2020年03月02日

Ten years in Nogata

2010年3月2日。

翌日は独立して初めての仕事が始まる日。
僕らは業者さんと親族のレセプションを終え、
オープンに向けた最終調整に入っていました・・・

なんていうと、もっともらしく聞こえるかもしれませんが、
実情は仕込みやメニュー作り、その他の雑務の山に埋もれ、
気が付けば、もうろうとした意識の中、開店時間が迫っていた・・・
というのが正直なところ。

あれから今日で丸10年。
この日が来たのをいちばん信じられないのは、
とうの僕たちだと思います。

ととら亭の旅立ち。
それは開業前の準備に費やした2年間も含め、
まさしく『地図のない旅』でありました。

とにかく、すべてが分からないことだらけ。
しかも訊ける相手がぜんぜんいない。
どうやったら『旅の食堂』なんていう飲食店が作れるのか?
そして、それをどうやって運営して行けばいいのか?
リソースは資金もマンパワーもしょぼい限りでしたし、
(今も変わりませんが・・・)
時間も潤沢に使えるわけではありません。
(これも変わってませんね・・・)

そんな僕らが持っていた唯一の武器は、
それまでに行った数々の旅の経験でした。
特に独立の前年に行った、中南米3カ月間の旅は、
11年後の今に至るまで、
僕らを支えてくれる頼もしい柱となっています。

出発後の航海も時化の海が多かったですね。
とりわけ独立してからの2年間は、
トライアルアンドエラーの日々が続いていました。
そのエラーの部分だけでも本が数冊書けるくらいですよ。
ほんと、あちゃあ〜・・・なことが沢山ありました。
でも、いちいち落ち込んでる余裕すらない。
次がすぐにやってきましたので。

この10年を振り返ってみて、
客観的に採点すると、もちろん100点満点ではありません。
僕らはただの凡人ですからね。
しかし、ふたりとも、これだけは言える、ということがあります。
それは・・・

この結果が僕たちのベストだった。

ということ。

最後に、ふたつの感謝をもって、
この記念すべき日のブログを締めくくりたいと思います。

東京で、日本で、世界で僕たちを理解してくれた皆さま。
正直、10年前のこの日、僕はここまでたくさんの人々が、
僕たちの仕事を理解してくれるとは思っていませんでした。

もしかしたら、いや、確実に、
僕たちが得た最高の勲章は、10年分の売り上げではなく、
皆さんのご理解だったと思います。
嬉しかったです。
本当に、どうもありがとうございました。

そしてもうひとつ。

僕の厳しい要求に応え、どんな時も僕を支えてくれた、
妻にして旅の相棒であり、最高の旅の料理人でもある、
智子に。

どうもありがとう。

えーじ
posted by ととら at 14:48| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2020年02月29日

We are all Heroes.

先日の定休日、病院に行くため、
久しぶりにラッシュアワーの西武新宿線野方駅へ向かいました。
そこで・・・

ま、混んでいると言っても、
かつてもまれた日比谷線や千代田線ほどじゃないからな。

と、高をくくってホームに降りたら・・・

おや? この混み方は何ごとかしらん?
ん? 何か言ってるぞ。
おっとイヤフォンをしてたのでアナウンスがよく聞こえなかった。

そこで耳に入って来たのは、
「事故でダイヤが大幅に乱れ、
 次に来る電車はほとんど乗れないかもしれません」
という駅員さんの声。

あいやぁ〜・・・まいったね。
仕方ない、取り敢えず並んで様子を見よう。

旅先でもよくあるこんな時、
僕のヒマつぶしは読書・・・の場合もありますが、
お気に入りはマンウォッチング。
周囲の人々を観察していると、
ふだん気付かない、さまざまな人間模様が垣間見られます。
この日は・・・

へぇ〜、みんな落ち着いてるね。
駅員さんに食ってかかる不届き者はいないし、
われ先にと割り込む人もいない。
きちんと並んで静かに電車が来るのを待っている。

そう、みんな急いでる。
そして、みんな困ってる。
みんな同じなんだよね。

こんな感慨にふけっているうちに、
遅れに遅れた電車がそろそろとホームに入って来ました。
扉がきしむように開くと、
車内はもう『ギネスに挑戦』状態。
しかし微妙な隙間があり、ひとりくらいならどうにか乗れそうです。
そこへ意を決した女子高生がひとり、前に進み出ました。
車内側の人々はなんとか彼女を入れようと隙間を広げています、
そして間もなくドアが閉まり始めたのですが・・・

あ、あぶない!

体は収まったものの、鞄とそれを握りしめた両手はまだ外のまま!

おいおい、駅員さんは気付いているのか?
分からない・・・
でもこのまま走りはじめたら大変だ・・・どうしよう?

と僕が逡巡をしていた矢先、前列付近にいたハルクが、
閉まりかけたドアに掴みかかったではないですか!

おお! ヒーローの登場だ!
これでもう大丈夫・・・かな?・・・いや・・・

ハルクは少女のいる左側のドアを開けようとしていますが、
彼の怪力をもってしてもなかなか動こうとしません。

違うぜハルク!
ドアは両側が連動しているんだ、片方だけ開こうとしてもダメだ!

そんな僕の心の声を察したのか、
今度は両手で左右のドアを押し広げるように持ち変えると・・・

そうだ、そうそう! 少しずつ開いてきたぞ!

車内側の乗客が彼女の鞄を中に入れようと引っ張っています。
しかし教材でパンパンに膨らんだ鞄はなかなか入りきれません。
ハルクは両手を使ってドアを開けているので、
これを助けることができない。
いま電車が動き出したら大変です。

ピ〜ンチ!

ここに現れたのがスパイダーマン!
ハルクの左脇に素早くもぐり込み、少女の鞄をぎゅっと押し込みました。
それを見たハルクが少しずつ力を緩めると、

おお、無事にドアが閉まり、少女は乗れたではないですか!
ナイスチームワーク!

見守る乗客たちの安堵の声。

まもなく電車が動き始めると、
とつぜん現れたヒーローたちは普段の姿に戻り、
群衆の中で見分けがつかなくなってしまいました。

人々が窮地に陥った時、こつ然と現れ、
助けが済むと礼も聞かずに去って行く。
僕たちの街にはいつもヒーローたちがいます。

Do you believing the courage in you?

次の危機でアイアンマンになるのは・・・

あなたかもしれませんね。

えーじ
posted by ととら at 15:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年02月27日

自分の旅のために その8

ご心配おかけしてすみません。

取りあえず、走れない、胡坐や正座ができない以外は、
日常生活に支障ないので、いつも通り仕事をしています。

1カ月後の医療機関がどうなっているか分かりませんが、
一昨日、手術前の事前検査が終わり、
今のところ3月25日の手術に向けて予定通り進んでいます。

その他、腰、左手首、右ひじなど他の故障個所は落ち着いていますし、
昨年5月に患った謎のめまいもあれ以来起こらないので、
当面は左ひざの治療に集中できるでしょう。

ま、56年以上に渡って酷使したのですから、
あちこちガタが来るのも仕方ありませんね。
僕はこういうことに関して楽観的です。
人間も生き物である以上、しょうがないんですよ。
歳を取るにつれて健康になって行く生物なんて、
地球上にはいません。

この点に関して僕の頭にあるのは、
自分の旅のために、今の身体能力をどこまで維持できるか?

だけ。

しかし、それもやがて難しくなるでしょう。
でも悲観することはない。
その時は旅の方を変えればいいだけですから。

そんなわけで、
ハードな道中がお約束の中米、南米やアフリカのサハラ砂漠以南は、
この先、5〜6年以内に回っておきたいと考えています。

で、この星をさんざん旅して、
いい爺さんになるまで生きていられたら、
どこかのビーチのデッキチェアでのんびり海を眺める・・・

なんてのもいいかな?

そこをゴールに今は頑張りたいと思います。

えーじ
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2020年02月24日

難しいニホンゴ

ある混雑した週末に電話が鳴り、ともこが受話器を取ると・・・

「はい、ととら亭でございます」
「今夜2名入れますでしょうか?」
「カウンター席でしたらご用意できますが」
「ああ、それなら結構です」
「そうですか、ではまたお待ちしております」

「なに?」
「予約の電話。カウンターじゃイヤだったみたい」
「ああ、たまにそういうお客さんもいるよ。
 特に年配の人はね、テーブル席じゃないと落ち着かないのさ」

すぐまた電話が鳴り・・・

「はい、ととら亭でございます」
「あの、いま名前を訊かれなかったので、
 もしかしたら予約が取れていないのではないかと思いまして」
「え? あ! 失礼しました! カウンターでもよかったのですね?」
「はい、カウンターで結構です。2名、20時でお願いします」

ニホンゴって難しいですよね。
同じ言葉がYESとNO、ふたつの意味を持つこともある。

そういえば『ドーモ』というのも外国人には分かり難いんですよ。
英語でなら Sorry と Thank you さらに Hello の意味になりますから。

えーじ
posted by ととら at 10:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年02月21日

自分の旅のために その7

3月の営業スケジュールをご覧の方はもうご存知だと思いますが、
以前、この『自分の旅のために』シリーズでお話した僕の故障のひとつ、
左足の半月板が、いよいよ本格的に壊れてきたようです。

去る1月7日、ジョギングから戻った時に例によって痛みだしたのですが、
これまでは数時間から半日で消えていた痛みが、
そのままになってしまいました。

さいわい仕事をはじめ、日常生活では気にならないのですけど、
走るのはもう難しいですね。
出力30パーセントくらいで100メートルも走ると、
みしみししてきてしまいます。

で、再度病院に行ってみたら、
半月板に2カ所ひびがはいっているので、縫って治しましょう。
とのこと。

そうはいうものの、
新型肺炎の騒ぎで医療機関が今後どうなるかわかりませんが、
一応、予定では3月24日(火)に入院し、翌日手術。
その後、数日リハビリして問題がなければ、
28日(土)に退院ということになりました。

ほんと、人生いろいろあります。

Let's dive into the unknown future!!

えーじ
posted by ととら at 14:28| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2020年02月19日

be cool to be wise. again.

未来は誰にも分からない。

311の時のように社会不安が増大すると、
僕たちは普段見過ごしている、この真理に立ち返ります。

いま何を信じて、何をすべきか?
答えを求めてみても、誰もそれを持っていない。

しかしその不安は同時に、
未来を選ぶのは自分自身だということも、
思い出させてくれますよね?

そんなわけで僕らがない知恵を絞って考えたのが、
前回お話した『取締役会議』の結果でした。

いま巷には不確かな情報が溢れています。
どの媒体にせよ、裏が取れませんし、
相互に矛盾したものも散見されます。
そこで僕らが経営判断を下すにあたって最初にやったのは、
出どころがはっきりしているソースから得た断片的な情報を線で結び、
どんな絵が描かれるか、なるべく客観的に眺めること。

こうした時に専門外のことを話すべきではありませんが、
僕らの個人的な判断の根拠というコンテクストであれば、
お許しいただけるかと思います。

僕がまず疑問に思ったのは、
2月15日に報道された救急隊員の感染事案でした。
クルーズ船ダイヤモンド・プリンセスの患者を搬送してから、
たった8時間で発症したというのは、いくらなんでも早過ぎる。
別の場所ですでに感染していたと考えるのが順当でしょう。

で、自分の頭を整理するためもあって、
タイムラインをスタートまで巻き戻してみたのですよ。

武漢市でオフィシャルに最初の肺炎患者が報告されたのは2019年12月8日。
この日を起算日として拡散ペースを空路で試算すると・・・

武漢天河国際空港の国際線利用客数は2,626,000人/年(2017のデータ)。
これを単純日割りにした数字は約7194人/日。
となれば、データは2019年のものではありませんが、
昨年12月中に空路だけでも、
7194人×23日間=おおむね16万人前後の国境を越えた出入りがあったと推定されます。
続いてアウトバウンドを単純に50パーセントとし、
そのうち、ほんの1パーセントしか感染していなかったとしても、
その数はざっと800人。

これをさらに武漢市が封鎖された2020年1月22日まで広げると、
国際線だけでも約7000人×(23日間+22日間)=約385,000人前後という、
莫大な利用客があったことになります。

また、武漢と羽田・成田の両空港間には航空3社の直行便があり、
乗継便も含めるとそれこそ何通りものバリエーションがある。

これにコロナウイルスの感染力の強さを加えれば、
実は日本も含め、中国外での感染拡大は、
すでに2019年12月の時点で始まっていた・・・

そう考えるのがもっとも自然ではないか?

もしかしたら、
昨年12月中に日本国内で発症した数々の『風邪のような』病気は、
コロナウイルスによるものも含まれていたのかもしれない。
とするとパンデミックはこれからではなく、すでに起こっている。
もっと言えば、今は拡大期よりむしろ追確認期なのではないか?

ここで僕らの経営判断の話に入ります。
ディスプレイから顔を上げて、周りを見回してみて下さい。

・・・ね?
ここ野方もそうですが、
普段となにも変わらないでしょう?

COVID-19は感染力が強力で、
これをターゲットにした予防ワクチンや治療薬はまだありませんが、
その病原性はMARSやSARSほど強くない。
ましてや死亡者数÷感染者数で出している死亡率も、
風邪と思って治ってしまった軽症ケースはカウントされていませんから、
実際は2パーセントより小さいと考えられる。
ってわけで、

経営判断 = びびることはない。

通常通り、衛生に注意して営業し、
もし感染してもインフルエンザと同じように対応すれば、
大きな問題にはならない。

それより僕がこうした時に脅威だと思うのは、
むしろウイルスより人間の弱さです。

何の症状がなくても安心材料を得たいがために病院を訪れ、
医療機関の人々を疲弊させてしまったり、
マスクや消毒薬などを買い占めて転売し、
本来必要とする人々に行く渡らなくなったりすることは、
勝てる戦いで負ける大きな原因のひとつです。

また、強力なリーダーシップが必要とされている時に、
優先度判断の誤った政争を繰り広げたり、
この病気を差別や民族主義を鼓舞するネタに使うことは、
ウイルスへの反撃の重い足かせになりかねません。

それでは今回もこれで締めたいと思います。

be cool to be wise.

えーじ
posted by ととら at 18:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年02月16日

いつもと同じのととら亭

新型肺炎の国内3次感染が報道されました。

大なり小なり、各組織の責任者の方たちは、
今後の運営に関して頭を悩ませていることと思います。

で、ととら亭では・・・

『取締役会議』ならとっくに終了しました。

で、その結論は・・・

特別なことは、何もやりません。
当面は通常営業を続けます。

え? 危機意識に欠けている?
従業員のいない個人経営のレストランじゃ、
BCPやコンティンジェンシープランなんてないだろう?

そうバカにしちゃいけません。
これでも危機管理系のプロシージャ―は、
地震、台風、やくざのご来店にわが家の夫婦喧嘩まで、
コテコテに準備してあるのですよ。

で、今回も可能な限りソースの異なる情報を集めて突合した結果、
僕らに出来るベストな対応は、
インフルエンザの流行期のものと同じだと結論しました。
これなら毎年やっていますし、
厚生労働省が推奨する『石けんやアルコール消毒液などによる手洗い』や、
『咳エチケット』なんてのは、
飲食店という職業上、年中無休でやっていることです。
何も新しいことはありません。

それに以前、お話しましたように、この件に関しても、
防疫線が突破され、アウトブレイクの可能性が高いことは、
12月下旬の段階で予想していました。
ですからことさら、ここでやるべき新しいことはない。
普段通り衛生に気をつけて飲食店の仕事をやるだけです。

同業者諸兄、クールに行きましょう。

えーじ
posted by ととら at 17:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年02月13日

いくつになっても

わが家は夫婦仲がいい方だと思いますが、
(そうでなければ風呂とトイレ以外、
ほぼ丸一日、年中無休で一緒にいるのは難しいでしょ?)
ととら亭をペアで訪れるお客さまには、
その僕らが驚くほど『らぶらぶ』な方が少なくありません。
しかも何故か、そうした方は僕らより年上が多いのです。

たとえばある、80歳以上のご夫婦の場合。

「サチオ(仮)さん、今日のランチはどっちにする?」
「両方たのんで半ぶっこすればいいじゃろ」

で、サーブすると後ろから・・・

「あら美味しい!、サチオさん、これ食べてみて!」
「うむ、こっちも美味しいよ、ほらお前も食べてごらん」

また、冷たい北風の吹くある日には・・・

「いらっしゃいませ。あれ? 今日はここでお待ち合わせですか?」
「おや? まだ来てないかい?」
「ええ。まぁどうぞ、寒いので中に入ってお待ち下さい」
「いや、わしがここにいると家内がわからんじゃろ。
 外で待ってるよ」

そうしてご主人は寒い道路でひとり待ち始めました。
やがて5分ほど経ち・・・

「こんにちは」
「いらっしゃいませ。ご主人が外でお待ちでしたよ」
「え? あなたずっと外で待ってたの?」
「いやいや、ほんのちょっとだよ。
 わしが中にいちゃお前が分からないと思ってな」

いつもこうですから、ある日、お孫さんと一緒にご来店された時、

「おじいちゃんとおばあちゃんは、とても仲がいいですね?」

と訊けば、身内の彼女ですら少し苦笑しながら、

「ええ、ほんとにそうなんですよ〜」

そんなお二人を見ていると、
年若い頃にデート(逢引き?)していた姿が容易に思い浮かびます。

ご主人の好物は羊羹よりチョコレート。

きっと明日は、
手作りのハート形チョコレートを贈るに違いありません。

それも赤いリボン付きで。

えーじ
posted by ととら at 14:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年02月10日

微妙なフェイク

近年、加工や保存の技術が発達した結果、
食べ物の進化には目覚ましいものがあります。

とりわけ僕がいつも感心するのはフェイク系。
その筆頭はインスタントラーメンでしょうか。
本物のラーメンには及ばずとも、
あれはあれで、
ひとつのアイデンティティを確立していますからね。

それからリアルさを追求したものならカニカマかな。
これも今や世界に広がり、
時折、外国の市場やレストランでも見かけることがあります。

かつての代用食は何らかの事情で仕方なく食べる不味いもの、
という位置付けでしたが、
いまやオリジナルを超え、時にはオリジナル以上に広がり、
しっかり素材のひとつとして根付いたものも少なくありません。

なんですけどね・・・

あれは去年の年末、
繁忙期を迎えた僕らは疲労の極に達していました。
そこでともこが、

「えーじ、だいぶ疲れてるみたいね」
「え? いや、それほどじゃないよ」
「うそ。顔に出てるもん」
「そう?」
「よ〜し、今夜は奮発して栄養をつけよっか?」
「いいね! それは楽しみだ!」

そして夕方(僕らの昼食)。

「お、いい匂いがするぞ! これはうなぎの蒲焼だな!」
「あたり〜、さぁ、できたよ〜!」

「ん〜・・・この香りだけでもおかずになるじゃないか」
「ほらほら、山椒を振って」

「・・・? なんかこのうなぎ、ちんまいね」
「・・・そんなことないでしょ」
「いや、ずいぶん痩せてないかい?
 それに形が・・・うなぎというより・・・」
「さぁさぁ、そんなこと気にせずに食べようよ!」

そこで一口食べてみると・・・

「おいおい、こりゃうなぎじゃないぜ!」
「ばれたか」
「なんだいこれ?」
「さんまが安かったの」
「さんま? じゃ、さんまの蒲焼?」
「そう。
 でもさ、タレは前に食べたうなぎの蒲焼に付いてたものだから、
 本物だよ」

「む〜・・・」

疲労回復の効果があったかどうかは分かりませんけど、
さすがにこれはインスタントラーメンやカニカマに比べると・・・

やや微妙なフェイクでございました。

えーじ
posted by ととら at 15:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年02月07日

2020年の取材旅行は・・・

「今度はどこへ行くのですか?」

だけではなく、

「あれ? 今年はいるんですね?」

と最近しばしば訊かれます。

そう、例年であれば、
1月下旬から2月上旬は冬の取材旅行の時期。
にもかかわらずウェブの営業スケジュールにもありますように、
ととら亭は通常通りやっているんですよね。
つまり出かけていない。

その理由は・・・

新型肺炎。

と思うでしょ?

違います。

昨年11月の段階で今年の取材旅行スケジュールは、
もう決まっていたのですよ。

これまで年に冬、初夏、秋の3回、
取材や研修で海外に出ていましたけど、
今年はそれをひとつにまとめ、ドカンと長期で行こうかな?
と思っています。

その理由はふたつ。

皆さまもご存知のとおり僕らの旅はハイパー低予算。
その内訳を見ると、
実は予算の50〜70パーセントを占めるのは航空機運賃なのですよ。
これをひとつにまとめれば、
年間予算にするとかなりの節約になるのは明らかです。

それから取材の密度。
出発前には入念に計画を練り、
食文化の情報もかなり調べてはいますが、
もっとも情報確度の高い現地でそれを修正したり、
はたまた新しい事実に直面するのは毎度のこと。

で、「なるほど、それを掘り下げて!」
と意気込むものの、ここで問題となるのは時間です。
「あと1日あれば!」と言いつつ、
後ろ髪引かれる思いで現地を後にした経験は、
2度や3度ではありませんでした、

そう、僕らの旅で不足しているリソースは、
まず時間、次がおカネなのですよ。

しかしながらおカネの方は、
僕らの場合、時間さえあれば、もっとどうにかなります。
と申しますのも、
今は移動スケジュールがタイトなので、
宿は事前に予約し、場所も相場の高い市内中心部に限定されますが、
日程に余裕があれば、移動ノルマが緩み、
「今日はこの街で泊ろうか?」
という風に出たとこ勝負で安い宿を幾らでも探せます。
もともとこういうのが僕らの旅のスタイルですからね。

で、今年はどんなことを企んでいるのかと申しますと、
秋頃、2ヵ月間くらいの期間で出かけようと思っています。
それだけの時間が取れるなら、
行く先はアフリカ西部や中米、南米など、
何ごともすんなり行かない地域もじゅうぶん射程に入りますし、
ユーラシア大陸を部分的に横断し、
これまで訪れた点と点を線で結ぶ旅も可能になります。

しかし、ここまで大きい計画ともなると、
事業計画のみならず、
公私ともに調整しなければならないことが盛りだくさん。
今はぼちぼちこれに取り掛かっているのですよ。

そうした意味で、
野方に居ても、僕らの旅はもう始まっています。
それも今までになかった旅が・・・

えーじ
posted by ととら at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記