cake.jpg

取材の合間に一度だけ入れたコンディトライ(洋菓子店)。
洋菓子の総本山的ウィーンにほど近いだけあってか、
ケーキの美味しさは折り紙付きです。
甘さも控えめ。マジでホッペが落ちますよ。

us.jpg

最後はギリシャ編と同じく、お約束の1枚で。
自宅に帰って12年前の写真と比べてみたのですけどね、
月日の流れを感じました。

え? だからキャップを被っているのかって?
いやいや偶然ですヨ!

See you on the next trip!!

えーじ
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2017年03月04日

見解の相違

昨日から、今までありそうでなかった、
ともこの単独インタビュー記事がウェブにアップされております。

“旅のメニュー”ができるまで

原稿は事前に読んでいましたが、
レイアウトされたものを見るのは僕らも初めて。
そこで早速・・・

「ともこ〜!」
「なぁに?」
「ほら、君の記事がアップされているよ」
「えっ! 今日だっけ!? 見せて、見せて!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あ”〜っ!」
「どう? なかなかいいじゃないか?」
「ひどぉ〜い!」
「え? なにが?」
「この写真、えーじも写ってるじゃん!」
「はぁ?」
「えーじの記事の時は、えーじがひとりでいっぱい写ってたのに〜!」
「そ、そうだったっけ?」
「あたしのアップの写真は?」
「アップと言ったってグラビアページじゃないんだから」
「いいのよそんなの! お話より写真よ写真!」

そういう趣旨の記事ではないと思いますが・・・

ま、人はそれぞれ、いろんな思い入れがあるものでございます。
僕は記事の方が面白いと思うがなぁ・・・

えーじ
posted by ととら at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記