2023年04月19日

いよいよ素材も自家製に

柴又に引っ越したら、
あれをやろう、これをやろう!

こんな僕らの「やることリスト」がありまして、
その中のひとつに家庭菜園が入っていました。

え? どこに庭があるんだ?

いや、もちろん庭と呼べるような場所はないのですけどね。
建物の駅側の方に、
ウナギの寝床風のスペースがあるんですよ。
日当たりがとてもいいので、
そこにプランターを並べまして。

hurb_230419.jpg

担当はともこだから名付けて「ともこガーデン」。
まず植えたのが、パセリ、ミント各種、コリアンダー、
バジルに韓国トウガラシと大葉。
珍しいところではタラゴンです。

生育のいいコリアンダーは早速収穫して、
まかないで食べ始めました。
やっぱり取れたては香りが濃いですね。
パクチーマニアの僕らはタイ料理からちょっとしたスープまで、
何かとこれを入れて楽しんでいます。

お店でも先週末はタラゴンが登場。
ヘダイのムニエルに添えたのは、
ノイリー風味のトマトクリームソースだったのですが、
これだけでもゴキゲンなのにタラゴンまで入れたものだから、
主役のヘダイがかすんでしまったかも。
実際、何とも言えませんね、あの香りは。

そろそろ日差しも眩しくなってきましたから、
ミントを使ってモヒートをやろうかな?
ともこはタイムも育ててみるそうです。
お店に飾る花もいいですね。

ついに素材も自家製になり始めたととら亭でした。

えーじ
posted by ととら at 17:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年04月16日

おカネ、大丈夫ですか?

と、心配されることがしばしばあります。

たとえば先日、

「新型コロナ対策が世界中でなし崩しになったことですし、
 そろそろ僕らも旅に戻ろうと思ってます」
「どのくらいの日数で行くのですか?」
「そうですね、3週間くらいかな?」

こんなお話をしていたのですが、
それを年内だけでも2回行くつもりだと言ったら、

「おカネ、大丈夫ですか?」

となりました。

ん〜・・・
まともな経済観念を持つ方なら、当然そう来るでしょう。

そういえばこれまた先日、
ご夫婦でビクトリアの滝を訪れるツアーを申し込んだ、
というお客さまがいらっしゃいました。
周遊ルートには南アの喜望峰も含まれており、
シートはビジネスクラス。

恐る恐る費用を聞けば、航空券を含むツアー代金だけで、
ひとり100万円を超えたそうな。
その他の雑費を含めれば、
二人で300万円弱くらいになるのではないでしょうか?

これを僕らの3週間、年内2回に当てはめたら、
当然「おカネ、大丈夫ですか?」になりますよね?
(訊いたお客さまは、
がらんとしたランチタイムにご来店されていましたし)

しかし何かと「一般的」ではないととら亭。
旅の予算もまた然り。

一例を申し上げますと、2009年のことですが、
南米を3カ月間旅したときの予算は、実費でひとり80万円也!
(航空券代などすべて込みで)

10日間で100万円超。
片や3カ月間で80万円。
この差は大きい。
というより、信じがたい。

このととら流シンプルライフ(サバイバル術?)が禍し、
銀行に融資の相談で行った際、僕の確定申告書を見た担当者から、
「こんな収入で大人ふたりが暮らして行けるわけがない!」
と、脱税容疑をかけられたこともありました。

ともあれ、実際どうにかなるのですよ。
このしょぼい予算でも。

しかし、だからといって「皆さんもどうぞ!」とは申しません。
いや反対に、お勧めできないのがととら流。
毎回お約束のようにスリルとサスペンスの旅になってしまうのも、
とどのつまり、このハイパー低予算が原因のような気がします。
(僕が個人的に招き寄せているのではありません・・・
と思いたい)

次の旅は6月中旬に出発予定。
さいわい、おカネの心配は今のところないのですが、
問題は・・・

それ故の必然的な結果なんですよね。

えーじ
posted by ととら at 15:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年04月13日

学んで無駄なことはない

去年の初夏に励んでいた大工仕事。
それがまだ幾つか残っておりまして。
そこで先日、
ベッドのヘッドボードの設計図を書いていたとき・・・

まだ柴又での生活で実現していないこと。
それはベッドタイムの読書だ。
そこで必要なのが、もたれて楽なヘッドボード。
垂直じゃきついから、ある程度の角度を付けないとな。
それとメガネや本などが置けるスペースも欲しい。
ってことは・・・

奥行きになる側版の上辺が160で底辺が300くらいか。
で、ベッドマットから上に450。
そうなると背中が当たる背板の高さは・・・

ん?
あれ? どうやって計算するんだっけ?
背板の高さは・・・

そうか、もっと図形を単純化して、底辺が300-160で140、
高さが450の直角三角形で考えればいいんじゃん。

この場合の背板の高さは・・・
直角三角形の斜辺の長さってことだよね?
ん? どこかで聞いたような話じゃない?
直角三角形の斜辺の長さ。

そうだ! ピタゴラスの定理か!
確かあれは、斜辺の2乗 = 底辺の2乗 + 高さの2乗・・・
じゃなかった?
だからこの場合、Xの2乗 = 140の2乗 + 450の2乗。
Xの2乗 = 19600 + 202500 = 222100
でXは?

Xは?

あれ、これどうやって計算するんだ?
ん〜・・・っと・・・
そうか、つまりルート222100だから電卓のルートボタンを押して、
471.2748667! 丸めて概ね斜辺の長さは471.3ってところか。

こんなことをブツブツ言いながらやっていたのですけどね。
ピタゴラスの定理なんて使ったのは何年ぶりかしらん?
習ったのは中学生のとき?
それでもおぼろげながら頭に残っていたとは驚きです。
何ごとも学んで無駄はないってことか。

ところで、ルート(平方根)の手計算て、どうやるんだっけ?
電卓ポンじゃなくて。

ん〜?

えーじ
posted by ととら at 09:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年04月11日

せっかくの春なのに

生物多様性の回復へ向けて、
10年半ぶりに国家戦略が改定されるそうな。

ならばぜひ入れてほしいのが、異常なバランスの人工林。
不自然でしょ? スギやヒノキの数は。

木を伐りまくるのは森林破壊ですけど、
単一種ばかり植えまくるというのも、
自然のバランスを崩すという意味で、
「破壊」なんじゃないかな?

おかげで毎年多くの人が花粉症で苦しんでいるというのに、
(僕やともこも含めて!)
なぜかこれが自然災害や、
個人の体質に起因したアレルギー反応のように扱われてる。
こりゃ、どうしたわけかしらん?

僕の拙い脳みそでは、
どこをどう考えても花粉症は公害であり、
スギやヒノキを植えすぎた、
人災としか思えないんだけどな。

しかし、しょもないスキャンダルに食いつく野党さんですら、
ことスギやヒノキの異常な本数については、何も突っ込まない。

なぜだ?

僕の認識が間違っているのだろうか?

えーじ
posted by ととら at 20:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年04月08日

粋なルール

(注:ネタバレが含まれています)

これまたトップガン・マーヴェリックのお話なんですけどね。

ストーリーは全体的に前作へのオマージュでしたが、
今どきのネタとしてインサートされていたのがスマートフォン。
(1986年当時にはありませんでしたから)

「スマホなくしてわが命なし!」な風潮が世界的に広がるなかで、
アメリカからこんなルールが飛び出したことには、
僕もちょっと驚きました。

マーヴェリックがバーのカウンターにスマホを置き、
ペナルティーを取られたシーンがあったでしょ?
そう、「スマホをカウンターに置いたら全員に一杯おごる」
って壁に大書きされていたのですから。

へぇ〜、アメリカ人も、そういう風に思う人がいるんだ。

何でもそうですが、
僕はモノ自体に良いも悪いもないと考えています。
問題になるのは、
それを「いつ」「どのように」使うか、なんですよ。

その観点からすると僕の感性では、
スマホの使い方のTPOが、
ズレているように見えるケースが珍しくありません。

自動車の運転中や歩きながらはいわずもがな、
映画の劇中にもあったように、
バーは酒を飲み、居合わせた人々が歓談する場所です。
電話でそこにいない人と話したり、
ゲームやネットサーフィンをするところではない。
これはレストランも変わりません。

ここで反論もあるでしょう。
人に迷惑をかけているのではないのだから、
何をしようと勝手だってね。

でもそれは違うんじゃないかな?
人間が集う場には明文化されていなくても、
暗黙のルールがあります。
そしてそれが場の雰囲気を醸成しているのですよ。

想像してみてください。
たとえば、ととら亭に入ってきて、客席を埋めるすべての人が、
うつむいてスマホをいじっていたとしたら・・・
それもお一人さまだけではなく、2人、3人、4人で来ている人まで。
「な、なにしてるんだ?」ってなりません?
かなり異様なムードじゃないですか?

これ、電車では当たり前になってしまいましたけど、
対面に腰掛ける人全員が、同じ首の確度で、同じ手首の返し方で、
スマホをいじっている光景は、
それこそアンドレ・ブルトンやルイス・ブニュエルが見たら、
「トレヴィアン! これぞシュールレアリスムだ!」って叫ぶんじゃないかな?

いや、なにも難しいことを言っているつもりはありません。
逆にシンプルな生き方の提案です。

食べるときは食べ、飲むときは飲み、
人と話すときは、その人を見て話す。

ただそれだけのことですからね。

えーじ
posted by ととら at 17:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年04月05日

世代を超えたトップガン

注:ネタバレが含まれています。

「トム・クルーズって、
 世界で一番サングラスが似合う男だと思います!」

先日、トップガン・マーヴェリックを観た20歳代の女性が、
こう力説していました。
なるほど、彼のこうした魅力も手伝って、
世代を超えたヒット作になったわけですね。

実は僕も観ました。
機内の小さな画面でしたけど。
シナリオ(特に後半)は、いかにも伝統的なハリウッドものでしたが、
確かにいい出来だったと思います。

それは多分、リアルなドッグファイトシーンより、
1986年の前作から経過した時間が、
そのままドラマに反映されていたからじゃないかな?

と申しますのも、
「トム・クルーズ素敵!」な20歳代の彼女は、
世代的に新たなトップガンメンバーに属し、
ハングマンたちが繰り広げる、
「現役」のストーリーを素直に楽しんでいたのでしょう。

片や1986年の1作目を青春時代に観た僕らは、
まさにマーヴェリックやアイスマンの視線で、
2作目に感情移入しているのですよ。

冒頭、マーヴェリックが開けたロッカーの写真を観て、
トップガン1作目だけではなく、
MA−1を自慢気に着ていた頃の自分を思い出したのは、
僕だけではなかったはずです。

さらにマーヴェリックが、
あの懐かしいKAWASAKI NINJA900Rにまだ乗っているとあっては、
胸を熱くせずにはいられないじゃないですか!
(僕もあのバイクに憧れて、
先輩が無理して買ったのを乗ったことがありました)

ほんと、マーヴェリックが若手を見る視線や、
いろいろあったけど同じ時代をともにしたアイスマンとの関係は、
まさに今の60歳代の、日常の感覚なんですよ。
(ね、ご同輩?)

そして「過去の人」になったマーヴェリックが、
もう一度「現在の人」に戻るストーリーは、
50歳代から上の世代がシンパシーを感じる、
第2のサクセスストーリーに他なりません。

まだまだやれるぜ。

もしかしたら、
僕たち以上に若い世代に追われるトム・クルーズ(彼も60歳!)の、
同世代に送ったメッセージでもあったのかもしれませんね。

えーじ
posted by ととら at 09:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年04月02日

ディスプレイに込めた思い

「これはなんですか?」

一般的に多国籍料理レストランの装飾といえば、
木彫りのお面や民族楽器でしょうか?

しかし、ととら亭でディスプレイされているのは、
何やら怪しげなものばかり。

そこでこんなご質問をしばしば頂きます。
たとえばこれ。

fatima.jpg

先日、5年ぶりに訪れたバリ島のウブドでゲットしたもの。
ムスリムの間では「ファティマの手」と呼ばれている魔除けです。

これを知ったのは2011年2月に取材旅行で行ったモロッコ。
マラケシュやカサブランカの、
混沌としたアンティーク(?)ショップを徘徊していて見つけ、
以来、ムスリムの多い国を訪れるたびに、
気に行ったデザインのものを買い求めていました。

そんなある日、
江古田のイスラエル料理店シュマイムさんに行ったおり、
壁一面にディスプレイされた大小さまざまなファティマの手を発見。

なぜムスリムの魔除けがユダヤ教徒の店にあるのかと訊けば、
彼らはこれをハムサと呼び、同じように護符として使っているとのこと。
合点のいかない僕の表情を読んだスタッフさんは続けて、

「これはユダヤとムスリムが仲違いする、
 ずっと以前から中東にあった Superstition(迷信)なんですよ」

なるほど。

調べてみれば、
その起源はレバント地方で紀元前12世紀ごろに栄えた、
フェニキアの時代まで遡るそうな。

それを知ってから僕は、
旅先でシナゴーグ(ユダヤ教の寺院)を見つけると、
ハムサがないか探すようになりました。
そしてととら亭でファティマの手とハムサを並べてディスプレイし、
双方の平和を祈ることにしたのです。

fatimaandhamsa.jpg

買い求めた場所は上から、

トルコ イスタンブール
インドネシア バリ島
ポーランド クラクフ
フィンランド テュルク(パレスティナ難民のお店で)
ポーランド クラクフ

隣り合わせた民族が争うのは歴史の常ですが、
同様に、隣り合わせた民族ほど同じ文化をシェアしているものです。

ムスリムとユダヤ教徒のように。
そして、日本と韓国や中国のようにね。

えーじ
posted by ととら at 17:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年03月31日

Let's 決算2023

今年も決算が終わり、ほっと一息の3月末・・・

と例年なら書き出すところですが、
今回は違います。

予想は十分していたものの、
すべてのデータを入力後、決算書を出力してみると、
その結果は・・・

大赤字!

それも中途半端な数字ではありません。
ここまで来ると、
「げげっ!」というより「ほぉ〜」って感じ。

ま、それも当たり前の話で、
去年は移転が遅れて年間の半分も営業できなかったでしょ?
にもかかわらず、
その1年がこれまでの人生でマックスの大散財だったのですから。
信金さんが融資してくれなかったら、
完全にアウトでした。

体力のない中小企業ってのは、
多かれ少なかれ、こんな綱渡りをやっているものなんですよ。

ともあれ場当たり的にやっていたわけではなく、
信金さんへの事前説明どおり、
きちんと事業計画のレールには乗せています。

経済はコロナ禍の病み上がりに物価の高騰で、
当面、厳しい経営環境が続くと思われますが、
こんなときこそ旅と同じく僕らの得意とするところ。
氷河期を乗り切るセコさにかけては、
野方時代から定評がありましたからね。

さぁ、季節は始まりの春。
新しい世界へ漕ぎ出しましょうか!

えーじ
posted by ととら at 12:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年03月28日

南米料理特集が始まります!

先週末の冷たい雨と風で、
散ってしまったかと思いましたが、
柴又の桜は満開になりました。

近所にお花見スポットが幾つかあり、
ちょっと町内を歩いただけでもけっこう楽しめます。
いよいよ春も本番ですね。

ととら亭も心機一転のメニュー替え。
始まりの季節といえば、
独立直前に行った南米の料理で決まりです。

南米料理特集

どの料理も僕らの思い出が詰まっているだけではなく、
まさしく、ととら亭の未来の旅を予感させるものでもありました。

目の前のこの一皿は、時間と空間を超えて、
いったいどこまで繋がっているんだろう?

そう、地球の裏側で出会った料理が、
はるかに歴史を遡り、
ヨーロッパ、中東、アジアまでをも結びつけているとは。

料理というのは、つくづく面白いと思います。
なぜなら、考えるのではなく、
食べる、つまり経験からすべてが始まるのですから。

皆さんは今回の料理を経験して何を思うのでしょう?
そこからまた、また別の旅が始まるんですよね。

えーじ
posted by ととら at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年03月26日

Such a beautiful spring day.

先日、
ジョギング中に柴又公園でストレッチしていたときのこと。

いかにもコーチっぽい男性が、
年齢の異なる小学生のグループを何やら指導していました。
まもなく始まったのはサーキットトレーニング。
僕の横を子どもたちが元気よく走り抜けて行きます。

Oh, kids, nice run!

2周目に入ったところで気付いたのは、
小太りの低学年の男の子。
全体からすでにだいぶ引き離されています。

意気込む顔の表情は一等賞ですが、いかんせん体が前に出ていない。
先頭が3週目に入るころには、早くも周回遅れとなってしまいました。
必死で走る彼を他の子たちは涼しい顔で追い越して行きます。

僕は心の中で話しかけました。

Hey Kid.
そんな顔しなくたっていいんだよ。
自分のペースで走ればいいのさ。

君の年齢でも、人生はすでに競争だ。
でも、それがすべてじゃない。
競争というゲームに参加しない選択肢だってある。
そして、それを楽しんじゃいけないってこともない。

今日はいい天気だ。
桜も咲いている。
素晴らしい一日だろう?

ならば誰かと競い合うのではなく、
ただ走ることを楽しむってのはどうだい?
河原はこんなに広いんだからさ。

ストレッチを終えた僕は軽いフットワークで体を整え、
自宅に向かって走り始めました。

子どもたちがすれ違って行きます。

Hey kids,
周りや後ろを気にして走らなくたっていいんだよ。
いつもトップでなくたっていい。
ただ、みんなで走ることを楽しむのもありじゃないか?
こんなに気持ちのいい春の日に、
仲間たちが一緒なんだからさ。

やがて僕は河川敷に出ました。
気付けば周りにはもう誰もいません。

眩しい光を全身に浴びて、
僕は空に向かって微笑みかけました。

だって、こんなに気持ちのいい、春の日なんだからさ。

えーじ
posted by ととら at 15:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記